「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」プレ大会をレポート。茨城国体で行われる「ウイイレ2019」大会のプレマッチが開催

　いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会実行委員会事務局は2018年9月15日，「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」のプレ大会をつくば国際会議場で開催した。

当日の会場となったつくば国際会議場。施設内大ホールを使用して実施された

　全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKIは，2019年9月に開催を予定している国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体2019」の文化プログラムとして実施されるeスポーツ大会で，今回のイベントはその前哨戦にあたる大会だ。
　大会の使用タイトルはKONAMIの「ウイニングイレブン 2019」で，当日は県内から選抜された「オープンの部」（年齢制限なし）25チームと，「少年の部」（高校生対象）16チームが集結。午前中より予選が行われ，午後にはエキシビションマッチを挟んで準決勝と決勝が行われた。本稿ではエキシビションマッチと決勝戦の模様をお届けする。

登壇者は左からeスポーツキャスターの柴田将平さん，タレントの小島みゆさん，ウイイレプロプレイヤーまやげか選手，レバ選手，MCのバロン山崎さん

茨城県公認Vtuberの茨ひよりさんが，スクリーン越しにアシスタントMCを務めた

　エキシビションマッチでは，ウイイレシリーズのプロプレイヤーで当日の解説を務めたまやげか選手とレバ選手の合同チームと，当日オープンの部より抽選で選ばれたチーム「SUNNS」（ともにミランを使用）が2人対3人の変則マッチで対戦を行った。
　当日初めてチームを組んだというプロチームに対し，アマチュアのチームがどこまで食い下がれるかに注目が集まったが，ゲームは終始プロチームが押し気味に進め，前半14分に早くも1点を先取。SUNNSはその後チャンスを作るもゴールに嫌われ，終わってみれば4-0でプロチームがその実力を見せつける結果となった。
　「ただ強いだけでなく，魅せるプレイが素晴らしかった」とSUNNSの選手はコメント。プロの強さに圧倒されつつも，来年の本大会出場へのモチベーションアップにつながったとも述べていた。

SUNNSのメンバー。健闘はしたものの，プロプレイヤーの壁は高かった

　続いて行われた少年の部の決勝は，「鉾二メロン's」と「フィーヴァー」（ともにバルセロナを使用）による対戦に。準決勝でお互いに無失点という守備力の強さをこの試合でも見せた両チームは，前半はほぼ互角の展開を見せる。試合が動いたのは後半29分，フィーヴァーが巧みなパス回しでゴールを決める。追いつきたい鉾二メロン'sは終盤にいくつかのチャンスを作るも決定打に欠け，フィーヴァーが1-0のまま勝利を飾った。
　チーム練習は週1回30分程度，学校の先生にPlayStation 4を借りて学校で行っているというフィーヴァーの2人。秘めたポテンシャルを発揮した試合運びに，客席からは大きな拍手が贈られた。

貴重な1点を守り切ったフィーヴァー

　そして最後の試合となったオープンの部の決勝に進出したのは，「鹿麗會（しかれいかい）」（バルセロナ）と「ゴラ族」（リヴァプール）の2チーム。それぞれウイイレ歴15年と20年というベテランプレイヤーを擁し，現在18歳のレバ選手も両チームのウイイレへの愛に驚きの声を上げていた。
　試合は決勝らしい，互いに一歩も譲らない譲らない攻防で，前半32分に鹿麗會がゴールを決めるとその直後にゴラ族が1点を返していく。後半も同様の展開で，後半6分の鹿麗會の勝ち越しゴールに続いて後半26分にゴラ族が追いつくというシーソーゲームとなり，試合はなんとPK戦までもつれ込んだ。

取られたら取り返す。観戦した誰もが興奮する試合展開に

　PK戦でも互角の戦いを見せる両者。6本目までで3-3の同点という，見守る客席も息を呑む展開となったが，運命が決まったのは7本目。鹿麗會が決めたあと，ゴラ族のキックがキーパーに阻まれ，ついにゲームセット。2-2，PK4-3でオープンの部の優勝を決めた。

地元茨城の鹿島アントラーズのユニフォームを着て激戦を制した鹿麗會

　鹿麗會の選手陣は「みんな強い」と謙遜しつつも，「これからも3人で練習して，チャンスがあれば来年の国体にも臨みたい」とコメント。彼らはこの優勝で，2018年9月23日の東京ゲームショウ2019のKONAMIステージにて行われる「ウイニングイレブン 2019 国内最強チーム決定戦」への出場も決定し，まやげか選手やレバ選手も参戦するプロチームやメディア大会上位チームとの対戦を繰り広げる予定だ。

上位チームには，大井川和彦茨城県知事より記念の盾が贈られた

オープンの部，優勝の鹿麗會と準優勝のゴラ族

少年の部，優勝のフィーヴァーと準優勝の鉾二メロン's

当日のトーナメントの結果はこちら

　最後にプレゼンターとして登壇した茨城県知事の大井川和彦氏は，「決勝戦は生のワールドカップを見ているような興奮を覚えた」と当日の感想を述べ，来年の国体でのスポーツ大会開催について，「eスポーツが華開いた今年，その裾野を広げ，幅広い方々が参加できる大会として，来年の茨城国体をこれからも大いに盛り上げていきたい」と語った。

茨城県知事大井川和彦氏

　来年の茨城国体での本大会は，今回同様にオープンの部と少年の部が設けられ，2019年2月より出場登録受付が開始する。全国都道府県ごとにオンラインとオフラインの予選を開催し，各都道府県より選抜された代表チームによる本戦が2019年10月4日〜6日に行われる予定だ。