プレイレポート
発売迫る「Forza Motorsport 6」を先行体験。開発陣がこだわり抜いたリアルなウェットコンディションのサーキットを走ってきた
この体験会では,8月にドイツで開催されたgamescom 2015の出展バージョンが用意され,さまざまなマシンによるレースを体験することができたので,その模様をレポートしたい。
「Forza Motorsport 6」公式サイト
「Forza Motorsport」シリーズの最新作となるForza 6には,450以上の車種と世界各国にある26のサーキットが収録され,1080p/60fpsのグラフィックスで臨場感の高いレースが再現される。なかでも注目すべきポイントは,ウェット(雨)とナイト(夜間)のコンディションに対する徹底的なこだわりだ。
とくにウェットレースは,グラフィックスのクオリティが向上しているだけでなく,開発陣が全26コースを細部にいたるまで取材し,雨によってどこに水たまりができるのかといったところも再現しているという。当然,ドライコンディションとは走りが一変,水たまりでタイヤが滑る「ハイドロプレーニング現象」などを回避するべく,コース取りやブレーキング感覚は大きく異なり,難度の高いレースが展開される。
今回は,gamescom 2015で初出展となった1台で走るタイムアタックモード「ホットラップ」で,ブランズ ハッチ(イギリス)のウェットレースに挑戦してみた。マシンは「2014 Volvo #1 Volvo Polestar Racing S60 STCC」だ。
強い雨が降り続くウェットレースをドライバー視点でプレイすると,フロントガラスに叩きつけられる無数の雨粒や水しぶきによって,臨場感は高いものの視界は最悪。そのため,路面の水たまりもあまり視認できず,ぶっつけ本番で走るには厳しいコンディションだろう。
それでも,ホットラップはライバルカーがおらず,各アシスト機能を「ON」にしていたこともあり,「なんとか走れるかな」と思った瞬間,コース中盤のカーブでテールが大きくスライドしてしまう。かなり慎重に走っていたつもりだったのだが,エンジンブレーキを使わずに曲がろうとしたため,いともたやすくスピンしてしまったのだ。
その後,試しにアシスト機能を「OFF」にした設定でも走ってみたものの,ちょっとでも気を抜くとコースアウト。そこからコースに復帰することさえできずに再びスピンという惨憺たるありさまに。もちろん“正しい走り方”をすれば,緊張感の高いウェットレースが楽しめるのだが,筆者のスキルでは完走するのがやっとのことだった。
一方,ナイトレースではとにかく視界の確保が難しい。「SUGGESTED LINE」(コースの理想的なラインを表示する機能)の機能により,コース自体を見失うことはなかったが,ドライバー視点だと基本的にヘッドライトの範囲内しか明るくない。コースアウトしたときには,周囲が真っ暗で,自分がどこにいて,どちらを向いているのかが分からなくなったほどだ。
リオデジャネイロの市街地を駆け抜けるドライレースにも触れておこう。美しい景観が楽しめるこのコースで操縦した「2013 Ford Formula Ford EcoBoost 200」は,フォーミュラカーのように屋根のないマシンで,ドライバー視点でも視界が開けている。普段,筆者はレースゲームをプレイするとき,後方からマシンの姿を眺める三人称視点を選ぶことが多いのだが,このマシンのドライバー視点はかなり走りやすく快適だった。
今回は体験できなかったものの,フロントガラスのないマシンでウェットレースを走るとどうなるのかも気になるところだ。
今回の取材を終えて感じたことは,Forza 6がリアルなシミュレーション性を実現しつつ,それでいて筆者のようなカジュアル層でも楽しめる懐の深さである。至れり尽くせりのアシスト機能をおかげで,1080p/60fpsのグラフィックスを堪能しながら,迫力あるレースを楽しむことができた。
なお,既報のとおり,本作のダウンロード版には同梱内容が異なる3種類のエディションが用意されている。そのうち,「Forza Motorsport 6 アルティメット エディション」の特典として,発売日から1週間早い9月10日深夜以降にプレイ可能なアーリーアクセス権が付くことが明らかになった。いち早く最先端のレースを楽しみたい人は,購入を検討してみてはいかがだろうか。
「Forza Motorsport 6」公式サイト
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