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これぞバスケットボールゲームの決定版。リアルさに磨きがかかったシリーズ最新作「NBA 2K16」とは
「NBA 2K16」公式サイト
今回,日本語版の発売に合わせて開発スタッフのエリック・ベニッシュ氏が来日し,見どころなどを説明してくれた。というわけで,ここで紹介しよう。ちなみに,画面の撮影は禁じられていたので,掲載するゲーム画像はすべて英語版のオフィシャルフォトになる。その点は,ご了承願いたい。
もはやNBAシミュレーター。実写さながらの描写に注目
NBAの迫力ある試合を再現することに力を入れている本シリーズだが,プラットフォームにPlayStation 4/Xbox Oneが含まれた「NBA 2K14」あたりから,パッと見では実写との区別がつきにくくなってきた。本作ではそのレベルがさらに向上し,選手の体をつたう汗が照明を受けて輝いたり,シュートを決めた際のガッツポーズ,そして思い思いに動く観客など,画面を見ていると,アクションゲームというより“NBAシミュレーター”と呼ぶほうが適切なのではと思えてくるほどだ。
ベニッシュ氏によれば,2014年に発売された前作「NBA 2K15」の段階で「グラフィックスに関して,これ以上はもう無理なんじゃないか」と考えていたそうだが,今回は細かい部分をさらにパワーアップしたという。まず,足が地面に接する際の処理を見直して,「フット・プランティング・テクノロジー」と呼ばれる技術を導入した。
一昔前の3D系スポーツゲームでは,キャラクターが地面の上を走っていても,なんとなく滑っているように感じられたりしたが,そういった違和感が払拭されているのだ。
また,本シリーズではNBAに所属する各選手のデータを取り込んでいるが,前作までは「顔」を反映させていただけだったのに対して,本作では「全身」が再現されている。つまり,選手ごとに微妙に異なる手足の長さや筋肉の付き方といったデータが個別に反映されているため,モーションも選手によって異なってくるという。
とくに有名選手については,シュートするときの独特のモーションや,見事決めた際のポーズ(シグネチャームーブ)も収録されており,これらを全部ひっくるめたモーションの総数は,前作比で倍以上となる,約1万に達しているとのことだ。
スパイク・リー監督が手掛けるストーリーモード「MyCAREERモード」
プレイヤーが選手に扮してNBAのスターダムをのし上がる「MyCAREER(マイキャリア)モード」は,本シリーズでも人気の高いゲームモードだ。本作では,著名な映画監督であるスパイク・リー氏が,この「MyCAREERモード」の脚本や監督を担当している。
「いったいどうしてスパイク・リー氏が?」と思うかもしれないが,リー氏は知る人ぞ知るNBAの大ファンで,2Kが前作のローンチパーティーに同氏を招待したところ,向こうから次回作のストーリーを手がけたいと持ちかけてきたのだそうだ。
ベニッシュ氏によると,リー監督がストーリーなどを手がけることで,従来以上にキャラクターに深みが増したという。主人公は単純にバスケットボールの試合をするだけでなく,ときには家族や友人と衝突するなど,決して順風満帆のストーリーではない。NBAプレイヤーとしてだけでなく,一人の人間としての紆余曲折を通じ,まるで映画の中に入り込むような体験も,このモードで味わえるそうだ。
従来シリーズの「MyCAREERモード」は,ベニッシュ氏らがストーリーを手がけていたが,本作におけるリー氏のストーリーテリングには舌を巻いたという。開発を終えた今,この「MyCAREERモード」がゲーム内で最も自信があるコンテンツだと太鼓判を押していた。
なお,この「MyCAREERモード」は,PCおよびPlayStation 4,XboxOne版のみに収録されており,それ以外のプラットフォームではプレイできないので,この点にはぜひご注意を。
タトゥー,アリーナ,そしてチアリーダー(?)
やたらと豊富なカスタマイズ機能
プレイヤーはプレイを通じてゲーム内通貨を獲得し,これと引き換えることでさまざまなカスタマイズが行える。本作では,このカスタマイズもまた大変なことになっているようだ。
例えばマイキャラに関しては,上記のとおり体型を細かく調整できるほか,「タトゥー」(刺青)を選ぶこともできる。ベースとなるタトゥーだけで1500種類以上のデザインがあり,サイズを変えたり複数のタトゥーを重ねたりして個性を出したうえで,体中のどこにでも貼り付けられるのだ。
日本人にとってはあまり一般的ではないかもしれないが,ベニッシュ氏によればNBA選手のうち半数以上がタトゥーを入れており,NBAをテーマにした本シリーズでは欠かせない要素の一つとなりつつあるという。
自分がゼネラルマネージャー(GM)としてチーム経営に奔走する「MyGMモード」では,NBAにおける実際のGM業務が一通り体験できる。
例えば所属選手をトレーニングしたり,優れた選手をトレードで獲得したりするわけだが,そのためには何かと資金が必要になる。そこでチームの収益を高めるべく,入場チケットの値段を決めたり,観客向けに販売するホットドッグの価格や,さらにはチアリーダーまでもカスタマイズしていくのだ。本作では,新たに自分の好きなホームタウンを選べるようになっているが,これはファンからの要望に応えたものだという。
もちろん戦いの場となるアリーナについても,ペインティングや文字,天井から吊り下がる大型モニタ,観客席の椅子などを細かく選択でき,さらに,手塩にかけて育てたチームを使って,ほかのプレイヤーとのマルチプレイ対戦も行えるのだ。
ゲーム内には,NBAに参戦している30チームの選手データが登録されており,例えば選手がケガをして一時戦線を離脱したり,別チームへ移籍したりすると,ゲームもアップデートされてそれが反映される。そのため,プレイヤーはまるでNBAのシーズンを共に戦っているかのような気分に浸れるそうだ。
さらに,ここ15年でファンの人気がとくに高い12のチームが,「レジェンドチーム」として登録されている。スコッティ・ピッペンが在籍していたポートランド・トレイルブレイザーズ,シャキール・オニールとコービー・ブライアントが在籍していたレイカーズ,そしてスティーブ・ナッシュが在籍していたフェニックス・サンズといったラインナップで,今もなお語り継がれる伝説級のプレイヤーの,しかも最盛期の姿が見られるというのは,古くからのNBAファンにとってたまらない要素だ。
もうすぐ日本でもリリース。NBAファンは見逃すな
なお,日本版のスペシャルエディションはPlayStation 4版のみで,ゲームショップ「GEO」の各店舗を通じて数量限定販売で予約/販売が行われる予定だ。
ステファン・カリー選手 |
ジェイムズ・ハーデン選手 |
アンソニー・デイビス選手 |
今回の取材では,最近のNBA事情にそれほど詳しくない筆者から見ても,実写さながらのグラフィックスに興味を惹かれた。現時点におけるスポーツゲームの最先端を知るため,「NBA 2K16」を手に取ってみるのもいいだろう。最後に,ベニッシュ氏からのメッセージを添えて記事の締めとしたい。
ベニッシュ氏:
まずは,日本で古くから「NBA 2K」シリーズを楽しんでくれているファンに向けて,「これまで遊んでくれてありがとう!」と感謝を伝えたいです。皆さんのおかげで,今回こうやって初めて来日して,「NBA 2K16」をアピールできる機会に恵まれました。
「NBA 2K」シリーズは毎年新作を出し続けていますが,近年は毎年確実に,販売本数ランキングで年間トップ10入りしています。自分はこのシリーズの開発に約13年携わっており,開発終了時は毎回ベストを出し尽くしたと感じているのですが,1年後になるとさらにグレードアップしていることに自分でも驚きます。「NBA 2K16」も,前作を上回るクオリティに仕上げられました。ぜひ遊んでください。