レビュー
3連クーラー搭載の2070 SUPERカードとカード長212mmの短尺版2060 SUPERカードを試す
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 SUPER AMP Extreme
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 SUPER MINI
そこで今回は,各社新製品の中からZOTAC Technologyの「ZOTAC
デフォルトで2GHz超えを実現したZOTACのRTX 2070 SUPER搭載カード
GPUそのものについての解説は,GeForce RTX SUPERシリーズ発表時の記事を参照してもらうとして,ここではカードそのものについて見ていこう。まずは,
名称から明らかなように,本製品は,GPUにRTX 2070 SUPERを採用し,ZOTAC製グラフィックスカードの最上位である「AMP
動作クロック設定だが,ベースクロックは非公開ながらも,ブーストクロックは1830MHzと,リファレンスの1770MHzから60MHz高いクロックアップモデルとなっている。なお,メモリクロックはリファレンスと同じ14GHz相当だ。
ちなみに,後述するテスト環境において,ZOTAC製の付属アプリケーション「FireStorm」(Version 3.0.0.010E)を用いてコアクロックを追ってみたところ,2070MHzまで上昇していることを確認できた。出荷時設定で2GHzを上回っているあたりは,なかなかインパクトがある。
今どきのグラフィックスカードは,分解の難度が高いうえに,うかつに外して組み立てると,グラフィックスメモリや電源回路などの放熱に支障を来す可能性があるので,GPUクーラーを取り外して基板やチップを確認するのは避けた。しかしZOTACによると,ZOTAC
補助電源コネクタは8ピン+6ピンという構成で,このあたりはRTX 2070 SUPER Founders Editionと同じだ。なお,ZOTACによるとZOTAC 2070 SUPER AMP Extremeの消費電力は215Wとのこと。
212mmの短さが魅力のZOTAC 2060 SUPER MINI
続いてZOTAC 2060 SUPER MINIを見ていく。
GPUそのものの説明は,こちらも発表時の記事を参照してもらうとして,本製品でまっ先に目を惹くのは,カードの短さであろう。
ZOTAC 2070 SUPER AMP Extremeと同様に,ZOTAC
ちなみに,テスト中の動作クロックをFireStormで追ってみたところ,コアクロックは1950MHzまで上昇していることを確認できた。
GPUクーラーには,90mm角相当のファンを2基搭載した2スロット占有タイプのIceStorm 2.0を採用する。ZOTAC
なお,ZOTAC 2060 SUPER MINIはLEDを装備していない。また,GPUが低負荷時にファンの回転を停止する機能もなかった。
補助電源コネクタは8ピン×1という構成で,これはRTX 2060 SUPER Founders Editionと変わらない。なお,ZOTAC
なお,映像出力インタフェースはDisplayPort 1.4a×3,HDMI 2.0b Type A)×1で,ZOTAC
ZOTAC製2製品の性能をFounders Editionと比較
それでは,テスト環境の解説へ進もう。
今回の比較対象には,RTX 2070 SUPER Founders EditionとRTX 2060 SUPER Founders Editionを用意した。ZOTAC製の2製品が,リファレンススペックと比べて性能差があるのかを確認しようというわけである。
利用したグラフィックスドライバは,テスト期間の都合上,NVIDIAがRTX 2070 SUPERならびにRTX 2060 SUPERのテスト用に配布した「GeForce 431.16 Driver」である。そのほかのテスト環境は表にまとめたとおりだ。
テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション22.1に準拠。ただし,時間の都合から「Overwatch」「Middle-earth: Shadow of War」「Project CARS 2」のテストを省略し,一方でレギュレーション23.0を先取りするものとして,「Far Cry 5」に代えて「Far Cry New Dawn」を,「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」に代えて「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(以下,FFXIV漆黒のヴィランズ ベンチ)のテストを追加した。
具体的なテスト方法だが,まずFar Cry New Dawnは,ゲームに用意されたベンチマークモードを,最高プリセットを選択したうえで2回実行して,その平均をスコアとして採用する。FFXIV漆黒のヴィランズ ベンチは,グラフィックス設定を最高品質にしたうえでベンチマークを実行し,レポートファイルから得られる総合スコア,平均フレームレート,最小フレームレートをスコアとして用いるという内容だ。
解像度は3840×2160ドット,2560×1440ドット,1920×1080ドットの3種類を選択。なお,テスト環境およびテスト方法は「Radeon RX 5700 XT」および「Radeon RX 5700」のレビュー記事とまったく同じであるため,RTX 2070 SUPER Founders EditionとRTX 2060 SUPER Founders Editionのスコアは,同記事から流用していることをお断りしておく。
4%ほど高性能なZOTAC 2070 SUPER AMP Extreme
以下で扱うグラフ内では,ZOTACの2製品をそれぞれZOTAC 2070 SUPERと
グラフ1は「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだが,ZOTAC
一方,ZOTAC 2060 SUPER MINIは,RTX
総合スコアから「Graphics score」を抜き出したものがグラフ2となる。ZOTAC
一方,ZOTAC 2060 SUPER MINIはRTX 2060 SUPERに1〜2%程度の差をつけられており,総合スコアと同様の傾向が見られる。
グラフ3は同じくFire Strikeの総合スコアからソフトウェアベースの物理演算テスト結果を「CPU score」として抜き出したものだ。テストを通じてCPUを統一しているため,スコアはキレイに並んでいる。
総合スコアから,GPUとCPU両方の性能が効いてくる「Combined test」のテスト結果を抜き出したものがグラフ4だ。ここでもZOTAC
その一方で,ZOTAC 2060 SUPER MINIは,Fire Strike
続いては,DirectX 12世代のテストとなる3DMarkの「Time Spy」における総合スコアをまとめたものがグラフ5だ。ZOTAC
ZOTAC 2060 SUPER MINIがRTX 2060 SUPERに届いていない点もFire Strikeと同様で,その差は約2%ほどだ。
グラフ6は,Time SpyのGPUテスト結果を抜き出したものだが,ここでもZOTAC
ZOTAC 2060 SUPER MINIとRTX 2060 SUPERとの差も2%前後であり,これまでのテストと同じ傾向と言ってよいだろう。
なお,グラフ7はCPUテストの結果をまとめたものだが,Fire StrikeのPhysics testと同様,CPUが揃っているためスコアも横並びだ。
3DMarkで一通りの傾向を把握したところで,実際のゲームでの評価を進めていこう。
グラフ8〜10はFar Cry New Dawnの結果だが,平均フレームレートにおけるZOTAC
また,ZOTAC 2060 SUPER MINIがRTX 2060 SUPERに1〜2%程度の差を付けられている点も,3DMarkの結果を踏襲している。
続くグラフ11〜13は,
2560×1440ドットだけは,平均フレームレートにおいてZOTAC
一方,ZOTAC 2060 SUPER MINIは,やはりRTX 2060 SUPERに2%ほど差を付けられている。
「Fortnite」の結果をまとめたグラフ14〜16では,平均フレームレートにおいてZOTAC
グラフ17はFFXIV漆黒のヴィランズ ベンチにおける総合スコアをまとめたものである。ここでは,ZOTAC
それは,ZOTAC 2060 SUPER MINIも同様で,RTX 2060 SUPERとの差も2560
FFXIV漆黒のヴィランズ ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたものが,グラフ18〜20だ。平均フレームレートは総合スコアを踏襲している一方で,最小フレームレートはCPU性能の影響が色濃く表れるため,スコア差はあまり見られない。
ZOTAC 2070 SUPER AMP Extremeの消費電力は20Wほど増加。ZOTAC 2060 SUPER MINIはリファレンスと同等
さて,クロックアップ仕様のグラフィックスカードでは,消費電力の増大が懸念材料となりがちだ。高クロック動作が売りのZOTAC
そこで,「4Gamer GPU Power Checker」(Version 1.1)を用いて,FFXIV漆黒のヴィランズ ベンチ実行時におけるカード単体の消費電力推移をまとめたものがグラフ21となる。
この結果を見ると,やはりZOTAC 2070 SUPER AMP Extremeのほうが,RTX
一方,ZOTAC 2060 SUPER MINIは,RTX
線が重なって少々見にくいグラフ21から,中央値を求めたものがグラフ22だ。
これを見ると,ZOTAC
カード単体の消費電力だけでなく,システム全体の最大消費電力もログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて計測してみた。
テストにあたっては,Windowsの電源プランを「バランス」に設定。さらに,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としている。その結果がグラフ23だ。
グラフを見ると,ZOTAC 2070 SUPER AMP ExtremeとRTX 2070 SUPERとの差は26〜60Wと,差がだいぶ広がった。これはピーク値をスコアとして採用するテストのため,どうしても差が広がる傾向にあるのだが,それでも消費電力が増えていることは確認できる。
一方,ZOTAC 2060 SUPER MINIとRTX 2060 SUPERは勝ったり負けたりのいい勝負で,やはり消費電力は同程度と捉えるのが妥当だろう。
「GPU-Z」(Version 2.22.0)を用いて計測したGPU温度も確認しておきたい。ここでは,室温約24℃の環境で,テストシステムをPCケースに組み込まない,いわゆるバラック状態から,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得している。なお,今回使用した4製品では,温度の制御法もGPUクーラーも異なるため,横並びの評価にあまり意味はない。それを踏まえて結果をまとめたグラフ24を見ていこう。
ZOTAC 2070 SUPER AMP Extremeは,高負荷時でも70℃を切っており,GPUクーラーの冷却性能は優秀だ。一方,ZOTAC
最後に,ZOTAC 2070 SUPER AMP ExtremeとZOTAC
ビデオを見てもらえばわかるのだが,ZOTAC 2070 SUPER AMP
費用対効果の高いZOTAC 2070 SUPER AMP Extreme
ZOTAC 2060 SUPER MINIは短尺カードを求める人向け
ZOTACのZOTAC 2070 SUPER AMP Extreme製品情報ページ
ZOTACのZOTAC 2060 SUPER MINI製品情報ページ
- 関連タイトル:
GeForce RTX 20,GeForce GTX 16
- 関連タイトル:
ZOTAC GAMING(旧称:ZOTAC Gaming)
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