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Epic Gamesが3Dスキャンデータの大手Quixelの買収を発表。「UE4」ユーザーはフォトグラメトリ向けスキャンデータが無料利用可能に
Quixelは,2011年に起業して以降,世界のありとあらゆる天然もしくは人工物のスキャンデータを収集し,これまで1万点を超える物理レンダリング対応の3Dテクスチャーライブラリーを構築してきたメーカーだ。最大8K解像度までに対応した“メガスキャンズ”と呼ばれるこれらのテクスチャーは,フォトリアルな3Dグラフィックス表現にはなくてはならない“フォトグラメトリ”で利用されるものだ。
メガスキャンズについては,バンダイナムコエンターテインメントの「GET EVEN」(PC / PS4 / Xbox One)やElectronic Artsの「Battlefield V」(PC / PS4 / Xbox One)などで使用されていたことは以前に紹介しているが(関連記事),Quixel公式Webサイトを見ると,「メトロ エクソダス」(PC / PS4 / Xbox One)や「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」(PC / PS4 / Xbox One),さらにはPS4版「ワンダと巨像」や「Destiny 2」(PC / PS4 / Xbox One)などでも,メガスキャンズが利用されてきたのが分かる。また,「ライオン・キング」や「ブラック・パンサー」などのCGを多用する映画もリストアップされており,その表現力の高さが分かるだろう。
このメガスキャンズは,現在プレビュー1版が公開中の「Unreal Engine 4.24」に対応する形で無料リリースされており,クリエイターならば誰でも利用できる。また,Quixelが2020年にリリースする予定のツールセット「Bridge and Mixer 2020」も無料化されるという。これまでQuixelは,月額制のサブスクリプションを提供してきたが,ユーザーには2019年分の購買料がすべて払い戻しされるとのこと。
2020年には「PlayStation 5」や「Xbox Scarlett(仮称)」など,高解像度にも対応した次世代ゲーム機が登場するほか,今週末にローンチされる予定のクラウドゲーミングサービス「Google Stadia」も,将来的には8K解像度にも引き上げられることがすでに告知されている(関連記事)。リアルなグラフィックス表現はゲーム開発者の負担にもなるが,メガスキャンズの利用によって開発費の削減につながることになるかも知れない。
Quixelの公式Webサイト
- 関連タイトル:
Unreal Engine
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