アルケミストは本日(11月2日),PSP用ソフト「
Princess Frontier Portable」を2011年春に発売すると発表した。
本作は,2008年にAXLから発売されたPC用ソフト
「Princess Frontier」をPSPに移植した作品だ。世界観は,騎士や姫が登場する王道の西洋ファンタジー。しかし,語られる物語は,左遷された騎士候補生とその仲間達(?)による辺境の土地でのドタバタラブコメディといったところらしい。
今回は,初報ということで本作のプロローグと主要キャラクター,そしてPC版のイベントCGがいくつか公開されているので,さっそく確認してみよう。
なお,PSP版への移植にあたって。シナリオの加筆や新規イベントCGの追加が行われているとのこと。詳細は,続報が入り次第お伝えするので,お楽しみに。
■Princess Frontier Portableプロローグ
全ての始まりは、騎士任官式典パーティーの夜――
王国の若き騎士候補生、リュウ・ドナルベインは、式典の真っ最中、王侯貴族の集う席上で階段に躓いてしまう。派手にすっ転んで姫様を巻き込んで倒れてしまい、公衆の面前で恥ずかしい姿を晒すことに。
死を命じられてもおかしくない大失態。騎士道不覚悟の不敬罪。
幸か不幸か、無礼討ちという最悪の事態は免れたものの……リュウ・ドナルベインの転落人生は、ここから始まるのである。
そんな彼に下された辞令は、辺境の村で国境警備隊の新任隊長になること。誰の目から見ても左遷。地理上の任地を見ても文字通りの左遷。
「あの……ちなみに、どんな場所なんですか? 俺の任地って」
恐る恐る尋ねるリュウに、返ってきた答えは……
「空気が美味くて、緑がたくさんあって、あとは……そうだな。空気が美味い」
そう。彼の任地は、想像を遥かに超えた田舎村。
必要以上に空気が美味くて、緑が豊富すぎる場所。
「新しい隊長殿ですねっ、お待ちしておりましたっ」
びしぃ! と自分の額にチョップをかます奇妙な敬礼で、新任隊長のリュウを迎え入れてくれたのは――明らかに年下の村娘ロコナと、根っからのむっつりスケベな老人ホメロの2人だけ。
「こ、こんなのウソだぁぁぁぁぁッ!」
アクの強い仲間たちと送る、ファンタジックな田舎生活。
次々に巻き起こる、トラブルとアクシデント。
……そしてある日、ポルカ村に謎の貴族少年がやって来る。
態度がデカく、世間知らずで負けず嫌いのお坊ちゃま。
その正体は……リュウの左遷の原因となった、あのお姫様だった!
村に伝わるという幻の花を探して、てんやわんやの大騒ぎ。
能天気で平和な、でも本人たちは必死な。
そんなドタバタ辺境物語が、始まろうとしていた。
■Princess Frontier Portable 舞台設定
・世界観
あからさまな「魔法」は存在しない世界。騎士・兵士は剣と楯で戦い、交通手段は馬がメイン。一部で魔術師と呼ばれる人々は、うさんくさいマジナイを行うだけで、今となっては数も少ない。かつては本当の「魔法」も使えた、と言われている。人間のみならず、半獣人も住み暮らしており、その形態は様々。もっとも恐ろしい生物はドラゴンであり、成体のドラゴンに出会って、生きて帰れる者はいないと言われている。
・国家と大陸
物語の舞台となる国々は、大陸の中央に位置する諸国。大陸には、大小含めて10を越える国々が存在している。主人公、リュウ・ドナルベインの住み暮らす国は、大陸の中央にある大国、テクスフォルト王国。海を持たない国でもある。王室直轄の領地に加えて、地方では貴族諸侯が領主として君臨する国家形態をとっている。
テクスフォルト王国の西端に接する隣国は、トランザニア公国。
二つの国の間には大森林が広がっており、天然の防壁となっている。
・辺境周辺
大森林に面する形で、いくつかの小さな村が存在する。
主に牧畜・農業・林業で暮らしを立てている地域だが、近隣に良質の岩塩鉱山があるため、村の男たちは出稼ぎに向かうことが多い。海を持たないテクスフォルト王国にとって、岩塩は貴重な存在。男たちが出稼ぎで不在の間は、村の女たちが働いている。リュウの任地「ポルカ村」は、そんな村の中の一つで、人口80人ちょっとの小さな村。名産品だった「ポルカの赤麦」を主力に、牧畜、革製品、織物、森の恵みを行商人に売って、基本的には自給自足の生活を営んでいる。
■Princess Frontier Portable キャラクター紹介
◆アルエ
(アルエミーナ・リューシー・テクスフォルト・ゼフィランス)
「なんとしても――ボクは、男に戻るんだっ!」
テクスフォルト王国第4王女で王位継承権を持つ少女。
父親は現在の国王。
高潔で正義を重んじる性格でかなりの負けず嫌い。
庶民暮らしを知らず、もちろん田舎暮らしも知らないため重度の世間知らず。
知らないことでも知ったかぶりしてボロを出してしまう等かわいいところもある。
「知らない」「出来ない」「助けてほしい」等の言葉を素直に言う事が出来ない。
普段は男装しており、自分のことも「ボク」と呼ぶ。
周囲には「本当はボクは男なんだ。呪いをかけられて女の姿にされたんだ」と公言している。
その言葉は本当か、嘘なのか、分からないままに物語は進んでゆくのだが……
◆ロコナ
「初めてお会いしたとき、ぴぴーんときましたっ!」
村の少女で辺境警備隊に属する唯一の兵士。
真正直で他人を疑うことを知らない性格。
周囲にウソを吹き込まれて遊ばれるタイプ。
着任前から、近衛騎士団出身の主人公を敬愛しており、神格化している。
そのため、主人公がダラけても「きっとあの行動には深い意味が!」などと信じきってしまう。
家族は、村の老婆ヨーヨードの一人だけ。
地理や動物に明るく、手先が器用。
料理はお手の物で、辺境ならではの豊富なメニューに精通している。非力だがそれを補って余るほど動きが軽やか。現在は弊社で暮らしている。
◆レキ・ロックハート
「今のうちに善行を積んで、心象を良くしておくことだ」
神殿から派遣されている女神官。リュウよりも2年ほど早く、辺境に任官している。
生真面目を絵に描いたような性格で、融通がきかない。
冗談が通じずお堅い性格のためか、村人からは少し近寄りがたい存在に思われている。
王都最高峰の学術院で主席だったこともある、超エリート。
ある事情から、万病に効くという薬草を探すために、学術院を飛び出して辺境神官の座を希望した。
賭け事、飲酒、男女交際に厳しく、時には疎い。
しかし辺境警備隊の面々に影響を受け、次第に理解のある少女へ変わっていく。
◆ミント・テトラ
「いっひ♪大もうけの匂いがしますなぁ♪」
王都で細々と商売をしている貧乏商家「テトラ商会」の、ただ一人の全権経営者であり従業員。
常に「チャンスを掴んで一攫千金」と意気込んでいるものの、経営者としての手腕は微妙で、失敗ばかりを繰り返している。
「商いは、細かいゼニからコツコツと」を信条に、金になることならなんでも手を広げようとする、
ナチュラルボーン守銭奴っ子。
しかし、肝心なときの金の使い方はしっており、金に使われるな、金を使えという家訓を実践している。