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「ドラゴンクエストX」大型アップデート「バージョン1.4」インタビュー。新たなコンテンツ/機能に対するプレイヤーの反響を,齊藤陽介氏と藤澤 仁氏に聞いた
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印刷2013/06/08 00:00

インタビュー

「ドラゴンクエストX」大型アップデート「バージョン1.4」インタビュー。新たなコンテンツ/機能に対するプレイヤーの反響を,齊藤陽介氏と藤澤 仁氏に聞いた

「日替わりクエスト」の報酬改善に見る「ドラゴンクエストX」内の経済


4Gamer:
 それではバージョン1.3以前のこともいくつか教えてください。
 バージョン1.4では「神話篇」がスタートしましたが,バージョン1.3では,その予兆クエストが期間限定で配信されていました。正直,移動距離が長いこともあって,しんどいという感想も見受けられましたが,達成率などはどうだったのでしょうか?

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藤澤氏:
 予兆クエストは,アクティブプレイヤーの56〜57%程度がクリアしています。難度や条件が厳しいことを考慮すると,予想以上に多くの方がクリアしたなと感じています。移動距離は確かに長かったですが,各国巡り系のクエストは「ドラゴンクエストX」ではまだやっていなかったので,色々なバリエーションのうちのひとつと受け止めてもらえればなと。

4Gamer:
 バージョン1.3から実装されている「日替わり討伐クエスト」とかはどのくらい遊ばれているんですか? 今回,報酬の仕様が変わって,さらに遊ばれるようになるのかなと思えますが。

藤澤氏:
 まず,「日替わり討伐クエスト」の実装の意図から説明しますと,プレイヤーの皆さんは,大きく二つの傾向に分かれると思っています。一つは,その日にやることを綿密に決めて,ToDoリストを埋めていくようにこなしていくタイプですね。

齊藤氏:
 私はまさにこのタイプで,ログインしたらまずお花に水をあげて,借り物クエストと「魔法の迷宮」でふくびき券をもらい,寝る前に日替わり討伐をやるかやらないかという感じです。体力的に余裕があれば,さらに経験値を稼ぎに行きますが(笑)。
 まあバージョン1.4からドルボードで移動が楽になりましたし,報酬もよくなったので「4000〜5000ゴールドになるなら,日替わり討伐をやっておこうかな」と考えることが増えましたね。

藤澤氏:
 ただ実のところ,齊藤のように,計画を立てる人は少数派だと思うんですよ。ほとんどの方は,もう一つのタイプ――ログインしてからその日何をやるかを決めるタイプだと思います。そこで,システム側から「その日にやること」提案する機能の一つとして,日替わり討伐クエストを導入したわけです。自分はこっちのタイプなので,「今日はこれを倒したら?」と提案してくれるこのシステムがありがたかったりします。

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4Gamer:
 バージョン1.4で日替わり討伐の報酬を増やしたことの意図や背景は何でしょう?

藤澤氏:
 それはゲーム内の経済と関係があります。オンラインRPGでは,ゲーム内に通貨が出回りすぎるとすぐにインフレを起こしてしまいますから,システム側で適宜回収し,経済の安定を図らなければなりません。
 バージョン1.4では,(システム側の)通貨回収手段としてドルセリンを消費するという要素が加わったので,その分だけ少し多めに報酬をお渡ししても大丈夫になったというわけです。

齊藤氏:
 ゲーム内経済の話をすると,バザーで「汗と涙の結晶」の値段が1000ゴールド以上に戻りましたよね。一時期は800ゴールド前後だったのに。

藤澤氏:
 職人のレベル上限が解放され,またレシピとかも増えたので,素材の需要が高まったんでしょうね。

4Gamer:
 運営開発チームには,そういったゲーム内経済のバランスを専門に見ているスタッフはいるんですか?

藤澤氏:
 各パートそれぞれで話し合っていますが,りっきー(「ドラゴンクエストX」バージョン2.0 ディレクター 齋藤 力氏)が全体の経済を管理しています。

齊藤氏:
 結晶の値段が下がったとき,彼はショックを受けていましたよ。「こんなに下がるとは……」って。

藤澤氏:
 結晶の相場は,ゲーム内の職人の動向と連動しますからね。素材などの相場が下がったということは,職人の仕事が止まったということを意味していて。つまり,ゲーム全体の経済活動の元気がなくなっていることを示しているんですよ。そういう意味では,バージョン1.4でまた元気が戻ったと言えるわけですけれど。

齊藤氏:
 プレイヤーの中にも,バザーに張り付いて相場の動向を常にチェックしている方がいるくらいですからね。

4Gamer:
 「ドラゴンクエストX」の経済は,ほかのオンラインRPGと比較すると,比較的まっとうに機能していますよね。たいていのタイトルは,もっとインフレ気味になりますよね。

齊藤氏:
 ええ,私がかつて遊んできたオンラインゲームの中でも,本作はかなりまともだと思います。

藤澤氏:
 プレイヤーの皆さんからすると,常にゴールドが足りないという感覚があると思うのですが,その感覚自体は,経済を正常に保つために必要なものと思っています。

齊藤氏:
 サービスイン当初は,堀井さんも「ゴールドが溜まらない」とおっしゃっていましたね……。

藤澤氏:
 ゲーム開始直後は,世界にあまりお金自体が流通していませんでしたから,経済活動が低調だったんですよね。でも,流通するゴールドやアイテムの量が増えれば,徐々にそうした問題は改善するはずだと,堀井さんにも「世界に多くにアイテムが流通するようになれば,楽になりますから」と説明したんですよね。

齊藤氏:
 案の定,あるタイミングから堀井さんが「ゴールド稼ぎ,結構楽だな」と言ってくださるようになって。焦って修正しなくてよかったと思いましたよ(笑)。

藤澤氏:
 現実世界もオンラインRPGもそうですが,皆さんが手にするゴールドが全体的に多くなると,物価の上昇を招くんですよね。だから,ゲームバランス全体の調整という意味では,日替わり討伐の報酬でゴールドを選択できるようにしたりと,日々の収入を少しずつ増やすようにはしているわけです。

4Gamer:
 なるほど。ちなみに今,ゴールドを稼ぐには何が一番いいんですかね?

藤澤氏:
 遊べる時間の長さにもよるとは思いますが,短時間プレイヤーなら,職人の依頼や討伐クエストでしょうね。あとはバージョン1.4で入った依頼書クエストの報酬にも,オーブのような高価な素材があります。こちらは完全に運頼みですが,仮に4人パーティだったとすると,それぞれが別々の依頼書を入手できて,かつ各依頼書のクエストをまた4人で受けられますから,トータルでかなりの収入を得ることも可能です。

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4Gamer:
 依頼書クエストは,どうしても単調になりがちなレベル上げ(戦闘)に刺激を与える要素にもなっていますよね。

藤澤氏:
 ええ。以前,一回のバトルに複数の意味を持たせることが大切だ,というお話をさせて頂きましたが,依頼書クエストも,そうした要素の一環です。戦闘を繰り返すなかで,「ラッキー!」と思える要素があるだけでも,ずいぶんと感触が変わると思いますから。

4Gamer:
 寝る前にいい報酬の依頼書が出ると,ちょっと幸せな気分で眠れます(笑)。

藤澤氏:
 そうですね(笑)。たとえばその日,迷宮しか遊べなかったとしても,宝箱からいい素材が出たり,隠し階にメタルスライムが出たり。たとえ短い時間しか遊べないとしても,何かしら「今日もちょっといいことあったな」と感じられるゲームにしたいですね。


コンテンツのインパクトよりも,改修による遊びやすさを追求したバージョン1.4


4Gamer:
 話をバージョン1.4に戻しますが,1週間経ってみて,プレイヤーの反響はいかがですか?

藤澤氏:
 以前から公言していたとおり,運営開発チームとしては,過去最大のアップデートと位置付けています。ただ,チームクエストのように人によっては関係のないコンテンツがあったり,前後半に分かれたストーリー追加も含まれているので,まだ全容が出ていない分,比較的静かなスタートだったと認識しています。追加要素のインパクトという点では,バージョン1.2のほうが強かったのかもしれませんね。ただ,ゲームを遊びやすくするための仕様変更も徹底的にやっているので,総じて好評をいただけているという感触です。

4Gamer:
 今後のさらなる遊びの追加などはどうなっていくのでしょう?

藤澤氏:
 おかげさまで,これまで実装したコンテンツはいずれもちゃんと遊ばれており,いわゆる「死にコンテンツ」がない状態です。職人クエストや魔法の迷宮,他の日替わりイベントなど,それぞれが非常に良いバランスで遊ばれていますね。
 ただ,その一方で,毎日できることが増えすぎてはいけないという意識もあるので,そこのさじ加減は難しいなと思っています。

4Gamer:
 ああ,全部こなさなくちゃとなると,逆におっくうになるんですよねぇ。

藤澤氏:
 そうなんです。例えば,1日のプレイ時間を1〜2時間程度と想定すると,元気玉を1個使った30分のレベル上げと,日替わりのコンテンツを一通りこなそうとすると,現状ギリギリ収まるかどうかという状態ですから,これからのコンテンツ追加は,少し慎重にならなければいけないと思っています。

4Gamer:
 それではバランス調整はどうでしょう? 今回,ツメ装備の「タイガークロー」のダメージ倍率引き下げが話題になりましたよね。

齊藤氏:
 タイガークロー修正は,皆さんに実際試していただくまでは苦情の嵐でしたからね。

藤澤氏:
 当初から,バージョン1.3で全12職業が揃いますから,その次のバージョン1.4でバランスを見直す予定でした。その中で,どうしてもタイガークローなどいくつかの特技は威力低下の修正せざるを得なかったんですね。それで遊びにくくなる方もいらっしゃると思ったので,今回は「やりなおしの宝珠」を3個ずつプレゼントすることにしました。

4Gamer:
 きちんとフォローするところは「分かってるな」と思いました。

藤澤氏:
 ただ,タイガークロー修正の発表と,宝珠配布のアナウンスに若干時差があったせいで,「スキルポイントの振り直しをしなければならないほど大幅な修正なのか!」という噂にもなってしまって(苦笑)。

齊藤氏:
 “強すぎる”を,“強い”にする程度の修正だったんですけどね。だから,アップデートの当日,「大丈夫だ,問題ない」とツイートしたんですが……。

藤澤氏:
 「一番いい装備を頼む」的なツッコミをされてましたよね(苦笑)。

齊藤氏:
 まあフタを開けてみたら,まだまだタイガークローは最強レベルということも分かっていただけて。わたしのファルコンクローも現役です!(笑)

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藤澤氏:
 威力低下の修正をしたわけですから,やっただけの成果がちゃんと出なければいけないと思っていますが,バージョン1.4で,ツメ以外の武器の存在感は上がったと思います。とくに戦士は「ゆうかん」スキルの「やいばくだき」とオノの「かぶと割り」を組み合わせたりすると,かなり強くなります。両手剣のスキルも強いですよ。

4Gamer:
 プレイヤーさんからのツッコミといえば,バージョンアップの話ではないのですが,360日プレイ継続特典で,「ルーラストーン」がもらえるというのも,プレイヤーの間では大きな話題になっていたように思えます。
 とくにこれまでの特典は,どちらかと言えば実用性がないものばかりだったと思うんですが,なぜ今回に限っては実用的,それも「無いと困る」レベルのアイテムにしたんでしょうか。新規のプレイヤーさんと古参のプレイヤーさんの間に,不必要な格差を作ってしまうんじゃないですか?

齊藤氏:
 まず,バージョン1.4で「お招きのつばさ」やドルボードが入りましたから,相対的にゲーム内におけるルーラストーンへの依存度は薄れるという判断があるんですよ。

藤澤氏:
 あと,実はまだ発表していない移動手段も準備していて。そういう意味では,ルーラストーンの価値自体が,従来よりはやや下がるだろうと考えています。

4Gamer:
 でも,そもそもプレイヤーとして考えると,今の最大5個というルーラストーンの数は微妙に足りないですよね。

齊藤氏:
 オンラインRPGの場合,ファストトラベルの利便性と,徒歩による冒険感のバランスは永遠のテーマですよね。

藤澤氏:
 従来の「ドラゴンクエスト」シリーズのように,一度行ったところならルーラでいつでも飛べるようにしてしまうと,フィールドの無価値化が起こり,そこに誰もいないという,世界が荒廃してしまったような印象になりかねないですからね。

4Gamer:
 ええ。

藤澤氏:
 フィールドに出たら誰かがモンスターとバトルしていたり,ある町を目指して歩いていたら,向こう側から人が歩いてきたり……。そういう風景があってこそ,世界が息づいていると感じられると思います。そう考えると,「ルーラストーンがもう1個あればいいのに」と思うくらいがちょうどいいバランスだとは考えていますよ。

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4Gamer:
 だとしたら,なんでさらにルーラストーンを増やすんですか?

藤澤氏:
 それは凄くシンプルで,来るバージョン2.0では世界そのものが広がるからです。もう1〜2個くらいルーラストーンを増やしてちょうど良いくらいの,世界の広さになるだろうと考えています。

4Gamer:
 なるほど。プレイヤーの習熟度というか,行動範囲の広さに応じて……ということなのですね。そもそも話をすると,「ドラゴンクエストX」のルーラストーンの扱いは絶妙ですよね。パーティメンバーとルーラストーンをシェアできるとは言っても,本人がまだ行っていない場所には飛べないという仕様がとてもいい。
 藤澤さんもおっしゃっていましたけど,何でもかんでも最初からルーラで飛べるとなると,新しい町に初めて行った時の感動がなくなりますから。

藤澤氏:
 そういう部分を,僕達は“必要な不便さ”と呼んでいますが,こういった考え方は,プレイヤーの皆さん全員が理解してくださるわけではないですから,なかなか説明が難しい部分ではあります。


「ドラゴンクエストX」のプレイ上,気になるアレコレの意図とは?


4Gamer:
 ちょっと気になったんですけど,他にも“徒労とも思えるけれど,あえて入れている要素”ってどのあたりになるんですか? 

齊藤氏:
 「ドラゴンクエストX」特有のものだと,パッシブスキルの存在ですかね。「オレは盗賊だけやりたいのに,なぜ戦士と武闘家のパッシブを取らないと強くなれないんだ」といったご意見をよく頂きますし。
 とくに強制しているわけではないのですが,ある程度の強さを求めようとしたら,どうしてもパッシブスキルを取る必要がでてくるので。

藤澤氏:
 一般的なオンラインRPGのように,1キャラクター1職業にしてしまうと,一人のプレイヤーが複数職を体験したいときに,複数体のキャラを作らなければなりませんよね。僕は,それが何とも「ドラゴンクエスト」らしくないと思うんですよ。「ドラゴンクエスト」は,もともとプレイヤー=主人公という構図でキャラを育てていくゲームだと思います。賛否両論あるのは重々承知していますが,「ドラゴンクエスト」らしさを重視して,転職を繰り返して自分のキャラを強くしていく成長システムとしています。

4Gamer:
 しかしそうなると,なぜ1アカウントで3キャラ,追加コースで最大5キャラまで増やせるのかという部分に疑問が残るのですが……。

齊藤氏:
 それは単純に,ドラクエといえば冒険の書は3つだろう,というところですね(笑)。あとは,種族ごとに出身地のクエストが異なるので,少し余裕のある方なら全種族を試していただける。その中で,一番好きな種族を一つ選んでいただくのがベストだろうと。

4Gamer:
 なるほど。あとはすごく細かい疑問をいくつか。なぜ小元気玉は11時間のログアウトで効果が10分なんでしょう? 元気玉が22時間で30分の効果を得られることから考えると,割高ですよね。

藤澤氏:
 それは,小分けで買うよりも,まとめ買いがお得というのと一緒で,元気玉が一番お得になるよう設定しているからです。超元気玉も88時間のログアウトで1個もらえますが,4人パーティで使わないと,やはり割高になりますよね。小元気玉も同じ理屈で,通常なら元気玉を使ったほうがメリットが大きくなるようにしています。

4Gamer:
 あと,賛否両論という意味では,コインボスについてはどうお考えなんですか?

藤澤氏:
 コインがそもそもレアもしくは高値で,さらにコインボスがドロップするアクセサリーもレアで,さらにさらに手に入れたアクセサリーの合成の成功まで含めると,いつまで経っても終わらない,キリがないというご意見も確かにあります。しかし,これらは上級者向けのコンテンツと位置付けているので,それに見合った難度にしています。

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4Gamer:
 というか,コインボスを召喚しないと,魔法の迷宮自体の刺激がちょっと弱いんですよね……。

藤澤氏:
 魔法の迷宮は簡単すぎる,単調じゃないかというご意見も確かにありますが,そもそも魔法の迷宮は,初めてマルチプレイで遊ぶ方を対象とした入門編的なゲームデザインにしています。そのため,難度は低めとし,他プレイヤーと“やることが分散しない”ようにしています。魔法の迷宮だけモンスターを殲滅しないと先に進めないのも,宝箱がランダム配置されていないのもそのためです。やることが分散しなければ,過度のコミュニケーションは必要なくなるので,それなら誰でも遊べるだろうと。

齊藤氏:
 でも,ここまでやっても,現状,迷宮のクリア率は80%に満たないんですよね。その意味では,決して簡単すぎるということはないのだと認識しています。ジャミラス強やバッコス強はなかなか楽しめるボスだと思いますよ!

4Gamer:
 なるほど。ただ,現状だとなかなかコミュニケーションが生まれてこないと思うんです。「よろしく」と「おつかれさま」だけで終わってしまうといいますか。一方で,ボス戦で全滅しかけたりすると,途端にチャットして連携プレイを頑張ったりすることって多いと思うんです。ただ難しくすればいい,とはもちろん思いませんけれど……。

藤澤氏:
 もちろん,僕達としても現状維持でいいと思っているわけではありません。今後も迷宮にハプニングやサプライズの要素を追加して,たとえ一期一会のプレイヤー同士であっても何かしらコミュニケーションを取りたくなるような工夫をしていきます。もちろん,バージョン1.5でもまた要素が追加されます。
 ただ,たとえば地下何階まで潜れるかチャレンジするダンジョンなどは,開発内からもアイデアが出てきているんですが,それは魔法の迷宮とはまた別の形で実現することになるでしょうね。

4Gamer:
 あと,バージョン1.4実装直後,深夜になると住宅村の挙動がおかしくなることがありましたが,原因究明や対策などはどうなっていますか?

藤澤氏:
 まず負荷が増えた大きな理由として,どこでも酒場登録ができるようになったことで,住宅村でログイン/ログアウトする方が増えたことが挙げられます。

齊藤氏:
 そこで急遽,ドラキーマさんを使って「住宅村が混雑しているので……」というメッセージを送ったら,数千人の方が協力してくださって,若干負荷が下がったのですが。

藤澤氏:
 ただ本来の想定とは少し負荷のかかり方が違うので,もっと根本的なところから見直しを図っているところです。

画像集#008のサムネイル/「ドラゴンクエストX」大型アップデート「バージョン1.4」インタビュー。新たなコンテンツ/機能に対するプレイヤーの反響を,齊藤陽介氏と藤澤 仁氏に聞いた
4Gamer:
 ところで,3月30日に発売されたWii U版の動向はどうでしょう?

齊藤氏:
 スクウェア・エニックスとして発表しているとおり,“堅調”という感じですね。

藤澤氏:
 今,発表されているWii U版の売上本数はパッケージ版のみだと思いますが,実はダウンロード版がその倍くらい売れているんです。

4Gamer:
 Wii版からWii U版へ移行したプレイヤーも多かったんですか?

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※Wii U Game Padの画像はハメコミ合成です。
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藤澤氏:
 今,Wii U版で遊んでいる方のちょうど半分くらいが,Wii版から移行している感じですね。自分としては,もうちょっと多いだろうと思っていたのですが。おそらく,移行でなく2つ目のアカウントで遊んで頂いている方もそれなりの数字いるのではないかと考えています。

4Gamer:
 そういう意味ですと,まだまだ掘り起こせる余地はありそうですよね。
 では,そろそろお時間もお時間ですので,今後の展望についても教えてください。

藤澤氏:
 今後も色々な新コンテンツが控えていますが,対人戦(コロシアム)に関しては,かなり早い段階から構想があったものの,運営開発チーム内で軽くアンケートを取ったところ,やってみたいというスタッフは全体の25%程度でした。今はまだなるべく多くの方が楽しめる要素を追加すべき時期であって,たとえば25%の人が望むようなコンテンツを追加できるようになるのは,まだもうしばらく先かなと思っています。ゲーム内の動向を見ても,一人でゆっくり遊んでいる方も多い状況ですから,当面は,より多くの方に楽しんでいただけるコンテンツの実装を優先していきたいと思います。

齊藤氏:
 次のアップデートでは,必要と思われる下地の機能がだいたい揃い,それをもってシーズン1とも言うべきフェーズは終了だと認識しています。バージョン1.5のアップデートのタイミングでは,ちょうどサービス一周年記念とも重なりますし,さらに盛り上がる施策を実施していければと思っております。

4Gamer:
 分かりました。本日はありがとうございました。

―――5月24日収録

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