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富士見書房とメディアファクトリーが放つ新作TCG「アンジュ・ヴィエルジュ」製作発表会レポート。シンプル&スピーディなゲーム性に要注目
今回発表された「アンジュ・ヴィエルジュ」は,富士見書房とメディアファクトリーが企画・販売を手掛ける新作TCG。ゲーム部分は,「カードファイト!! ヴァンガード」の製作に携わった遊宝洞が担当する。発売日は2013年10月4日。ラインアップはスターターパック(500円)と,ブースターパック(315円)が予定されている(いずれも税込)。
発表会では,本作のビジュアルやストーリーの概要,ゲームシステムの解説に加え,セガネットワークスによるゲーム化を含むメディアミックス情報などが公開された。本稿では,アニソン歌手の鈴木このみさんも登場した発表会の模様をお届けしていく。
「アンジュ・ヴィエルジュ」公式サイト
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富士見書房×メディアファクトリーの新作TCG「アンジュ・ヴィエルジュ」が10月4日に発売
本作のメインビジュアル。本作の舞台となる4つの世界のヒロインがひとりずつ描かれている |
2014年3月には全国規模の公式大会を開催予定
ノベライズ&コミカライズ企画も展開
最初に挙げたのは「豪華なイラストレーター陣」。その一例として紹介されたのが,メインビジュアルに登場しているキャラクターたちを描いた狗神煌さん,カントクさん,深崎暮人さん,abecさんの4名。いずれも数多くのTCGやゲーム作品,ライトノベルの挿絵などでキャラクターデザインやイラストを手掛けるイラストレーターだ。上記以外のイラストレーターに関しては,今後,公式サイトなどで発表されるとのこと。期待しておこう。
さっそくティザーサイトと公式Twitterがオープン。ストーリーやゲームの概要などが公開されているので,興味がある人はチェックしてみよう |
続いては「シンプル&スピーディなゲーム性」。池田氏は「1回の対戦が10分前後に収まる,スピーディなゲーム性を目指しています」とコメントしていた。手軽に対戦を楽しみたいプレイヤーにとっては,これは気になるところだろう。この点については,本稿の後半でより詳しくお伝えする。
最後は「多角的なメディアミックス展開」として,富士見ファンタジア文庫およびMF文庫Jによるノベライズ,月刊コミックアライブによるコミカライズ,Production I.GによるプロモーションPVの製作,そしてセガネットワークスによるスマートフォン向けゲーム化が発表された。
なお,ゲーム化に関してはジャンルなども含め詳細は不明。しかし,10月にリリースが予定されているとのことで,今後TCG版「アンジュ・ヴィエルジュ」と並行して情報が公開されていくはずだ。
新作ゲームもメディアミックス戦略のひとつとして組み込まれている |
今回の発表会で明らかになった製品情報やイベントの開催スケジュールなどは以下のとおり。
「アンジュ・ヴィエルジュ」リリース&大会スケジュール
【2013年】
6月5日
・ティザーサイト,公式Twitterオープン
6月〜9月
・発売前体験会実施
7月28日
・MF文庫Jイベント参加。イベント内にて「アンジュ・ヴィエルジュ」のショートストーリーを掲載し,体験版デッキが付いた「プレリュードブック」を配布
8月28日
・鈴木このみさんが歌う主題歌「Tears BREAKER」発売
10月4日
・TCG「アンジュ・ヴィエルジュ」発売
およびスマートフォン向けゲーム配信開始
10月中
・関東公式大会,中部公式大会開催
・公認店舗,ショップ大会開始
・ライトノベル発売予定(2レーベル)
11月
・関東公式大会開催
12月
・ブースター第2章,サプライ発売予定
【2014年】
1月
・東京公式大会開催
3月
・全国規模の公式大会開催
・ブースター第3章,サプライ発売予定
「アンジュ・ヴィエルジュ」製品情報
◯「アンジュ・ヴィエルジュ」スターターデッキ 序章(仮称)
・発売日:10月4日
・価格:500円(税込)
・内容:カード54枚入り・プレイマット(裏面ルール説明書)
◯「アンジュ・ヴィエルジュ」ブースターパック 第1章(仮称)
・発売日:10月4日
・価格:315円(税込)
・内容:1パック カード7枚入り(ランダム封入) ※カード種類数 合計124種類
◯「アンジュ・ヴィエルジュ」スリーブコレクション(全4種)
・発売日:10月4日
・価格:各735円(税込)
・内容:スリーブ60枚入り
※現在開発中のため変更になる可能性があります
コンセプトはシンプル&スピーディ
ストーリーとゲームを同時に楽しめるTCG
ほかのTCG作品と同様,「アンジュ・ヴィエルジュ」には原作が存在しないオリジナルストーリーが存在する。本作の舞台は,現実世界に突然現れた“門(ハイロウ)”により,3つの異世界と繋がってしまった地球。崩壊に向かう世界の中で,異世界の少女たちは謎の力“異能(エクシード)”を開花させ始める。プレイヤーは“プログレス”と呼ばれる少女たちの力を増幅する存在“アルファドライバー”となり,共に戦うことになるのだ。
ストーリーには多数のキーワードが登場し,ゲームシステムにも関わってくる |
本作に登場する3つの異世界は,黒の世界「ダークネス・エンブレイス」,赤の世界「テラ・ルビリ・アウロラ」,白の世界「システム=ホワイト=エグマ」。これに青の世界「地球」を加えた4つの世界が,キャラクターの「勢力」となる。TCGプレイヤーになじみのある言葉に言い換えると,「色」や「属性」にあたるものだ。
世界観に続いては,ゲームシステムの解説が行われた。ゲームの流れは,フォール(タップ状態)のカードをアウェイク(アンタップ状態)に戻す「アウェイクフェイズ」,山札からカードを2枚引く「ドローフェイズ」,山札からカードを1枚エナジーゾーン(以下の盤面イメージを参照)に裏向きで配置する「エナジーフェイズ」,カードをプレイする「メインフェイズ」,攻撃を行う「アタックフェイズ」という5つのフェイズで構成される。かなり短い手順でターンが完結するシンプルな構造になっている。
プログレス同士が争う対戦は「お互いの修練のため」という形式の元で行われる。よりキャラクターに愛着を持ちやすくするための配慮だという |
さらに,カードの種類はキャラクターを表す「プログレスカード」と,ゲームをサポートする「アクションカード」の2種類のみ。徹底してシンプルな設計になっている。1ターンに加わる手札の枚数が多く,手札からコストを排出するためのカードを配置する必要がないため,手詰まりになる状況は少ないだろう。TCGを体験したことのないプレイヤーも,これなら安心してプレイできそうだ。
カードのサンプル。左上にある数字の枠の色が所属勢力を表している。それぞれの効果は不明だが,左下に「P」と「G」に分けられた数字,右下の丸い枠内にひと桁の数字が書かれている |
これは盤面のイメージ。プログレスカードを配置できる最大枚数は4枚まで。ダメージが8点蓄積したら,その時点でゲームセットになる |
もちろん「アンジュ・ヴィエルジュ」は,単にシンプルなだけのゲームではない。アタックフェイズ時に使用できる「リンク」は,ゲームを大きく動かすシステムであり,これが本作の大きな特徴にもなっている。
「リンク」は一部のプログレスカードが持つ特殊能力で,カードによって異なる効果と個別の発動条件が設定されている。リンク能力を発動するには,テキストで指定された枚数分のカードを山札から捨て札に置き,その中(捨て札に置いたカード)にテキストで指定されたフレーム(記号)のカードが揃うことが条件となっている。
運が絡むシステムだが,カードによってリンク能力の発動条件が違うため,デッキの工夫次第でその確率を変えることができそうだ。スピーディな対戦の中に,高い緊張感が生まれる要素として機能するだろう。
リンク能力の発動例。カードごとに違うリンク能力をいかにして発動させるか。デッキ構築の腕の見せどころになる |
ライブ後,鈴木さんが「私もカードになってみたいです」とアピールすると,ステージ脇からは元気よく「OKです!」という返事が帰ってきた。果たして鈴木さんは,無事エクシードになれるだろうか
最後は,角川グループホールディングス代表取締役社長の佐藤辰男氏が登壇して,製作発表会を締めくくった。本作の発売まではまだ遠いが,発売日に向けてイベント展開や情報公開が行われる。
「シンプル&スピーディなゲーム性」を目指している本作は,TCG初体験にピッタリだろう。「TCGは難しそう」と敬遠していた人も,これを機に飛び込んでみてはいかがだろうか。今後,各地で開催される発売前体験会に参加して,TCGプレイヤーへの第一歩を踏み出してみよう。
「アンジュ・ヴィエルジュ」公式サイト
- 関連タイトル:
アンジュ・ヴィエルジュ
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