プレイレポート
真田信繁と彼を支える真田十勇士のドラマティックな物語。PS Vita「真紅の焔 真田忍法帳」のインプレッションをお届け
アイディアファクトリーから2018年6月28日に発売されたPlayStation Vita用ソフト「真紅の焔 真田忍法帳」。本作は関ヶ原の戦いから14年後,徳川幕府と豊臣家の最後の合戦である「大坂の陣」で,劣勢の豊臣家に助力し,後の世で「日本一の兵」とまで称された真田家の次男・真田信繁(CV:諏訪部順一)と,そんな彼に仕える「真田十勇士」達の絆と生き様を描いた恋愛アドベンチャーゲームです。本作では,真田家に仕える忍である主人公が,信繁や猿飛佐助(CV:杉田智和),霧隠才蔵(CV:興津和幸),筧 十蔵(CV:鈴村健一),由利鎌之介(CV:保志総一朗)の5人と共に戦場を駆け抜けていきます。
本稿では歴史好きな方にもおすすめしたい,史実とオリジナル要素が絶妙に入り混じった本作の共通ルートをメインにゲームの流れをお伝えしていきます!
主君の信繁に認めてもらうために実力を示す共通ルート
仕えることを諦めきれない主人公は,雑用係として信繁達を支えることに。しかし,そんな日々は,信繁の大坂入りが豊臣からの要請で正式に決まったことで急変します。
関ヶ原の戦いを経て,盤石な地位を築いた徳川幕府。そんな徳川幕府との戦いは死地にもなると考えた信繁は,主人公を置いていくことを決めるのでした。
一度は仲間達を見送った主人公ですが,信繁が主人公のために置いていった大事な笛を返すべく,彼らの後を追いかけることを決意。すると,敵である裏柳生のなかでも異形な存在「巌流」に苦しめられる仲間達を発見します!
常人ならざる力で戦う巌流に違和感を覚えた主人公は,自分が持つ特殊な能力,「輪(リン)」と言われるチャクラを見る力が発揮! 巌流が死人であることを見抜くのでした。
物語において,この輪を操る力は非常に重要なポイント! 主人公の存在意義がしっかりと示されているところも本作の大きな魅力となっています。
そして,仲間と協力し合い巌流を倒したのち,信繁達は裏柳生を率いる若き総帥・白蓮(CV:前野智昭)と対峙することに。彼の側にいるキャラクター達は,全員が巌流と同じ異形な存在である様子。中には信繁達と関係のある人物もいるようで……? 得体の知れない力で襲い掛かってくる白蓮達とは,今後もさまざまな戦場で戦うことになります。
好感度と輪度を変化させながら,彼との絆を深めて
本作でエンディングに関わってくる数値は,好感度と輪度の2つ。好感度は物語中に表示される選択肢を選ぶことでアップしていきます。
好感度が上がった際にエフェクトが表示される「愛キャッチ」はもちろん実装されていますが,本作では選択後すぐに表示はされません。しばらく会話をした後に表示されるので,選択時にクイックセーブをして様子を見るのがおすすめです!
物語は9章に分かれ,4章からは共通ルートである1〜3章の間で一番好感度が高かったキャラクターのルートへ進みます。個別ルートに入ると,キャラクターの輪度が変化する選択肢が登場。どのように変化したかは「六壬帳」でチェックでき,輪度の変化は物語にも影響していきます。
そのほか,本作には忍としての力量が判定される「忍システム」もあります。忍システムでは主人公の行動が選択でき,エンディングを迎えたあとに,その行動が忍としてふさわしかったかの発表が行われます。
こちらは好感度や輪度とは違い,エンディングには影響しないオマケ要素の1つなので,どんな選択肢を選んでも物語に大きな変化はありません。ただ共通ルートの場合は,選んだ行動によって出会うキャラクターが異なることがあるので,意識してお目当てのキャラクターのところへ行けるように進めるといいでしょう。ここでもクイックセーブとクイックロードは有効なので,ぜひ活用してください! 忍として優秀な成績を残せば,エンディング後にキャラクターが褒めてくれるかも?
共通ルートのポイントは,通常の選択肢と忍システムの選択肢の両方で気になる相手と一緒に過ごすように心がけること。こうすることで,好感度を上げる機会やスチルつきのイベントが見られる機会が増えるはずです。
本作では歴史に沿った物語が展開していくため,用語説明も充実しています。特におもしろいのが物語中に話題となっている作戦や場所が地図上に表示できること。史実にそった資料なので,真田十勇士達の活躍がよりリアルに想像できます!
大河ドラマのような重厚なストーリーが楽しめる「真紅の焔 真田忍法帳」。本作は己の悲願や使命を胸に秘めているキャラクターが多いため,乙女ゲームらしい糖度は控えめに感じるかもしれません。しかし,恋も含めて,生きることに真摯に向き合っている人々の姿に惚れ惚れするはず! じっくりとしたストーリーを楽しみたい方にぴったりな作品です。
「真紅の焔 真田忍法帳」公式サイト
(C)2018 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY