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「System Shock」の完全リメイク版が,Kickstarterのクラウドファンディングに成功
「System Shock」公式サイト
Kickstarter「System Shock」企画ページ
Looking Glass Technologiesが開発し,Electronic Artsから発売された「System Shock」は,「Ultima Underworld: The Stygian Abyss」(1992年)や「Thief: The Dark Project」(1998年)などの開発に携わったゲームディレクターのダグ・チャーチ(Doug Church)氏とプロデューサーのウォーレン・スペクター(Warren Spector)氏のコンビによる一連の作品の1つだ。
1994年当時,一人称視点のアクションゲームは”ラン&ガン“などとも言われ,銃を持ってマップを走り回りながら戦っていくというタイプが多かった。それに対して,「System Shock」はストーリー性やRPG的なゲームシステムを重視し,プレイヤーをゲーム世界に没入させることに主眼を置いた作品として作られていた。しかし,複雑でスローペースなプレイは当時のゲーマーの理解を得られず,結果的には17万本ほどのセールスで終わっている。
現在は,業界関係者や古参ゲーマーによって名作の1つとして語られることが多く,過去,何度も復活の声が上がったものの,なかなか実現しなかった。
理由の1つとして,「System Shock」シリーズのIPが,Looking Glass Technologiesが2000年に倒産したことで複雑化したことが挙げられる。しかしそれは,Looking Glass Technologiesの後継メーカーの1つであったIrrational Gamesが2012年に解散したことを機に動き始めた。
Irrational Gamesのアセットを一時的に獲得していた保険会社や,Electronic Artsをうまく口説き落としたのは,Night Dive Studiosというメーカーであり,彼らがGOG.comで再版した「System Shock 2」の売れ行きに商機を見たことで,オリジナル作品の版権も獲得。2015年には,MS-DOS版だった同作をWindowsでもプレイできるようにした,「System Shock: Enhanced Edition」を発売したのだ。
今回,Kickstarterで開発が決定したのは,オリジナル版「System Shock」のグラフィックスやユーザーインタフェース,ゲームシステム,そしてマップにも手を加えた完全リメイク版だ。オリジナルの開発者でもないのにリメイクを作ることに疑問を感じる人も少なくないようだが,最新のゲーム技術やノウハウで「System Shock」のエッセンスを再現するのが開発の狙いであるという。
Kickstarterの企画ページには,オリジナル版のコンセプトアーティストであるロブ・ウォーターズ(Rob Waters)氏がプロジェクトの参加に加え,Looking Glass Technologiesの創業者で,現在OtherSide Entertainmentを立ち上げて「System Shock 3」を開発中のポール・ニューラス(Paul Neurath)氏,そしてウォーレン・スペクター氏らがプロジェクトに賛同していることが述べられ,その正当性を主張している。
具体的に形になるのはまだ先の話のようだが,Kickstarterのバッカ―(出資者)向けにプレα版のリリースが予定されており,クラウドファンディングの締切まではまだ2週間ほどあるので,ここで参加しておくのも良いかもしれない。宇宙ステーションを掌握した人工知能SHODANとの戦いを楽しみにしたい。
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