プレイレポート
総理大臣となってコッカを蝕むヤトーからコクミンを守れ! 「政剣マニフェスティア」プレイレポート
ゲームは画面を見ればだいたい察しがつくと思うが,リアルタイムシミュレーションだ。プレイヤーはとある国の総理大臣として,コッカを狙う悪の組織「ヤトー」と戦っていく。街を破壊しながら迫りくるヤトーに対して,戦闘ユニットを繰り出し,コッカの平和を守るのだ。
さて,本作を分かりやすく言うと「動けるタワーディフェンス」だろうか。
敵の本拠地とこちらの本拠地の間にさまざまなルートがあって,敵は基本的にルート沿いに進軍をしてくる。こちらも本拠地からユニットを出し,ルート沿いに目的地まで移動させることができるのだ。ルートの途中にある拠点の街を防衛しつつ,敵を撃退し,最終的には敵本拠地を叩き潰すのが目的となる。
スマホなどで見かける一次元のディフェンスゲームではユニットが進軍するタイプもあるのだが,移動を自由にできるのはちょっと珍しいかもしれない。普通のタワーディフェンスよりRTS要素がちょっと強めだ。
ヤトーは有無をいわさず進軍してくるので,酒を飲んで遊んで食い止めるといった寝言は通用しない。対抗するには,特殊な力を持ったユニットが必要になるのだ。本作で使用するユニットは,女の子型の政霊と呼ばれるキャラクターだ。ユニットには近接,射撃,魔法,重装といった種類があり,ガチャやクエストで入手可能となっている。
「組閣」メニューでパーティを編成し,ゲームの本体となる「戦挙」に出撃する。当然ながら,ステージが進むほどマップに登場する敵は手強くなってくるので,政霊を強化し,最適な戦略を練りつつゲームを進めていくことになる。
ユニットを出陣させるには「マナ」が必要で,マナはマップ上にある街を解放すると一定時間ごとに増加していくようになっている。自分の支配地を広げつつ,敵が出てくるタワーを倒し,最終的に敵の本拠に乗り込むことになる。
また,各ユニットは特有のスキルを有しており,それを使うことで戦闘を有利に進めていくことができる。単純な攻撃系から支援系,弱体系など種類はさまざまだ。
ナニがどうとは言わないが,どう見てもイロモノ枠だと思うのだが,なかなかどうしてゲーム本体はしっかりと作ってある印象だ。
さて,まだ序盤をやっているだけの私が言うのもナンだが,配置位置が限定されていたアイギスにはパズル的な難しさと面白さが生まれていたのに対し,こちらはユニットが動ける分,自由度が高くなっていることで別の難しさと面白さが出てきている感じだ。
現在のところ,戦挙区は3つ開放されており,今後もどんどん開放されると思われる。それぞれの戦挙区は,5つのステージといくつかの付加ステージがあり,さらにノーマルモードをクリアするとハードモードに挑戦できる。通常戦挙区1はガチャもほとんど回さず強化もせずと,ちょっと縛りモードで挑戦していたのだが,戦挙区2になるとある程度ユニットを吟味しないと難しそうな気配になっている。戦挙区3はさらに難しいのだろうなあ……。全体にゲームの難易度は高めになっているので,できれば腰を据えて取り掛かるのがよいだろう。
さて,ゲームの攻略については使用するユニットによって千差万別となるので,ごく基本的な注意点について紹介しておこう。
●街を守る/街を捨てる
道の途中にある街にはニュートラルな街,汚染された街,浄化された街の3種類がある。
本拠地以外だと最初はニュートラルな街か汚染された街しかないが,軍を進めていくと,ニュートラルな街は通過するだけで味方になり,汚染された街はしばらくするとニュートラルな状態になる。味方の陣営になればマナを噴出してくれるようになる。
逆に,一度こちらの陣営にした街に敵の進入を許してしまうと,一瞬で街が破壊されてしまう。こちらの陣営の街を破壊されると評価にペナルティが付くので,街を壊されないように進めることも非常に重要となる。
ただ,「こちらの陣営でない街」については敵が侵入しても問題ないので,敵の通り道になるような街は取らずに残しておくなどの対応が望ましい。闇雲に急げばいいわけでもないのだ。
また,最寄りの街がアクティブでないと,政霊の乗り物「ギア」が赤く,いわば圏外状態になり,うまく動いてくれなくなる。最寄りの街は確保し,最低でも圏内を意識して配置するようにしたい。
●本拠地を変える
タワーを占領した場合,味方の出撃位置はをそこに変えることができる。操作は「出撃位置」と書かれた吹き出しをドラッグするだけだ。
●移動中は攻撃できない
近接系だと敵とぶつかった時点で自動的に攻撃を開始するが,遠距離系の武器は立ち止まらないと攻撃を開始しない。攻撃範囲を考えて移動を止めることも重要だ。
●スキルとブースト
戦挙中に政霊のアイコンの隣にスキルとブーストのマークが出ることがある。スキルは攻撃や味方の強化,敵の弱体化などを行うもので,タイミングを見計らって積極的に使っていきたい。スキルの使用によるマナの消費はない。
ブーストは政霊自体の能力を一時的に強化するものだが,こちらはマナを消費するものなので,多用していると★★★クリアが難しくなるので注意しよう。
●足止め
重装や近接タイプの政霊は,地上を進む敵を足止めすることができる。その代わり,地上の敵をすり抜けて先に進むことができない。射撃や魔法タイプは足止めができない代わりに,敵をすり抜けて先に進むことができる。
そんなに複雑でないマップの場合は,足止め役と削り役をセットで動かすことを心掛けるといいだろう。
●空中の敵
初見では対処しづらいのが空中に出てくる敵だ。どのような軌道で移動するのかは一度見てみるしかない。空中の敵はタワー以外の街に近付いても影響はないのでタワーだけを重点的に監視しよう。軌道上にあるタワーは無理に取りに行かない,確保したタワーの周りには防空部隊を置くなどで備えたい。
●射撃と魔法
遠距離攻撃には2つのタイプがある。どちらも空中の敵に対応でき(一部の武器を除く),攻撃力は高めという共通点があるが,射撃は遠距離単体攻撃で長射程,魔法は遠距離範囲攻撃で副作用付きが多いものの必要マナが多めというのが主な違いとなる。また,敵によっては物理攻撃と魔法攻撃で耐性が異なるものも入るので,ダメージが通りにくいときには別のタイプを試すなど場合によって使い分けよう。
個性豊かな政霊達。特徴を把握して戦挙を勝ち抜け
まず,戦挙に出かけてマップをクリアすることで,各政霊は経験値を取得し,それぞれの武器レベルが上がっていく。また,密会を行いプレゼントをあげることで好感度が上昇し,政霊が強くなっていく。ガチャで同じカードを引くと,必要マナが低下する。
あとは,ガチャでより強い政霊を手に入れていくことくらいだろうか。もっともレアリティの高いカードが必ずしも使い勝手がいいとも限らないでの,低レアリティのスピードデッキや序盤展開用の低レアリティ政霊と攻略用の高レアリティ政霊を組み合わせるなど,さまざまな展開が考えられる。
全ユニットを使ったわけでもないので一部になってしまうが,軽く使った範囲の政霊の特徴を紹介しておこう。手持ちのキャラクターの性格を知るために2種類のデッキを作って試している。
第1デッキ
初期のガチャで手に入ったものから組んだデッキ。
●エリカさん
低コストで,出が早いのでほぼメインタンクとして活躍している。なにかと使いやすい。使用武器は「ソコソコ・キレル 一つ星の剣」。
●エレナさん
重装なので敵が集中するところで足止め役として使うことが多い。使用武器は「ソコソコ・タタケル 一つ星の槌」。
●アオバさん
頼りになる遠距離アタッカー。威力は低めだが攻撃距離と攻撃速度は秀逸。使用武器は「ソコソコソコヒケル 二つ星の弓」。
これらは苗字もないデフォルトキャラクターで,ゲーム開始と同時に3人出せることから,序盤の展開で活躍してもらっている。
●コリス・ウチダさん
現在キャンペーンで配られているキャラクターだが,足が速くてなにかと便利に使えるユニットである。使用武器は「リンジ・デ・ヨバレッテ 代王のほうき」。
独り言だが,内田康哉は国際連盟脱退を主導するなどの武断派として知られる政治家で,第19代内閣の原敬暗殺後と第21代内閣を率いていた加藤友三郎の急逝に際しては総理大臣代理を務めた人物だ。
●サラ・サンジョウさん
広い攻撃範囲と高い攻撃力,移動速度低下能力など使い勝手のよさはさすがにSR+といえる。出動までの所要マナが大きいので使いどころはやや難しい。使用武器は「ナナヒカリ・クゲノデ 威光の杖 改」。
ゲーム内容にはまったく関係のない独り言だが,公家出身の三条実美は伊藤博文が組閣するまで明治政府を束ねていた人物で,内閣制度の下では内大臣を務める。第2代黒田内閣と山縣内閣の間の期間の暫定内閣では首相を兼任していた。七光要素はそんなに強くない気も。
●マロン・サイトウさん
攻撃速度が非常に遅いものの,広範囲な魔法を放つマロンさん。あたり一面を凍りつかせて敵の動きを遅くする。使用武器は「ユゥ・ラァ・リィ 風と柳の筆 改」。
独り言だが,齋藤 實は五・一五事件後に首相に選ばれた海軍出身の政治家だ。総理大臣と外務大臣を兼任し,穏健派として知られるものの国際連盟脱退を行い,軍出身ながら軍部の急進派からは嫌われて,帝銀事件で内閣は総辞職,二・二六事件で惨殺されるという事件だらけの生涯となった。
さて,初動でエリカ,コリス,アオバを展開しつつ,だいたいエリカ・アオバ,コリス・サラ,エレナ・マロンの3組で動くことが多かった。しかし,最初の戦挙区ならまだよいのだが,第2戦挙区は火力面でちょっとつらい感じではある。
第2デッキ
実質,ゲーム開始後に引いたガチャによる(できるだけ)高レアキャラによるデッキなのだが,第1デッキでは遠隔武器と攻撃力が不足気味だったので,一応,遠隔武器を増やし,さらにできるだけ高コスト(手持ちの中では)を中心に組む方針で作っている。極端なのであまり参考にしないほうがよいと思われる。
●アリシア・ヤマータさん
足が速めで扱いやすい近接キャラクター。髪が長いためか,ときどき行き倒れになった人に見えてぎょっとするのだが……(※政霊はダメージを受けない)。
山縣有朋は奇兵隊出身の日本陸軍の基礎を作った人物で,2度にわたって内閣を率いた。その後も政界で大きな力を振るっている。
●キンバリー・サイオンジさん
広範囲に敵の全パラメータを低下させる特殊スキルを持つものの,足が遅く,攻撃速度はもっと遅くと,かなりピーキーなユニット。範囲火力ユニットと組み合わせるのが最良だろうが,性能を生かすにはかなり運用技術を求められそうだ。使用武器は「テンニ・エラバレウス 高貴の鈴」。
西園寺公望は公家出身の政治家で伊藤博文の腹心であった。総理大臣としてはニ度内閣を率い,一度総理大臣を臨時兼任している。しかし,維新の時代にソルボンヌ大学出身って。
●マセッタ・テラウチさん
パワフルな近接キャラクター。マナコストが非常に高いため,最初に出すかあとで出すかで戦略がかなり変わってくる。攻撃スキルは強力で,タワーの攻略にも向いている。使用武器は「ビリケン・ニテルンデル 福呼びの大剣」。
寺内正毅は,陸軍出身の政治家で韓国併合時には朝鮮総督を務めている。朝鮮総督辞任後に総理大臣に就任するも1918年米騒動で辞任。福の神である「ビリケンさん」に似ていることからビリケン宰相の異名を持つ。
●サブリナ・カトーさん
●ティターニィ・カトーさん
Rランクの射撃職二人はまとめて紹介しよう。正直,次のティターニィさんとの差はあまり把握していなかったのだが,サブリナさんのほうがコスト高めで移動速度と攻撃速度が速く,
※初出時,ティターニィ・カトーのカードが重複して必要マナコストがダウンしていることを失念しておりました。マナコストはサブリナ・カトーと同じです。
独り言だが,加藤友三郎は海軍出身の宰相でありながらワシントン会議で軍縮を進めるなど,国際情勢に沿った政策を進めた人物だ。任期中にガンで亡くなっている。加藤高明は,外交官出身で財界から政界入りした人物だ。普通選挙と治安維持法の双方を導入するなど,後世に大きな影響を与えるが,こちらの加藤さんも任期中に病死している。
●ワカバさん
高レアばかりだとさすがに展開力に欠けるので選ばれたNキャラクター。性能的にはRランクの二人にやや劣るが,コスト低めなので結構活躍している。使用武器は「ソコソコ・ヒケル 一つ星の弓」。
第2デッキではマセッタさんの扱いで大半の戦術が決まってくる。遠距離中心のデッキではあるが,手持ちキャラの関係で射撃が中心であり,面での制圧力に欠ける感じではある。面でのキーとなるキンバリーさんは私には扱いきれそうにない。もうちょっと練る必要がありそうだ。
いずれにせよ,どんなタイミングでどんな敵が出てくるかはやってみないと分からないので,全体的な部隊の配置を決めるには何回か調整が必要になってくるだろう。初見だと,隙なく進めていたつもりでも「どっから出たの?」というような敵にあっという間にボロボロにされることもある。
また,単にクリアするのと★★★を狙うのとでは,ゲームの仕方がまったく変わってくる。当然ながら,★を狙っていくゲームだと思うのでじっくり考えながら自分のペースで進めてみてほしい。個人的には政霊が強くなってしまうとクリアが簡単になるので,推奨レベル以下に補正されるモードがほしいような気もする。
まだまだ先に進めていない状態なので心苦しいが,さらなる攻略は皆さんの手で進めてみてほしい。かなり手強いゲームなので,腕に自信のゲーマーにはぜひNキャラ縛りでのクリアなどを極めてみてほしいところだ。先に行くともっともっと強い敵も出てくるのだろう。そのうちヤトーのボスも出てくるのかもしれない(武器はブーメランだろうか)。ぜひ,ヤトーを打ち倒してコッカの安寧を図ってみてほしい。
「政剣マニフェスティア」公式サイト
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