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日本マイクロソフトとNTTドコモ,法人向けタブレットで協業。「Windows 8」と「Xi」で市場を開拓
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印刷2012/11/02 00:00

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日本マイクロソフトとNTTドコモ,法人向けタブレットで協業。「Windows 8」と「Xi」で市場を開拓

 2012年11月1日,日本マイクロソフトとNTTドコモは共同で記者会見を開催し,法人向けタブレット市場開拓に関する協業で合意したと発表した。あくまで今回発表されたのは法人向けであり,エンドユーザー向けに関する発言はなかったが,今後のゲームタイトルに少なからず影響を与えるであろうタブレットの展開なので,発表会の様子をレポートしてみたい。


Xi網を活用した法人向けタブレット展開


画像集#003のサムネイル/日本マイクロソフトとNTTドコモ,法人向けタブレットで協業。「Windows 8」と「Xi」で市場を開拓
 今回の発表で明らかとなったのは,Windows 8とNTTドコモのLTE通信「Xi」を連携させ,両社が共同で法人向けタブレット市場を開拓していくということだ。具体的には,法人向け市場において,Windows資産とXiの高速回線,そしてデバイスを一体的に提供するソリューションを打ち出していくという。その柱となるのは,「共同顧客開拓の展開」「共同プロモーション」「パートナーソリューション共同開拓・連携」の3つとなる。

日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏
画像集#004のサムネイル/日本マイクロソフトとNTTドコモ,法人向けタブレットで協業。「Windows 8」と「Xi」で市場を開拓
 日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏は,「法人におけるWindows資産というのは,非常に膨大」と語る。Windowsがコアになっているシステムは多数存在するし,大半の会社ではWindowsを中心に社内ネットワークが構築されているといっていい。オフィスワーカーの人なら,それはよく分かることかもしれない。
 そういったWindowsを中心としたオフィス環境というのは,2000年代に入ってから加速しており,破竹の勢いでシェアを拡大するスマートフォンやタブレット端末の存在はあくまでも後付けだ。確かに,スマートフォンやタブレットは,その利便性の高さから,既存のWindows資産と組み合わせて利用されるようになってはいるが,OS的な競合やファイルのやり取りの面倒さなどもあり,クラウド経由でそこそこなんとかやれているというのが実情だろう。またポリシー管理や,複数台の運用,外出先における社内システムへの入りにくさといった問題点もある。

画像集#005のサムネイル/日本マイクロソフトとNTTドコモ,法人向けタブレットで協業。「Windows 8」と「Xi」で市場を開拓

 とくに複数台の運用という点では――モバイルガジェットが好きなユーザーも感じることかもしれないが――スマートフォンやタブレット端末だけでは効率が悪いケースが少なくない。たとえば,特定の素材を集めて,効率よくリネームし,ZIPファイルに圧縮してアップロードするとなると,Windowsのほうが都合がいい。複数の資料を同時にチェックしながら話を進める場合も,シングルタスク前提のスマートフォン&タブレット向けアプリでは追いつかない。そういった部分を押さられるとデバイスとなると,やはり,Windows採用機に着地するというわけだ。

 もちろん,写真を撮って,文章を添えてメールで送信といった場合は,逆にスマートフォンやタブレットのほうがスムーズだったりする。スマートフォンやタブレット端末には,そういったメリットがたしかにあるのだが,Windows中心の自宅環境にiOSデバイスなりAndroidデバイスを組み込もうとして,あまり根っこにまで組み込めず,結局,動画をストリーミングで視聴したり,リモートアプリでPCを操作したりといった使い方をしている人は多いのではないだろうか。
 また,文字入力面については,スマートフォンやタブレットだとやはり限界があるため,能率的に作業を進めるのは難しくなってくる。その結果,ノートPCとスマートフォンもしくはタブレット端末を持ち歩き,用途に合わせて使い分ける,というのが現状のビジネスシーンで目立つ。しかし,それはスマートといえるのだろうか。

画像集#006のサムネイル/日本マイクロソフトとNTTドコモ,法人向けタブレットで協業。「Windows 8」と「Xi」で市場を開拓

 そんな流れのなかで,「既存のWindows資産を活用しつつ,組み込みやすく,かつ操作性に優れた存在」として今回のような「Windows 8タブレット市場の開拓」という選択肢が浮かび上がってきたというわけだ。
 必然といえば必然かもしれないが,上記のとおり,国内のWindows資産は膨大で,法人の利用シーンの大半をフォローできる。既存のWindows用アプリケーションが利用できれば,ポリシー管理もやりやすく,外出先からの社内システム利用にも問題はないということになる。
 「50社ほどが,他メーカー製タブレット端末の導入を検討していたが,Windows 8のタッチデバイスとの相性の良さから,Windows 8タブレットの採用を決定した」と樋口氏が語っていたが,それはこういった背景を踏まえてのことなのかもしれない。

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 さて,そんなWindows 8タブレットだが,樋口氏によれば,13メーカーから250種類以上が登場予定とのこと。「タブレットタイプ」や「ハイブリッドタイプ」「スライドタイプ」「回転タイプ」など,タブレット型ながらノートPCとしても利用できる形状が用意されている点は見逃せないポイントだろう。
 また,タブレット端末とノートPCの両方を持ち歩く必要がないというのは,導入コストや保守面で都合がよく,用途に応じた形状を選べばいいわけだ。

 もちろん,そういったメリットは,タブレット市場ですでに大きなシェアを持つiOSとAndroidも見据えたものであり,日本マイクロソフトとしても推していきたい部分なのだろう。

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信頼度の高いドコモの存在


 ところで,なぜドコモと協業なのか。キーになっているのは,やはりXiの存在だ。法人がWindows 8タブレットを導入した場合,ハードとソフトだけでなく,通信キャリアの信頼度も重要になってくる。それはスマートフォンでも同じことで,いくら高速回線を謳っても実効速度が遅くては意味がないし,都市部を離れたらつながらないのでは意味がない。

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NTTドコモ 代表取締役社長 加藤 薫氏
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 各社がLTEを導入しているなか,NTTドコモのXi契約数は2011年度(2012年3月末日まで)で222万件,2012年度(2013年3月末日まで)の目標は1100万件となっている。NTTドコモ代表取締役社長の加藤 薫氏によれば,2012年10月末時点で670万契約を突破し,中期的目標を2015年度までに4100万契約に上方修正する勢いとのこと。また,全国政令指定都市人口カバー率100%達成に加えて,2012年度末までに純人口カバー率を75%へ,同年度末までにXi対応基地局を2万3000局まで増やすとし,加藤氏はLTEネットワーク基盤の強さをアピールした。

 ただ,Xiというと,気になってくるのはスマートフォンだ。タブレット端末と同じく,Windows資産を活用するのであれば,Windows Phone 8の存在が気になるところだが,加藤氏は,「Windows Phone 8の需要が高まる可能性があるため,導入を考えてはいるが,いつになるかはまだ言えない状況」と述べていた。「注視」や「検討」といった単語を強調していたので,NTTドコモからWindows Phone 8が発売される可能性はあると見ていいかもしれない。
 なお,法人向けとして利便性が高そうな「Surface」の国内発売については回答がなかったものの,両氏の反応を見るに,日本投入の可能性が絶望的にないわけではなく,タイミングを見計らっているようにも感じられたことは付記しておきたい。

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 というわけで,法人向けの発表ということもあり,Windows Phone 8やSurfaceの登場はなかったが,法人でのノウハウを経て,一般向けへ展開が期待できる発表会だったのではないだろうか。時期的に見て,年内に動きがあるようには思えないが,もしかしたら春あたりには何かあるかもしれない。

Xi対応のパナソニック製「レッツノートAX2」を持つ樋口氏と加藤氏
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日本マイクロソフト公式Webサイト

NTTドコモ公式Webサイト

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