［Gamescom］ParadoxとCyanideの共同作品「Impire」は， “ダンジョン・キーパー風”に悪のダンジョン経営が楽しめるシミュレーション

　スウェーデンのParadox InteractiveとフランスのCyanideという，PCゲーマーにとっての夢の共演……というとちょっと大げさかも知れないが，なんともマニアックで興味深いコラボで実現した新作タイトル「Impire」のデモが，Gamescom 2012で初公開されていた。開発を担当するのは，Cyanideが新たにカナダに設立した支局，Cyanide Montrealだ。


　このImpireは，Paradox Interactiveが2000年に発売したRTS「Majesty: The Fantasy Kingdom Sim」と共通した世界観を持つタイトルだ。舞台となるのはArdeniaというファンタジー世界で，プレイヤーはその世界で恐れられた魔王“Baal-Abaddon”となり，世界を支配するためダンジョン経営に乗り出す……という設定になってる。
　ただし，彼は能力のないソーサラーに召喚されてしまったがため，その能力の大半が失われてしまっただけでなく，タイトルが示すように，姿まで醜く小さいインプに変わってしまっている。隠れ家のダンジョンで密かに再起を図る魔王様だが，元に戻るまでは押し寄せるヒーロー達をなんとか撃退しつつ，ダンジョン経営を切り盛りしていかねばならない。

すっきりしたインタフェースも，本作の魅力の一つ。キャラクターやオブジェクトなどにカーソルを合わせると，それぞれに適したホイール型メニューが登場する。綺麗にまとまっていて，実に使いやすそうだった

　実際のゲームプレイは，「ダンジョンキーパー」や「Evil Genius」とおおむね似た感じで，ミニオン（手下）を使い，ダンジョンの部屋（バラックやキッチン，トレジャールームなど）を拡張していくのがメインとなる。ミニオン達は，スカウトやバーサーカーなど，兵士に育てることも可能だ。研究開発によりテックツリーをアンロックすれば，序々に強力なユニットを生産できるようになる。

Cyanide Montrealのディレクター，Yves Bordeleau（イブ･ボーデルー）氏。日本語を正式に勉強したわけではないらしいが，それなりに話せてしまうという，語学の才能に溢れた人物だ

　ダンジョン・キーパーなどと大きく異なるのは，部隊を編成して地上に乗り出し，近辺の村を襲って物資を調達することができる点だ。キャンペーンのクエストにもなっているようで，今回のデモでは考古学者を誘拐し，ダンジョンの奥に潜む遺跡の発掘に当たらせる，といったことが可能だった。

　こうしてダンジョンを拡張してさまざまな悪事を重ねていくと，今度はヒューマン騎士やドワーフ軍団から攻撃を受けることになる。強化したミニオン達は，勇敢に彼らと戦ってくれるが，たまたま部隊が地上に出ていたりすると，十分な防御が行えず，ヒーロー達にダンジョンを破壊されてしまいかねない。これを防ぐためには，ダンジョン内部にさまざまなトラップを仕掛けることも重要になるだろう。

　このほかにも，魔王様は12レベルにわたってレベルアップが可能で，成長すれば新たな攻撃方法やコマンドなどが獲得できるとのこと。またCo-opや対戦が可能なオンラインモードも用意される予定で，対戦ではキャプチャー・ザ・フラッグの要素を取り入れた，ユニークなアクションが楽しめるそうだ。
　「Impire」の発売は，2013年第1四半期が予定されている。Majestyシリーズのファンやシミュレーションゲームファンは，ぜひ楽しみにしておこう。

「Impire」公式サイト（英語）