［インタビュー］「ドルフロ」はこれからどうなる？ 気になる続編「2」の開発状況は？ 上海散爆（サンボーン）・羽中氏に聞いた

　2023年7月16日，東京・秋葉原ラジオ会館にて開催された「ドールズフロントライン」（iOS / Android。以下，ドルフロ）の5周年感謝祭は，久しぶりのファンを迎えたオフラインイベントとなった。


　このイベントの終了後，上海散爆（サンボーン）の代表取締役社長であり，少女前線（ドルフロ）シリーズの総合プロデューサーである羽中（ウチュウ）氏に話を伺う機会を得た。限られた時間ではあったものの，ドルフロの今後の展開，新作「ドールズフロントライン2」の開発状況などを聞いてみたので，ぜひご一読を。
　果たして，ドルフロの世界はどのように展開していくのだろうか。

上海散爆（サンボーン）代表取締役社長 兼 少女前線（ドルフロ）シリーズ総合プロデューサーを務める羽中氏。5周年感謝祭の前日，中国でのイベントに登壇していたのが，会場に姿を見せて，ファンを大いに驚かせた

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上海散爆（サンボーン）は日本市場を重要視している

4Gamer：
　5周年感謝祭が終わったばかりですが，お時間をいただき，ありがとうございます。
　昨日，中国でのイベントに登壇後，強行日程で日本に来られたそうですが，なぜそこまでしてくれるのでしょうか。

羽中氏：
　私達は以前から，日本市場をものすごく重要視しているからです。しかし，ご存じの通り，新型コロナウイルスの影響で3年間も日本に来られなかった。今回は5周年という節目だったこともありますが，世界の情勢が変わり，とても良いタイミングでしたので，少々無理をしてでも来日することにしたんです。

4Gamer：
　今回の5周年感謝祭を秋葉原ラジオ会館で開催した理由は何でしょうか。

羽中氏：
　秋葉原はオタクの聖地です。私達はサブカルが大好きだったからドルフロを作ったので，サブカルの聖地で記念イベントをしたい気持ちがずっとありました。

4Gamer：
　イベントはサプライズ（羽中氏の登場）もあって，大盛況でしたね。

羽中氏：
　ドルフロが今の盛り上がりを見せているのは，すべての日本の指揮官のおかげだと思っています。また，サブカルコンテンツが出発点にありますから，ますます日本に適した，日本のプレイヤーに受け入れられるコンテンツ作りに努めていきたいです。


4Gamer：
　新型コロナウイルスによる影響は，ドルフロにとっても大きかったのでしょうか。

羽中氏：
　もちろん，コロナ期間中はいろいろな方面で影響を受けました。例えば，海外で連携しているパートナーとの連絡が取れなくなったり，開発陣がリモートワークに移ったばかりの頃には開発効率が下がったり，社員同士の連携がうまく取れなかったりと，多々あります。だからこそ，今回のようにイベントを開催できるようになったことを，新たな転機と捉えて頑張っていきたいと思います。

これからのドルフロはどうなる？

4Gamer：
　ドルフロの日本での展開は，いよいよ6年目に突入します。今後の盛り上げのために考えていることを教えてください。

羽中氏：
　オンライン，オフラインを問わず，プレイヤーの皆さんと触れ合い，情報を共有する機会やイベントを作っていきたいですね。また，皆さんにお伝えしていないコンテンツもありますから，6周年の節目に向けて，これからもチームは前進を続けていきます。

2018年8月に日本でのサービスを開始したドルフロは，6年目に突入している。画像は5周年記念公式PVより

4Gamer：
　今回のイベントでは「これから物語が佳境に入る」と紹介されていましたが，日本サーバーでは今のところ，全体の何割を公開しているのでしょうか。

羽中氏：
　現在は全体の7割くらいですね。終盤までのプロットはすべて考えてある状態です。まだ詳しくは言えませんが，ストーリーの終盤では指揮官自身に重大な決定が下されるのですが，そこから華やかに「ドールズフロントライン2」（PC / iOS / Android。以下，ドルフロ2）にバトンタッチをしたいと考えています。

ドルフロ2の開発状況は？

4Gamer：
　5周年感謝祭ではドルフロ2の最新映像を公開していましたが，日本のファンに伝えたかったメッセージを教えてください。

羽中氏：
　開発中の映像をお見せすることによって，ドルフロ2というゲームの全体像，アートデザインや技術，プレイ方法などを披露するという目的がありました。本当はもっと長い映像だったのですが，尺を合わせるために編集しています。必要に応じて，ファンの皆さんに向けて続報を届けたいと思っています。

ドルフロ2

4Gamer：
　映像の中では3Dモデルを閲覧していましたが，かなり完成度が高いことが伝わってきました。背後から触れたときに人形が気付いて，後ろを向くシーンがありましたが，製品版でも同様に実装されるのでしょうか。

羽中氏：
　ええ，製品版でもできますよ。すべての人形に実装される予定ですが，人形の中には触れる場所によって独特な反応を見せることもあります。

ここでなんと，羽中氏自身のスマホで開発バージョンの3Dモデルを見せてくれた

4Gamer：　
　実際に見ると，本当にすごい。キャラクターを拡大しても，粗い部分が見当たりません。

羽中氏：
　アートデザインと設定には，とにかくこだわりました。フレームレートもスマホやPCでの最適化を最重要課題として取り組んでいます。人形のカスタマイズも可能なので，プレイヤーができることはかなり多いです。まだ公開していない機能もたくさんありますから，楽しみにしていてください。

4Gamer：
　待ち遠しいですね。ドルフロ2の開発状況を教えてください。

羽中氏：
　開発は順調で，ほぼ完成しています。現在は細かいディテールやアートデザインをブラッシュアップしている段階です。細かいところまでこだわり抜いた人形の魅力を，早くお見せしたい気持ちでいっぱいです（笑）。

4Gamer：
　とくに苦労した点はありますか。

羽中氏：
　開発中に立ちはだかった困難は枚挙に暇がありません。あえて乱暴に言いますが，2Dであれば絵をうまく描ければいいんです。しかし，3Dでは細かいディテールのレンダリング制作はもちろん，そのレンダリングがかけ合わさったときにエラーやバグが出やすく，技術的な困難は非常に多いです。

4Gamer：
　ドルフロ2は完成に近いということですが，そのほかの新作はいかがでしょうか。

羽中氏：
　「逆コーラップス：パン屋作戦」の開発も順調に進んでいます。そのほかにも基本的な部分を決めかねている，新作タイトルを鋭意制作中です。皆さんには発表できるのは，まだ先になると思います。

4Gamer：
　最後に，あらためて日本のファンにメッセージをお願いします。

羽中氏：
　3年ぶりに，ようやく日本をまた訪れることができて，嬉しい気持ちでいっぱいです。これからも日本市場を重視する姿勢は変わらず，皆さんにより良いコンテンツを届けていきたいです。

4Gamer：
　続報を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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