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「ぷよぷよファイナルズ SEASON3」レポート。トッププロ8名による5時間を超える激闘を制したのは,今シーズン絶好調のぴぽにあ選手!
2020年度「SEASON3」の「ぷよぷよチャンピオンシップ」優勝者と,シーズンランキングポイント上位のプロ選手が8名選抜され,予選リーグと決勝戦を戦った。
なおSEASON2のファイナルズと同様,今回も新型コロナウイルス感染症対策が万全に行われた無観客での実施となり,その模様はPeriscope及びYouTubeにて配信された。本稿ではその模様をレポートする。
ファイナルズの出場者8名は,今シーズン3回実施された「ぷよぷよチャンピオンシップ」の優勝者3名と,シーズンランキング上位の5名となる。今年はチャンピオンシップでぴぽにあ選手が2度優勝しているため,ランキングポイント上位者が1名繰り上がり,合計6名が選出された。出場者は以下の通り。
ぷよぷよファイナルズ SEASON3 出場選手
●ぴぽにあ選手(STAGE1,STAGE3優勝,ランキングポイント2位・117pt)
●ともくん選手(STAGE2優勝,ランキングポイント1位・203pt)
●いさな選手(ランキングポイント3位・92pt)
●タイタン選手(ランキングポイント4位・65pt)
●SAKI選手(ランキングポイント5位・61pt)
●fron選手(ランキングポイント7位・51pt)
●live選手(ランキングポイント12位・26pt)
●ヨダソウマ選手(ランキングポイント18位・20pt)
8名の選手は抽選でAブロックとBブロックの予選枠に振り分けられ,10本先取で勝敗を決定。予選の各ブロックで1位となった選手が決勝戦へ進出し,1セット10本の2セット先取で優勝者を決定する。
予選リーグは激戦に次ぐ激戦が繰り広げられた。Aブロック第1試合は速攻が冴えたSAKI選手がいさな選手を10-5で下す。
Bブロック第1試合では,ぴぽにあ選手がタイタン選手にいきなり6連勝を決める。このまま圧勝かと思いきや,タイタン選手はそこから猛反撃し,9-8と逆にマッチポイントまで詰め寄る。しかし勝利に焦ったか,タイタン選手はわずかなミスでペースを崩し,9-10でぴぽにあ選手の勝利となる。
Aブロック第2試合,live選手対ともくん選手では,互いに一歩も譲らない攻防が展開される。live選手に苦手意識を持っているというともくん選手だが,それを感じさせない試合運びで,最後は8-10で勝利を決めた。試合終了後は,お互いにしばらく立ち上がれないという様子も見られ,魂をぶつけ合った一戦だったと言えるだろう。
一方のBブロック第2試合はfron選手対ヨダソウマ選手。大連鎖が飛び交う見応えのある試合は,四天王としての実績のあるfron選手がfron選手が優勢に運び10-6で勝利する。
Aブロック第3試合はSAKI選手対live選手。いきなりの4連勝してペースを掴むSAKI選手に対し,live選手は早い攻撃で対抗していくが,SAKI選手は9-2と大幅にリードを取っていく。しかし,そこからlive選手はSAKI選手の奇襲を読み切る冷静な対応で6連勝を決め9-8まで詰め寄り,観戦者を沸かせる。勢いに乗るlive選手だったが,ここで痛恨の操作ミス。ややラッキーな12連鎖を決めたSAKI選手が2勝目を手にする。
BBブロック第3試合は,ぴぽにあ選手対fron選手。互いの手の内を知り尽くした四天王の対決は,連鎖本戦の火力とセカンドの対応が完璧なぴぽにあ選手が常に優勢で試合を運び,10-5で2勝目を掴んだ。
Aブロック第4試合,いさな選手対ともくん選手は,序盤はシーソーゲームになるかと思われたが,徐々にともくん選手の勝ちが先行していく。その後もいさな選手に対して常に強力な返しを繰り出し,3-4から一気に6連勝して2勝目をあげる。
Bブロック第4試合,タイタン選手とヨダソウマ選手は,お互いに負けると予選敗退という後がない状況。譲らない戦いが続くが,タイタン選手が少しずつヨダソウマ選手の攻めに巧く対応し,10-6で次に繋いだ。
Aブロック第5試合のともくん選手とSAKI選手は,勝ったほうが決勝進出を決める大一番に。SAKI選手の果敢な攻めに的確な対応をするともくん選手だったが,勢いはSAKI選手にあり。運も味方つけて勝ち数を増やしていき,6-10と差を付けて,決勝進出を決めた。
Bブロックの第5試合は,ぴぽにあ選手とヨダソウマ選手。ぴぽにあ選手がここで勝利すれば決勝進出が確定するが,ヨダソウマ選手は一矢報いたいところ。火力,対応の巧さはここまで2勝をあげているぴぽにあ選手が上で,開始からいきなりの4連勝。なんとか食い下がるヨダソウマ選手だったが,勢いを止めることはできず,10-4でぴぽにあ選手が決勝へ進出する。
第6試合は両ブロックともに決勝進出者が決まっている状況だったが,プロらしい激戦が展開される。Aブロックのいさな選手とlive選手の対戦は互いに1歩も退かない連鎖の応酬で,9−9の熱戦に。最後は先に本線を打たせることに成功したlive選手だったが,10連鎖ダブルに対抗する連鎖を作ることができず,いさな選手が激戦を制した。
Bブロック最後の対決はタイタン選手対fron選手。fron選手がやや優勢な展開の中,いさな選手は15連鎖11万点という超高火力の連鎖を決めて会場を沸かせる。最後はfron選手が本線を先に打たせて10連鎖ダブルを被せて7-10で勝利した。
迎えた決勝戦は,SAKI選手とぴぽにあ選手の対戦だ。直前のぷよぷよチャンピオンシップSEASON3 STAGE3の準決勝と同じカードであり,SAKI選手は今シーズン勝てていないぴぽにあ選手へのリベンジを誓う。対するぴぽにあ選手は互いの理想がぶつかり合う決戦になるとコメントした。
序盤から速攻で攻めていくSAKI選手だったが,ぴぽにあ選手の神がかり的な対応で,2本を落としてしまう。しかしここで勢いが止まらないのが,今シーズンのSAKI選手。ぷよのツモ運も味方し,ぴぽにあ選手の先の読めない連鎖に食らいついていき,1セット目は9-9のフルカウントまでもつれ込む。ラストは中盤の熾烈な打ち合いから,ほぼ同時に本線の11連鎖を発火するという展開となったが,連結数でわずかに上回ったぴぽにあ選手が1セットを勝ち取る。
1セット目からギリギリの勝負を展開した2人の2セット目は,序盤で4-1とSAKI選手が先行する形となったが,ぴぽにあ選手も退くことなく,5-5のイーブンに追いつく。お互いにマッチポイントに手をかけたいカウント8-8の2セット第17試合では,先にぴぽにあ選手が早めに打った2連鎖ダブルが突き刺さるが,SAKI選手はなんとかこれをリカバリー。しかし,ここは追撃の手を緩めないぴぽにあ選手が勝ち,王手をかける。
食い下がりたいSAKI選手は先手を打ち,ぴぽにあ選手の本線を打たせることに成功するが,後追いで打った本線がわずかに少なく,おじゃまぷよを2段食らってしまう。その間にぴぽにあ選手が組んだセカンド5連鎖を返せず,万事休す。SEASON3ファイナルは,ぴぽにあ選手の優勝となった。
試合後のインタビューで「とにかく悔しい」とSAKI選手は涙ながらにコメント。そして「ぴぽにあ選手の臨機応変な戦い方は本当に強く,それに翻弄されないよう心がけ,負けても次に引きずらないという気持ちで挑んだが一歩及ばなかった。まだ目指す上があるという喜びも込めて,来シーズンへのさらなる練習を重ねていく」と続けた。
優勝したぴぽにあ選手は,「これまでファイナルの決勝に進んだことがなかったので,すべてにおいて嬉しい」と,ホッとした表情で語る。
今年から「ぷよぷよ」のプロ活動1本で生活しているぴぽにあ選手は,「覚悟を決めたことでぷよの神様から『全力でやりなさい』と言われているような気持ちで1年戦ってきた。それにより大舞台でのメンタルの維持と,運を呼び込む力をもらえたのではないか」と述べる。そして「本当の実力という意味ではこの優勝も通過点で,来シーズンも含め自分の理想となるところへ近づけるよう努力していく」と意気込みを語った。
3か月後の6月からは早くもSEASON4が始まり,3月27日には「ぷよぷよレディースカップ プレオープンマッチ」が開催されることも発表となった。新たなプロの登場にも期待できる来シーズンに早くも大きな期待が集まっている。
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