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ハロー!Steam広場 第283回:滝夜叉姫率いる妖怪軍団と戦う平安ローグライクRPG「The Wind and Wilting Blossom」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,圧倒的に不評(10%)までは購買対象というストライクゾーン広めな上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第283回は,Picklefeet Gamesの「The Wind and Wilting Blossom」を紹介しよう。本作は,「滝夜叉姫」の反乱によって妖怪たちに支配されてしまった平安時代が舞台のローグライクRPGだ。プレイヤーは大宅太郎光国率いる陰陽師軍を率いて,妖怪たちを成敗していくことになる。
滝夜叉姫率いる妖怪軍団と戦うローグライクRPG「The Wind and Wilting Blossom」
みなさんは「滝夜叉姫」という人物をご存じだろうか。日本三大怨霊の1人である平将門の娘と言われ,天慶の乱で命を落とした父の無念を晴らすため,妖怪を従えて朝廷転覆の反乱を起こしたとされる伝説上の妖術使いである。今回紹介するPicklefeet Gamesの「The Wind and Wilting Blossom」は,そんな彼女がボスとして立ちはだかる,ローグライクRPGだ。
本作の主人公は「Oya Taro Mitsukuni」(大宅太郎光国)と呼ばれる陰陽術師だ。朝廷の勅命を受けて一度は滝夜叉姫と対峙するも,彼女が呼び出した「がしゃどくろ」に敗れ,九州まで逃げ延びたところからゲームはスタートする。
プレイヤーは再び,平安京の首都である京都を目指すことになるが,スタート時点では主人公とその部下である足軽2人の計3人しかいないので,まずはマップの各所にあるイベントマスを巡り,妖怪と戦うなどして戦力を強化していく。
マップは日本列島がモチーフになっており,地域ごとに章分けされている。1章は九州地方から始まり,EXITと書かれたマスを目指して進んでいく形だ。各マスでは必ず何かしらのイベントが発生し,ボーナスアイテムがもらえることもあれば,戦闘が発生することもある。イベントによっては選択肢が用意され,その後の展開が変わることも。
何が起きるかはそのマスに踏み込むまで分からないので,マップを歩くだけでもなかなかのスリルである。
戦闘ではヘクスタイルのフィールドが用意され,自軍と敵軍で交互にターンを処理していく。各ユニットが1ターンでできることは,1回の「移動」と1回の「攻撃」のみ。シンプルなぶん行動1つ1つの影響力が大きく,ちょっとしたミスが致命傷になりかねない。
一方で,基本的に攻撃は確定ヒットなのでダメージコントロールがしやすく,うまく立ち回ればダメージをまったく受けずに敵をせん滅することも可能だ。
戦闘が終わるとリソースがもらえ,その中にある「巻物」を使うことでユニットのレベルを上げられる。HPやアーマーが1増えるだけだったりとなかなか渋いが,本作の戦闘は1ダメージの差に泣くことが多いので,しっかりとレベルは上げていきたいところ。
リソースはほかにも,遠距離攻撃用の「矢弾」や,技を使うための「Ki」があり,戦力が充実してくると,こうしたリソースの管理も考えていくことになる。
本作にはゲーム内の行動に応じた実績システムも用意されており,実績を達成することで新しいリーダーユニットを開放したり,ゲーム内に登場する武器や味方ユニットの種類を増やしたりできる。要するに,周回プレイが前提となっているわけだが,マップに配置されるイベントが毎回ランダムで変わるので,この手のローグライクゲームが好きな人であれば,周回プレイを苦痛に感じることはないだろう。
アーリーアクセスは2020年11月ごろまで続く予定で,リリースまでの間にコンテンツの充実化が図られるとのこと。テーマ的に日本語もサポートしてほしいところだが,現状では英語のみとなっており,イベントの解読などで苦労する部分はあるものの,ゲームメカニクス自体は完成されているので,興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。
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