イベント
「KONAMI Arcade Championship 2012」2日目の模様をレポート。“三連覇”や海外勢の活躍に会場はヒートアップ
大会2日めとなる22日には,「beatmania IIDX 21 SPADA」「jubeat saucer」「REFLEC BEAT colette」「DanceDanceRevolution」「pop'n music Sunny Park」といったBEMANIタイトルのほか,「麻雀格闘倶楽部 頂の陣」や「BASEBALL HEROES 2013」といった人気アーケードゲームを用いた戦いが繰り広げられた。
本稿では,全国のランカーが技術を競い合ったBEMANIタイトルの決勝戦に焦点を絞り,写真を交えながらレポートしていこう。各優勝者へのミニインタビューも行ったので,そちらもぜひチェックしてみてほしい。
KONAMI Arcade Championship 2013公式サイト
絶対王者TATSU選手の三連覇を阻止できるか
「pop'n music Sunny Park」決勝戦
決勝戦ではこの3名が,それぞれ1曲ずつ楽曲を指定し,その3曲の合計スコアを競うこととなる。選ばれたのは,「白夜幻燈」「想い出をありがとう」「踊るフィーバーロボ」の3曲だ。
とはいえ,その差はまだ3000点前後。最後の3曲目で何が起きるか分からない状況であったが,3曲目「踊るフィーバーロボ」では全員のスコアが100点差以内に収まるという超ハイレベルな接戦となり,リードを守りきったTATSU選手が優勝を果たした。
■TATSU選手ミニインタビュー
優勝……といいますか,三連覇おめでとうございます。
TATSU選手:
ありがとうございます。優勝はもちろん嬉しいんですけど,本当はもっとフルコンボを出して,観客を沸かせるようなプレイをしたかったですね。思っていたよりもうまくいかなかったので,そこが心残りです。
4Gamer:
決勝では曲の途中でbpmが変化する,いわゆるソフラン曲というものを指定していましたが,そういった曲で高いスコアを出す秘訣はあるのでしょうか。
TATSU選手:
とにかく回数をこなして,曲を体に覚えこませることですね。あとは,bpmが遅い部分を練習するために,その部分をもっとも見切りやすいハイスピードに設定して,その曲を何度もプレイします。
4Gamer:
そうすると,通常のbpmの部分では譜面の速度が速すぎて,まともにプレイできないのではないですか?
TATSU選手:
そうですね。だから,練習したい部分だけをハイスピードでプレイして,ほかの部分はプレイせずに飛ばします。何度もbpmが変わる曲では,何種類ものハイスピードでプレイする必要がありますね。そうしてすべてのパートを体に覚え込ませてから,1曲を通してのプレイを練習するんです。
4Gamer:
気の遠くなるような練習方法ですね……。全国大会を三連覇するのも納得です。ちなみに次の目標は?
TATSU選手:
もちろん四連覇です。ポップンでは誰にも負けない自信があるので,誰でも挑戦してきてください!
一進一退の接戦に観客も息を飲んだ
「DanceDanceRevolution」決勝戦。
3曲目の「MAXX UNLIMITED(X-Special)」では全体の差が縮まり,勝負は4曲目の「888」までもつれ込んだが,最後まで集中力を切らさずに高いスコアを叩き出したRIN-GO!!選手が見事にリードを守り切り,過去2回の大会の雪辱を果たして悲願の優勝を手にした。
二大会連続の2位という悔しい結果に終わっていたRIN-GO!!選手。優勝という最高の結果を手にして感極まっている姿に,観客および選手からは惜しみない拍手が贈られた |
最後は皆でガッツポーズ。写真左から,RIN-GO!!選手,BROSONI.選手YOSHIMIZ選手,GAHOU選手 |
■RIN-GO!!選手選手ミニインタビュー
優勝おめでとうございます。
RIN-GO!!選手:
ありがとうございます。
4Gamer:
決勝戦は僅差の戦いでしたが,どこかで「これは勝てそうだ」と思った瞬間はあったのでしょうか。
RIN-GO!!選手:
第1回,第2回のKACではどちらも決勝戦まで行って負けているので,「また今年も勝てないかもしれない」という思いのほうが強かったです。でも,4曲目の途中で「ここで負けたらまた去年と同じだぞ! ここでへこたれてどうする!」と考え直したら,応援してくれているみんなの顔が浮かんできたんですよね。そうしたら,そのみんなに背中を押されているような感覚になって……。そのおかげで,最後の最後,ラストの一音まで集中してプレイすることができたんです。
4Gamer:
熱い戦いに,心を打たれた観客も多かったようですね。
RIN-GO!!選手:
試合が終わったあとに,DDRをプレイしたことのない人からも「観ていて感動した,面白そうなのでプレイしてみたい」という声をいただいたのが,何よりも嬉しかったですね。DDRは素晴らしいゲームなので,皆さんぜひプレイしてみてください!
激戦の予選トーナメントを勝ち上がったのは?
「REFLEC BEAT colette」決勝戦
「REFLEC BEAT colette」の予選は,1対1でお互いの指定した曲をプレイし合い,2曲の合計スコアを競うトーナメント形式で行われた。
このトーナメントを勝ち上がったのは,NICHAN.T選手と,SIR・O・N.選手の2名。NICHAN.T選手はアジア(韓国)代表の選手ながら,「REFLEC BEAT」シリーズの稼動初期からトップクラスの座に君臨している実力者だ。準決勝では,KAC第1回優勝者のN.E.X.T選手を,8点差の僅差で下して勝ち上がった。対するSIR・O・N.選手も,準決勝でKAC第二回優勝者のA.N.C.B選手を2点差で下しており,決勝戦は激戦となることが予想された。
兵役で「REFLEC BEAT」シリーズから一時期遠ざかっていたというものの,ブランクを感じさせない実力を披露したNICHAN.T選手 |
優勝候補と言われていたA.N.C.B選手を2点差で下し,決勝戦へと勝ち上がったSIR・O・N.選手 |
決勝戦の1曲目は,NICHAN.T選手が指定した「Arcanos」。bpmが非常に遅く,ハイスピード設定のない「REFLEC BEAT」シリーズでは高いスコアを出しづらい難曲だが,NICHAN.T選手が精度の高いプレイを見せつけ,80点差以上のリードを作った。
2曲目は,SIR・O・N.選手が指定した「ZZ」での勝負となった。SIR・O・N.選手が終盤まで大きくリードを保ち,逆転勝利へと可能性を繋げたが,この楽曲でNICHAN.T選手がまさかのフルコンボ。最後にボーナス加点を得て一気に点差を詰め,見事優勝を果たした。
優勝が決まった瞬間。ハイレベルな試合の連続を制したNICHAN.T選手に,会場からは暖かい拍手が贈られた |
NICHAN.T選手には,会場に駆けつけたコンポーザーのDJ YOSHITAKA氏からトロフィーが授与された |
■NICHAN.T選手選手ミニインタビュー
優勝おめでとうございます。
NICHAN.T選手:
ありがとうございます。優勝できるとは思っていなかったので,すごく興奮しています。トーナメント形式の大会だったので,組み合わせなどの運もあったとは思うのですが,プレイヤーの少ない韓国から代表として来て,日本の大きな大会で優勝できたことはとても誇らしいですね。
4Gamer:
言葉の壁などもあり,プレッシャーも大きかったと思うのですが,その中で結果を出されたことはすごいことだと思います。
NICHAN.T選手:
ありがとうございます。REFLEC BEATは本当に面白いゲームなので,これからもまだまだ続けていきたいと思っています。皆さん,第4回大会でまた会いましょう(笑)。
大荒れ必至の選曲に,トップランカーたちも大苦戦
「beatmania IIDX 21 SPADA」決勝戦
まずは「3y3s」「DIAVOLO」という難しい楽曲が続いたが,ここでは大きな点差が付かず,4人が50点差以内で並ぶという接戦となった。
明暗がはっきりと分かれたのは3曲目の「DAY DREAM」だ。曲の途中で何度も変わるbpmに,MIKAMO選手とTAKA.S選手は苦戦を強いられたが,K-CHA*選手とDolce.選手は,bpmに合わせてハイスピードを変更する「ギアチェンジ」の技術を駆使して高スコアを記録。ほかの2名との得点差を一気に100点以上広げた。
クセの強い曲が続くなか,安定したスコアを出し続けたDolce.選手。苦手曲がまったくといっていいほどなく,なおかつ他プレイヤーとの差をつけられる「武器曲」を持っているのが強みといえる |
優勝が決まった瞬間,仲間と思わず抱き合うDolce.選手 |
3曲目が終わった時点で,1位のK-CHA*選手と2位のDolce.選手の点差は30点ほどだった。しかし,最後の曲となる「灼熱Beach Side Bunny」は変則的なリズムでスクラッチし続ける超難曲であり,Dolce.選手が最も得意とする曲でもある。この曲でDolce.選手は,あわやフルコンボという圧倒的なプレイを披露し,K-CHA*選手との点差を一気にひっくり返して優勝を決めた。
■Dolce.選手ミニインタビュー
優勝おめでとうございます。
Dolce.選手:
ありがとうございます。
4Gamer:
優勝候補筆頭に挙げられながらも,決勝戦では3曲目まで2位という順位につけていましたが,最後の曲目で逆転する自信はありましたか。
Dolce.選手:
思っていたよりも皆がうまくて,かなり焦っていましたね。でも,決勝に残っているプレイヤーの情報は事前に集めていて,自己ベストのスコア状況なども大まかには知っていたので,これくらいの点差なら逆転できるだろうな……という算段はありました。
4Gamer:
長い間圧倒的なトップランカーとして実力を維持しながら,負けられないプレッシャーと戦うのは大変だと思いますが,そのモチベーションはどこから沸いてくるのでしょう。
Dolce.選手:
正直に言えば,モチベーションをずっと維持しているわけではありません。でも,こういったKACのような大会があるおかげで,そこに向かって努力することができているんだと思います。なので,IIDXという素晴らしいゲームを作ってくれて,こういった大会まで開いてくれているKONAMIさんには頭が上がりません。
4Gamer:
これからもぜひ,多くのプレイヤーに素晴らしいプレイを披露し続けてください。
Dolce.選手:
ありがとうございます。頑張りますので,次回の大会に出るようなことがあれば,応援よろしくお願いします。
jubeatの舞台にも吹き荒れるアジア旋風
「jubeat saucer」決勝戦
1曲目の「True Blue」で一歩リードしたのは,アジア(韓国)代表のFEFEMZ*選手。100万点という最高得点を叩き出して会場をどよめかせたFEFEMZ*選手は,2曲目の「DIAVOLO」でも,4人の中で最も高いスコアを出し,他選手との得点差を広げることに成功した。
3曲目の「Daily Lunch Special」では,C*KTN.F7選手がFEFEMZ*選手を上回るスコアを出して一矢報いたものの,その点差を埋めるには至らず惜しくも2位。3曲すべてで安定したプレイを見せたFEFEMZ*選手が,KAC「jubeat saucer」部門の優勝者となった。
準優勝のC*KTN.F7選手 |
「REFLEC BEAT colette」部門に続き,本大会2人目の海外(韓国)勢として優勝を果たしたFEFEMZ*選手 |
■FEFEMZ*選手ミニインタビュー
優勝おめでとうございます。
FEFEMZ*選手:
ありがとうございます。優勝できるとはまったく思っていなかったので,全然実感が沸かないですね。
4Gamer:
日本に来たのは初めてとのことですが,日本と韓国のゲームセンターを比べて,何か違いは感じましたか。
FEFEMZ*選手:
とにかく規模が違いますね。とても広いし,韓国よりもたくさんの種類のゲームが置いてあるので驚きました。
4Gamer:
それでは,このあと日本のゲームセンターでゆっくり遊んでいってください。
FEFEMZ*選手:
そうしたいと思います(笑)。今日は,素晴らしい大会に参加できてとてもいい思い出になりました。次回があればまた挑戦したいと思いますので,よろしくお願いします。
各種目の優勝者たちが一堂に会した表彰式
大会終了後は,BEMANIタイトルのほか,「エターナルナイツ」「メダルマスター決定戦」「BASEBALL HEROES」「GI-Master」「麻雀格闘倶楽部」といったタイトルの優勝者達が集まり,それぞれの表彰が行われた。表彰式のあとには,BEMANIアーティストが多数出演するスペシャルライブが行われて,本大会を締めくくった。
会場を盛り上げるdj TAKA氏 |
次々と流れる人気楽曲にヒートアップする会場。スペシャルライブが目当てで本大会に足を運んだお客さんも,少なくなかったようだ |
- 関連タイトル:
beatmania IIDX 21 SPADA
- 関連タイトル:
jubeat saucer
- 関連タイトル:
REFLEC BEAT colette All Seasons
- 関連タイトル:
DanceDanceRevolution
- 関連タイトル:
pop'n music Sunny Park
- この記事のURL:
キーワード
(C)2013 Konami Digital Entertainment
(C) 2012 Konami Digital Entertainment
(C)Konami Digital Entertainment
(C)Konami Digital Entertainment
(C)2012 Konami Digital Entertainment