プレイレポート
「交響性ミリオンアーサー」はどんなゲームになる? 開発版を先行プレイしつつ,プロデューサーの岩野氏&山﨑氏に聞いた
今回4Gamerは,そんな交響性ミリアサのサービスに先駆けて,開発版をプレイする機会を得られた。プレイ後には,岩野弘明氏(「ミリオンアーサー」シリーズプロデューサー)と山﨑裕介氏(「交響性ミリオンアーサー」プロデューサー)のお二人にインタビューを実施できたので,本稿でまとめてお届けしよう。
「交響性ミリオンアーサー」公式サイト
※画面はすべて開発中のものです。
“キャラハント”で獲得した騎士がクエストに同行
ゲームの舞台となるのは,何者かによって“キャメロット”が奪われたことを機に,混乱へと陥ってしまった「ブリテン」。プレイヤーはアーサーの1人となって,マーリンを名乗る少女と共にキャメロットの奪還を目指すというのが,大まかなストーリーラインだ。
本作はミリアサシリーズの世界観を引き継いでおり,ファンにはおなじみのキャラクターが多数登場する。ただ,ベディヴィアなどの円卓の騎士は,マーリンが騎士の通常因子に“L.O.K.I.因子”を融合して生み出したために,風貌や性別が変わっている。このマーリンの謎については,ストーリーを進めることで明らかにされるそうだ。
主人公をキャラメイクできるのは,ミリアサシリーズ初の要素だ。設定項目は「髪」「髪色」「顔」「目の色」「肌」「胸(※女性キャラ限定)」が用意されている。ちなみにゲーム開始後でもキャラメイクは自由にでき,装備の見た目だけを反映させる機能もあるとのこと。
いわゆるジョブシステムも搭載し,開発版プレイの時点では「ナイト」「ランサー」「キャスター」「ビショップ」の4種類が確認できた。ジョブ名から大体想像できると思うが,ナイトは防御に特化,ランサーは物理攻撃に特化,キャスターは魔法攻撃と弱体に特化,ビショップは回復に特化となっている。キャラのレベルは各ジョブに依存し,ジョブの変更は拠点でいつでも行える。
バトルの基本的な操作方法は,キャラの移動を画面左下のバーチャルパッドで行い,攻撃やジャンプ,回避,ジョブアクション(ガードや回復などジョブの固有スキル),アクティブスキルといった各アクションを画面右下のアイコンで発動する形だ。カメラアングルは画面をスワイプ操作で変えられるが,近くの敵をオートロックオンする機能(オン/オフ可)も備わっているので,「頻繁にカメラアングルを変えなきゃ戦えない」ということはなかった。マニュアル操作に比べると当然頼りないが,フルオートで戦ってくれる機能もあるので,スマホ向けアクションRPGとして遊びやすい印象だ。
フィールドでは,野生(?)の騎士に遭遇することもある。彼/彼女らを倒して拘束すると,フィールドをクリア時に仲間に加わる“キャラハント”要素がゲームの大きな見どころだ。そうして仲間にした騎士は,プレイヤーキャラのお供として2体までをフィールドへと連れていき,一緒に戦えるようになる。
なお,野生の騎士には“個体差”が存在する。同名でも各ステータスには違いがあるのだ。しかし厳選作業の負担を軽減するためか,たとえば「ビスクラヴレット」を仲間にしている状態で再び野生の「ビスクラヴレット」のキャラハントに成功すると,仲間の「ビスクラヴレット」の各ステータスが優秀なほうの個体値に更新される。キャラハントを続ければいつかは全ステータスの個体値が最強の「ビスクラヴレット」を完成させられるわけだ。この仕様上,同じ騎士が複数仲間になるという形にはならない。
仲間の騎士はプレイヤーキャラへの忠誠度を深めたり,能力を成長させたりして強化できる。1体1体のキャラモデルの作り込みだけでなく,忠誠度に応じて専用エピソードが開放され,タッチ時の反応やボイスも変化するなど,キャラの掘り下げには相当注力されているのが感じられた。
作品ごとにジャンルが違うミリオンアーサーシリーズ
交響性はどのような立ち位置のタイトルになる?
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。まずは交響性ミリオンアーサーの世界観からお聞かせください。
岩野弘明氏 |
山﨑裕介氏 |
ブリテンが舞台となって,バトルを繰り広げていくというのはシリーズどおりですが,交響性の世界は拡散性や乖離性の,ざっくりと数百年先の未来となっています。ここでどういった物語を展開させるかを,シナリオ監修の鎌池和馬さん(※)にも相談して,アーサー王伝説だけにこだわらず,アーサー王伝説とも少し絡みがある北欧神話をミックスした伝説vs.神話という構図の新しい物語にすることに決めました。
※「とある魔術の禁書目録」などで知られるライトノベル作家の鎌池和馬氏。ミリオンアーサーシリーズにおけるシナリオのキーマンである
山﨑裕介氏(以下,山﨑氏):
伝説と神話が交わり,響き合う。「交響性」と名づけた理由はそこにあります。
4Gamer:
北欧神話のエッセンスはどういった形で盛り込まれているんでしょうか。
岩野氏:
ネタバレにならないように,シンプルに設定的な部分だけ説明しましょう。北欧神話に出てくる「ロキ」という神に由来するL.O.K.I.因子が,今作のシナリオにおける重要なカギです。開発では赤い服シリーズと呼んでいますが,彼ら円卓の騎士とL.O.K.I.因子がどう関わってくるのか。そのあたりに注目しつつ,メインストーリーを読み進めてみてほしいです。
山﨑氏:
北欧神話の勢力に対抗する,アーサー王伝説の勢力の戦いを描いています。
4Gamer:
バルムンクだったり,オーディンだったり,北欧神話が元ネタとなるキーワードは多くの人が知っているでしょうから,そこに立ち向かうミリオンアーサー勢力という想像を膨らませていくと,確かにワクワクしますね。
岩野氏:
余談になりますが,私は「聖闘士星矢」のアスガルド編が好きなんです(笑)。ほかの神話や伝説のキャラが共闘あるいは敵として立ちはだかったらどうなるのか。交響性のストーリーでも,そういった展開を楽しんでいただきたいですね。
そんなストーリーを読み解くうえで,ヒントが隠されていそうなタイトルロゴですが,中央のマーリン以外のキャラについても教えてください。
岩野氏:
タイトルロゴは伝説vs.神話の縮図です。ストーリーを進めていくと,それぞれのキャラの名前を含めて少しずつ意味が分かってくると思います。
山﨑氏:
マーリン以外の3人は,北欧神話のキャラですね。北欧神話で3人と言えば……。今の段階ではぜひ推理して楽しんでみてください。
4Gamer:
現状,ストーリーを最後まで進めれば,この3人の正体はハッキリするんでしょうか。
岩野氏:
今後に公開を予定しているオープニングアニメのフルバージョンや,正式リリース直後の段階で実装されているストーリーの最後で,3人の姿は確認できます。ただ,どういった目的で行動しているかまでは,アップデート後の追加ストーリーをお待ちください!
4Gamer:
わかりました。拡散性と乖離性はカードゲームという枠組みにありましたが,今作は,打って変わって“キャラハントアクションRPG”となっています。この経緯や意図についてお聞かせください。
岩野氏:
カードゲームだからこそミリオンアーサーを好きになってくれた方もいる一方で,逆に興味が湧かないという方もいらっしゃいました。ミリオンアーサーシリーズは,ゲームファンやアニメファンといったさまざまな嗜好を持つ人にアピールできるポテンシャルがあると思っていますので,ならばカードゲームにこだわる必要はないだろう,と考え至ったのが発端です。
4Gamer:
もともとメディアミックス路線を意識されており,2D対戦格闘ゲームとして「ミリオンアーサー アルカナブラッド」も稼働を開始したあとでしたし,アクションゲームのミリアサと言われても,違和感は覚えませんでしたね。
岩野氏:
しかし,スマホ向けアクションゲームはすでに多くのタイトルがリリースされていたので,ミリオンアーサーらしい特徴を必ずつけたかったんです。そこで,みんなでワイワイとマルチプレイという普遍的な遊びの中に,ミリアサの魅力の1つであるキャラを絡ませることで,現在の形になっていきました。
4Gamer:
コンセプトとしては,どのようなことを決めていったんでしょうか?
岩野氏:
ガチャだけで戦力を上げるゲームにはしたくない思いもありましたので,ゲームプレイのみで強さにつながる要素を構築しました。コンセプトとしてここは外せませんでしたね。マネタイズ自体もあまりガチャに依存せず,時間を短縮する方向メインでがんばっています。
4Gamer:
キャラハントで騎士を集めるのは,コンセプトどおりの面白い要素として実現されていますね。騎士たちは動きも細かく,よく喋りますし,必死に敵を倒す姿も見ていて楽しいです。
岩野氏:
ありがとうございます(笑)。キャラハントした騎士たちと一緒に冒険するゲームですので,キャラクター制作はこだわりました。
4Gamer:
騎士は全部で何体が用意されているんですか?
山﨑氏:
リリース直後の段階では,15体前後を予定しています。その中には拡散性や乖離性で人気のキャラもいれば,新しくイラストが描き起こされたキャラもいます。もちろん全員に3Dモデルを用意していますので,新たな魅力を感じていただきたいですね。
4Gamer:
メインストーリーとキャラクターの追加は,アップデートの核となりそうですね。
岩野氏:
そこはまさに現在,開発側と調整していますね。とくに遊びの中心となるキャラの追加は,更新が滞らないような体制にするつもりです。
4Gamer:
3Dモデルと豊富なモーション,ボイスパターン,そして専用エピソードと盛りだくさんなので,1体を制作するだけでも大変だと思いますが,やはりキャラの追加は楽しみですね。しかも獲得手段が“キャラガチャ”ではないですし。
ミリオンアーサーのキャラクターをより魅力的に映るようにし,もっと好きになってもらえるように努力してまいります。専用エピソードは,シリアスなメインストーリーとはまた違う味わいがありますので,そちらもご期待ください。
4Gamer:
プレイヤーキャラと同様に,騎士の衣装の着せ替えも可能ですか?
山﨑氏:
現状はできませんが,とくに水着をつけたいなどの要望は増えると予想していますので,なんとか実現したいと思います。
4Gamer:
期待しています。最後に,4Gamer読者へのメッセージをいただければ幸いです。
岩野氏:
ミリオンアーサーの世界観を広げていくことをこれからも続けていきますが,それと同時に既存のタイトルも,アップデートやイベントなどで盛り上げていきますので,今後ともよろしくお願いいたします。
山﨑氏:
交響性は,ミリオンアーサーシリーズを広げていくための,1つのツールとしての側面もあります。ミリオンアーサーシリーズをもっともっと好きになってもらうため,できることは何でもやるという心構えです!
今後も生放送を行うだけでなく,GMキャラとしてゲームにログインし,直接プレイヤーの皆さんからお話を聞くことも考えていますので,ご意見やご要望がありましたら,お気軽にお声がけください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
──2018年5月29日収録。
ちなみにAndroid端末向けだが,「交響性ミリオンアーサー」のクローズドβテストが5月31日16:00〜6月7日15:59の期間で実施されている(関連記事)。テスターの応募&参加は先着順となっており,規定のプレイヤー数を超え次第,締め切られるとのことだが,本記事掲載時点でまだ枠はあるようだ。興味がある人は下記のリンク先から詳細を確認のうえ,CBTに参加してみてほしい。
「交響性ミリオンアーサー」公式サイト
「交響性ミリオンアーサー」CBT概要ページ
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交響性ミリオンアーサー
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交響性ミリオンアーサー
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