［gamescom］うっとりするような破壊の美学。「Just Cause 3」の新たなフィーチャーが公開されたプレイデモをレポート

　欧米での発売日が2015年12月1日に決まったアクションゲーム「Just Cause 3」（PC/PS4/Xbox One）だが，その新たな情報がドイツ・ケルンで開催中のイベントgamescom 2015で明らかにされた。


　ご存知のように，Just Cause 3はオープンワールドを舞台にした三人称視点のアクションゲームで，2006年にリリースされた「Just Cause」に始まるシリーズの第三弾となる。
　主人公はこれまでのシリーズと同じく，秘密組織の破壊専門のエージェントであるRico Rodriguez。そして，ゲームの背景になるのは，地中海に浮かぶ島Mediciだ。この島はRicoの生まれ故郷でもあり，凶悪な独裁者のDi Ravello将軍に支配されている。将軍は権力を手にするときRicoの両親を殺しており，命からがら島を脱出したRicoは流浪の末，今のような政府転覆専門の腕利きエージェントに成長したというわけだ。ある日，幼なじみのMarioから届いた一通の手紙をきっかけに，Ricoは再び島に帰ることになった。将軍に復讐し，生まれ故郷の島の人々を圧政から救うために。……というのが本作のバックストーリーになるという。あのRicoに，そんなことがあったのだ。

　ゲームの概要については，6月20日に掲載した E3 2015のレポート記事でお伝えしたとおりだが，gamescomでは，島の各地で行える「チャレンジ」や，乗り物をコレクションしたりアップグレードしたりできる「ガレージ」についての説明が行われた。



　まずは最初にムービーが流された。これは，8月4日に公開された上のものとは内容が若干違っているが，やっていることはほぼ同じ。RicoやMarioがいる反乱軍を根絶やしにするため，将軍がRicoの生まれ故郷の街に軍を送り込んできたので，それを迎え撃つというものだ。車をぶつけて戦車を吹き飛ばし，ドアなんかオレには関係ないとばかりに壁を爆破して敵の拠点に侵入，将軍が増援として送ってきた落下傘部隊を着地前に撃ち倒し，ついでに輸送機まで撃ち落とす。さらにヘリに乗って地上攻撃をしたかと思ったら，そのまま地上を走る車に飛び乗って，追ってきた敵の部隊を橋ごと壊滅させるという一連のアクションが，シームレスかつ流るように進むという，本作のエッセンスを抽出したようなムービーだった。今日も元気だ，破壊が楽しい，という感じですかね。


　続いて，新フィーチャーのガレージが紹介された。本作ではトラクターからヘリコプターまで，ゲームに登場する無数の乗り物をコレクションできる。やることは簡単で，乗り物に乗ったらそれを島の各所にあるガレージに持っていくだけ。ガレージを手に入れるには，ゲームを進めて島のエリアを将軍の圧政から解放する必要がある。ジェットスキーとかボートとか，どうやってガレージに持っていくのか気になるが，それはともかく，そうやってさまざまな乗り物をコレクションすることで，好きなときに好きな場所で使うことが可能になるのだ。
　上記の記事でもお伝えしたように，必要な乗り物は上空からコンテナに入れられて落下してくる。そして，そのコンテナが紙吹雪とともに爆発して，そこから乗り物が姿を現すという段取りだ。非常にマンガチックな展開だが，ゲームの雰囲気と不思議なほどマッチしている。
　またガレージでは，加速力を大幅に高めるニトロの搭載や，大ジャンプが可能なターボジャンプなど，さまざまなカスタマイズが可能だ。

　さらに，島のあちこちにあるチャレンジが紹介された。チャレンジにはいくつかの種類があるとのことだが，紹介されたのは，ヘリコプターで上空に昇り，そこからウィングスーツでジャンプして，空中に浮かぶ一連のリングを次々にくぐっていくというもの。得られたスコアによって評価され，それが所定の値になると，次のチャレンジがアンロックされる。
　ほかにも，RPGで敵の基地を所定時間内にどれくらい破壊できるか，あるいは装甲車で所定時間内に以下同じ，といったチャレンジが用意されており，うまくいけばそれなりの恩恵が得られるようだった。こうしたチャレンジを，メディアに実際にプレイさせてくれたのだが，簡単そうに見えてなかなか難しいという印象だった。


　オープンワールドのMedici島は細部まで作りこまれており，グラフィックスも美しい。ダイナミックウェザーシステムにより，島の天候はランダムに変化するし，昼夜の概念もあるので，同じ場所でも昼と夜では雰囲気が大きく違う。雨が降って道路が濡れ，雨がやんだら，濡れた路面がゆっくりと乾いていくなど，演出も凝っている。本作は基本的にRicoの繰り出す現実ではありえないようなアクションと，うっとりするような破壊の美学を楽しむゲームだが，こうした細部に手を抜かないことで，荒唐無稽なアクションにもリアリティを与えられるというわけだ。
　ストーリーミッションが終わっても，チャレンジに挑んだり，島を散策したりと，長く遊べそうな本作。欧米での発売は4か月ほど先だが，楽しみに待ちたい。

開発を担当するAvalanche Studiosで本作のディレクターを務めるRoland Lesterlin氏（左）とアートディレクターのZach Schläppi氏（右）。2人がゲームの解説を行ってくれた

「Just Cause 3」公式サイト