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印刷2017/11/16 12:25

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「Flyers' Lab #2」聴講レポート。ヨコオタロウ氏と加藤正人氏が「SINoALICE」および「アナザーエデン」の事例をもとに“ゲームの世界観”を語る

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「Flyers' Lab #2」聴講レポート。ヨコオタロウ氏と加藤正人氏が「SINoALICE」および「アナザーエデン」の事例をもとに“ゲームの世界観”を語る
 2017年11月13日,Wright Flyer Studiosは,東京都内で業界交流イベント「Flyers' Lab #2 『世界観編』」を開催した。
 本イベントには,「ドラッグ オン ドラグーン」シリーズ「NieR」シリーズを代表作に持つブッコロのヨコオタロウ氏と,「クロノ・トリガー」などを代表作に持つWright Flyer Studiosの加藤正人氏らが登場。各々が制作に携わったスマートフォン向けRPG「SINoALICE」iOS / Android)と「アナザーエデン 時空を超える猫」(以下,アナザーエデン。iOS / Android)の事例をもとに,ゲーム開発に関するトークを繰り広げた。本稿では,その模様をレポートしよう。

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第1部「ゲームの世界観について」


 今回のイベントは2部構成になっており,第1部「ゲームの世界観について」では,ヨコオ氏と加藤氏がそれぞれの考えるゲームの世界観に関して持論や,アプローチの方法などが語られた。

左からモデレーターを務めたWright Flyer Studiosの下田翔大氏,ヨコオタロウ氏,加藤正人氏
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 トークの最初のテーマは,「世界観の着想はどこから来ているのか?」だ。これに対し加藤氏は「すべて」と即答。続けて「ものを作るということは,その人のすべて(を表現すること)。それまでの人生で何を見て,何を聞いて,何を感じたか。それら自分の中にあることを,スープを煮込むかのように時間をかけて作り上げていき,そのときそのときに出来上がったものを取り出す」と説明する。そして,「何かにヒントを得たとかネタ帳があるとか,そんな簡単な話ではなく,自分が生きてきた証として差し出している感覚がある」とまとめた。

 ヨコオ氏は,「自分のアイデアには価値がない」と考えているそうで,世界観の着想について問われたときは「お金」と答えるようにしているそうだ。これは,予算やスタッフの顔ぶれによって作れる内容がほぼ決まってしまうことに起因しており,その上でアイデアを出し,実現に向けて取り組んでいくことに集中しているからだという。

 肝心の世界観の着想については,ヨコオ氏いわく「テキトー」とのこと。会場では,ヨコオ氏が酒の席でシマアジの刺身から世界観を作っていった例が示された。すなわち,人間にとってシマアジの価値は美味しいかどうかが基準となるが,シマアジの世界では体表の模様がきれいかどうかが価値を決めているかもしれない。そうした種族間の価値観のギャップによって,面白い世界になる可能性が生まれるんじゃないか……という感じで世界観を作っていくそうである。

 トークの話題は,2人がゲームクリエイターを志したきっかけにも及んだ。加藤氏は,小さい頃からもの作りが好きで,とくに絵を描くことに熱心だったという。一時期はSF系のイラストレーターを目指していたが,それが転じてゲームクリエイターになったそうだ。
 ヨコオ氏がゲームクリエイターになることを意識したのは,中学生の頃。ただ,当時はまだ世間のゲームに対する理解が進んでいなかったため,ハッキリ口にすることはなかったという。その後,大学時代に小説「ハイブリッド・チャイルド」と出会い,「この小説のように,新しいビジョンを示すのはすごくいい」と感じ,あらためてクリエイティブな職業に就くことを考え,ゲーム業界に入ったそうだ。

 そうした「新しい何か」に対する執着は,ヨコオ氏自身,今なお自覚があり,世界観やストーリーはもちろん,とくに「ゴール」の部分の新しさにこだわっているという。実際にヨコオ氏の手がけたゲームや舞台,朗読劇などに触れた人達は,「感動した」「泣ける」といったシンプルな言葉では表せない心の振幅を口にするケースが見られるのだが,そうしたように「受け手によって,さまざまな感想や豊かな妄想を抱けるもの」を目指しているとのこと。

 2つめのテーマは,「そもそもゲームの世界観とは,自身にとってどのようなものか?」。加藤氏は,「どれだけ面白いゲームを作れるか」「どれだけ新しいゲームを作れるか」の2点が先にあり,その舞台としてどんな世界がふさわしいのかを考えていくという。

加藤氏は,ゲームを開発するにあたり,フィールドやダンジョン,キャラクター,ゲームの流れなどのイメージを描き出していくとのこと。これらは本文中にあるとおり,自身にインプットされたものから生み出されているという
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 ヨコオ氏の場合は,「感情のゴール」を重視しているため,それに必要ないものは極力入れないようにしているとのこと。世界観というと社会のシステムやルールなども含まれるが,例えば男女間の恋愛を描くストーリーでは,政治や地理を事細かに記す必要はないだろう。そのように,受け手に伝えたい部分に必要ないものはなるべく考えず,逆に必要なものであればどんどん用意するという。これは,ゲーム内の地名などを覚えるといった余計な学習コストをプレイヤーに強いないという配慮の表れでもある。

 そのためRPGのマップにしても,これまた上記のように予算とスタッフを考慮に入れ,「RPGだからいくつか種類がいる」「この予算と時間なら,これだけの広さのマップが作れる」といった考え方で作っていくそうだ。

 そのほか,2人の締切に対するアプローチも示された。加藤氏は「プロとはスケジュールを守るもの」と考えているそうで,作業量と自身の力量をもとに,「これだけ時間があれば仕上げられる」という見積もりを最初に作るそうだ。そのため,スケジュールを遅らせることは基本的にないという。
 一方,ヨコオ氏は,「自分でもよく分からないが,ボーッとしているうちに時間が過ぎてしまう」そうで,気がつくと締切を大幅に過ぎていると述べていた。

 第1部の最後のテーマは,「クリエイターとして何を大切にしているか?」だ。ヨコオ氏は,2つめのテーマで語った「必要のないものを極力入れないこと」を再びアピールする。ここでは,ヨコオ氏が「ドラッグ オン ドラグーン」の開発時に,プロデューサーから地名を考えてほしいと依頼された際,ヨコオ氏はプレイヤーの学習コストを下げるべく「森の国」「海の国」とシンプルな名称にするというエピソードが披露された。

 さらにヨコオ氏は,「やりたいことをやることも大事だが,やりたくないことをやらないことも大事」との持論を展開する。そのために「自分が嫌だと思うことを周囲に主張し続ける」ことの重要性を説いた。
 例えばヨコオ氏は,彩度の高いユーザーインタフェース(UI)が好きではなく,SINoALICEでもシックな感じになるようリクエストを出したそうだ。しかし,開発現場では「こんな色ではプレイヤーに伝わらない」と反発されたとのこと。その落としどころが,リリースされたSINoALICEのUIになるという。
 ヨコオ氏は「大きなことを成し遂げるのは困難だが,自分が関わっている範囲で嫌だと思う部分を修正するのは,手早く達成感を得られる優れた手段ではないか」と語っていた。

 加藤氏は「オリジナリティ」を大事にしているとし,「インターネットを介して誰もがさまざまな資料を得られる今の時代,それらの知識をどれだけ自分のものにし,どれだけ自分の表現にできるかがクリエイターに求められている」と語っていた。

加藤氏が描いたアナザーエデンのダンジョンのイメージイラスト
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 またチームとして仕事をするにあたり,ほかのスタッフとどう接しているかいう質問には,ヨコオ氏が「人見知りが激しいので,人付き合いがうまくいかず辞めてしまうかもしれないと言っている」と回答した。

 加藤氏は,「自分は全力でやるから,君も全力を見せてくれ」というスタンスで周囲に接しているとし,自身が最初に提示した「自分の作りたいもの」に対し,ほかのスタッフがそれを想像以上のものに仕上げてきたとき「やられた!」と感じることの繰り返しでゲームを作り続けてきたと話す。そのため,自身が示した方向性と合致し,十分なクオリティを保っていれば,他人の出したさまざまなアイデアを抵抗なく受け入れられるという。

加藤氏が描いたアナザーエデンのボス「幻視胎」のイメージイラスト(写真左)と,実際のゲームに登場した同ボスのビジュアル(写真右)。デザインを手がけたのは別チームから移籍してきたばかりのスタッフで,加藤氏は同じクリエイターとして嫉妬したという
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第2部「世界観がゲームに宿るまで」


 第2部「世界観がゲームに宿るまで」では,ヨコオ氏と加藤氏に加え,SINoALICEでプロデューサーを務めるポケラボの前田翔悟氏と,アナザーエデンでディレクターを務める古屋海斗氏が登壇した。

SINoALICE プロデューサー 前田翔悟氏
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 トークの最初のテーマは,「SINoALICEとアナザーエデン,それぞれの世界観は実際どのように作られたのか?」だ。前田氏は,長らく家庭用ゲーム機向けタイトルの開発に携わってきたヨコオ氏と,スマホゲーム開発専門のポケラボとではゲーム作りに対する根本的な考え方にギャップがあり,最初は苦労したと振り返る。

 一方,ヨコオ氏はスマホゲームのプレイ経験が少ないうえに,それらのストーリーをろくに読んだことがなかったので,自身でシナリオを書きたいと思わなかったそうだ。そのため最初から「シナリオは書きません」という強い姿勢でポケラボとの打ち合わせに臨んでいたとのこと。それからいくつかやり取りがあり,「ポエムだったら短いし,飛ばしてもプレイに支障がないから」という理由で,現在のSINoALICEの形が作られたのだという。

 さらにヨコオ氏は,キャラクターやUIについても最初から「かなり口を出す」と話していたとのこと。あからさまにテイストが異なる絵柄のキャラクターが並ぶのは嫌なので,一人のイラストレーターに依頼するか,複数のイラストレーターを起用する場合はトーンの統一を徹底してほしいというリクエストを出したそうだ。
 また,ヨコオ氏との打ち合わせにあたり前田氏がもっとも驚いたのは,世界観やストーリーだけではなく,UIの話に時間が割かれたことだったという。

アナザーエデン ディレクター 古屋海斗氏
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 一方の古屋氏は,アナザーエデンで加藤氏と一緒に仕事をするにあたり,まず最初にシナリオの制作を打診したとのこと。それが2015年春の大型連休前だったのだが,休み明けには世界観とメインストーリーのシナリオがワードソフト100枚ほどの資料としてほぼ仕上がっており,あとはそれを作るだけという状態になっていたという。そうやって加藤氏が先行してシナリオなどを仕上げていく体制は,今もほとんど変わっていないそうだ。

 会場では,アナザーエデンに登場するボス「魔獣王」のイメージイラストと,実際にゲームに登場する同ボスが示された。古屋氏によると,アナザーエデンチームは和気藹々としつつも,チームメンバー同士が互いに驚くくらいのものをつくろうと,切磋琢磨しているようだ。

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加藤氏のイメージイラストの時点では,魔獣王がビームを放つ設定はなかったという
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 加藤氏は,こうしたお互いを高め合うようなチーム体制を,「スーパーファミコン時代のRPG作り」と呼んでいるとのこと。加藤氏は「チームがいい状態にあるときは,おそらく誰かが全力疾走している。それに対して『負けてられねー』と皆が同じ方向を目指して全力疾走し始める」と説明する。

 そんな話を受けヨコオ氏は,自身が20代の頃,上の世代の影響で思うようなゲーム作りができなかったと振り返る。ベテランと呼ばれる存在になった今でこそ,やりたいことがある程度実現できるようになったものの,その一方で,自身がいるために思うようなゲームを作ることができないスタッフもいるのではないかと日々考えているそうだ。

 さらにヨコオ氏は,アナザーエデンチームが和気藹々とやっているという点に関して,「そうは言っても,クリエイティブはお互いにマウントし合った結果,最終的に何が採用されるかが決まるわけで,アイデアが日の目を見ずに終わり,やりたいことができない人もたくさんいる」と指摘。「それは避けられないことではあるが,加藤さんのようなゲームクリエイター第1〜第2世代(レジェンド世代)の人達は自覚なくやっている。彼らが『うまくやっているよ』という言葉の裏側には,実は10人ぐらいの犠牲がある」とし,「僕には『10人殺しちゃったな』という罪の意識があるけれども,レジェンド世代にはそれがない」と続けた。

 ヨコオ氏の指摘を受けて,古屋氏は「アナザーエデンチームでも,もちろんアイデアの出し合いにはなるので,ボツとなるアイデアもある。それでも,きちんと説明を尽くしたりしながら,ユーザーを楽しませるアイデアを突き詰めよう,といった意識づくりを心がけている」と発言。加藤氏も「皆,平気でダメ出しをしてくる。誰がつくったかどうかは関係ない」と同意した。
 加藤氏自身は,自分がレジェンドだという意識はなく,あくまでもひとりのゲームクリエイター,ひとりのプランナーであり,ほかのスタッフと同じ視線でゲーム作りに関わっているという。加えてアイデアの採用に関しては,きちんと納得できる説明をするよう,チーム全体で心がけているとのことだ。

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 2つめのテーマは,「世界観を実現するうえでの工夫(UIやデザイン)とは?」だ。前田氏は,打ち合わせですり合わせを重ねたり,あるいはヨコオ氏がSNSなどで推薦している映像作品などをチェックしたりして,ヨコオ氏の抱くイメージや好みを実現しているという。とくに初期のすり合わせは難航したが,一度方向性が固まってからは,リテイクの回数が大幅に減ったそうだ。

 さらに前田氏は,開発中のエピソードとして,SINoALICEがスクウェア・エニックスと共同開発するRPGということもあり,「ファイナルファンタジー」シリーズを意識した色調のUIを用意していたことを明らかにしていた。ヨコオ氏が求めていたのは“シックなもの”であることは,先に書いたとおりだ。

 アナザーエデンにおけるUIは,透明感があり,かつ冒険感が得られる一方,あまり主張しないデザインを目指したと古屋氏は述べる。
 また,制作途中でキャラクターデザインが2頭身のものから現在の姿に一新されたが,これは開発中のゲーム画面を見た人達から,「ゲームの内容にそぐわない」という指摘を多数受けたことによるものという。加藤氏は,スーパーファミコン時代のRPGでは,2頭身のキャラクターでシリアスなストーリーを展開していたことから別に構わないだろうと考えていたそうだが,世間の認識とはズレがあったわけだ。古屋氏も「あの変更は必然だった」と語っていた。

 最後のテーマは,「今回このチームでゲームを作ってどうでしたか」だ。ヨコオ氏は,「いろいろやっているつもりだが,月1回のミーティングでしか顔を合わせないので,チームとしての認識を持つのが難しい」とコメントしつつ,「ポケラボには若いスタッフが多く,熱意があって吸収も速い。能力があって進化も速いので,この人達は将来,すごい存在になる可能性を秘めていると感じる」と賞賛した。

 前田氏は,ヨコオ氏がポケラボのスタッフにノウハウを伝授している場面があるとし,それが積み重なって現在があると語った。ヨコオ氏も,「お金を儲けるだけならもっと有効な手段があるのに,クリエイティブに携わっているのは,その人に何か実現したいものがあるということ。それならば,やりたいこととやりたくないことをしっかり主張していくのが大事だと伝えている」と話していた。

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 加藤氏は,昨今のコンシューマゲーム開発は大規模な組織での制作が前提となっているが,その一方で,アナザーエデンチームは,メンバーの一人一人が何をやっているのかを互いに把握できる規模であったため,ファミコンやスーパーファミコン向けにゲームを作っているような感覚に戻れたと語った。加藤氏は「そうした懐かしい感覚と,最新のスマホゲームを作っている感覚の双方を得られて楽しい。過去10数年にわたってフリーでやってきたが,こうしてまたチームの一員としてシナリオを書いたりイベントを作ったりすることも楽しい」とし,「自分の作りたいものを作って,それを面白いといってくれる人がいれば,それだけでいいとも思う」と語った。

 最後に両作品の今後についてもお伝えしよう。アナザーエデンは,近日中に第1.5部が配信されることがアナウンスされている。SINoALICEも12月に大きな展開が予定されているとのこと。それぞれ順次公開される続報に期待しよう。

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