インタビュー
韓国BLC Gamesが開発中のスマホ向け対戦格闘「Knights Game」について,CEOのLee Jun Young氏にインタビュー
そんな中,最近のスマホ向けゲームでは珍しい対戦格闘ゲーム「Knights Game」(iOS / Android)を開発しているデベロッパ,BLC Gamesに注目が集まっている。9月8日に掲載した記事でお伝えしたように,同社はこの作品を日本市場で先行サービスすることを念頭に置いて開発を進めているという。
今回は,BLC GamesのCEOであるLee Jun Young氏にインタビューを実施し,「Knights Game」について話を聞いてきた。
「Knights Game」公式サイト
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。今回はお忙しい中,インタビューの機会をいただきありがとうございます。
Lee Jun Young氏(以下,Lee氏):
BLC GamesでCEOを務めるLee Jun Youngです。弊社は日本市場への進出を目指していましたので,4Gamerさんにインタビューをしてもらえて光栄です。よろしくお願いします。
4Gamer:
Leeさんはこれまで,どのようなキャリアを積んできたのか,経歴を教えてもらえますか。
私はもともと,グラフィックスデザイナーとしてゲーム業界に入ったのですが,さまざまなゲームのグラフィックス制作を経験したかったので,グラフィックス制作のアウトソーシングを専門に請け負う会社に就職したんです。
当時は主に,韓国,日本,中国,北米に向けた3DのMMORPGや,Unreal Engineを利用した家庭用ゲーム機向けタイトルを開発するプロジェクトに携わっていました。
4Gamer:
そこから,どのような経緯でBLC Gamesを設立することになったのでしょうか?
Lee氏:
実際に働いているうちに,グラフィックスデザイン以外の開発業務をしたいという欲求がどんどん強くなっていって,結局,別のゲーム開発会社に転職しました。そこで,現在弊社でCTOを務めるKim Tae Jinと知り合ったんです。
意気投合した私達は,ゲームを開発しながら,誰かに提供してもらう環境ではなく,主導的な立場でゲームを作りたいと思うようになりました。自分達が作りたいゲームのプロジェクトを実現するために,BLC Gamesを設立するに至ったんです。
4Gamer:
では,BLC Gamesで「Knights Game」を開発することになった経緯を教えてください。
理由はいろいろとあるのですが,一番大きかったのは,スマートフォンで対戦格闘ゲームを遊びたい人がいると知ったことですね。
ご存じのように,韓国では現在RPGが流行しているので,それ以外のジャンルのゲームを作って成功できるのか,不安に感じる部分がありました。ですが,豊富な経験を持ったスタッフが集まっているBLC Gamesなら,スマートフォンに適した形の対戦格闘ゲームを作れると思い,挑戦することにしたんです。
4Gamer:
「Knights Game」は,どのようなコンセプトで企画を立ち上げたのですか。
Lee氏:
私は個人的に対戦格闘ゲームが好きなのですが,最近はシステムが複雑になっているように感じていました。昔の対戦格闘ゲームは,現在ほど操作が難しくありませんでしたよね。比較的簡単にプレイできたから,非常に多くの人達が楽しめたという部分があったと思います。
既存のゲームプラットフォームよりも,非常に多くの人々が気軽にゲームを楽しめるというのが,スマートフォンゲームの利点です。
ですので,操作がシンプルな対戦格闘ゲームがあれば,今まで対戦格闘ゲームに触れたことがないような人にも遊んでもらえて,新たなファンが生まれるだろうと考えたんです。
4Gamer:
なるほど。具体的には,どのような部分をシンプルにしたのでしょうか。
攻撃や防御を1回のタップ操作で出せるようにして,複雑なコマンド入力は省略しています。
対戦格闘ゲームでは,タイミングを読んで複雑なコマンド入力に成功することで,高揚感が感じられるところがあると思いますが,リアルタイムでのインターネット対戦やスマートフォンでの操作を踏まえて,その部分はあえて採り入れないことにしたんです。
その代わり,タップ操作でも爽快感を得られるよう,「一撃必殺」をテーマにゲームの設計をいろいろと工夫しています。
また,剣を握った姿勢に応じてさまざまなパターンの攻撃ができる「構え」(Stance)のシステムであったり,片手で操作できる縦持ちモードであったりといったシステムも準備中です。もちろん,魅力的な女性キャラクターもです(笑)。
4Gamer:
一撃必殺といえば,「Knights Game」は「ブシードブレード」に影響を受けているそうですね。
※スクウェア(現スクウェア・エニックス)から第1作が1997年,第2作が1998年に発売されたPlayStation用アクションゲーム。当時主流だった体力ゲージの概念を取り払い,”身体ダメージ”システムを採用。急所に大ダメージを受けると一撃で勝負がついたり,ダメージを受けた部位の動きが制限されたりするという斬新なシステムが話題になった。
Lee氏:
はい。少し哲学的かもしれませんが,対戦格闘ゲームの醍醐味は,人間の本能に忠実であることを感じさせてくれるところにあるのだろうと,私は考えています。それをもっとも強く感じたのが,過去に「ブシードブレード」をプレイしたときだったんです。ですので「Knights Game」にも,その影響は強く出ていると思います。
4Gamer:
「Knights Game」は,日本でのサービスを韓国より先に計画しているそうですが,その理由を教えてもらえますか。
Lee氏:
スマートフォンゲームの市場としてもっとも成長している国というのもありますが,ゲームへの理解が深く,プレイヤーの水準が最高というのが,日本市場の特徴です。
また,独創的でハイクオリティのゲームを好む傾向にあるというのが,私達が追求するビジョンと一致しているため,日本市場で成功することが非常に重要だと考えています。
4Gamer:
以前の取材では,日本でのパートナーを東京ゲームショウ2015で探すとお聞きしましたが,現在の状況はどうなっているのでしょうか。
Lee氏:
具体的なお話はできないのですが,東京ゲームショウでは多くのパブリッシャさんに「Knights Game」を評価していただいて,非常に良い意見と反応を得ることができました。日本で良質なサービスを提供できるよう,私達と同じビジョンと考えを持ったパートナーに出会えたらすぐに,日本市場に進出したいと思います。
4Gamer:
それでは最後に,「Knights Game」に注目している読者に一言メッセージをお願いします。
Lee氏:
「Knights Game」は,対戦格闘ゲームの宗主国といえる日本の皆さんのために,企画,開発したゲームです。多くの人にプレイしてもらって,対戦格闘というジャンルがまた大きく盛り上がれるような作品を目指して開発していますので,ぜひ応援をお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました。
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