千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2019。そのChina Console Games Embassyブースに出展されているPlayStation 4用ソフト「
ANNO Mutationem」のプレイレポートをお届けする。
本作は,中国・ThinkingStarsが開発するアクションアドベンチャーゲーム。Sony Interactive Entertainmentによる「China Hero Project」の支援を受けて制作が進められている。
舞台背景は,映画「ブレードランナー」的なサイバーパンクの世界。退廃的なネオン街や,無機質に繁栄する高層ビル群の合間で,サイボーグ化やインプラントを施した人々が暮らしている。街中の看板に書かれた文字は日本語,中国語,ロシア語,英語とさまざまで,無国籍ぶりを見せている。また,SCP(
※)の要素を取り込んでいることも特徴的だ。
※自然法則に反する特殊な物品や事象「SCP」と,それを確保・収容・保護する「SCP財団」が存在する……という設定で綴られる,創作プロジェクト。なお創作物のメインは「SCPの収容手順書」である
プレイヤーは“行政府”のエージェントである女性
アンを操作し,依頼を完遂すべく行動していく。アンが可能なアクションはパートによって変化するが,戦闘パートでできるのが,2段ジャンプ,空中発動も可能なダッシュ,無敵状態で短距離移動するドッジ,そして2本の剣を中心とした攻撃だ。操作体系からお分かりのとおり,機動力で敵や弾丸を避けつつ,敵をなぎ倒していくタイプのデザインとなっている。
グラフィックスはドット絵――というよりは,いわゆる“板ポリ”に低解像度のテキスチャを貼り付けた,1990年代中期のゲームがオマージュされている。PlayStationよりもセガサターンで使われていた印象が強い表現技法だ。
4Gamerでは本作について,過去のChinajoy取材記事で2度プレイレポートを掲載しているが,それらはもちろん中国語版。東京ゲームショウ2019では日本語版が出展されており,これを首都圏でプレイできるのは今回が初の機会だ。ローカライズされたテキストは,ぎこちなさや機械翻訳の雰囲気が感じられない,自然な文章に仕上がっている。
プレイできるパートは過去のChinajoyと同じようで,暴走したロボット兵器とのイベント戦から,「不死の爬虫類」ことSCP-682との戦闘シミュレーション,空を飛ぶエアカーの上での「サイボーグくのいち」の追撃と進行していく。
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試遊版クリア特典のキーホルダー
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試遊でサイボーグくのいちを倒せると,ノベルティのキーホルダーをもらえる。キーホールダーはCPUを加工したもので,よく見ると表面に「ANNO Mutationem」のロゴや,世界観を示しているのだろうソースコードが刻まれている。SCPやサイバーパンク,レトロチックなピクセルアートという本作に心がときめくタイプの人なら,思わず手に入れたくなるアイテムではないだろうか。