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ハロー!Steam広場 第361回:ガチで怖い幽霊屋敷を4人で協力して調査するホラーゲーム「Demonologist」
「すちーむ」ってなぁに?といっていたよい子のみんな! 「ハロー! Steam広場」は今回で最終回を迎えるよ。2013年末に掲載の第1回からおよそ9年,361の気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップしてきたけれど,Steam全体の1%にも満たなかった。いつか,残りの99%もマイライブラリに積み上げ,世界で最もSteamのタイトルを持っている上級Steamerにジョブチェンジして,また皆様にお会いできるよう精進してまいります。ご愛読,ありがとうございました。
2020年9月にアーリーアクセスがスタートし,協力型ホラーゲームというジャンルに確固たる地位を築き上げた「Phasmophobia」。最大3人の仲間と共に幽霊屋敷に足を踏み入れ,スピリットボックスやEMF探知機といったガジェットを駆使し,取りついた亡霊を特定して脱出する。この流れは協力ホラーというジャンルにおける1つの金型となり,「FOREWARNED」や「Ghost Exorcism INC.」など,同作を参考にしたであろうさまざまな作品がSteamでリリースされてきた。
そして先日,新たな協力型ホラーゲームがSteamに登場した。トルコのゲームデベロッパ,Clock Wizard Gamesが手がける「Demonologist」だ。
ゲームの目的は,呪われた屋敷に踏み込んで,さまざまなガジェットを使って悪霊の種類を特定し,それを祓うといったもので,最大4人でプレイできる。スピリットボックスを通して幽霊に語りかけたり,EMFで霊の痕跡を探したりと,出てくるガジェットや使い方は「Phasmophobia」とほとんど同じで,同作のベテラン調査員であれば本作でもすぐに活躍できるだろう。
一方で,「Demonologist」ならではの魅力は,Unreal Engine 5によって作られたリアルな絵作りにある。「協力プレイホラーというジャンルで最高のグラフィックを実現」とSteamのストアページに書かれているが,これは誇張でもなんでもなく,たしかにグラフィックスのクオリティは同ジャンルで頭ひとつ抜けている印象だ。
本作では,寂れた屋敷の中をわずかな明かりを頼りに探索するため,Unreal Engine 5の優れたライティング表現が,プレイヤーの恐怖心を存分に煽ってくる。床や壁の質感もリアルで余計なBGMなども一切なく,最初から最後まで高い没入感を維持したまま調査を楽しめるのだ。
ちなみに,Phasmophobiaと同じくこのゲームにもランダムイベントがあるのだが,ガッツリとプレイヤーの心臓を射止めにくる演出が多い印象を受けた。どんなに怖いゲームでも,ほかのプレイヤーと一緒ならその怖さも緩和されるものだが,このガチなランダムイベントのせいでほかのプレイヤーの存在が気休めにもならない。もはや協力プレイにおける最大のメリットが潰されているような感じだが,ホラーゲームとしてはハナマルである。
Phasmophobiaで心臓を鍛え,友情を深めた友人たちも,「これは無理だわ」と脱落していったので,結局筆者は1人でプレイする時間のほうが多かったが,お金を稼いで新しいガジェットを購入したり,家具で拠点を装飾したりといったやり込み要素のおかげで,なんとか恐怖心よりもプレイを続けるモチベーションが勝ち,今もひとりで調査に挑み続けている次第。つまり,最大なら4人で遊べるが,1人だけでも問題なくプレイは可能なのだ。
Phasmophobiaにハマった人にはとくにオススメしたい本作だが,まだアーリーアクセスが始まったばかりなので,荒削りな部分があるのも事実。とくにローカライズだが,日本語の設定はなぜか「日本語」でも「Japanese」でもなく「やまと」であり,翻訳の質もイマイチ。
EMF探知機の名称がなぜか「おうしゅうつうかききん」(※欧州通貨基金は略称がEMF)だったときは思わず吹き出してしまったが,こういった荒削りなところも楽しめるのがアーリーアクセスの魅力……?でもあるので,興味を持った人はぜひ遊んでみてほしい。
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