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EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化
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印刷2014/06/12 15:01

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EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化

 2014年6月12日,EIZOは,23.8インチサイズのエンターテイメント向け液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を7月11日に発売すると発表した。前モデルに当たる「FORIS FS2333」から2年振りとなる新製品では,狭額縁仕様のデザインと,映像の視認性を向上させる機能「Smart Insight 2」が特徴となっている。
 EIZOの直販価格は4万7800円(税込)。「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」(以下,新生FFXIV)の推奨ディスプレイと位置づけられている。

画像集#002のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化


 発表に先立ち行われた内覧会で実機をじっくりとチェックしてきたので,さっそくレポートしよう。


狭額縁デザインの採用はマルチディスプレイ環境を意識


FORISブランドのディスプレイでは初となる狭額縁デザインが採用された
画像集#003のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化
 冒頭でもお伝えしたとおり,FORIS FS2434(以下,FS2434)における大きな特徴の1つが,狭額縁のデザインだ。狭額縁仕様の液晶ディスプレイは珍しいものではないが,EIZO製品としては初の試みだ。正面から見ると,上部と左右のベゼル幅は約6mmしかなく,しかも,“謎の非表示エリア”的なものも少ないため,映像への没入感は高い。
 本体サイズは539.4(W)×200(D)×398.3458.3(H)mm(※スタンド含む)と,FORIS FS2333(以下,FS2333)の545(W)×200(D)×390〜450(H)mmよりも,狭額縁仕様のおかげで横幅が小さくなった。
 EIZOではベゼルの狭さを生かしたマルチディスプレイ環境での利用をアピールしており,内覧会場ではFS2434を3台並べた環境で,ゲームを3画面表示してみせるデモを行っていたが,確かにここまでベゼルが狭いと,ゲーム中はあまり気にならない印象だ。

FS2434を3台並べた環境でFPSをプレイするデモ。ディスプレイ同士の隙間がないわけではないが,これくらい隙間が狭ければ,プレイ中はあまり気にならない
画像集#004のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化

こちらは新生FFXIVを使った3画面表示のデモ(左)。2台並べると映像間の隙間は約12mm程度になるが(右),プレイ中は中央画面に視点を置き,必要に応じて左右を見るという具合なので,隙間を邪魔に感じることは少ないと思われる
画像集#005のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化 画像集#006のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化

 狭額縁化に合わせてボディのデザイン全体も一新され,FS2333と比べるとかなりシャープな印象になった。スタンドの台座部分はあまり変わっていないが,背面全体は端に向かって厚みが狭くなる形状となっており,EIZO製品らしからぬ(?)格好良さを感じる。
 背面には赤いラインの入った突起部があるのだが,これはFS2333にもあった運搬時のハンドルになっているそうだ。LANパーティの会場などへマイディスプレイとして持ち出すときに運びやすいようデザインされたものだという。

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背面デザインは,いい意味でEIZOらしからぬスタイリッシュなものになった。赤いラインの部分は持ち運び時のハンドルだが,全体のデザインにマッチして違和感がない

スタンドを一番上まで上げた状態。写真右に見える赤い輪は,付属のケーブル留めだ
画像集#011のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化
 スタンド周りの仕様にも触れておくと,上下60mmの範囲で高さを調整できるほか,0〜25度のチルト(前後の回転,傾き),左右172度のスイーベル(左右の回転,首振り)が可能となっている。
 ピボット(回転)には対応しないが可動範囲は広い。

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チルト機能は上向きに25度となっているが(左),実機で試してみると下向きにも5度ほど傾けられた(右)



視野角の広いIPS液晶パネルを採用

中間調応答速度は4.9msに


 FS2434は,23.8インチサイズで,解像度1920×1080ドットのIPS液晶パネルを採用する製品だ。FS2333では,中間調応答速度(Grey to Grey)が3.4msという非常に高速なIPS液晶パネルを採用する点を特徴としていたが,FS2434の中間調応答速度は4.9msとのことで,数字の上では下回っている。
 また,対応する垂直リフレッシュレートも61Hzまでとなっているので,内部240Hz駆動と中間調応答速度1ms未満を特徴とするゲーマー向け液晶ディスプレイ「FORIS FG2421」(以下,FG2421)とは,当然のことながら方向性の異なる製品という理解でいい。

IPS液晶パネルの視野角はかなり広い
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 液晶パネルに関連したほかの仕様も見てみると,表示遅延は0.05フレーム以下を実現し,視野角は上下左右で178度,コントラスト比は1000:1(拡張時5000:1),輝度250cd/m2,輝度全域でLEDバックライトのフリッカーフリーを実現しているとのこと。フリッカーフリーのバックライトは,いまや珍しい仕様ではなくなりつつあるが,長時間画面を見続けるゲーマーにとっては,地味だが有用な要素だと思う。

 ちなみに,液晶パネルの発色傾向はほぼフラットで,sRGB 100%に近い色再現性を備えるとのこと。実際,デモ機の発色はとても良好だったので,ゲーム開発者が意図した色でゲームを楽しめるだろう。

 入力インタフェースはHDMI×2,DVI-D×1のデジタル3系統を備える。
 映像入力以外では,EIZO製品としては珍しく3ポートのUSB 3.0ハブ機能を搭載しているのがポイントだ。詳しくは後段で説明するが,FS2434はPCからの設定変更や画質調整を重視しており,そのためにはUSB経由でPCと接続する必要がある。それならば,USBハブ機能も付けてしまったほうが,利便性が高まるというわけである。

画像集#013のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化
映像入力は本体背面の右側に,HDMI×2,DVI-D×1の3系統を備える
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背面の右側面側には,USB 3.0ハブ機能を備える。サウンドのライン入出力もこちら側に

左側面にはヘッドフォン出力も装備
画像集#015のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化
 上に示した写真でサウンドのライン入出力用となる3.5mmミニピン端子が2つ見えるが,FS2434は,本体に出力0.5W+0.5Wのステレオスピーカーを内蔵し,また,本体左側面には3.5mmミニピンのヘッドフォン出力も備えている。HDMIやアナログ入力したサウンドを再生したり,ヘッドフォン出力したりできるので,ぱっと音を聞きたいときには便利だろう。

画像集#016のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化
電源ボタンやOSDメニュー操作用ボタンは,本体前面に目立たないデザインで配置されている
画像集#017のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化
FS2434の付属リモコン。設定の変更操作は,本体のボタンよりもリモコンを使うか,PC側アプリケーションでするほうが簡単だ


彩度も補正する視認性向上機能「Smart Insight 2」


 FS2434の持つもう1つの大きな特徴となるSmart Insight 2についてもここで紹介しておきたい。
 ベースとなっているのは,FS2333で導入された「Smart Insight」だ。これは,内蔵する映像処理エンジンで暗部の輝度やコントラストを上げて,暗くて見えにくいディテールを強調する機能だった。4Gamerのレビューでは,「まあまあ効果あり」と評価していたものだ。

 EIZOによれば,Smart Insightでは,暗いシーンの輝度を上げても白飛びしにくいように映像を補正していたが,それでも白飛びしてしまうことはあり,また,機能が効果を発揮しにくいシーンもあったそうだ。実際,その完成度については,ユーザーから不満が寄せられていたという。
 そこでSmart Insight 2では,明るさに加えて彩度も補正可能にし,さらに色相のズレもなくすことで,補正時の違和感を大幅に低減し,視認性を向上させているとのことだ。

Smart Insight 2の機能を説明したスライド。効果を強調したレベル4〜5の写真を見ると,色味も変わっているのが分かる
画像集#018のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化

 設定項目は,「RTS(Low)」「RTS(Medium)」「RTS(High)/FPS(Low)」「FPS Medium」「FPS High」の5段階が用意されており,RTS(Low)が最も弱め,FPS Highが最も強めに補正される。この点はFS2333と変わっていない。実際にFS2434のデモ機能を使って,新生FFXIVで各設定を有効にした状態とオフ状態を比較した写真を下に掲載しておくので,ぜひサムネイルをクリックして,拡大写真で確認してほしい。強めに補正された映像でも,色は輝度が破綻していないことが分かるはずだ。

Smart Insight 2の効果を撮影した写真。上段左からオフ,RTS(Low),RTS(Medium)。下段は左からRTS(High)/FPS(Low),FPS Medium,FPS Highの順で並んでいる。各画像の左半分が補正された状態で,右半分はオフ状態だ
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 参考までに,Smart Insight 2のデモをムービーにも収めてみた。こちらも合わせてチェックしてもらえれば幸いだ。



PC用設定アプリが「G-Ignition」に進化

複数ディスプレイをホットキーでまとめて操作可能に


 FS2434では,専用アプリケーション「G-Ignition」による,PCからの設定変更機能も特徴としてアピールされている。
 EIZO製ディスプレイには,もともと「ScreenManager Pro for LCD」というPC用の設定変更アプリケーションがあり,FG2421ではこれをゲーマー向けに改良した「ScreenManager Pro for Gaming」が提供されていた。FS2434のG-Ignitionは,そんなScreenManager Pro for Gamingのさらなる改良版といえるものだ。

 G-Ignitionでは,PCのキーボードにホットキーを設定して,キー操作でSmart Insight 2のオン/オフや画質設定を切り替えたり,画面サイズを切り替えたりといった機能を備える。さらに,複数のFS2434をPCに接続している場合には,ホットキーによる設定変更をすべてのFS2434に対して適用することも可能なのだという。マルチディスプレイ環境での使用を想定した,FS2434用アプリケーションらしい機能といえようか。

画像集#026のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化 画像集#027のサムネイル/EIZO,23.8インチ液晶ディスプレイ「FORIS FS2434」を発表。狭額縁デザイン採用で,映像の視認性向上機能をさらに強化
G-Ignitionの画面。ホットキー設定は複数のFS2434が接続されている場合,まとめて適用させることも可能(左)。本文ではとくに触れていないが,FS2333が備えていた超解像機能「Smart Resolution」は,FS2434にも搭載されている

 G-Ignitionで作成した画質設定は,設定ファイルとしてPC上にインポート/エクスポートが可能だ。EIZOでは,プロゲーマーが作成した設定ファイルを配布しているので,これを自分のFS2434に適用することもできる。
 ちなみにEIZOでは,ゲーム用の設定ファイルだけでなく,写真鑑賞向け設定ファイルなどの配布も考えているとのことだった。


FSシリーズの正統進化型

高リフレッシュレート液晶にこだわらないならお勧め


 昨今は,ゲーマー向けモデルを含む多機能液晶ディスプレイでも低価格化が進んでいる。そこでEIZOはFS2434を製品化するにあたり,「実売価格を5万円以下にすること」を相当に意識したそうだ。
 120〜144Hzといった高リフレッシュレート表示への対応や,G-SYNCのような目新しい機能こそ備えていないが,Smart Insight 2はゲームで実用的に使える視認性向上機能に仕上がっており,また,表示遅延の低さや色再現性へのこだわりなど,EIZOらしい特徴も光っている。短時間のタッチ&トライだったが,とても好感が持てる製品だった。高リフレッシュレート表示を重視しない人なら,FS2434はゲーム用液晶ディスプレイとして有力な選択肢になるのではないだろうか。

 なお,発売日は7月11日だが,EIZOの直販サイト「EIZOダイレクト」で予約すると,先行出荷キャンペーンとして7月4日に製品を受け取れるという。「1日でも早く手に入れたい!」という人は,こちらを選んでもよさそうだ。

●FORIS FS2434の主なスペック
【液晶パネル】
  • サイズ(表示サイズ):23.8インチワイド(可視域対角60.4cm)
  • 液晶方式:IPS,ノングレア
  • 解像度(画素ピッチ):1920×1080ドット(画素ピッチ未公開)
  • 表示色:約1677万色
  • 視野角:左右178°上下178°
  • 輝度(最大値):250cd/m2
  • コントラスト比:1000:1(コントラスト拡張機能有効時5000:1)
  • 応答速度:4.9ms(GtG)
  • バックライト:白色LED

【入力系】
  • 水平周波数/垂直周波数:HDMI入力時 15〜68kHz/49〜61Hz,DVI入力時 31〜68kHz/59〜61Hz
  • ビデオ入力端子:HDMI×2,DVI-D×1(HDCP対応)
  • ビデオ入力解像度:未公開
  • サウンド入力端子:HDMI×2,3.5mmステレオミニ×1
  • スピーカーシステム:2ch(0.5W+0.5W)
  • サウンド出力端子:3.5mmステレオミニ×2

【そのほか】
  • 消費電力:標準15W(最大46W,節電設定時0.5W以下)
  • 本体サイズ:539.4(W)×200(D)×398.3〜458.3(H)mm(※スタンド含む),539.4(W)×52.5(D)×344(H)mm(※モニター部のみ)
  • 重量:約5.2kg(※スタンド含む),4.0kg(※モニター部のみ)
  • チルト角度:上25°,下0°
  • 高さ調節:60mm
  • 主な付属品:電源ケーブル,HDMI−HDMIケーブル(2m),DVI-D−DVI-Dケーブル(2m),USB 3.0ケーブル(2m),ステレオミニ−ステレオミニケーブル,リモコン,リモコン用電池(CR2035),ユーティリティディスク,VESAマウント取り付け用ネジ×4,保証書付きセットアップガイド

FS2434 製品情報ページ

EIZOダイレクト


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