ニュース
GIGABYTE,144Hz&HDR対応の27型液晶ディスプレイ「AD27QD」を3月28日に国内発売
税込のメーカー想定売価は6万9800円前後。発売日は3月28日であるが,発売から1か月間は,Project Whiteが展開するPC&PCパーツショップのTSUKUMO(ツクモ)各店での取り扱いとなるそうだ。
2019年1月に行われたCES 2019に合わせて発表となったAD27QDは,27インチサイズで解像度2560×1440ドット,垂直最大リフレッシュレート144HzのIPS液晶パネルを採用しており,AMD独自のディスプレイ同期技術「FreeSync」やVESAのHDR対応ディスプレイ規格「DisplayHDR 400」にも対応するという充実した仕様が特徴の製品だ。
本稿では,3月26日に都内で行われた製品発表会の様子と合わせて,新製品の特徴を紹介したい。
AORUS初の製品ではあるが,スペック面は充実
AD27QDの外観における特徴は,派手なカラーLEDイルミネーションを組み込んだ背面とスタンドにある。イルミネーションのデザインは,「獲物を狙ったハヤブサがダイブする様子」をモチーフとしたそうで,アームの下側左右にあるLEDがハヤブサの目を,ディスプレイ背面の左右は広げた翼をイメージしているそうだ。
上下回転(チルト)と左右回転(スイーベル),上下130mmの高さ調整に90度の縦回転に対応するなど,可動範囲が広いスタンドとなっており,重量もあるので激しくキーボードやマウスを使うようなプレイでも,ディスプレイがガタガタ揺れたりはしないという。
ディスプレイ周りのスペックを確認しておくと,まず,輝度は350cd/m2(通常時)で,コントラスト比は1000:1,応答速度はMPRT(Moving Picture Response Time)で1ms,上下左右の視野角は178度となっていた。また色域については,デジタルシネマ向けの色域規格「DCI-P3」の色空間カバー率が95%となっており,90%程度が多いゲーマー向け液晶ディスプレイとしては優秀であると,
ゲーム用途向けの機能としては,暗部の視認性を高める「Black Equalizer」や,映像の残像感を低減する「AIM Stabilizer」といった機能を備えるという。
なお,AIM Stabilizerは,単純な黒挿入ではなく,映像を解析して動的にバックライトを制御することで残像感を低減する技術とのことだったが,発表会の場では詳細な説明を得られなかった。
ビデオ入力インタフェースは,DisplayPort 1.2が1系統とHDMI 2.0 Type Aを2系統を装備している。また,USB 3.1 Gen.1対応のハブ機能も備えるなど,インタフェース周りに不足はない。
充実した設定ソフト「OSD Sidekick」
ディスプレイのOSDメニューをPC用設定ソフトから操作できるディスプレイは珍しくないが,すべての項目をPCから設定できるわけではない製品は多い。その点,OSD Sidekickは,厳密に確認したわけではないものの,見たところほぼすべての項目をPCから設定できるようだ。
またAD27QDは,ゲーマー向け液晶ディスプレイとしては珍しく,2系統の映像入力を1画面に表示する「Picture in Picture」(PiP)や「Picture by Picture」(PbP)に対応しているのだが,どの入力をどう表示するかという設定もOSD Sidekickから行えるので,ディスプレイ側のOSDメニューで操作する場合よりも使い勝手は良さそうである。
これは,AD27QDの背面にある3極3.5mmミニピンマイク入力に接続したヘッドセットからのマイク音声と,AD27QDの下端に内蔵したアレイマイクの音声を使って,マイク入力の音声からノイズを取り除くという機能である。ヘッドセット側にノイズキャンセリング機能があれば不要と言えなくもないが,ディスプレイに追加する機能としては面白い。
27インチで2560×1440ドット,144Hz&HDR対応というAD27QDのスペックは,ある種の穴場なのか,ゲーマー向けディスプレイメーカー各社があまり製品を展開していない。そのためか,北米市場では1月に販売を開始したが,売り切れも出るほど好評を博しているという。
サイズや解像度からすると,7万円という価格はハードルとなるかもしれないが,24インチ級より広い画面で144Hz表示とHDR表示に対応するというポイントに惹かれる人なら,選択肢に含める価値がありそうだ。
24インチや27インチ湾曲型,さらに大きな製品も投入予定
製品発表会では,AORUSが計画している今後の液晶ディスプレイロードマップについても,ごく簡単だが説明があった。
まず,2019年の第3四半期には,普及価格帯の24インチ級液晶ディスプレイを投入する計画であるという。また,2019年第4四半期には,27インチでアスペクト比16:9の湾曲型液晶ディスプレイを発売する計画であるそうだ。
さらに2020年には,32インチ級や49インチ級の製品も計画しているとのこと。49インチ級は,16:9よりも横長な製品かと思ったのだが,今のところそれは分からないということだった。
いずれにせよ,GIGABYTEもゲーマー向け液晶ディスプレイのラインナップを積極的に拡充していく意欲があることは分かったので,今後の展開に期待していきたい。
●AORUS AD27QDの主なスペック
- パネル:27インチ,IPS方式,ノングレア(非光沢)
- バックライト:LED,フリッカーフリー
- パネル解像度:2560×1440ドット
- 最大垂直リフレッシュレート:144Hz
- ディスプレイ同期技術:FreeSync対応
- HDR対応:DisplayHDR 400対応
- 輝度:350cd/m2(通常)
- 表示色:約10億7300万色
- コントラスト比:1000:1
- 視野角:左右178度,上下178度
- 応答速度:1ms(MPRT)
- 内部フレーム遅延:未公開
- ビデオ接続インタフェース:DisplayPort 1.2×1,HDMI 2.0 Type A×2
- そのほかの接続インタフェース:3.5mmミニピンヘッドフォン出力
- USBハブ機能:USB 3.1 Gen.1 Type-A×2
- スピーカー:未公開
- チルト(上下回転):−5〜+21度
- スイーベル(左右回転):−20〜+20度
- ピボット(縦回転):90度
- 高さ調整:130mm
- VESAマウント:100×100mm
- 公称消費電力:75W(最大),0.5W(待期時)
- 公称本体サイズ:614.9(W)×236.9(D)×484.7(H)mm
- 公称本体重量:8kg
- 主な付属品:DisplayPortケーブル,HDMIケーブル,USBケーブル,電源ケーブルなど
- 保証期間:未公開
GIGABYTEのAORUS公式Webサイト
- 関連タイトル:
AORUS
- この記事のURL: