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[GDC 2019]「Vacation Simulator」は,VR世界で“自分自身の物語”が楽しめる。デザイナーのChris Wade氏が最新作を語る
前作「Job Simulator」では,すべてが自動化され,労働の仕方を忘れてしまった2060年の未来人となり,仮想世界でロボットから労働訓練を受けるという体験ができた。続編となる「Vacation Simulator」では,ロボット達に休暇の楽しみ方を教わりながら,仮想世界ならではのハチャメチャなバケーションが楽しめるゲームとなっているという。
Game Developers Conference 2019(GDC 2019)にて行われたセッション「Embracing Chaos: Designing for Emergent Gameplay in VR」では,同社のデザイナーであるChris Wade氏から,本作がいかに“プレイヤー自身がキャラクターとなってVR世界を楽しめるか”を目標に作られているかが,特徴的なシステムを中心に語られた。
セッション名にもあるとおり,彼らが目指しているのは「Emergent Gameplay」を作り上げることだ。Emergent Gameplayとは,シンプルな技術の組み合わせで生まれるゲームプレイから得られる新たな体験で,それはプレイヤーの想像力を刺激し,自分だけの物語を作り上げられるものだという。
南国の島でキャンプやバーベキューを楽しみ,絶景での撮影や自撮りなどを楽しめる本作において,プレイヤー自身がキャラクターとなってバケーションを楽しめるかは本作にとって重要なポイントとなるだろう。
「自身が作り上げた世界からのみ得られる,ほかの誰のものでもない感覚で,定められたものではなく自身が見つけ出していく。そんなユニークで思い出深く,そして自由な体験ができるようなゲームデザインを目指している」とChris Wade氏は語る。
そんな“プレイヤーの物語”に想像の余地と持続的な変化を与えてくれるのが「ワッフルメーカー」だ。スイカやどんぐりといった食べ物だけでなく,瓶などのアイテムもワッフルにして焼けてしまう「ワッフルメーカー」は,「Job Simulator」のプレイヤーなら,バカバカしくも“らしい”ものと感じるかもしれない。
「ワッフルを焼き,それを持って出かける」という一連の流れは,プレイヤーの想像力を掻き立てる面白さや,不完全性のある見た目の楽しさ,焼けたワッフルの使い方、そしてなんとなく繰り返しやってしまうという習慣性があり,本作でも期待のシステムになっているようだ。
Owlchemy Labsは,VRは現実世界と非常に近いものだからこそ,プレイヤーの自由さに加えて,現実世界と相互作用するような楽しさを提供したいと考えているという。
GDC 2018のデモ版のレポートでもお伝えしたとおり,さまざまなシチュエーションのステージに分かれていた前作とは異なり,「Vacation Simulator」では大きなマップが採用され,今回紹介された「ワッフルメーカー」を含む,プレイヤー自身の行動パターンや自由さはかなり高いものとなっていそうだ。進化を見届けたいという前作のプレイヤーはもちろん,VRでの新たな体験を求めている人なら見逃せないゲームだろう。
「Vacation Simulator」公式サイト
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Vacation Simulator
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(C)2019 Owlchemy Labs
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