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印刷2019/04/22 17:05

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個人戦,チーム戦共にインドネシアが制した「PES LEAGUE 2019 ASIA REGIONAL FINALS」をレポート

 2019年4月20〜21日,東京の日本サッカーミュージアムにて「ウイニングイレブン 2019」の世界大会「PES LEAGUE 2019」のアジア地域決勝大会となる,「PES LEAGUE 2019 ASIA REGIONAL FINALS」が開催された。

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 日本,韓国,香港,東南アジアの4地域の決勝大会を勝ち抜いたチームや,大会で好成績を収めて選出されたトップレイヤー達によって争われる本大会。上位入賞した「1V1部門」の4選手と,「CO-OP(3V3)部門」の2チームが「PES LEAGUE 2019 WORLD FINALS」への出場権を得る。20日には各部門のグループステージが,21日にはノックアウトステージが行われた。
 本稿では,21日行われたノックアウトステージの様子をレポートする。グループステージを勝ち残って,ノックアウトステージに進んだ選手,チームは以下のとおりだ。

【1V1】
・うでぃ選手(日本)
・Mayageka選手(日本)
・かつぴーや選手(日本)
・Kalok.c選手(香港)
・Verysutton選手(香港)
・ALEX選手(中国)
・ZEUS_FAIDAN選手(インドネシア)
・PAUDIE II BADUT ESPORT選手(インドネシア)

【CO-OP(3V3)部門】
・Beginners(日本)
・WANI(インドネシア)


日本からはMayageka選手が3度目の世界進出へ


 ノックアウトステージ前半は「1V1」の準々決勝,準決勝,決勝が行われた。初戦でぶつかったのはFAIDAN選手とPAUDIE選手だ。組み合わせの不運によって,インドネシア同士の対決となってしまう。いきなり乱打戦の展開となり,後半戦の序盤までは1-4でPAUDIE選手がリードしていたが,そこから怒涛の6点連取でFAIDAN選手が巻き返し,7-4で見事逆転勝利を納めた。

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 続いては香港のVerysutton選手と日本のうでぃ選手の対決。延長までもつれるほどの接戦だったが,5-3で制したのはVerysutton選手だ。Verysutton選手は今大会最年長の参加者で,試合中は得点する度に全身で喜びを表現し,自分を鼓舞するような熱い姿を見せてくれた。

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 3戦目は日本のMayageka選手と中国のALEX選手の対決だ。序盤はALEX選手がリードするも,前半終了間際にMayageka選手が追いつき2-2に。さらに後半戦で3-2と逆転し,そのまま守り切りったMyageka選手が,見事WORLD FINALS進出を果たした。これでMayageka選手は,3年連続の世界進出だ。

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 4戦目は香港のKalok.c選手と日本のかつぴーや選手の組み合わせに。日本人としては,かつぴーや選手を応援したいところだが,今大会,ここまで負けなしのKalok.c選手は手強かった。前半を2-0で折り返し,かつぴーや選手も1点返したかと思いきや,オフサイド判定で無効に。最終的には3-1でKalok.c選手が勝利し,奇しくも日本の選手が敗北した相手は両方とも香港の選手という結果となった。

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 準決勝は,一番の若手であるFAIDAN選手と,最年長のVerysutton選手の対決となった。FAIDAN選手は,驚異のドリブルテクニックで61%のボール占有率をマーク。Verysutton選手は1本もシュートが打てずに,完全に試合を支配したFAIDAN選手が1-0で勝利した。

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 準決勝2戦目はMayageka選手とKalok.c選手の対決だ。ここまで負けなしのKalok.c選手相手に,Mayageka選手は前半だけで3-0と引き離し,完全に試合の流れを作る。最終的に4-1と危なげなく勝利し,決勝へと駒を進めた。勝利後,決勝に向けての意気込みを聞かれるとMayageka選手は,「FAIDAN選手と戦いたいという思いが,準決勝のモチベーションになった。決勝でいい試合をして見てる人達にも楽しんでもらいたい」と語っていた。

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最年少にして驚異の2冠達成


 続いて「CO-OP(3V3)」の決勝戦が行われた。ここでは上位2チームが世界進出となるので,決勝を戦うインドネシアのWANIと日本のBeginnersは,どちらも世界への切符を手にしている状態だ。
 前半から2-0でリードするWANIに対し,後半に1点返すBeginnersだったが,WANIがさらに1点を取り,3-1と引き離す。そのまま得点は動かず,WANIがアジアNo.1の座を勝ち取った。

決勝戦を制したWANIは,「すでに世界進出は決まっていたので,自分達のサッカーをしっかりプレイすることを意識した」とコメント
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 「1V1」の決勝は,WANIのメンバーでもあるFAIDAN選手と,日本選手で唯一,世界進出が決まったMayageka選手の対決だ。前半は1-1の同点で折り返すが,後半で1点リードを奪うMayageka選手。しかし,その後にFAIDAN選手が2点を奪い,優勝を決めた。これにより,FAIDAN選手は最年少にして実質2冠という偉業を達成した。

 勝利者インタビューでFAIDAN選手は,「多人数と個人でのプレイは勝手が違うので,混乱しないよう注意し,切り替えがしっかりできたのがよかった」と話す。2冠という事で世界からも注目される可能性について聞かれると「自分自身のスタイルを守り,自然体で臨めればいい結果が出せるはず」と,自信を見せていた。

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 大会終了後,日本で唯一世界進出を決めたMayageka選手,そして優勝チームのWANI,個人でも優勝を果たしたFAIDAN選手にインタビューを行った。さらに,インドネシアの選手達をバックアップしているコミュニティにも話を聞けたので,本稿の締めとして,順にお届けしていこう。

――惜しくも優勝を逃すという形になってしまいました。振り返ってみて,決勝はどんな印象でしたか。

Mayageka選手:
 言い訳になってしまうかもしれませんが,準決勝の後,そのまま決勝をやらせてほしかったですね。個人的に,間隔が空くとモチベーションが下がってしまって。一気に最後までやりたかったです。

――優勝したFAIDAN選手の印象を教えてください。今後もアジアを代表する選手になっていくかと思いますが。

Mayageka選手:
 若くて強い選手がアジアから出てくるのは嬉しいですね。アジアの中で切磋琢磨しながら地域全体のレベルを上げないと,世界に通用しなくなってくると思います。優勝できなかったのは悔しいですが,嬉しくもあります。

――WORLD FINALSへの抱負をお聞かせください。

Mayageka選手:
 決勝での映像を参考にしながら課題をしっかり洗いだして,世界大会までに改善して臨みたいです。

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――(WANIについて)素晴らしいチームワークでしたが,普段,どれくらい練習されていますか。

Luckymaarif選手:
 ここ2週間ぐらいは集中して練習しましたが,普段は1日に2〜3時間程度です。皆,住んでいる場所が違うので,オンラインで練習しています。

――優勝できた要因はなんでしょうか。

Luckymaarif選手:
 練習はもちろんですが,3人の個性を生かすようにしっかりコミュニケーションをとり,練習と休養,話し合いとメリハリをつけて協調性を重視したことだと思います。

――FAIDAN選手は,「1V1」や「CO-OP(3V3)」の試合において,どんな状況でも冷静にプレイしていて,最年少ながら非常に落ち着いている印象を受けました。

FAIDAN選手:
 特別なことはなくて,しっかり集中して相手に敬意を払うプレイをしていれば,必然的に落ち着いて臨めると思っています。


――WORLD FINALSへの抱負をお聞かせください。

FAIDAN選手:
 挑戦するからには,世界一を目指したいと思っています。

Luckymaarif選手:
 目指すは優勝ですが,何かを持ち帰らなければとも思っています。少なくとも入賞はしたいですね。

 インドネシアの選手達の活躍の陰には,彼らをバックアップしている「LIGA1PES」というコミュニティの存在がある。コミュニティ主催者であるVALENT氏に,立ち上げの経緯などを聞いてみた。

――コミュニティを作ろうと思った経緯を教えてください。

VALENT氏:
 ゲームに対して,ネガティブな感情を持っている人がまだ多くいますが,きちんと大会で結果を残し,意義のあるものだと彼らに理解してもらいたくて,コミュニティを作りました。

――「1V1」「CO-OP(3V3)」とインドネシアが制しましたが,率直な感想をお聞かせください。

VALENT氏:
 本当に驚きましたし,とても嬉しく思います。インドネシアは今まで世界進出の経験がないので,出場できるというだけで素晴らしいですが,優勝もできて本当に誇らしいですね。コミュニティを作って本当に良かったと思えた瞬間でした。

――個人でも優勝したFAIDAN選手は,最年少ながら素晴らしい選手ですね。

VALENT氏:
 2016年のコミュニティイベントを開催した際に参加してくれた少年です。初めて参加した大会でいきなり優勝し,ナショナルチームに参加することになります。

――今後もFAIDAN選手のようなプレイヤーがインドネシアから出てくるとお考えでしょうか。

VALENTさん:
 はい。先日,インドネシアの国内大会で,12歳の少年がベスト8入りの結果を残しています。彼は代表選手になるために,わざわざジャカルタまで両親を連れて来てくれました。彼の両親の理解を得られたのは,コミュニティの活動が実を結んだ結果だと思っています。

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個人,団体共にインドネシアが躍進を見せた今年のアジア大会。来年以降の大会が,さらに盛り上がることに期待したい
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