インタビュー
「戦国IXA 千万の覇者 弐」2020年版 国勢調査&インタビュー。最新トレンドや“にゃんスタ”実装の意図をひも解く
本作はPCブラウザゲーム「戦国IXA」の流れをくみつつ,スマホ向けに最適化されたタイトルだ。「同盟」コミュティを軸としながら,武将(カード)の育成をはじめ,バラエティに富んだイベントが楽しめる。
4Gamerでは昨年に続き,公式提供のレポート「2020年版 第2回 国勢調査」をもとに,千万の覇者チームのプロデューサーの山下英貴氏,ディレクターの早乙女真哉氏にインタビューを行った。
前回の国勢調査から1年が経ち,ゲームの状況はどのように変わったのか。最新のアップデート情報とあわせて言及していこう。
2019年版 国勢調査をひも解く「戦国IXA 千万の覇者 弐」インタビュー。4Gamerだけのプレゼントコードも掲載
スクウェア・エニックスのスマホゲーム「戦国IXA 千万の覇者 弐」が,2019年4月23日にサービス7周年を迎えた。今回は,弐章時代の最新環境をひも解くレポート“2019年版 千万の覇者 国勢調査”をもとに,千万の覇者チームへのインタビューを行った。
「戦国IXA 千万の覇者 弐」公式サイト
「戦国IXA 千万の覇者 弐」スタートから2周年
4Gamer:
今年もよろしくお願いします。千万の覇者は2020年4月にサービス8周年,2020年10月に“弐章アップデート”から2周年となりますね。
山下英貴氏(以下,山下氏):
プレイヤーの皆さんあってのタイトルとして,皆さんに喜んでほしいという一心でここまでやってきましたが,あっという間でしたね。
4Gamer:
PCブラウザ版「戦国IXA」も10周年とあり,IXAシリーズはこれからもがんばっていくんだという,意思表示のような施策も目にしました。
早乙女真哉氏(以下,早乙女氏):
チームが違うので,細かい話はできないのですが(笑)。
ただ,シリーズの名が世間に広がるのはうれしいことなので,我々も戦国IXAというブランドを考えながら,今後も励んでいく所存です。
4Gamer:
どちらも武将の育成ゲームですが,それぞれ面白さの方向性が違っているので,自分好みで選べるといいですよね。
ちなみに千万の覇者は当初,同盟に入ってほかのプレイヤーとつながりながら,ときおり協力して大殿に挑むみたいな,ゆるく楽しめるゲームでした。それから8年,楽しみ方の軸に変化はありましたか。
山下氏:
ゆるく楽しめるゲームであり続けることは日ごろから意識してきましたが,サービス期間が長くなり,また弐章でゲーム性が大幅に向上したことで,各々の戦闘力を参照する施策が多くなる傾向にはありました。
そこで今年4月にクイズイベント「千万判じ物合戦」という,ヒントから武将名を当てる,戦闘力が影響しない催しにも取り組みました。
4Gamer:
同盟内で問題を推理していくのは楽しかったです。武闘派の人たちだけではなく,ゆるく楽しんでいる人たちの活躍も見られて。
早乙女氏:
ありがとうございます。イベント自体には賛否があったものの,古参のプレイヤーさんから「新しくていい」との感想をいただけたりもして,とてもうれしかったです。同盟内の掲示板への書き込みが活発になったところも,こちらとしては狙いどおりでした。
山下氏:
1回めのクイズは30問用意していて,早い同盟は24時間もかけずに解いていまして……それならと2回めのクイズは100問用意しましたが,それでもだいたい3日,4日で解いていました(笑)。
早乙女氏:
結構難しくしたつもりだったんですけどね(笑)。想定以上に“戦国通”が多かった印象です。ですから次は,もっと難しくします!
4Gamer:
そうしたイベントの一方で,難しくて踏破できない「夢幻曼荼羅」なんてものもありました。あれは結局,どんな意図があったのでしょう?
早乙女氏:
あれはその,弐章からデッキ構築の楽しみが増えたことで,いろいろなデッキを組んでもらい,それをぶつけてもらおうという試みだったのですが……すみません,ちょっと難しくしすぎてしまいました。
ランキング期間が終わるまでにクリアできた人も結局,Yahoo!ゲーム版でも6名しかおりませんでした。
4Gamer:
おお,クリアできた人はちゃんといたんですね。
早乙女氏:
もちろん,クリアできるような調整にはしておりましたので!
高難度の夢幻曼荼羅については今後も提供していきますが,ランキングを開催するのは,ひとつ下の難度に戻します。
4Gamer:
ゆるく楽しめる反面,競争要素も外せないでしょうし,今後はガチなイベントと気楽なイベントの両方で回していくわけですか。
山下氏:
ええ,千万の覇者のいいところは仲間と協力し,みんなでコミュニケーションを取りながら楽しめるところだと思っていますので。
楽しみ方は皆さんにそれぞれ選んでいただくとしても,我々は“気の合う仲間と楽しい時間を共有できるもの”を追求していきます。
「第2回 国勢調査」で2020年のトレンドを探る
4Gamer:
昨年は「2019年版 第1回 国勢調査」という膨大なデータから,千万の覇者の“今”をひも解きましたが,反響はいかがでしたか?
山下氏:
SNSを中心にコミュニティで大きな反響がありました。そこで「2020年も国勢調査をやろう!」となり,今年も引き続きプレイヤーの皆さんに向けて,ゲーム内の情報を開示させていただこうと思いまして。
4Gamer:
データの集計期間はどうなっていますか。
早乙女氏:
今回のデータは「2020年8月28日14時のメンテナンス時点」で集計したものとなります。ですから,この記事が掲載されるころには記録が更新されているかもしれませんので,その点だけご注意ください。
資料はYahoo!ゲーム版,dゲーム版,そのほかのプラットフォーム版とありますので,それぞれの特記事項を挙げさせていただきます。
4Gamer:
このデータで1番気になるのは,やはり“強さ”でしょうか。昨年1位の最大攻撃値は約1億5000万でしたが……今年はまさかの。
早乙女氏:
はい。今年の最大攻撃値の1位は「2億5953万」でした。1年間で1億以上も上昇しましたね。ひとつの目安となる攻撃値1億超えは,最も多いところで129名に増え,2億超えも5名もいらっしゃいました。
皆さんがデッキ構成をいろいろと考えて,追及していることは把握しておりましたが,その成果が存分に発揮されたと言えます。
4Gamer:
もう一方,防御値はいかがでしょう。
早乙女氏:
防御値については,まさかの約3倍増です。昨年1位の最大防御値1500万から,今年1位は「4391万」まで伸ばしてきました。Yahoo!ゲーム版の上位100名に関しては,全員1500万のボーダーを超えています。
ただ4000万となると大きな壁があって,達成者はわずかでした。
4Gamer:
やはり1年経つと研究も進むんですね。開発・運営側としては,昨年時点でここまで数値が伸びることを想定していたんですか。
早乙女氏:
1位の数値は確実に伸びるだろうと想定していましたが,どちらかと言えばランカーに追随する人の多さが想定外でしたね。
皆さん,特技の使い方も非常に工夫しているようで,「部隊に入れている特技数ランキング」も前回と違った結果になっていますし。
4Gamer:
Yahoo!ゲーム版の1位は「斬鉄剣」と。これって,サービス初期に実装された特技ですよね。前回は入ってすらいなかったような。
早乙女氏:
斬鉄剣はカード1枚を部隊から除外するといった性能なんですが,新たに「計略」が導入されてからカード1枚1枚の価値が上がったことで,使い勝手が見直され,このような復権に至ったようです。
4Gamer:
とくに調整したわけでもないんですよね。
早乙女氏:
はい。実装当初と変わらぬ性能のままです。現状の仕様からプレイヤーの皆さんがこれを発掘し,使うようになっていたわけです。
我々としても「まさか斬鉄剣が返り咲くとは!」と驚きました。
4Gamer:
特技とのシナジーも考えると,計略の順位も変わっていそうです。
早乙女氏:
そのとおりです。今年の調査では特技発動率を上昇させる計略「猛将ノ采配」が,全プラットフォームでダントツの使用率でした。
昨年までは「毒針ノ計」など,単品で使い勝手のいい計略が好まれていましたが,現在は“デッキ相性がいい計略”が重要視されています。
4Gamer:
なるほど。
早乙女氏:
計略レベルについても,昨年までは強化に苦労している人が多かったのですが,今回は「レベル15以上が全体の60%」を占めています。
4Gamer:
計略武将の半分がレベル1,強化に必要な「計略書」も温存するのが主流でしたが,がっつりレベル上げの時期にきたんですね。
早乙女氏:
それだけでも大変なやり込みには違いないんですけどね。がんばってプレイしてもらえているのが分かって,純粋にうれしいです。
4Gamer:
昨年の国勢調査で「計略レベルを上げてほしい」という話もしていましたし,もしかするとそれで研究をはじめた人も多かったり?
山下氏:
SNSでの反応を見るに,前回の国勢調査は多少なりともプレイヤーの皆さんに刺激を与えられたかな,とは感じています。
早乙女氏:
今年もこの国勢調査の結果を公開してから,来年に向かってどのような変化が起きていくのか,開発・運営も注目していきます。
あと昨年,戦人レベル999の達成者がいらっしゃったのでレベル1000を開放したところ,その人がレベル1000を達成してくれました!
4Gamer:
いやあ,ものすごい積み重ねですね。もはや“千万の覇者の歴史をこれまでずっと見てきた人”なんでしょうね。
山下氏:
幕府でもずっとトップ帯を走っていた人です。
ただ,戦人レベルの分布が総じて引き上がってきていることで,新規の方々が入りにくい環境にもつながってしまうのは懸念しています。イベントでは,古参と新規でプレイ結果の差が開いてしまうケースも多々ありますので,なんらかのテコ入れは検討していきたいです。
新規常設コンテンツ「にゃんスタ」とは
4Gamer:
続いて,今後の展開について決まっていることはありますか。
山下氏:
この記事の掲載時期にちょうどはじまっているはずですが,10月1日に新コンテンツ「千万(ちよろず)にゃんスタジアム」を導入します。
4Gamer:
戦国IXAのマスコットキャラクター「いくさにゃん」が関連していることは想像できますが,どのようなコンテンツなのでしょう。
早乙女氏:
こちらはネコキャラクター“にゃん”を3人まで育てて,シーズン最後に開かれるレース大会「ちよろず杯」で勝敗を競っていただく,3か月(12週間)=1シーズンで提供する常設コンテンツとなります。
4Gamer:
今までなかったタイプですね。カード資産などは関係しますか?
早乙女氏:
いえ,カードをはじめとするプレイヤー資産は関係ありません。にゃんスタジアムは原則,それ単体で遊んでもらうものでして,初心者も上級者も分け隔てなく勝負できるコンテンツとなっています。
具体的なゲーム内容は,初期配布の“ちびにゃん”に名前をつけてもらい,「訓練」でステータスを上げたり,「探索」で装備品を集めたり,手持ちの素材で「進化」させたりして,3か月後のレースに臨んでもらいます。ちびにゃんを進化をさせると,皆さんご存じの「いくさにゃん」や「クロにゃん」といった,おなじみのにゃんに姿が変化します。
4Gamer:
本編と両立する,これまたゆるく遊べるものになりそうですね。
早乙女氏:
にゃんを愛でることがメインなので,ログインして気軽に楽しんでもらうだけでも十分です。同盟員のにゃんと触れ合える「広場」も用意していますので,自分の愛にゃんを見せ合ってみてください。
ゲームを進めるコツに関しては「進化先で特徴が異なるにゃん」と「相性のいい能力&装備品」を考えてもらうことでしょうか。あと,にゃんは1か月に1人育成できますが,ちよろず杯では複数のコースを走ることになるので,違った種類のにゃんを育てておくと,コースに特化させやすいです。常時開催の「草れーす」で試走してもらうこともできます。
※「草れーす」の実装はYahoo!ゲームを皮切りに,ほかのプラットフォームでも随時公開予定。
4Gamer:
情報の少ない最初のシーズンは,にゃんの進化先も含めて試行錯誤がありそうですね。ちよろず杯で好成績なら,報酬もありますか?
早乙女氏:
報酬の「にゃん功章」を集めて,限定計略武将や育成アイテムと交換できるようにするつもりです。にゃん功章はちよろず杯だけでなく,毎日の「デイリーみっしょん」でも手に入れることができます。
4Gamer:
レースで勝たないと計略武将をもらえない,なんてことはないと。
早乙女氏:
勝たなきゃダメなコンテンツにするつもりはなく,あくまで遊びの要素として,勝ち負けにこだわらなくても楽しめるようにします。
ちなみに育成したにゃんとは3ヶ月でお別れになり,次のシーズンでは心機一転して挑んでもらうものの,気に入ったにゃんは“歴代のにゃん”扱いとして,ずっと見られるような機能も備えています。
4Gamer:
隠し進化に「山下にゃん」とか「限界突破いくさにゃん」とかあったら,面白いかもしれませんね(笑)。
早乙女氏:
そこまでは考えていなかったです(笑)。
ただ常設コンテンツとして提供していきますので,今後のアップデートをとおして,皆さんに喜んでもらえるものは考えていきたいです。
山下氏:
アップデートに関してはもうひとつお知らせがありまして,10月29日の幕府更新のタイミングで「新計略武将」を追加します。
今回は“風属性かつ林属性”と“火属性かつ山属性”の武将の攻撃力を上昇させる,新計略を実装します。一見,単属性の武将には効果がありませんが,属性付与の計略と組み合わせると真価を発揮します。
4Gamer:
具体的に,どのような使い方になりますか。
早乙女氏:
一例を挙げると,宇佐美定行の計略【木遁ノ術式[全」】は自軍全員に林属性を付与しますが,このとき風属性の武将は“風と林の両属性”になります。そこで新計略を発動して,攻撃力を増加させるわけです。朧属性の覇武将なら4属性持ちなので,必ず新計略の対象になります。
4Gamer:
単属性デッキが火力を出しやすい時期もありましたが,複属性デッキも脚光を浴びそうですね。デッキ研究の余地も増えてよさそうです。
ちなみに,新計略武将はどの人物になるのでしょう?
早乙女氏:
直良さん(直良有祐氏。戦国IXAシリーズのメインイラストレーター)のデザインでなじみ深いかと思われる,サービス初期に使われていた天カードイラストの「豊臣秀吉」と「北条氏康」です。
4Gamer:
おお,天カードのイラストですか。直良さんの描くカードは人気が高いものの,初期のカードはどうしても最前線に持っていきづらかったので,新たな役割で再登場するのは,いちファンとしてはうれしいです。
山下氏:
新規実装のほかには,10月15日から「千万幕府 2周年キャンペーン」の開催を予定しています。記念カードの配布をはじめ,無料くじチケットの毎日配布なども予定しているので,ぜひ遊んでみてください。
早乙女氏:
同時期に「特技レベルを上げやすく」などの細かい調整も適用しますし,現役プレイヤーさん向けの情報であれば,火くじのラインナップに「ひめにゃん(姉)」を収録すると,ここで発表しておきます。これで天カードの進化も幾分か楽になるはずです。
ほかにもいろいろ考えてはいますが,未確定のものもあるので,ゲーム内のお知らせでの発表をお待ちいただければと思います。
4Gamer:
分かりました。久しぶりの人はこの機会にログインしてみると,びっくりするくらいチケットをもらえたりするかもしれませんね。
では最後に,プレイヤーに向けて一言お願いします。
山下氏:
2020年は大変な時期が続いておりますが,今回ここで国勢調査の結果などを紹介することができてよかったです。
この1年でのプレイヤーの皆さんの着実な成長をうれしく思いますし,これだけ長く遊んでくださっている皆さんあっての千万の覇者なんだなと,あらためて実感いたしました。これからも皆さんの期待に応えるべくまい進していきますので,今後ともよろしくお願いいたします。
早乙女氏:
8周年に大きなキャンペーンをすることが叶わず,また大きな情報も出せずじまいで,我々としても歯がゆい気持ちでいましたが,弐開始から2周年のこの時期,にゃんスタや新計略などの新しいものを提供することができて,うれしくも安心しております。
千万の覇者は,仲間がいるからこそ楽しいゲームです。同窓会に参加するような感覚で構いませんので,今後は自分だけのにゃんを育てに,そして気の合う仲間に会いに,ゲームにログインしてみてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
次のページでは,今回の主題である公式レポート「戦国IXA 千万の覇者 弐 2020年版 第2回 国勢調査」の一覧を公開している。
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