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[SPIEL’14]「シャドウラン」の生みの親が手がける新作ミニチュアゲーム「Golem Arcana」プレイレポート。そのビジュアルとタブレット連動に注目
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印刷2014/11/08 20:01

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[SPIEL’14]「シャドウラン」の生みの親が手がける新作ミニチュアゲーム「Golem Arcana」プレイレポート。そのビジュアルとタブレット連動に注目

「Golem Arcana」のデザイナー,Jordan Weisman氏
画像集#001のサムネイル/[SPIEL’14]「シャドウラン」の生みの親が手がける新作ミニチュアゲーム「Golem Arcana」プレイレポート。そのビジュアルとタブレット連動に注目
 今回のSPIEL’14のトレンドは何かと考えたとき,真っ先に思い浮かぶのはデジタルデバイスと連動したタイトルの増加だろう。北米のメーカーであるFFGでは,PCゲームを原作としたスマートフォン/タブレット端末連動の協力型ボードゲーム「XCOM: The Board Game」を展示していたし,またドイツメーカーのRavensburgerも,「smartPLAY」なるスマホ連動シリーズを展開していた。
 そんなデジタルデバイスとの連動タイトルの中でも,ビジュアル面で一際目を惹いたのが,Pegasus SPIELのブースでデモプレイが行われていたミニチュアボードゲーム「Golem Arcana」だ。

 本作は,シアトルに拠点を置く独立系開発会社Harebrained Schemesが手がける,スマートフォン/タブレット端末連動のターン制ストラテジーゲームだ。スーパーファミコンで1994年に発売されたRPG「シャドウラン」のリメイク作である「Shadowrun Returns」や,「ストライクフリート」iOS / Android)の名前でローカライズが行われたラインドロー系のスマホ用RTS「Strikefleet Omega」の開発元といえば,4Gamer読者の中に聞き覚えがある人もいるかもしれない。

画像集#012のサムネイル/[SPIEL’14]「シャドウラン」の生みの親が手がける新作ミニチュアゲーム「Golem Arcana」プレイレポート。そのビジュアルとタブレット連動に注目

 そして本作のゲームデザインを担当した人物こそ,かつてFASAでテーブルトークRPGの「Shadowrun」を世に送り出し,その後Wizkidsでフィギュアゲーム「Mage Knight」を生み出したJordan Weisman氏その人である。
 今回のGolem Arcanaは,Kickstarterで資金の調達に成功し,2014年8月に基本セットが発売された(ちなみに79.99ドル)。以後,毎月順調に拡張キットが発売され,フィギュアの数も増え続けているという。Jordan Weisman氏本人のチュートリアルの元,会場にて本作を遊んでみたので,本稿ではその模様をお伝えしていこう。


「Golem Arcana」公式サイト(英語)



騎士達の駆るGolem達が闊歩する世界


 Golem Arcanaの舞台となるのは,錬金術によって作られた巨大な戦闘機械「Golem」を駆る騎士達が戦場を闊歩する異世界,Eretsu。偉大なる初代カーンによって建国されたGudanna Dominionが北の古代帝国Durani Empireと和平を結び,周辺の蛮族との戦いにも終止符が打たれたのもつかの間,早過ぎるカーンの死により,世界は再び戦乱の中に引き戻されてしまう。
 Gudanna Dominionの後継者達からかつての領土を取り戻そうとするDurani Empireが南下を始め,さらに一度は征服された辺境の部族達――ZikiaとUrugalも蜂起した。国境には稼ぎを求める傭兵達の姿も。そして,決断の時はやってくる。さて,あなたはどの陣営に与して戦うだろうか……というのが本作の導入部分だ。
 
「Golem Arcana」のプレイ風景
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 しかしここまでは異世界ファンタジーとしてはよくある話で,ゴーレムのビジュアルがやたらカッコいいという以外(それがスゴイのだけれど)に,とくに新鮮味はない。本作が真に新しい部分は,先にも述べたデジタルとの連動要素である。

 プレイ風景を見てみよう。試遊用のプレイテーブルの脇には,タブレット端末が1台用意されていて,プレイヤーはなにやら太いペン状のデバイスを持っている。このペン状のデバイスは「TDI Stylus」(TDI:Tabletop-Digital Interface)と呼ばれるもので,フィギュアやカード,マップタイルに埋め込まれた情報を読み取り,タブレット端末に送る機能を持っている。端末にインストールされた専用アプリ(iOS / Android)は,これらの情報を元にゲームの状態を把握して,各種データを管理する仕組みだ。

Golemの土台部分をTDI Stylusでタップすると,タブレットにさまざまな情報が表示される。TDI Stylusは端末からはBluetoothデバイスとして認識されるようだ
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タップするのはフィギュアでなく,手元にあるカードでも良い。移動,戦闘,支援効果,そしてパイロットである騎士の特殊能力まで,戦闘にまつわるすべての行動がここで行える
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 実際のゲームの流れとしては,動かしたいGolemのフィギュアかカードをタッチした後に,カードに書かれたコマンドの中から行動を選択。移動する場合は,移動先のタイルを指定してTDI Stylusに用意された決定ボタンを押せばよい。タブレット端末には,Golemの能力から,移動可能なタイルが自動的にハイライト表示されるので実に簡単だ。
 攻撃の場合も同様で,そのGolemが持つ攻撃方法(白兵か遠距離攻撃かなど)をカードから選んで,対象とする敵Golemをタップするだけでいい。

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攻撃が命中するかどうかは確率によって表示され,判定はパーセントダイス(d100)によって処理される。このとき乱数処理を端末に任せてしまえば,一瞬で処理が終わるためサクサクゲームが進められる。一方で,リアルなダイスを振って処理することも可能で,その場合は出目をTDI Stylusで端末に入力する必要がある
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 行動にはそれぞれAPというコストが用意されていて,APが尽きればターン終了。コントロールカードから「End of Turn」を宣言して,TDI Stylusを相手プレイヤーに手渡す。この流れを繰り返しながら,ゲームは進行していく。

こちらがコントロールカード。バトルの情報を表示するためのさまざまなコマンドや,ダイス目を入力するためのテンキー(?)などが用意されている
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 もちろんゲームにはもっと細かなルールがあり,移動によるチャージ効果や挟撃効果,また神の奇跡による特殊効果など,奥深い戦略要素も用意されている。
 またゲームモードもただ単に敵陣営を殲滅するだけでなく,シナリオ毎に拠点の防衛が必要であったり,マナの泉のような地形効果を巡った戦略が必要になる場合もあるようだ。

本作を熱く解説するJordan Weisman氏
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 今回は体験できなかったが,フィギュアが揃ってくれば自分で舞台を編成して戦うこと可能だ。部隊の編成はコスト制になっていて,シナリオ毎に最大コストが決められている。
 基本セットの3体を登録するとおおむね200コスト前後だが,Golemだけでなく搭乗する騎士(Knight)や装備(Relic),信奉する神(神の奇跡を行使に用いる)などにもコストがあるので,この組み合わせで頭を悩ますことになりそうだ。

Armyの編成画面。作成したArmyは,専用アプリからアカウントを作成(無料)することで保存できる。基本の500コストマップのほか,1000コスト,2000コストといった大軍勢によるシナリオも用意されている
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 ミニチュアゲームというと,どうしてもルールが煩雑だったり,プレイ時間が長くなりがちな印象があるが,本作の場合はタブレット端末との連動のおかげで,そのあたりをうまく回避しているように思う。現在使えるコマンドや移動可能な場所,Golemの損傷具合といった戦況が見渡しやすく,BGMやSEもあるので集中して遊べる。

 そして,なにより魅力なのがそのフィギュア達だ。その造型は美しく,着色済みなので手間もかからない。筆者もついその場で基本セットと追加の巨大Golemを購入してしまったくらいで,コレクター魂が強く刺激されるのだ。日本人にもウケが良さそうなデザインなので,ぜひ日本での展開にも期待したいところだ。……というかぜひお願いします。

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Golem Arcanaの現在のラインナップ。現在のところ,4つ陣営にそれぞれ3体のGolemが発売中(Duraniのみ+1体)。うち2陣営(Durani / Gudanna)の6体が基本セットに含まれている
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9月に発売されたばかりという巨大Golem「JAGARA COLOSSUS」。Durani陣営の秘密兵器だ

SPIEL会場では,数は少ないながらテーブルトークRPGを扱うブースも用意されていた。Jordan Weisman氏のサイバーパンク・ファンタジーRPG「Shadowrun」は,現在はCatalyst Game Labから第5版が発売されている
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「Golem Arcana」公式サイト(英語)

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