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[TGS 2019]「雲夢四時歌」の3つの強みとは? 本作への想いと魅力を聞いた開発者インタビュー
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印刷2019/09/18 17:31

インタビュー

[TGS 2019]「雲夢四時歌」の3つの強みとは? 本作への想いと魅力を聞いた開発者インタビュー

 東京ゲームショウ2019にて,中国で配信中のスマホアプリ「雲夢四時歌」iOS / Android)がプレイアブル出展されていた。本作は,中国のPerfect World Gamesが開発し,テンセントがパブリッシングを担当する3DカードRPGだ。

 TGS 2019では,一部ローカライズしたバージョンを遊ぶことができ,その体験の内容はプレイレポート記事で紹介している。プレイできたのはほんの数分ではあるものの,美しい3Dグラフィックスと,魅力的なキャラクターたちが動くシーンには目を引くものがあった。

 今回,バイスプロデューサーの摆玉氏にインタビューする機会を得た。本作の強みとなる要素について聞いたので,その内容をお届けしよう。

「雲夢四時歌」副プロデューサーの摆玉氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / [TGS 2019]「雲夢四時歌」の3つの強みとは? 本作への想いと魅力を聞いた開発者インタビュー

4Gamer:
 タイトルとしてはTGS 2017でもプレイアブル出展されていましたが,いつ頃から開発されていたんですか。
 また,中国で今年5月にリリースされるまでに,ブラッシュアップした部分を教えてください。

摆玉(バイ・ユー)氏:
 このプロジェクトは2016年に始まりました。世界観やシステムはもちろん,より盛り上がるストーリーにするために2年半ほどかけて制作しています。人間と妖怪の全キャラクターの関係図を作ったり,すべての物語を何度も練り直したり,リリースまでに100万字くらいの調整を重ねました。今回出展したバージョンは,基本のシステムが遊べるごく一部のものです。

4Gamer:
 リリース後の,中国国内での反響はいかがでしょうか。

摆玉氏:
 リリース初日でダウンロード数1位,売上ランキング6位という好調な滑り出しでした。みなさんが唐の歴史と,ストーリーに非常に興味を持ってくれたことを嬉しく思います。ユーザー層としては,女性の方もいらっしゃいますが,男性のほうが多い印象です。

4Gamer:
 私も試遊させていただきましたが,3Dグラフィックスで表現された美しい世界と登場人物たちが非常に印象的でした。ドラマパートと戦闘パートも,アニメーションのようになめらかですよね。

摆玉氏:
 そこは私たちも力を入れているところです。世界観は唐風スタイルをベースにしながら,本作ならではのスタイルも取り入れ,“新唐風”を作りあげました。建築物の組物,柱,梁などの構造は細部にまでこだわっていて,忠実に唐代の建築スタイルを再現しています。

画像集 No.004のサムネイル画像 / [TGS 2019]「雲夢四時歌」の3つの強みとは? 本作への想いと魅力を聞いた開発者インタビュー 画像集 No.005のサムネイル画像 / [TGS 2019]「雲夢四時歌」の3つの強みとは? 本作への想いと魅力を聞いた開発者インタビュー

 キャラクターも歴史上の人物や神話,文化遺産を擬人化したものです。そのために私たちは開発チームのなかに,歴史を研究するチームを作りました。そして陝西歴史博物館の協力のもと,唐代の平脱鏡出土品である「四鸞銜綬金銀平脱鏡(しらんかんじゅもんきょう)」や,女官が付けていた「葡萄花鳥紋銀香囊」からインスピレーションを得て,同時に自分のアイディアも入れつつ,式神「四鸞銜綬鏡」「上官婉児」といったオリジナルキャラクターを作りあげました。

4Gamer:
 キャラクターを作る際に気をつけているところを教えてください。

画像集 No.006のサムネイル画像 / [TGS 2019]「雲夢四時歌」の3つの強みとは? 本作への想いと魅力を聞いた開発者インタビュー
摆玉氏:
 ちゃんと歴史とあっているのか,ということに注意しました。ビジュアルの面はもちろんですが,もととなった人物,神話がそのキャラクターの設定にも反映されているんです。例えば,四鸞銜綬金銀平脱鏡の場合は,恋人の愛の証という意味が込められているので,四鸞銜綬鏡もそういった恋人のストーリーになっています。式神1人1人にもオリジナルストーリーが用意されているんですよ。

 ちなみに完成したキャラクターやストーリーはすべて,陝西歴史博物館に監修してもらっています。ゲーム内に見られる壁画や陶器など,よく見ないと分からないところまで忠実に再現して,プレイヤーがゲームをとおして唐の文化を体験できるようにしました。

4Gamer:
 試遊では妖怪の女の子(心月祈)を操作できましたが,メインストーリーは彼女が主人公なんでしょうか。

摆玉氏:
 今回TGS用にローカライズしたのが心月祈のストーリーで,実際は4人の主人公が存在します。心月祈は妖怪と人間のハーフで,2つの種族を仲良くしたいと思っている女の子です。心月祈のストーリーでは,彼女の祖母が管理していた霊応宮が妖怪によって破壊されてしまい,その犯人を見つけること,霊応宮を復興させることが目的となります。

4Gamer:
 4人でまた異なる展開が楽しめるんですね! そういえば本作では人間界と妖怪界が切り替えられるシステムがあるとか。

摆玉氏:
 「双界切り替え」システムですね。これはストーリーを進める際に,重要な要素となっています。人間界ではただの石獅子だったものが,妖怪界になると生きていてバトルすることになるなど,切り替えることでストーリーが進められるんです。

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 それとバトル時にも切り替えが発生します。バトルシステムはターン制なのですが,お互いの行動が合計10ターンを超えると,2つの世界が自動で切り替わるんです。式神によっては別の能力を引き出せたり,バフ効果がかかったりします。また主人公が持つスキルを組み合わせると,形勢逆転できるような効果が得られます。

4Gamer:
 切り替わるタイミングも考慮してバトルする必要がありそうですね。「双界切り替え」システムが生まれたきっかけはなんですか。

摆玉氏:
 本作は,人間と妖怪の関係性がストーリーの主軸となってきます。そのなかで,どうやって1つの世界のなかに2つの世界を表現すればいいかなと考え,“2つの世界を切り替える”ことを思いつきました。

4Gamer:
 ちなみに,マルチプレイや対戦プレイは搭載されていますか。

摆玉氏:
 チームを組んで一緒にクエストをクリアしたり,マルチプレイで対戦したりすることも可能です。これまでよくあった協力プレイは,同レベルのプレイヤー同士が一緒に遊べるものでした。ですが本作ではレベルの高いプレイヤーが,レベルの低い新人プレイヤーを連れてクエストに挑戦することもできるので,初心者にとても優しいシステムになっています。それに協力プレイすると,通常より多くの報酬が獲得できるんですよ。

4Gamer:
 初心者でも一気にレベルが上がりそうですね。いろいろお話をお聞きしましたが,摆さんが個人的に思う本作のポイントを教えてください。

摆玉氏:
 この作品のなかで描かれるすべての物語が唐代を背景にしています。可能な限り当時の雰囲気を出し,忠実にゲームに再現していることが見どころです。それに加えて,人間と妖怪が交わるストーリー展開と,何100万字にもおよぶ重厚なシナリオが強みだと思っています。

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4Gamer:
 日本の読者に向けてメッセージをお願いします。

摆玉氏:
 現在,ローカライズは進めていまして,日本向けの配信会社を探している最中です。早ければ来年の5月,6月のリリースを目指しています。この作品をとおして,日本のプレイヤーも唐代の歴史の魅力を知ってもらいたいです。楽しみにしていてください。

4Gamer:
 ありがとうございました。


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