15年ぶりに蘇った伝説のアクションゲーム
ストライダー飛竜
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この15年ぶりの復活劇について,カプコンは「リメイクではなくリビルド(再構築)」と謳っているが,伝説のアクションゲームの遺伝子はどのように受け継がれたのだろうか。
本稿では,PS3版の新生「ストライダー飛竜」を実際にプレイした感想をお伝えしていこう。
「ストライダー飛竜」公式サイト
「PlayStaion 4」特設ページ
伝説のアクションゲーム 初代「ストライダー飛竜」とは
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主人公の飛竜は,特務機関「ストライダーズ」に所属する特A級ストライダー。いわゆる凄腕のエージェントであり,世界を支配する冥王グランドマスターを暗殺する任務を受け,危険に満ちた敵地へと潜入することになる。
飛竜のアクションそのものにおいても,ゲーム全体の演出やテンポにおいても,アクション映画のような雰囲気が漂っているのが特徴だ。
垂直の壁を上ったり,天井にぶら下がったりといった,忍者を彷彿とさせるアクロバティックなアクションが簡単に繰り出せるシンプルな操作性。息つく暇もなく次々にピンチが訪れるテンポの良さ。パワードスーツの賞金稼ぎから遺伝子操作で復活した恐竜まで,とにかく濃い敵キャラクター……といったように,初代「ストライダー飛竜」の見どころを挙げていくとキリがない。
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世界を恐怖に陥れる「空中戦艦バルログ」の力を誇示する敵に向けて,「きさまらにそんな玩具は必要ない」と言い放つシーンは,今なお強く印象に残っている。
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飛竜というキャラクターの人気も高く,対戦格闘ゲーム「ストリートファイターZERO2」の背景に登場したのをはじめ,「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズではプレイアブルキャラクターとして参戦。さらに「SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ」や「NAMCO x CAPCOM」など,他社によるコラボレーション作品にも登場している。
ちなみに,「MARVEL VS. CAPCOM」シリーズ登場時,飛竜はかなり強く設定されたキャラクターだった。格闘ゲームにおいて,突出した強さを持つキャラクターはヒールとして見られがちだが,「あの飛竜だから強くて当然」と納得していたプレイヤーが多かったと記憶している。
こうして振り返ってみると,飛竜の誕生は25年前ではあるが定期的に出演作があり,幅広い年代層に知られていることがお分かりいただけるだろう。
リビルドされた2014年版「ストライダー飛竜」
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「ストライダー飛竜2」の登場から数えて15年ぶりの復活となったわけだが,先に結論を述べてしまえば,シリーズの遺伝子はしっかりと受け継がれ,そのうえで2014年にふさわしいテンポのアクションゲームとなっている。長い年月を超えて帰ってきた飛竜も,ちゃんとカッコ良くて強かったのだ。
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最新作のプロデューサーを務めるアンドリュー・サマンスキー氏が,インタビュー取材時に「リメイクではなくリビルド」と語ってくれたように,本作は初代「ストライダー飛竜」を再構築したものである。
「冥王グランドマスター暗殺の命を受けた飛竜が,立ちはだかる敵を撃退しながら任務遂行を目指す」というアウトラインも初代と同じ。ストーリー的にはゼロからのスタートとなっているので,同シリーズの予備知識がなくても楽しめるはずだ。
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飛竜の操作性については,初代「ストライダー飛竜」の良さが踏襲されている。垂直の壁や狭い通路,急な斜面など飛竜の行く手を阻む地形は険しいが,基本的に複雑な操作なしに進んでいける。
目の前に迫る壁を上るときには,壁側にアナログスティックを倒し,飛竜が壁にクライムシクル(登攀用の鎌)を引っかけたら,スティックを上に倒すだけ。また,天井を伝って進むには,ジャンプした飛竜が天井に接触すると自動でぶら下がるので,スティックで移動すればいい。
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ビルの谷間から壁面を上って屋上へ,そこに待ち構えていた敵兵の銃撃をスライディングで回避しつつ,サイファーで斬り捨てる。広大な倉庫内で天井伝いに移動して,敵を頭上から襲撃する。
こうした映画的なアクションが,簡単な操作で実現できてしまうのが,「ストライダー飛竜」の大きな魅力だろう。ムービーやQTE(クイックタイムイベント)ではなく,プレイヤー自身が操作して体感できるアクションは,2014年の現代においてこそ新鮮に映るかもしれない。
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ハイテンポなゲームデザイン,
そして2Dアクションの文法に忠実なボス戦
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これだけでは「ぬるい」ゲームになったように思われそうだが,敵の飛び道具が厄介になっているので,まったく気が抜けない。通常の敵兵であっても銃を連射してくるし,扇状に散弾を放つショットガンや遠距離から狙撃するスナイパーは脅威だ。
ステージ内のバトルは,絶えず動いて狙いを定めさせないようにして,敵を速やかに仕留めることが重要になっている。
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ボス戦では,相手の攻撃パターンを見極めて,確実に対応することが求められる。3D表現で生まれ変わった最新作ではあるが,往年の2D横スクロールアクションの遺伝子を色濃く残しており,懐かしさすら感じさせる。
飛竜の身体能力をフルに活かし,攻撃を回避しながら,隙を突いて反撃を叩き込むわけだが,うまく決まれば自分の腕に酔いしれることだろう。
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プレイヤーが上達ぶりを実感できる新システムも導入されている。連続でダメージを与えると画面左上のゲージが上昇し,最大値に達すると飛竜が一定時間パワーアップする。サイファーの攻撃範囲とダメージが増加する仕組みだが,このゲージはダメージを受けると減少するため,パワーアップに成功したということは,攻撃を回避している証。さらに華麗なゲームプレイを目指すモチベーションにつながる要素でもあるのだ。
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広大なマップを探索する要素を導入
本作の大きな特徴としては,探索要素の導入が挙げられる。広大なマップを縦横無尽に駆け巡り,アイテムを入手して特殊能力を獲得すると,新たな場所に進めるようになる。
とはいえ,パズルアクションの要素は薄く,次に向かうべき場所や特殊能力で突破できる場所は,つねにマップに表示されている。また,探索アクションではおなじみの「メニュー画面を呼び出して,特殊能力を切り替える」といった操作は不要。スピーディなアクションゲームとしてのテンポを損なわないように工夫されているのだ。
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飛竜の爽快なアクションにより,マップ内を移動するだけでも楽しい |
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特殊能力「チャージアタック」を入手。特定のオブジェクトを攻撃すると扉が開くようになる |
本作における飛竜の特殊能力は,「探索範囲を広げるための鍵」のみならず,バトルでも大いに活用できる。サイファーを構えて上空から急降下,眼下の敵にダメージを与える「ダウンストライク」,サイファーで敵の弾を跳ね返せる「リフレクトサイファー」,相手を炎に包む「バーストサイファー」など,ゲームを進めるにつれて戦いのバリエーションが広がっていくわけだ。
なかでも「ダブルジャンプ」と「プラズマカタパルト」を組み合わせると,空中で3回の軌道変更が可能となり,さらにテクニカルに戦えるようになる。飛竜のアクロバティックなアクションが,存分に堪能できるはずだ。
![]() サイファーを構えて急降下する「ダウンストライク」。床を破壊することも可能 |
![]() 「クナイ」で敵を攻撃すると,効率的にゲージを溜められる |
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強化されたサイファーで敵の弾を跳ね返す「リフレクトサイファー」 |
![]() 「バーストサイファー」は相手を燃やして追加ダメージを与える |
![]() 「ダブルジャンプ」を入手すれば,これまで進めなかったエリアにも侵入できる |
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ふんだんに盛り込まれたシリーズ作品へのオマージュ
新たな試みや要素が導入されている一方で,これまでのシリーズ作品に対するさまざまなオマージュにも注目してほしい。
例えば,敵の攻撃やマップ上のワナに触れ,体力が0になると飛竜が白く光って爆発するが,これは過去作と同じ演出になっている。
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こうしたオマージュからは,開発チームが最新作に込めた「ストライダー飛竜」シリーズへの愛情と敬意が伝わってくるようだ。元ネタを知らなくてもまったく問題はないが,PS3版に同梱される「ストライダー飛竜1&2」(ゲームアーカイブス版)をプレイして確かめてみるのも面白いだろう。
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確かに受け継がれていた飛竜の遺伝子
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飛竜のシルエットは変わっていないが,マフラーはプラズマの奔流になり,コスチュームは硬質ゴム製のようなアーマーに変更されている |
これは,インタビューにおいてサマンスキー氏から語られた発言だが,確かに最新作の飛竜は強く,カッコ良く,スピーディで寡黙。飛竜のキャラクター性や魅力は,しっかりと継承されていた。
ゲームセンターに設置されるアーケードゲームから,自宅で楽しむコンシューマゲームになったことで,ゲーム全体のテンポは変化している。だからといって,飛竜らしさは失われてはいない。
ただ旧作をなぞるのではなく,新システムの導入やキャラクターに新たな解釈を加えることで,2014年の作品としてふさわしいものに仕上がっている。
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キノコ型の「オプションA」。最新作では敵弾を防ぎ,端末をハックする |
![]() パンサー型の「オプションB」は,地上の敵を攻撃するだけでなく,エリア移動時にも活用 |
![]() イーグル型の「オプションC」。過去作では防御専用だったが,最新作では画面を横切るように攻撃を加える |
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まったく新しいボスも多数登場。「西王母」は東風三姉妹の師匠にあたり,3人の技をすべて使いこなす |
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こちらもオリジナルキャラクターの「軍政官ミキエル」。飛竜を挑発しながら,重戦車トルネードの倉庫まで逃げていく |
いわゆる続編やリメイクではなく,リビルドという方向性を採ったことは,結果的に正解だったのではないだろうか。アーケード版から飛竜を知るファンも,対戦格闘ゲームで飛竜を知ったファンも,まずは一度触れてほしい。
飛竜らしさとは何か。その答えの一つが本作には存在している。
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- ライター:箭本進一
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