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「Dragon's Dogma」では,油瓶を投げつけ炎の弓でサイクロプスを炎上させることも可能。RPG要素もたっぷり紹介された,メディア向けプレゼンをレポート
オープンワールドアクションである本作では,ドラゴンに心臓を奪われ“覚者”となった主人公による,ドラゴンを倒す冒険の旅が描かれる。
本作はハイ・ファンタジーの世界を冒険できるのが特徴で,キメラ,グリフィン,ハイドラ(ヒュドラ),サイクロプス,ゴブリン,ハーピー,リザードマンといった登場モンスター達は,ギリシア神話などを原典としたイメージが,そのまま再現されている。
「Dragon’s Dogma」公式サイト
今回は,本作のプロデューサーであるカプコンの小林裕幸氏が,本作の気になる要素を実機デモでプレゼンしてくれた。今まで明らかにされなかったシステム面なども判明したので,本稿ではその模様をレポートしよう。
なお4Gamerでは,“ゲームアーカイブス700本突破記念企画”において,小林氏にインタビューを実施しており,その中で「Dragon's Dogma」についても,いろいろと語ってもらっている。本作に興味を持っている人は,ぜひ合わせてチェックしてほしい。
「Dragon's Dogma」プロデューサーの小林裕幸氏 |
実機デモを担当した,プランナーの鈴木良太氏 |
プレゼンの前に上映されたのは,B'zによる本作の主題歌「Into Free -Dangan-」をBGMにゲームシーンが収録されている本作のトレイラーだ。「Into Free -Dangan-」の歌詞は全編英語で,実際にゲーム内のオープニングなどでも流れるようになっている。
小林氏によれば,アーティストにB'zを起用したのは,より多くの人に本作のことを知ってもらいたい,という狙いも込められているそうだ。
装備の重ね着ができるなど,こだわりのシステムが判明
本作の世界には時間の流れが存在し,ゲーム内のキャラクター達も,時間の流れに沿って“生活”をしている。ちなみに,ゲーム内の1日は,実時間で1時間弱相当になるそうだ。
街中にいるNPCと会話したり,プレゼントをあげたりすることで好感度が上下し,好感度が上がると,新しいクエストが出現することがある。街中には掲示板もあり,クエストはここで受注することになる。なおクエストは,同時に複数受注できるようになっている。
小林氏によれば,ゲーム内でメインクエスト/サブクエストといった区別はあえて表示させておらず,ストーリーの進行に影響するようなクエストは,「なんとなく分かる」ような形にしているとのこと。
本作には,ファイター/ストライダー/メイジという基本職,ウォリアー/レンジャー/ソーサラーという上級職,ミスティックナイト/アサシン/マジックアーチャーという混成上級職,計9つの職業が用意されている。主人公は9つの職業すべて,メインポーンは混成上級職を除く6種類の職業で転職が可能だ。転職は,街の“組合宿”で行い,転職時には“ジョブポイント”を消費する。
また,街の組合宿では,メインポーンのAI傾向や言葉遣いなどをカスタマイズできる。組合宿でポーンと対話することで,戦闘時の行動などを設定できる。
防具は,頭/胴/腕/脚/アクセサリーの5部位に分かれており,胴や脚では,アウターとインナーが存在することが確認できた。たとえば,鎖帷子の上にプレートメイルを着用するというように,重ね着も可能。ただし,装備品の総重量が重くなると,スタミナゲージの消耗が激しくなるといったデメリットもあるので,注意が必要だ。
また,購入済みの装備の交換は,基本的に組合宿で行うことになるが,予備武器を冒険に持っていけば,装備の変更もできる模様。ただ,予備の武器を持つことでも総重量が重くなるため,スタミナゲージの消耗が激しくなるとのこと。
習得したスキルは,○/△/□ボタンに割り当てることで,戦闘時に使用が可能。メインとサブの切り替えもできるため,合計6個のスキルを戦闘時に割り当てられる。
なお,今回デモで使われたスキルの中には,ポーンを空中高くに放り投げるというものがあった。たとえば,ハーピーのような空を飛ぶモンスターにこのスキルを使えば,ジャンプしたポーンが空中でモンスターを捕まえて地上に落とす,といった使い方もできるようだ。
人に“貸した”ポーンが他プレイヤーとの冒険の“知識”や装備を持ち帰ることも
本作では,主人公が“ポーン”と呼ばれる仲間達と,最大4人のパーティを組んで冒険する。このうち,主人公と“メインポーン”は基本的に固定。残り2人の“サポートポーン”は,街のあちこちにいるポーンをスカウトしたり,“リム”と呼ばれる石で好みのポーンを召喚したりして,仲間に迎えることになるのだ。
なお,自分のメインポーンを,PlayStation NetworkやXbox LIVEなどにログインした状態で“共有”すれば,オンラインに接続した他プレイヤーが,それを自分のサポートポーンとして雇えるようになる。これは同期ではなく,“共有”をしたタイミングのデータのコピーを,それぞれのプレイヤーが借りる,という形だ。
人に貸してもポーンのレベルは上がらないが,他プレイヤーと冒険した地域や戦ったモンスターの知識は蓄積される。
雇ったプレイヤーが,再びオンラインに接続するとデータが更新され,その後,自分がオンラインに接続すれば,マイゲームのメインポーンに,他プレイヤーと冒険したデータが反映される,という感じだ。
たとえば,自分が初めて戦うモンスターであっても,メインポーンが他プレイヤーと一緒に戦った経験を持っていれば,そのモンスターの弱点を教えてくれることもある,というわけだ。
なお,ポーンの貸し借りを通じて,友達に装備をプレゼントすることもできるという。
小林氏によれば,他プレイヤーから借りたポーンの装備を変更することも可能で,変更した状態で“返却”すると,貸し出したプレイヤーのもとには,そのときポーンが着ていた装備が手に入る,ということらしい。
ちなみに,身ぐるみ剥いでの“返却”もできるようだが,その状態で“返却”されても,自分のゲームから装備がなくなるようなことはない。もともとの装備品は,装備を脱がせた時点でオーナーの手元に戻るそうなので,安心してほしい。
そのほか小林氏からは,ポーンのスカウトについての話も出た。氏曰く,主人公のレベルと同程度のポーンであれば,気軽にスカウトできるが,レベルが高いポーンをスカウトするには,コストがかかるそうだ。
小林氏は,オンラインに接続すれば,ほかのプレイヤーのメインポーンを,サポートポーンとして雇用できるが,データを更新してあまりにレベルに差がついた場合,そのポーンを借りられなくなる可能性があるとも話していた。詳細までは語られなかったが,主人公より高レベルのキャラを借りるには,何かしらの制限がつく,といったところだろうか。
ちなみに,PlayStation NetworkやXbox LIVEでフレンド登録しているユーザー間の場合,ポーンの雇用にコストはかからないとのことだ。
アクション要素はテンポの良さと戦略性の高さが好印象
今回のプレゼンでは,とある丘陵地帯のような場所で,ゴブリンの集団およびサイクロプスと戦うという,フィールドでの戦闘デモも行われた。
まず,ゴブリンとの戦闘では,主人公が火薬の詰まったタルを投げて爆発させたり,ゴブリンを抱え上げて崖から投げ飛ばしたりと,「つかむ」アクションでできるさまざまなことがさり気なく行われていた。
パーティの仲間も,遠くから魔法で攻撃するポーンがいれば,集団の中に突っ込んでいくポーンがいたり,ふと見るとゴブリンを羽交い絞めにしているポーンがいたりと,皆が生き生きと戦っている印象だ。
主人公達は「つかむ」アクションで,人間の数倍もの身の丈があるサイクロプスの体をよじ登り,頭などに攻撃する。実際(?)であれば当たり前のような動作を,ゲームで違和感なく再現しているというのは,かなり新鮮に感じられた。
また,今回は主人公が持っている“油瓶”をサイクロプスに当て,そのあと炎の矢を射って,サイクロプスを炎上させるという実演も行われた。アイテムのバリエーションがどれだけあるのかは不明だが,戦闘一つをとっても,さまざまなアプローチが行えそうである。
なおサポートポーンは,主人公と一緒に戦ってくれるのだが,力尽きることもある。ただ,主人公が近寄って触れる(○ボタンを押す)だけで,何度でも復活できるという安心仕様になっているのだ。
つまり,戦うのはポーン達に任せ,主人公は指示だけ出して,彼らが力尽きたときだけ手助けする,というような,高みの見物的な戦い方もできるというわけだ。
ちなみに,本作にはスクリーンショットの撮影機能が用意されており,ゲーム中いつでも記念撮影が可能だ。撮影したスクリーンショットは,PS3/Xbox 360本体に保存される。
そのほか,Webサービスで,自分のメインポーンの画像などをアップし,世界中にアピールができる「Pawn Community」が用意されることも明らかにされた。
これは撮影したスクリーンショットとともに,レベル/ジョブ/スキルといったデータを入力して投稿するというもの。投稿されたデータは,さまざまな条件で絞って検索することも可能だ。また,自身のFacebookページやTwitterでも共有できる(※Xbox 360版はFacebookのみ)。
今回のプレゼンで紹介された内容は,以上ですべてだ。最後に,小林氏への質疑応答が行われたので,その内容をざっとまとめておこう。
まず,本作のフィールドの広さについての質問が出た。具体的な数字での回答ではなかったが,端から端まで横断するのに,実時間で4時間ほどかかるとのこと。アクションゲームということもあり,キャラクターの移動スピードはけっこう速かったので,かなり広いフィールドであると思われる。移動をショートカットできる乗り物のようなものは基本的にないが,指定したポイント(※複数指定可能)に一瞬で移動できるアイテムは用意されているそうだ。
また,ゲームクリアまでどれくらいかかるかという質問に対しては,「クリアに最短で50時間程度」かかるとの答えが返ってきたので,ボリュームは相当期待できそうである。
今回は,残念ながら実際にプレイすることはできなかったが,RPG要素がふんだんに用意され,アクション要素も,カプコンらしいテンポの良いものに仕上がっているという印象を受けた。戦士系と魔法使い系の職業では戦い方もがらりと変わるため,やり込みがいもありそうだ。
配信日は未定だが,本作の体験版の配信が決定している。体験版で作成したキャラクターは,製品版に引き継ぐことができる。本作に興味を持った人は,配信されたらぜひプレイして,「Dragon's Dogma」の世界をその目で確認してほしい。
「Dragon’s Dogma」公式サイト
※(4月2日18:00頃)メーカーからの依頼に伴い,一部文章を修正しました。
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