企画記事
「テニプリ」楽曲の魅力とともに新作映画をレビュー! 映画「リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」が9月3日より公開中
◆「テニスの王子様」とは?
1999年から2008年まで「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載されていた,許斐 剛氏による漫画「テニスの王子様」(通称,テニプリ)。中学校のテニス部を題材にした物語で,テニスの名門・青春学園中等部(以下,青学)のテニス部が全国大会優勝を目指していく姿が描かれる。2009年からは「ジャンプSQ.」(集英社)で続編「新テニスの王子様」が連載されている。
これら漫画だけでなく,テレビアニメやゲームなど多数のメディアミックスが行われており,今なお多くの人から愛されている作品だ。また「テニプリ」といえば,900曲を超えるキャラクターソングや,ミュージカル,原作者・許斐 剛氏がCGとなったテニプリキャラとデュエットするライブなど,音楽との親和性が非常に高い作品である。「テニプリ」を楽しむならば,熱いテニスの試合だけでなく,キャラクターたちの歌声にも注目しないともったいない!
◆9月3日から絶賛公開中
映画「リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」
9月3日から公開中の映画「リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」では,原作者・許斐 剛氏が製作総指揮を務め,劇中歌の新曲の作詞・作曲を自ら手掛けている。キャラクターの歌やダンスシーンも多数あり,音楽要素満載の「テニプリ」らしい仕上がりだ。また,映画は<Decide>と<Glory>の2タイプがあり,本編の一部シーンや,本編後の「シアター☆テニフェスpetit!」のメドレー楽曲など,それぞれ異なるものが楽しめる。ファンは繰り返し見たくなる仕様だ。
映画本編は,原作のラスト・全国大会決勝のあとから「新テニスの王子様」の物語が始まる以前,これまでに描かれていなかった期間のエピソードで構成されている。主人公・越前リョーマが武者修行のために単身渡米してLAに到着後,家族旅行中の同級生・竜崎桜乃がギャングに絡まれている場面に遭遇。彼女を助けるために放ったボールをきっかけにタイムスリップし,リョーマの父・越前南次郎が引退に追い込まれた全米オープン決勝の数日前に辿り着く。そこで南次郎の引退理由を知るために,若き南次郎と行動を共にするというのが本作のあらすじとなる。
試写会で2タイプの旨味を堪能
見どころをチェック!
公開に先駆けて,試写会で映画を視聴させてもらったのだが,原作者の許斐 剛氏が製作総指揮を務められていることもあって,3DCGキャラクターが原作感たっぷりに感じられた。許斐氏が描くキリッとした顔の造形はもちろん,個人的に氷帝学園の跡部の髪色が原作カラーの茶髪であるところにも目がいった(アニメやテニミュでは銀髪)。また,表情豊かで立体的に動く王子様たちを見られただけで眼福である。
映画が始まると,「Dear Prince〜テニスの王子様達へ〜[MOVIE size]」をバッグに,なんと原作のラストで描かれたあの試合が開始! コートを楽しそうに駆け回るリョーマ,エールを送る青学メンバーやライバル校のキャラクターたちの登場で,初っぱなから「テニプリ」ファンにはうれしい演出が飛び出す。
劇中ではキャラクターが歌って踊るシーンも多く,まさに3DCGで描く音楽要素満載な映画。キャラクターの心情や,キャラクター同士の対話を密に綴った歌詞,各場面の雰囲気に合った曲調で展開されるので,すぐに引き込まれてしまう。楽曲と物語が自然に融合していくさじ加減が素晴らしく,「許斐 剛先生は,作詞・作曲もできる多彩な方だな」と映画を観てあらためて感じさせられた。
圧巻のDANCE&SINGシーン以外の本作の目玉といえば,やはり<Decide>と<Glory>の2タイプでそれぞれ異なるシーンがあることだ。例えば,リョーマが電話をするシーンの相手が,<Decide>は手塚と立海の幸村精市,<Glory>は四天宝寺の白石蔵ノ介と氷帝の跡部に変わったりする。筆者的にはガーデニングをしている,プライベートな幸村の姿が見られたのはうれしい。<Glory>での白石とのシーンで,横にいた金ちゃんのわちゃわちゃ加減もとてもキュートだった……。
物語で注目してほしいところは,映画で余すところなく描かれていくリョーマの魅力。さらわれた竜崎桜乃をヒーローの如く何度も助ける姿は問答無用でかっこよく,テニスへの思いが溢れた楽しそうな笑顔はとにかくかわいらしい!
基本はクールな姿勢ながらも表情は比較的コロコロ変わる越前リョーマ。物語を追っていると,あらためて魅力的なキャラクターだなと気付かされる。もちろん歌声も素晴らしい。
作詞・作曲:許斐 剛,編曲:LOVE LOVE BROS.
歌:テニプリオールスターズ
本編のあとは,原作の漫画やイラストで編成された人気楽曲のメドレー映像「シアター☆テニフェスpetit!」。セットリストを初めて見たときから「テニプリ好きには刺さる楽曲が勢揃いすぎませんか!?」と,大興奮をせざるを得ず……! 2タイプが上映となるが,どちらのライブでもスタートを彩る曲は「Love Festival」。ファンにはおなじみとなる「ドンドン…タン♪ ドンドン…タン♪」というイントロは,まさに「テニプリ」ファンのお祭りが始まる合図だなと強く思いつつ,ノンストップでテンポ良く流れる名曲のメドレー,おしゃれに編集された特別な映像にファンは釘付け! 「テニプリ」だからできるファンタジーを取り入れた,熱い物語とすてきな楽曲が詰まった,最高のエンターテインメント映画であった。
このとき,応援上映ができたら絶対に楽しいだろうな……と思っていたら,なんとこの度「無発声応援上映」の情報が発表に! 詳しくは下記をタップまたはクリックしよう。
劇中に登場する楽曲をチェック!
劇中歌はすべて製作総指揮を務めた許斐 剛氏が手掛けており,どれも物語とリンクした仕上がりとなっている。
作詞:許斐 剛 作曲:佐々木 收 編曲:SCRIPT
歌:イケメン侍
印象的なオルゴールの音から始まる「テニプリ」ファンにおなじみの楽曲の劇場版で,物語の始まりを鮮やかに彩る。歌詞は,まるで王子様たちから励まされているかのような雰囲気で,ポジティブで元気が出る楽曲だ。
作詞・作曲:許斐 剛 編曲:津田ケイ
歌:越前リョーマ(CV:皆川純子)&ウルフ(CV:杉田智和),ブー(CV:武内駿輔),フー(CV:竹内良太)
初めてウルフ,ブー,フーの3人と対峙したときに歌われる1曲。きちんとテニスラケットを持っていざ試合と思いきや,ラップバトルが勃発! COOLなミュージックに乗って,リョーマが流暢なラップでちゃんと返すところがツボ……!
作詞・作曲:許斐 剛 編曲:津田ケイ
歌:越前リョーマ(CV:皆川純子)
映画の序盤で,過去のアメリカで若かりし父・南次郎に出会い,彼の現役時代のテニスが見られることに期待するリョーマ。そんなワクワクが伝わってくる,これぞミュージカルというような,メルヘンチックで清々しい曲調。曲中から登場する,かわいらしすぎる小さいリョーマにも注目だ。
作詞・作曲:許斐 剛 編曲:津田ケイ
歌:越前リョーマ(CV:皆川純子)&竜崎桜乃(CV:高橋美佳子)
ハモリが素晴らしい。リョーマと桜乃の貴重なデュエットソング。タイムスリップで過去に来た2人の,お互いを気遣う気持ちが伝わってくる。星の下で手を取り合って,歌い踊る姿が幻想的だ。長い三編みがトレードマークの桜乃が,ポニーテール姿なところも新鮮。その髪型を初めて見たリョーマの反応は要チェック!
作詞・作曲:許斐 剛 編曲:津田ケイ
歌:越前リョーマ(CV:皆川純子)&手塚国光(CV:置鮎龍太郎)
<Decide>で観られる,とある理由で手塚部長と電話をするシーンでの1曲。サビはあえて壮大なメロディのみなところが情緒的な,ピアノの音色が美しい曲。あらためて手塚部長は頼りになる存在と思わせる,後のリョーマの行動にも関わる重要なワンシーンだ。
作詞・作曲:許斐 剛 編曲:津田ケイ
歌:越前リョーマ(CV:皆川純子)&跡部景吾(CV:諏訪部順一)
<Glory>で観られる,「リョーマの想い 部長の声」と同じメロディで展開される跡部とのデュエット。跡部なりの激励に心動かされる曲だ。また,跡部の優雅な部屋着姿からも目が離せない。
作詞・作曲:許斐 剛 編曲:津田ケイ
歌:越前リョーマ(CV:皆川純子)&エメラルド(CV:朴 璐美)
エメラルドとの熱い試合で流れる,タイトル通り危険な香り漂うかっこいい曲。2人とも英語が流暢で最高にCOOL! アクロバティックに足でボールを打ち返すエメラルドも見どころだ。
作詞・作曲:許斐 剛 編曲:津田ケイ
歌:テニプリオールスターズ
クライマックスのシーンにふさわしく,テニプリオールスターズで送る主題歌。この物語をとおして成長したリョーマの姿,南次郎やライバルたちの熱く温かい想いが込められている。筆者としては,推しである立海の柳生比呂士のソロパートに注目。美しいビブラートに拍手!
これら主題歌・劇中歌の新曲,全7曲をまとめた「リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」劇中歌シングルBOXが,9月17日(HMV&BOOKS SHIBUYAのみ9月10日先行)に発売予定なので,気になる人はチェックしよう(詳細はこちら)。
シアター☆テニフェスpetit!
<Decide>と<Glory>の楽曲にも注目!
本編のあとに上映される,お楽しみの「シアター☆テニフェスpetit!」も2パターンあり。どちらのセットリストもこれまでに発売,公開されてきた人気の「テニプリ」キャラクターソングがズラリと並ぶ。バラエティ豊かな楽曲が勢揃いの「テニプリ」キャラソンは,中学生なのにこんなに色気のある曲を歌っていいのか! というような大人な雰囲気の曲,キャラの心情が伝わりうるっとくるもの,耳に残るなんとも奇天烈な曲までさまざまだ。
●<Decide>で聴ける楽曲
<Decide>は全9曲で,ソロ曲が中心のセットリストになっている。
作詞:saki sodeyama 作曲:渋谷郁央 編曲:佐々木 章
歌:越前リョーマ(CV:皆川純子)
2004年7月7日に発売された越前リョーマのソロアルバム「SR」に収録された1曲。リョーマの内に秘めるテニスへの思いが伝わる歌詞,そしてリョーマの歌唱力の素晴らしさを実感する。
作詞・作曲:UZA 編曲:中山崇史
歌:手塚国光(CV:置鮎龍太郎)
2003年11月6日に発売された手塚国光のキャラクターソング。手塚部長の静けさのなかに潜む,熱さを感じられるスタイリッシュな曲だ。
作詞:諏訪部順一 作曲・編曲:ha-j
歌:跡部景吾(CV:諏訪部順一)
2012年5月16日に発売された跡部景吾のキャラクターソング。跡部を演じる諏訪部順一さんによる作詞にも注目したい。彼の歌声に酔ってしまうこと間違いなし!
作詞:永井幸子 作曲・編曲:佐藤 晃
歌:幸村精市(CV:永井幸子)
2009年3月5日に発売された,幸村精市のソロアルバム「ラストソングス」に収録されている。爽やかな曲調に,幸村役の永井幸子さんの涼やかな歌声がマッチ。癒やされる……。
作詞・作曲・編曲:佐藤 晃
歌:木手永四郎(CV:新垣樽助)
2009年11月6日に発売された木手永四郎のソロアルバム「FAITH」に収録されている。サビ前の♪Down! Down! Down! Down!を一緒に歌いたくなる,ブラックなムード漂う曲。
詞:K.K/谷藤律子 作曲・編曲:K.K
歌:白石蔵ノ介(CV:細谷佳正)
2010年4月14日に発売された白石蔵ノ介のソロアルバム「Medicine or...?」に収録されている。明るい未来を感じさせられる,聴いているだけで白石に優しく背中を押してもらったような気分になる応援ソング。
作詞:UZA 作曲・編曲:田中俊亮
歌:越前リョーガ(CV:宮野真守)
2016年8月31日に発売された越前リョーガのソロシングル。リョーガが常に持っているオレンジをタイトルとした彼らしさ満載の歌詞。リョーガ役の宮野真守さんの軽快な歌声が聴きどころ。
●<Glory>で聴ける楽曲
人気ユニット曲も含まれている<Glory>は全8曲が展開していく。
作詞:加藤 碧 作曲:菊嶋“KIKU”亮一 編曲:ROUND4
歌:青学オールスターズ
2014年7月2日に発売された,新テニスの王子様 学校別アルバム「THE PRINCE OF TENNIS II SEIGAKU SUPER STARS」に収録されている。青学メンバーみんなで歌い上げる,彼らのテーマソングとも受け取れるにぎやかな1曲。
作詞:白井裕紀 作曲・編曲:真崎 修
歌:by断ち切り隊
2007年10月31日に発売された,不二周助,白石蔵ノ介,千歳千里,宍戸 亮によるユニットの楽曲。タイトルからインパクトがある,各キャラクターのおなじみのセリフを盛り込んだ名曲だ。
作詞:新垣樽助 作曲・編曲:corin.
歌:木手永四郎(CV:新垣樽助)
2009年11月6日に発売された木手永四郎のソロアルバム「FAITH」に収録されている。沖縄の方言もふんだんに使用した,スピーディで最高にかっこいい曲。
作詞:桑原永江 作曲・編曲:上條貴史
歌:四天宝寺オールスターズ
2014年7月30日に発売された,新テニスの王子様 学校別アルバム「THE PRINCE OF TENNIS II SHITENHOJI SUPER STARS」に収録の楽曲。四天宝寺メンバーで歌う,お祭りの如く明るく楽しい雰囲気!
作詞・作曲:UZA 編曲:大野宏明
歌:跡部景吾(CV:諏訪部順一)
2006年8月2日に発売された跡部のソロシングル。思わず合いの手を入れたくなる曲。氷帝メンバーも参加し,いつもよりテンション高めな跡部様にもにんまり。
作詞:津田英佑 作曲:江草一平 編曲:ROUND4
歌:柳生比呂士(CV:津田英佑)
2010年1月1日に発売された柳生比呂士のミニアルバム「ウンディーネ」に収録されている。また2011年にはアレンジバージョンが発売された。ライブやイベントで人気を博している,柳生が高らかに歌い上げる「テニプリ」屈指の盛り上がりソング!
なお,本編でも流れる「Love Festival」と「世界を敵に回しても」は,<Decide>と<Glory>両方で楽しめる。どちらもテニプリオールスターズが歌う楽曲で,「Love Festival」は始まりを,「世界を敵に回しても」は「シアター☆テニフェスpetit!」のラストを飾る。
ここで紹介した曲以外にも名曲はまだまだいっぱいの「テニプリ」ソング。「もっと知りたい!」「もっと楽しみたい!」という人は,現在配信中のスマホ向けリズムアクションゲーム「新テニスの王子様 RisingBeat」(iOS / Android)がおすすめだ。映画とあわせて,これからもさまざまなメディアで展開し続ける「テニプリ」ワールドを楽しんでみてはどうだろうか。
映画「リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」公式サイト
テニプリアトラクションサイト
「新テニスの王子様 RisingBeat」公式サイト
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