[TGS 2011]Kinectはクリエイター魂に火を付けるハード。Xbox LIVEアーケードで配信される予定の「Project Draco (仮称)」を開発者の二木幸生氏に解説してもらった
![]() グランディング 取締役の二木氏。身振り手振りを交えながらProject Dracoの魅力を語ってくれた |
![]() マイクロソフトディベロップメントの丹家氏。かつて別のプロジェクトで二木氏と組んだこともあるとか |
Project Dracoの解説を行ってくれたのは,ディレクターを務めるグランディングの二木幸生氏だ。さらにマイクロソフトディベロップメントの丹家敏晴氏にも,二木氏のサポート役兼ゲームのデモンストレーター役として参加していただいている。
前述したとおりProject DracoはKinect専用タイトルなので,体全体を使って操作を行う。進行ルートが決まっているコースを自動で飛んでいきながら,敵を撃ち落としていくレールシューティングスタイルのゲームだ。プレイヤーが前後左右に体を動かすと,それに連動してドラゴンも移動する仕組みになっている。敵を撃ち落とすにはまず,敵がいる場所に狙いを定め,手をかざしてロックオン。その後,手を振ると弾が発射され敵を撃ち落とせる。攻撃に使う武器というかスキルは,さまざまな種類が存在していて,左右それぞれの手ごとにアサインできるので,両手をうまく使い分ける必要がありそうだ。
このほか,上から下へ両手を同時に振り下ろすと敵全体にダメージを与えるなど,特殊なスキルもあるそうだ。
![]() 体の傾きに合わせてドラゴンが移動する仕組みになっている |
![]() 手をかざした場所に照準が現れて敵をロックオン,手を振ることでホーミング弾が撃ち出される。細かな操作はスキルによって変わるとのこと |
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激しい動きで操作するシーンとそうでないシーンとを交互に設定したり,左右の手を交互に使わせてメリハリをつけることで,単調になることを防ぐと同時になるべく体が疲れないようにしているのだそうだ。
さらにバランス調整のために導入されたのが,ドラゴンの育成要素である。最初は難易度が高いと感じても,ドラゴンを育てながら遊ぶことでプレイヤーの腕も少しずつ上達していくというのが狙いなのだという。
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スキルは多種にわたっており,たとえばボム一つとっても,攻撃力が低いけれど全体に対して効果のあるものや,逆にピンポイントにしか効果がないけれど非常に強力なものなどが存在しているとのこと。これらのスキルをどの場所で装備し,どう使っていくかはプレイヤー次第というわけだ。
ちなみにスキルは,150種類以上が用意されており,攻撃スキル以外にもさまざまな能力が修得できる,また,最初に選ぶドラゴンによって,色や見た目なども変わっていくとのことなので,自分だけのドラゴンを作り上げていくという点でもかなり面白そうだ。
こうして育て上げたドラゴンは,Xbox LIVEを通じてフレンドと協力プレイで活躍させることもできる。最大3人で1つのステージを同時にプレイできるようになる予定だそうで,装備しているスキルによって役割分担ができるだけでなく,強力な敵をみんなでわいわい攻撃できるのが楽しそうだ。二木氏によれば,とくに後半のステージは,マルチプレイがオススメとのことだ。
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ところで,二木氏の名前とドラゴンが出てくる3Dシューティングと聞いてピンときたコアなゲームファンも少なくないはず。
そう,かつてセガから発売された「パンツァードラグーン」シリーズである。
もちろんProject Dracoは,セガから発売されるわけではないし,パンツァードラグーンとは何の関わりもなく,二木氏もとくに意識したつもりもないそうだ。
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「パンツァードラグーンは,ストーリーを主体にしたムービーに近い一本道のゲームだったので,現在ではやはり古い印象があるんです。Project Dracoで一番大きいのは,Kinectというまったく新しい操作方法が得られたことで,それだけでももうまったく違うゲームといっても過言ではないと思います。さらに配信タイトルという多くのリソースを割けない状況にもかかわらず,育成要素を用意するなどしたので,パンツァードラグーンとはゲームの作り方も違ったものになってます」と二木氏は語ってくれた。
ファンとしては少々複雑な心境だが,「あの伝説の二木氏が手掛けた現代のドラゴンシューティング」という素直な気持ちでリリースを待つのが正しい姿勢なのではないだろうか。
余談ではあるが,二木氏が考えるドラゴンは,ファンタジーなどに登場するものとは違い,「口からレーザーを吐く」など,怪獣映画に出てきそうなイメージなのだとか。
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さらに,北米においてはKinectがすごく売れているし,市場も大きくなってきているので,結果的にProject Dracoを作れたことはすごくよかったと感じているのだと二木氏は言う。
残念ながらTGS 2011には出展が見送られてしまったProject Dracoだが,予定では2011年冬にXBLAで配信予定とのことなので,続報に期待しつつ待ちたい。クリエイター魂に火が付いた二木氏,渾身の一作になるはずだ。
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- ライター:稲元徹也

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