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ハロー!Steam広場 第276回:コーチとなって,ともにチャンピオンロードを目指すボクサー育成シミュレーション「Victory Road」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,「DOOM」と「どうぶつの森」を交互にプレイして情緒を安定させる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第276回は,プレイヤーがコーチとなって1人のボクサーを育てていくシミュレーションゲーム「Victory Road」を紹介しよう。日頃の食事メニューやトレーニングの管理をしつつ,自分だけのボクサーを育てて,共にチャンピオンロードを歩んでいくのだ。
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ボクサーのコーチとなって,ともにチャンピオンロードを目指す育成シミュレーション「Victory Road」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はアメリカのインディーズ系デベロッパ,Strange Journeyが手掛ける「Victory Road」を紹介しよう。
本作は,プレイヤーがコーチとなって1人のボクサーを育てていくシミュレーションゲームだ。駆け出しのボクサーをチャンピオンの道へと導くため,日頃の食事やトレーニングの管理をしつつ,資金が足りなくなったら一緒にバイトをしたり,ストレス発散のためにディスコに連れて行ったりすることもある。
試合は自動で進行するが,指示を出すことである程度介入することもでき,戦略がうまくハマれば格上が相手でも勝ちの目は十分にある。自分だけのボクサーを育てて,共にチャンピオンロードを歩んでいくのだ。
ボクサーの一日は食事からスタートする。献立はいくつか用意されており,ここで何を食べたかがその後のトレーニングに影響する。たとえば腹筋トレーニングの場合,エネルギー50,水分180,タンパク質60を消費するので,それらをあらかじめ補給しておく必要がある。足りなくてもトレーニングは強行可能だが,怪我をする確率が上がったり,トレーニングの効果が出なかったりすることになるので,計画的な食事はとても重要だ。
トレーニングメニューは全部で9つあり,何をするかで成長するステータスが異なる。筋力を上げてパンチの威力を上げたいなら「ダンベル」,守備を固めたいなら「腹筋」,スタミナを上げたいなら「走りこみ」といった感じで,目的に応じたトレーニングを設定していこう。食事とトレーニングは一日あたり3セット行うことになるので,その日はタンパク質をたくさん摂ってひたすらダンベルトレーニングに打ち込むなど,メニューは自由に組める。
ただし,1つのことにだけ打ち込んでいると,ほかのステータスに「RUSTY」ゲージが蓄積していく。これがMAXになると,そのステータスを伸ばすトレーニングの効率がしばらく落ちるので,バランス良く伸ばしたいならRUSTYゲージに目を光らせておきたい。
一日を終える最後の食事とトレーニングでは,現在のカロリーにも注意しよう。カロリーが2000以上ある状態でその日を終えると,ボクサーは徐々に太っていく。カロリーは翌日に持ち越されるので,トレーニングでの消費カロリーをしっかりと計算に入れて食事をしないと,カロリーの消費が間に合わず,ジリジリと肥満体になってしまう。
ただ,あらかじめ用意されている献立はどれも高カロリーのものばかり。栄養管理に本気で取り組みたいなら献立のカスタマイズ機能も活用したい。献立は水2杯だけという極端なものから,一食で2200kcalを超えるカロリーお化けなメニューまで,自由に組み立てられる。またボクサー自身が食べたいと思っているものは日によって変わるので,ベストな食事を作るのであれば早めにテンプレの献立から卒業して,都度自分で組み立てていくのが良い。
食事やトレーニングにはお金がかかる。ボクサーならファイトマネーで稼ぐのが道理なのだが,序盤ではまともに試合を組むことも難しいので,しばらくはアルバイトにも手を出すことになるはずだ。用意されているバイトは「ホットドック屋」と「採掘作業」の2つで,前者はミニゲームの結果に応じて稼ぎが変動し,後者はとくに何もすることなく安定した資金が稼げる。ただ,本作には「疲労」の概念もあり,後者の場合,これがどっと溜まる。
バイトのせいでトレーニングができなくなっては本末転倒なので,序盤は大着せずにホットドック作りでコツコツ稼いでいく方が安定するはずだ。
「そろそろ試合を組んでも良さそうかな」と思ったら,右側のボードメニューからトロフィーアイコンを選択しよう。ここではランキングが確認でき,左のランキング一覧から自分とライバル(対戦相手)の順位が確認できる。ここから好きなライバルに挑戦できるが,あまりにもランクが高い相手だと,そもそも試合を組んでもらえない。まずは自分の1つ上にいるライバルを蹴落として,徐々に順位を上げていこう。
試合は自動で進行するので,基本的には自分の選手の奮闘を見守る形になるが,画面下にあるゲージを消費することで指示を出すことができる。とくに強力なのは必殺技の指示で,ゲージの消費量は多いものの,相手の攻撃を避けたタイミングでうまく指示を飛ばせれば,一気に追い込むことができる。また,選手が自分のいる位置に来たタイミングでこっそり回復アイテムを投げることも可能だ。
干渉できるチャンスは少ないものの,そのぶん効果は高いので,選手と同じく自分も気を引き締めて試合に挑もう。
試合に勝つと「BP」やファイトマネーが獲得できる。BPはときおりジムを訪ねてくる商人から装備を購入するために必要だ。装備というのはグローブ,パンツ,ブーツの三種類の試合着なのだが,装備によるステータスの上昇幅は馬鹿にならないので,しっかり入手しておきたいところ。このほかにも育成要素として「スキルツリー」が存在する。
本作は2017年にSteam Greenlightを通過し,Matt Gersak氏とYui Jegnan(くるこぶ)氏の2人によって開発されてきた作品だ。つまり,開発に3年もの期間をかけているということになる。その理由はこちらの記事に詳しいが,ここで多くを語ることはしない。ただ,いきさつを少し知ると,コーチである自分と選手の関係がより深く,より重いものにも思えてくるので,こちらにも目を通してみてほしい。
現時点で本作は英語しか用意されていないが,後に日本語の対応も予定されている。それに先駆けて,くるこぶ氏は丁寧な日本語による本作のマニュアルを,Googleドキュメントで公開している。テーマこそニッチだが,食事から何まで面倒を見て育てた選手が晴れ舞台で活躍している姿は,一種のカタルシスを感じさせてくれるので,この手の育成ゲームが大好物だという人はぜひ遊んでみてほしい。
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