プレイレポート
スマホ向けFPS「モダンコンバット5:Blackout」プレイレポート。“クラス”の導入で,より白熱した戦いが楽しめるように
本作は,イタリア・ベニスと日本・東京を舞台に,アメリカ軍とテロリストとの戦いが描かれる。先日,そんな同作の体験会に招待され,英語版を楽しむ機会があったので,プレイフィールを紹介したい。
モバイル端末用に最適化された各種インターフェイス。操作は忙しいがストレスは少ない
今回プレイできたのは,英語版のチャプター1と2のみだったが,製品版では,日本語字幕に対応するとのことなので,英語が苦手な人でもストーリーをしっかりと楽しめる。
ゲームを開始すると,いきなりオープニングシーンで目が釘付けになってしまった。水中の美しい描写の合間に,メーカーやタイトルなどのクレジットが表示されるという,映画さながらの演出だ。水中から陸上に上がる場面では,主人公の着けているマスクから水がしたたり落ちるなど,細かいエフェクトまでしっかりと表現されている。
美しい映像に見とれている間もなく,いきなり戦闘が始まる。突然の事態にてんやわんやな筆者だったが,画面の指示に従って操作するうちに何とか切り抜けることに成功。その後もチュートリアル形式でゲームが進行していき,慣れた頃には1ミッションが終了していた。
操作は,画面左側の仮想パッドで移動,画面右側をスワイプすることで視点の変更が行える。また,仮想パッドの側にあるボタンで「しゃがむ」「立つ」,右上のボタンでライフルやショットガンなど,2種類まで携帯できるメインウェポンの切り替えが可能。加えて,画面右下には「射撃」「ラン(走る)」「精密射撃」「サブウェポン」といったアクションボタンが用意されている。
これらの中で,とくに使用頻度が高かったのが,ランと精密射撃。前者はホールドすることで走って素早く移動でき,後者はタップするとサイト(照準)を覗く画面となり,細かい照準調整が可能となる。なお,元の画面に戻すには,再度,精密射撃ボタンを押せばOKだ。
戦場では,物陰から物陰に走って移動し,遮蔽物に隠れながら隙をついて精密射撃を行う,というシーンが多いのだが,タブレットでこれをやるとかなり忙しい。最初はアクションの多さに戸惑ったが,照準が自動で少しだけ補正されるなど,モバイル用にしっかりとチューニングされており,1〜2ステージを終える頃には慣れ,快適にプレイすることができた。
戦場は美しき水の都や,日本風のお寺。ステージごとのギミックがアクセントに
本作の舞台は,先述したイタリア・ベニスと,日本・東京。ステージ選択画面に表示されている,金色のバッジが「ストーリーミッション」,銀色のバッジが「サポートミッション」となる。
基本は,ストーリーミッションを進めていくことになるのだが,サポートミッションでは,さまざまな武器を特殊な条件下で扱うことにより,その特性を学ぶことができ,ストーリーミッション攻略のヒントにもなっているので,並行して進めていくのがいいだろう。
どのミッションもかなり短時間で終わるため,電車内や待ち合わせ中といった,ちょっとした空き時間にサクッと楽しめるのが好印象だ。
チャプター1のサポートミッションは,プレイヤー自身は一切動かず,スナイパーライフルで味方を援護するという内容だ |
スナイパーライフルには,銃弾を放った後に,少しだけ軌道を修正できる「弾道操作」といったシステムが用意されている |
チャプター1ではボートを使った水上戦,チャプター2では多数の遮蔽物の中で戦う密集戦など,その場所に適した戦いが展開される。とくに水上戦では,ボートに搭載されたマシンガンを使って,敵のボートやヘリ(!)に応戦するシーンもあり,ド派手な演出を楽しむこともできる。
用意された4つのソルジャー。これにより明確な役割分担が可能に
本作では「アサルト」「ヘビー」「リーコン」「スナイパー」という4つのクラスが存在しており,どれを選択するかによって使用できる武器が異なってくる。初期はアサルトしか選択できないが,プレイを進めて「スキルポイント」を入手することで,新しいクラスがアンロックされていく。
クラス紹介
アサルト
もっとも扱いやすい中距離戦闘向きのクラス。攻撃力が高く,アサルトライフルとハンドガンを装備している。
ヘビー
耐久力に優れた近距離戦闘向きのクラス。ショットガン,RPGという一撃必殺の武器を携行する。
リーコン
素早い動きと敵兵発見能力に秀でた近〜中距離向きのクラス。サブマシンガンとピストルを装備している。
スナイパー
隠密行動と遠くからの狙撃を得意とする中〜遠距離向きのクラス。スナイパーライフルとハンドガンを持っている。
本作では,最大6対6の多人数対戦が行える。今回は,シングルプレイのアサルトしか触ることができなかったが,ほかのクラスが所持している武器を考えると,マルチプレイ時における役割が自然と浮かび上がってきそうだ。
また,遠く離れた友人ともインターネットプレイを行うことが可能で,友達や他プレイヤーとともに「クラン」を結成し,クラン同士のバトルも行えるとのこと。なお,チャットはブリーフィング画面でのみ可能で,ボイスチャットはゲームシステムに組み込まれていないという。ハイレベルの戦いとなれば,別のアプリを併用するなど,ちょっとした工夫が必要になるだろう。
新要素だけじゃない。洗礼されたグラフィックスにも注目
今までのシリーズ作品にはなかったクラスシステムや,クラン対戦などの新要素だけでなく,美しいグラフィックスにも注目したい。据え置き機向けのタイトルなどでは,水や重力といった細かい表現が当たり前となっているが,ことモバイル向けタイトルとなると,容量の問題などもあり,そこまで力を入れていないことが多い。
しかし本作は,細かい部分までがしっかりと描かれ,グラフィックスのクオリティが非常に高い。スマートフォンでも問題ないが,せっかくならタブレットの大画面で楽しむことをオススメしたい。
なお,現在判明している対応デバイスはiPad2以上,iPhone4S以上,第5世代iPod touchなど,幅広くカバーされているが,インターネット接続が必須となる。このほか,ゲームコントローラーも随時対応を検討しているとのことだ。
内容はPC向けタイトルのような超リアル志向というよりも,より手軽に楽しめるエンターテイメント寄りな作りとなっている本作。多彩な銃のカスタマイズ要素や,ミッションごとに定められた指令など,やり込み要素も充実している。
PCにどっしりと張り付いて緊迫した戦いを熱望する,というコアなFPSユーザーは少し物足りなさを感じるかもしれないが,このクオリティの作品が場所を選ばずに楽しめるのは驚きの一言。
アクションゲームが好きな人だけでなく,FPSの初心者にもオススメできる作品なので,FPSを始める機会がなかったという人は,これを機に戦場に身を投じてみてはどうだろうか。
- 関連タイトル:
モダンコンバット5:マルチプレイ eスポーツ シューティングゲーム
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