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「開発コミュニティに寄り添ったUnityをもう一度呼び戻す」 新CEOが語るUnityの現状と「Unity 6」の新機能
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印刷2024/10/05 12:00

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「開発コミュニティに寄り添ったUnityをもう一度呼び戻す」 新CEOが語るUnityの現状と「Unity 6」の新機能

Unity TechnologiesのCEO,Matthew Bromberg氏
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 去る2024年9月19日,ゲームエンジン「Unity」の開発元であるUnity Technologiesは,スペイン・バルセロナ市で開発者向けカンファレンス「Unite 2024」を開催した。
 初日には,2024年5月に新CEOとして就任したばかりのMatthew Bromberg氏による基調講演が行われ,Unityの現状と今後についての話題が語られた。本稿では,この基調講演の概要をお届けする。


混迷のUnity。新CEOが就任挨拶


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 Bromberg氏は2012年から2016年まで,Electronic Artsで上級副社長としてモバイルゲーム事業を統括し,そののち,2016年から2021年までは,ソーシャルゲーム企業のZyngaで最高執行責任者(COO)を務めた人物だ。どちらかといえば,モバイルゲーム事業に明るい人物といったところだろうか。

 基調講演冒頭でBromberg氏は,就任演説とでも言うような,とても長いスピーチを行った。要約するとこうだ。

 「長きに渡ってゲーム業界にいる自分は,いくつかのゲーム企業で責任ある立場にいたことがあり,その職歴の中で私は,実際にUnityのユーザーの1人であった。だからこそ私は,だれよりもUnityが進むべき道筋を理解していると思っている。

 Unityは,『誰もが,みんなのためのゲームを作れる場所』だ。そしてUnityは,今やゲーム開発に留まらないクリエイティブな場所にもなる。ゲーム開発者以外,たとえばXR,メタバース,映像作品,多様な産業系のユーザーが,Unityのもとに集まってきており,我々は『コンピュータ上で3D技術を活用したあらゆるクリエイティビティ』を支援していく。我々,Unity Technologiesの社員は,皆さんのような開発者の横に座り,皆さんの意見を聞きながら,Unityを再生していく。

 ゲームを動かすハードウェアの進化は早く,世界的な経済の低迷や,新製品にユーザーの目を向かせることも困難になるなど,今,ゲーム業界はさまざまな苦難に直面している。我々Unityは,最新の技術と,それらを使いやすいツールに変えて提供していくことで,この苦難の時代を乗り越えていく手助けをしていきたい」

 感動的なスピーチ,と言えなくもないが,2023年にUnityは,自身の成長と信頼に大きく影響する困難な境遇を,自らの選択によって引き起こした。2023年9月12日,同社は,ゲームのインストール数に応じて課金を課す「ランタイム料金」(Runtime Fee)を発表した。これが開発者コミュニティからの猛反発をくらい,同年9月22日には,大幅な修正案を発表する羽目になる。最終的には,2024年9月12日にランタイム料金を撤回することになった。
 この影響だけではなかろうが,2024年初頭には,全従業員の25%を解雇。Unity Technologiesという企業自体の持続性にも,コミュニティから不安の声が寄せられたほどだ。

 一連の騒動を受けて,2023年10月に当時のCEO,John Riccitiello氏が辞任。後任のBromberg氏が就任するときに,Unityのプラットフォーム戦略を司っていた最高製品・技術責任者(CPTO)のMarc Whitten氏も退任している。
 いうなれば今回の「Unite 2024」は,新生Unityのグローバルでのお披露目となったわけなのだ。


Unityは「Unity 6」へメジャーアップデート


 新CEOのスピーチに続いては,2024年5月にプレビュー版が公開されたばかりのUnity最新版となる「Unity 6」の正式版が,10月17日にリリースされることがアナウンスされた。
 進化は多岐にわたるが,まずはグラフィックス機能から見ていこう。

 Unity 6におけるグラフィックス機能の目玉は「Render Graph」だ。
 Unityのグラフィックサブシステムには,GPU負荷的に軽量で,スマートフォンのような携帯端末との相性がよい「Universal Render Pipeline」(以下,URP)と,高品位な表現に注力した「High Definition Render Pipeline」(以下,HDRP)が存在する。これらのグラフィックサブシステムを,開発者好みにカスタマイズ(あるいは拡張)できる仕組みとして「Scriptable Render Pipeline」(以下,SRP)が,さらにこの上層として提供されている。

 Render Graphは,SRPのさらに上層に位置付けられるもので,SRPを効率よく管理したり,デバッグしたり,最適化の糸口を見つけたりするためのサブシステムだ。もともと,既存のUnityでも,Render GraphシステムはHDRPには対応していたが,Unity 6では,URPとSRPにも対応した。

 さらに,Render Graph機能とユーザーを結びつけるフロントエンドツールとして,進化した「Render Graph Viewer」も提供される。

Render Graph Viewerの説明スライド
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 SRPは,2023年にリリースされたUnity製PCゲームの90%に採用されているほか,スマートフォン向けゲームやXR端末向けゲームでも,50%に採用されているという。とくに,トゥーン系を初めとした非写実的(Non Photo Realistic)なスタイライズドゲームグラフィックスで採用実績が多い。

MONOPOLY GO!」「Harold Halibut」「V Rising」など,Unityベースの人気ゲームにおいては,SRPの採用事例が圧倒的に多い
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 このパートの解説を担当したElaine Kieran氏は,Unity 6のRender Graph機能を活用することで,「とくにGPUボトルネックが起きやすいスマートフォン向けゲームや,XR端末向けゲームのグラフィックス最適化に役立つはずである」と強調していた。

 また,相対的にGPU性能が高くないゲームプラットフォーム向けの最適化機能として,Unityには「GPU Resident Drawer」と「GPU Occlusion Culling」という機能もある。

CPUオーバーヘッドを軽減できるGPU Resident Drawerは,スマートフォン向けゲームで大きな効果を発揮する
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 GPU Resident Drawerは,「CPU→GPUのオーバーヘッド削減」に貢献するレンダリング手法だ。スマートフォン向けゲームにおいて,GPU Resident Drawerは,大きな効果を発揮するという。いわゆる「インスタンシング描画」を発展させた機能で,話を聞いた限りでは,実装形態としてはDirectX 12の「Indirect Drawing」技術を活用したものになっていると思われる。

GPU Occlusion Cullingは,ディファードレンダリングに対応したゲームエンジンでの採用事例も多い
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 一方のGPU Occlusion Cullingは,階層型Zバッファ構造とGPGPU(Compute Shader)を併用した,タイルベースによる描画不要ポリゴンの破棄メカニズムだ。

 またUnity 6には,独自アルゴリズムの超解像ポストプロセス機能として「Spatial-Temporal Post-processing」(以下,STP)が標準搭載された。NVIDIAの「DLSS」やAMDの「FSR」のような,いわゆる超解像技術である。
 STPは,ディスプレイ解像度よりも低解像度で描画したゲームグラフィックスを,ディスプレイ解像度にリアルタイムで超解像アップスケールする用途に使う技術だ。フレームレートが落ち込んだときに,レンダリング解像度を下げてフレームレートを回復する動的解像度(Dynamic Resolution)描画システムとの併用も可能だとのことで,SRP,URP,HDRPのすべてで使用できる。
 なお,STPもGPGPUで実装されているそうで,超解像処理系としては,機械学習データを活用しない信号処理ベースのものとのこと。現在の単一フレームから失われた解像度を復元するのではなく,バッファリングした過去フレームに解像度復元のヒントを求めるタイプの超解像処理となり,話を聞く限りは,AMDのFSRに近いもののようだ。

 このパートについて,Kieran氏とともに説明したSteven Kent氏によれば,これら一連の機能をすべて活用すれば,CPUやGPU,メモリバス帯域幅をすべて50%削減することも可能という。そのためスマートフォンやXR端末においては,バッテリー駆動時間の延長と,サーマルスロットリングの抑止にも貢献できるそうである。

 より高品位な表現を行うための新機能として紹介されたのが,「Adaptive Probe Volumes」(以下,APV)だ。
 APVは,いわゆる事前計算ベースの間接光(大局照明)システムで,静的な3Dシーンに対して,複雑な間接照明を事前に計算したうえで整然と配置したプローブに,3Dシーン内の各地点における間接照明の状態を保持させるもの。話を聞く限りでは,「Irradiance Volumes」(放射輝度ボリューム)や「Precomputed Radiance Transfer」(事前計算放射輝度伝搬)と似たもののようで,意外とクラシックなテクニックとなる。ただ,この機能がURPでも利用できるというのは大きい。

 シーン内に設置された実体光源の色まで計算するのか(Irradiance Volumes),それとも,シーン内における光の伝搬ネットワークを計算するものなのか(Precomputed Radiance Transfer)について,基調講演後に筆者がデモブースで取材したところ,前者のようである。APVとしてのデータは,球面調和関数の係数で保持するという説明だった。
 なおAPVは,シーン内を移動する動的なキャラクターのライティングにも活用できる。たとえば朝6時,昼12時,夜18時,深夜0時といった6時間ごとの太陽光を再現する複数のAPVを用意して,任意に選択した2つのAPVに対して割合で強度を与えれば,狙った時間帯の間接照明を疑似的に実現できる,といったデモが披露された。

Adaptive Probe Volumesについて解説するKent氏(左)とKieran氏(右)
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 Unity 6のグラフイックス機能を分かりやすく体験できるデモ開発プロジェクトとして,URP版の「Fantasy Kingdom Demo」を,Unity 6の公開のタイミングに合わせてリリースするとのことだ。
 Fantasy Kingdom Demoでは,Synty Studios製のアセットを採用して約4000本の樹木を描画するのだが,Unity 6の最適化機能の恩恵で,スマートフォンなどでもスムーズに動作するという。Unity 6の最新グラフイックス機能を学ぶための,良い教材となるに違いない。

Fantasy Kingdom Demoは,2023年にHDRP版が公開された同名デモのUnity 6を使ったURP版だ
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 新機能のパートの最後には,業界御用達の植物制作ミドルウェア最新版「SpeedTree 10」を用いたうえで,Unity 6の最新機能をほぼすべて活用して作ったリアルタイムシネマティックデモ「Time Ghost」が公開された。


Time Ghostでも使われた植物生成モデリングミドルウェアSpeedTreeは,バージョン10へと進化した
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 基調講演では,Time Ghostのメイキング解説も行われた。会期中には,Time Ghostで活用されたUnity 6の機能の紹介も行われたので,詳細はそちらのレポートでフォローしたい。


「Den of Wolves」がUnity 6ベースで開発中


 基調講演では,Unity Technologiesとパートナーシップを結んで,Unity 6で開発中の新作ゲーム「Den of Wolves」の最新映像が公開され,開発元である10 ChambersのSvante Vinternatt氏が,その魅力と開発状況を紹介した。


 Den of Wolvesは,スウェーデンの10 Chambersが開発中のゲームである。10 Chambersは,前作「GTFO」も,Unityで開発したそうで,高品位で写実的なグラフィックスはプレイヤーから高い評価を受けた。
 新作であるDen of Wolvesの全貌は,いまだ明らかになっていないが,4人のプレイヤーでチームを組んで目標となる「お宝」を強奪するという,FPSスタイルのCo-op型のPvEマルチプレイヤーゲームである。

Den of Wolvesの開発状況を語るSvante Vinternatt氏(COO,10 Chambers)
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 Vinternatt氏によると,本作はもともと,Unityの2022 LTS(安定動作版)で開発を始めたが,Unity Technologiesとの協議を経て,開発環境を最新版のUnity 6へと移行させたとのこと。本作の開発では,Unity 6の新機能を積極活用したそうで,3Dシーン内に配置する無数の動的オブジェクトを制御するために,Unity 6の代表的機能とも言える「Data-Oriented Technology Stack」(DOTS)を採用したと強調していた。

 DOTSは,Unityの2018あたりから段階的に導入されてきた概念だ。おおざっぱに言えば,モダンなゲームエンジンに多くが積極的に採用している「ジョブキューイング型」のマルチスレッドシステムに近い処理系になる。
 DOTSと一般的なジョブキューイング型マルチスレッドの違いは,名称からも連想できるように,データのレイアウトを最重要視している点だ。メリットだけにスポットを当てるならば,CPUコアにおけるデータキャッシュのヒット率を常に高く保てることにある。
 データ処理が特定のモジュールに集中しているなら,CPUコアにおける命令キャッシュのヒット率も上がる。逆に言えば,メモリアクセスを減らせる(≒キャッシュアクセスに集約させやすい)プログラム構造であり,ひいては,CPUコアの稼働率を目一杯引き上げられるわけだ。これは,スマートフォンやXR端末で動作させるゲームにおいては,省電力とバッテリー駆動時間延長にも結びつく。
 こうした利点を背景に,Unity 6でのDOTS活用は,マルチコアCPUの効果的活用を進めるために,オブジェクトベースのゲームループ制御から,データ駆動型のゲームループ制御へと積極的な移行を促している。

 Vinternatt氏は,本作のグラフィックスについても説明した。
 採用グラフィックスパイプラインはHDRPで,先述したGPU Resident DrawやGPU Occlusion Culling,SPTも活用したそうだ。これらの恩恵により,開発当初に用いたUnity 2022 LTSよりも,性能は劇的に向上したと振り返っていた。
 ちなみにDen of Wolvesは,レイトレーシング技術を影生成や鏡像生成に活用しているという。一方,大局照明については,レイトレーシングではなくUnity 6のAPVを活用しているそうだ。


Google Cloudで生成系AIでゲーム開発効率アップ


 そのほかにも基調講演では,Unityを使ってマルチプレイヤーオンラインゲームを開発するための,オールインワンなサンプルともいえる「Megacity Metro」が改めて紹介された。
 Megacity Metroについては,GDC 2024でのセッションレポートを掲載済みだ。今回の基調講演での内容は,これとほとんど被るので,興味がある人は,以下の記事を参照してほしい。

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[2024/03/20 21:36]

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Unityのコア部分への統合が加速する「Google Cloud」について紹介するJack Buser氏
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 基調講演終盤では,GoogleのJack Buser氏(Director,Game Industry Solutions,Google)が登壇した。
 GoogleとUnityは,2018年から,Google Cloudサービスを,Unityゲームエンジンの標準ネットワークバックエンドとして活用できるようにする戦略的パートナーシップを結んでおり,それ以降,提携範囲を広げている。今では,Unityベースのオンラインゲームを開発するときに,Googleのサーバーホスティングサービスも利用可能だ。
 登壇したBuser氏によれば,Unity Technologiesとのパートナーシップをさらに推し進めるとのこと。具体的には,Google Cloudベースの生成系AI技術をゲーム開発者向けに,あるいはゲームそのものに組み込めるような新ソリューションを展開していくと述べた。

 まだテスト版といった位置づけのようだが,Unity 6および,将来のUnityでは,「Unity Muse」と呼ばれる生成系AI技術ベースの開発支援機能が利用できるようになる。Museを活用すると,Unityのメインエディタから,AIと自然言語によるチャットで対話しながら,テクスチャを生成したり,キャラクターの動きを付けたりできるようになるという。
 ちなみに,そのコアとなるAI部分は,本稿執筆時点のβ版だとMicrosoftのクラウドサービス「Azure」上で動作しているそうだが,いずれはGoogle Cloudでの実行も可能になるのかもしれない。

Google Cloud上で動作する生成系AIを,Unityベースのゲーム開発へ利用できるようになる
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Unity 6がWebGPU対応へ,ネイティブアプリ並みの高度なゲームがWebブラウザで実現可能に


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 Unity 6では,ブラウザゲームの開発向け機能である「Game Development for Web」(通称 Unity Web)が,「WebGPU」に対応した。現状では,「Google Chrome」や「Microsoft Edge」で,WebGPUベースのゲームを動かせるようになったそうだ。

 Webブラウザ上からGPUを駆動するためのAPIフレームワークとしては,Web版OpenGLともいえる「WebGL」が存在した。しかし,よりリアルタイム性を向上させて,GPUの全機能を解放させるための新APIとして「WebGPU」の規格策定が2017年頃から始まっていた。WebGLは,OpenGLやVulkanなどのAPIフレームワークを管轄する標準化団体「Khronos」主導で開発されたものだが,WebGPUの開発を主導しているのは,Web技術を管轄する標準化団体「W3C」だ。
 機能面では,GPGPU(ComputeShader)が利用できる点がWebGPUの優位点として,よく挙げられている。

 高度なブラウザゲームのプラットフォームとしては,WebGPUが本命視されてきたものの,WebGPUは,DirectX 12やVulkanのような,GPUを直接駆動するような仕様となっているため,開発難度が高かった。この部分をUnity 6が面倒見てくれるのは,開発者にとってメリットが大きい。

11月1日から,Unity Webを活用してのゲーム開発イベント「Crazy Web Game Jam 2024」が行われることに
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 そのほかにも基調講演では,今後のUnityのアップデート計画について言及した「ロードマップ」なども披露されたが,このあたりは別途レポートしたい。

Unity公式BlogのUnite 2024基調講演サマリー(英語)

Unite 2024特設Webページ

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