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[TGS 2013]スマホゲームに新たな風を! 会場で見つけたそれぞれ別の「新しさ」を感じさせる2作品を紹介
東京ゲームショウ2013の会場では,そんなアプリ群に埋もれない,面白い試みを見せてくれた出展作も見受けられた。中でも筆者がとくに感銘を受けた作品を,今回は2本紹介しよう。
“ブースに実際の謎解きの問題を展示する”という出展方法に,まず一本取られた。この展示された謎をすべて解けば限定グッズがもらえるという,嬉しいご褒美もある。
もちろん作品自体も,実に興味深い内容だ。本作は,物語を読み進め,その中で拾ったヒントを生かして合間合間に出題される「謎」を解いて真のエンディングを目指すという,謎解き型アドベンチャーゲームである。文章の妙を知り尽くした「編集工学者」松岡正剛氏が世界設定を監修し,それをアニメスタジオSTUDIO 4℃がグラフィックスとして描き出す。その世界は実に神秘的で,ページをめくっていくうちに自然と物語に飲みこまれていく感覚を味わうことができた。物語にヒントが隠されていることを考えると,ますます没頭してしまうのだ。
本作では,アプリ内のすべての謎を解くと挑戦権を与えられる「最終謎」を一番早く解いたプレイヤーには,「人生を変えるような宝」を実際にプレゼントするという企画も実施されるとのこと。操作にテクニックの必要のない,誰もが気軽に挑戦できるこの謎解きレースが果たしてどのようなドラマを生み出してくれるのか。今から楽しみでならない。
こちらは,東京ゲームショウ初日の2013年9月19日午後,まさに筆者が取材のためにブースを訪れた時間帯に配信の始まった,新作中の新作である。
この作品は,モンスターのパーティを組んでダンジョンを探索するという,一見オーソドックスなRPGアプリ。しかしダンジョンは毎回ランダムに生成,さらに,三人称視点で冒険するため,実際にダンジョン内を迷い歩いているような宝探しの感覚が味わえるのが新鮮だった。
戦闘システムも面白い。主人公が従える各モンスターはスロットマシンのリール状に並んだ攻撃技アイコンを持っており,6体のモンスターでパーティを組むと,まさにスロットマシーンのようになる。攻撃時にはこのスロットを回して,各モンスターの攻撃行動をキメるのである。同じ種類のマークが4つ以上並ぶとより強力な効果が得られるという,この“スロットバトル”はかなり没入度が高い。
さらに,敵の攻撃を受けると増加する「リールスライド」のゲージを消費すれば,このリールをある程度“ずらす”ことができるのもポイント。ずらすことも折り込んで,リールの組み合わせを考えてみるのも面白そうだ。モンスターが強化されるとリールの内容もより強力になるので,モンスターの育成を視野に入れればますますスロットが奥深くなる。
片やプレイヤーへのアプローチの方法,片やオーソドックスなシステムの良さを崩さずに斬新さを打ち出すアイデアと,制作側の「新しい面白さ」を作り出そうとする工夫が際立っていたこの2作品。プレイしながらこうした工夫を探してみるというのも,多くの作品が乱立するスマートフォンアプリの楽しみ方かもしれない。
- 関連タイトル:
ソラノアーク〜天界のラビリンス〜
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