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[GDC 2012]ゲーム業界はインディ開発の“ルネッサンス期”へ突入か。自由なゲーム開発形態について語られた「ガレージへ戻ろう」セッションレポート
【参加者】
- ジョーダン・メクナー(Jordan Mechner)氏 「カラテカ」「プリンス・オブ・ペルシャ」の生みの親
- ティム・スウィーニー(Tim Sweeney)氏 Epic Games創設者。Unreal Engineの生みの親
- ジョン・ロメロ(John Romero)氏 「DOOM」「Quake」リードデザイナー
- アダム・サルツマン(Adam Saltsman)氏 iOSアプリ「Canabolt」開発者
- マルクス・ペルソン(Markus Persson)氏 「Minecraft」(PC / Xbox 360)開発者
なんというか,そうそうたるメンバーである。そして,著名なデベロッパである点以外は共通点がないように思えてくる彼らだが,実は皆インディーズゲーム開発者としての活動も行う開発者なのだ。
またゲーム業界には十数年のブランクがあるメクナー氏も,そういったインフラが整ったことを受けて「パブリッシャに頼らずゲームを作ってしまおう」と,数名の仲間と共に「Karateka」(カラテカ)(PlayStation 3 / Xbox 360)の復刻版を開発中の身なのだ。
現在,コンシューマゲーム機向けのAAAタイトルを開発するには40〜100億円はかかると言われ,ここにはさらに流通・広報に必要となる莫大な費用が上乗せされることになる。例えば2010年にElectronic Artsからリリースされた「Medal of Honor」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)の発売時に,「300万本売れなければ新作は出さない」と公言されていたのは有名な話(関連記事)だが,開発費を考えれば仕方のないことだと納得してしまう。ちなみに結局本作はその本数をクリアし,GDC 2012会期中に新作「Medal of Honor: Warfighter」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)の制作を発表している。
そんなハイリスクハイリターンなAAAタイトルを開発できるのは,世界で10社に満たない大企業の特権だろう。しかしその一方で,MinecraftやInfinity Bladeなど,少ない開発費のタイトルでも大きな収益を見込める環境が整い始めており,インディーズゲーム開発者が伸び伸びとゲームを作れる「ルネッサンス期」であるともいえるのである。
開発形態のバリエーションが増えたことで,ゲーム業界の古株から新人までがゲームで糧を得ることができるようになっている。それによって,ゲーム産業の人材プールが,ひいては新しいアイデアの生まれる余地が大きく広がっており,産業としてのゲームが以前より強固なものになりつつあるのは間違いないだろう。Lionhead Studiosを率いて「Fable」シリーズを生み出したピーター・モリニュー氏の独立などが大きな話題になっているが(関連記事),今後もこうしたトレンドは続きそうだ。
GDC 2012公式サイト
- 関連タイトル:
Minecraft
- 関連タイトル:
Minecraft:Xbox 360 Edition
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