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[GDC 2019]1970年代のカルト教団をテーマにした新作タイトル,「The Church in the Darkness」が2019年内にリリース
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印刷2019/03/26 13:24

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[GDC 2019]1970年代のカルト教団をテーマにした新作タイトル,「The Church in the Darkness」が2019年内にリリース

 ワシントン州シアトルに本拠を置くParanoid Productionsの新作「The Church in the Darkness」PC/PlayStation 4/Xbox One)の最新ビルトをGDC 2019会期中に見る機会を得たので,その様子を紹介したい。

「The Church in the Darkness」公式サイト


 「The Church in the Darkness」は,キリスト教系の思想にマルクス主義を融合した理想の共同体を築くため,1977年にアメリカのカリフォルニア州から南米のガイアナに集団移住した「人民寺院」をテーマにした作品だ。実際には移住の翌年,アメリカの視察団が訪れた際,信者の中に離反者が出たことを怒った教祖のジム・ジョーンズが,視察団を空港で襲撃。追い詰められたと感じたジョーンズが,900人以上の信者と共に集団自殺したという惨劇だ。

1990年代にゲーム業界に入ったリチャード・ロウズ氏は,2004年のホラーアドベンチャー「The Suffering」で開発の指揮をとり,それ以降,Microsoft側のプロデューサーとして,「State of Decay」や「Quantum Break」などの制作に携わってきた人物だ
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 そんな重苦しい事件だが,Paranoid Productionsを率いるベテランゲーム開発者のリチャード・ロウズ3世(Richard Rouse III)氏にとって,幼少時代からずっと心に焼き付いていた出来事だそうだ。
 「The Church in the Darkness」では,元警察官である主人公の甥アレックスがカルト教団と共に南米のフリーダムタウンに移住したため,その救出に向かうという物語が描かれる。ゲームシステムは見下ろし型のステルスアクションで,プレイヤーは,内部の状況がよく分からないままカルト教団の本拠に潜入してアレックスの居所を探すことになるという。

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 アイザックレベッカウォーカー夫妻がリーダーとして君臨しているフリーダムタウンはジャングルに覆われた広大なエリアで,あるところでは人々が農作業に従事し,また別のところではライフルを抱えた警備員が常駐しているなど,いくつかのセクションに分かれている。アイザックとレベッカの洗脳放送が常に流れており,異様な雰囲気がヒシヒシと伝わってくる。
 ちなみに,声優としてアイザック役に「Team Fortress 2」のスナイパー役で知られるジョン・パトリック・ロウリー(John Patrick Lowrie)さんが,またレベッカには「Portal」のGLaDOS役を務めたエレン・マクレーン(Ellen McLain)さんが参加している。

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 ゲーム開始直後には,ヒントとして地図風の全体マップが与えられ,マップのところどころにはマル印が付けられている。まずは,そこにいると思われる協力者に会いに行こう。フリーダムタウンの内部には,教団の方向性に反発しながらも留まっている人達もいるようで,そうした人々の助けを得ながら内部へ迫っていくわけだ。今回のプレイでは,特定の小屋に潜入してヒントが書かれたノートを発見したのち,川辺にいた女性を探し出すという流れになっていた。
 ロウズ氏によると,本作に用意されているマップは1つだけで,ゲームをプレイし直すたびに,異なる地域から異なるヒントでゲームを始めることになるとのこと。1ゲームは数時間で終わるが,何度もゲームを繰り返すことで,この入植地の現実をさらに深く知ることになるという。

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 それぞれのキャラクターには,扇状の視野が設定されており,協力者は「緑」,武器は持っていないが逃げ出して大声を出す一般信者が「黄」,武器を持った警備隊が「赤」,そしてウォーカー夫妻など一部のキーキャラクターは「黒」で表現されている。敵となるキャラクターの動きを確認して,タイミングを合わせて背後をすり抜けたり,迂回したりしていく必要がある。
 ゲーム開始時点で,ピストルなど複数のアイテムの中から2つが選べるというシステムで,アイテムの中には「目覚まし時計」もある。これを使って相手の注意を別の方向にそらすこともできるのだ。また,マップを探索するうちにこうしたアイテムが手に入ることもあった。

 敵の武器を奪って戦うといったアクション要素はほとんどなく,たとえピストルを持っていても,弾丸の数は限られている。もっとも,相手の背後から忍び寄って首を絞め,一定の時間気絶させることは可能で,敵の数が少ない場所を選んで攻略するのがセオリーであるようだ。プレイヤーが捕らえられても殺されはせず,別の地点の野ざらしになった小さな牢屋で目を覚まし,そこから逃げ出してプレイを続行するというシステムだった。

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 ロウズ氏によると,現実とは異なり「ゲーム中に子供を登場させない」といった配慮は行っているとのことだが,信者達が怪しげな集会をしていたり,仲間をリンチしているといった描写もあり,集団自殺に追い込まれるカルト教団の直前の様子をかなりリアルに追求しているようだ。
 シングルプレイ専用ゲームで,2019年夏頃にはFellow Travellerをパブリッシャとして発売される見込み。日本語を含め,複数の言語の対応も検討しているとのことだった。

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