「Minecraft Dungeons」がいよいよベールを脱いだ。“マイニング”も“クラフティング”もないけれど，仲間との冒険が楽しそうだ

　MicrosoftとMojangが2020年5月26日のリリースを予定している「Minecraft Dungeons」（PC / PlayStation 4 / Xbox One / Nintendo Switch）。本作のオンラインプレゼンテーションがメディア向けに行われ，ゲームプレイの映像が公開された。

　4Gamer読者であれば，2019年に月間プレイヤー数が1億1200万人を突破したという「Minecraft」を知らないということはないだろう。同作の世界観をベースにした「Minecraft Dungeons」は，大きな山がそびえる島を舞台に，さまざまな冒険に繰り出していくアクションアドベンチャーゲームだ。いわゆる“ダンジョンクロウラー”と呼ばれるジャンルに属するゲームだが，RPG的にプレイヤーキャラクターの成長させていくのではなく，拠点からさまざまなお宝を求めて冒険に出るというスタイルになっている。

　「Minecraft Dungeons」のゲームディレクターを務めるマンス・オルセン（Mans Olsen）氏は「“マイン”（採掘）も“クラフト”（製作）もないけれど，マインクラフトらしさはしっかりと表現できている」と語っていたが，確かにブロック状のマップやキャラクター，モブ（モンスター）たちは“マイクラそのまま”といった印象だ。そのうえで豊かなキャラクターアニメーションによるスピーディなアクションやパーティクル効果が派手な戦いを演出し，アクションアドベンチャーとしての新しさが感じられる。

「Minecraft Dungeons」公式サイト

プレイヤーの拠点となるキャンプとは？

　今回のプレゼンテーションでは，プレイヤーの拠点となる“キャンプ”が紹介された。ここにはアイテムを販売しているトレーダー（商人）や，武器を生産してくれるブラックスミス（鍛冶屋）などのキャラクターが存在している。さらに，さまざまな家具でインテリアにこだわれそうな持ち家や，新しい武器を試すためのダミー人形を配置した，池のある広々とした前庭が用意されていた。画面右上にはゲームにアクセスしているフレンドが表示されていたが，キャンプにも仲間を招待できるのかもしれない。

　トレーダーとブラックスミスの間にあるテーブルには地図があり，これをクリックすると島の全体図が表示される。ここからミッションを選ぶ仕組みだ。「Creepy Woods」「Pumpkin Pastures」「Soggy Swamp」，そして「Redstone Mines」といった地域が表示されており，それぞれの名称の上にはプレイ可能なミッションの存在を示すアイコンが確認できた。ミッションには6段階の難度が設定されていて，易しいものから順に攻略していくことになるようだ。

　攻略するミッションはプレイヤーが自由に選べるようで，それぞれに「モブが誘拐した村人たちを助けよう」といったストーリーが用意されているが，1つ1つの物語がつながっているわけではない。また，マップは自動生成型なので，一度攻略したミッションを繰り返し挑戦しても楽しめるだろう。

RPGっぽいけどRPGじゃない

キャラクターカスタマイズ

　プレイヤーキャラクターには「メレーウェポン」（剣や斧，ハンマー，鎌など），「レンジウェポン」（弓や魔法の杖など），そして「アーマー」を装備するためのスロットが用意されている。今回のデモのキャラクターは「Lv.60」と表示されていたが，レベルアップをしても新しいスキルを取得したり，体力などのパラメータが上昇したりしない。レベルは武器やアーマーを装着するための条件になっている。つまり，Lv.50のキャラクターはLv.51の武器を装備することができないというわけだ。キャラクターのパワーは武器の性能，防御力はアーマーの性能によってのみ変化するというシステムである。


　武器やアーマーなどの「ギア」には，“エンチャントメント”というスロットが3つ存在し，火炎や氷結，電撃や毒といった特性を与えられる。また，ギアは3段階のアップグレードも可能になっている。

　武器には「パワー」「スピード」「範囲」といったデータが設定されている。ナイフはスピードが速い代わりに攻撃力が低く，ハンマーは攻撃力が高いものの振り下ろすには時間がかかるといった具合で，どの武器を選ぶのかはプレイヤーの好みだ。また，レアアイテムの要素もあり，レアであるほどスタンダードなものよりも性能が高くなる。


　さらにキャラクターには，「アーティファクト」のスロットも用意されている。今回は弓矢に爆破効果を与える“Firework Arrows”，ジャンプ力を向上させる“Light Feather”といったアーティファクトの存在を確認することができた。3つのスロットに同じタイプのアーティファクトを設定することで，さらに効果を高めることができるようだ。移動速度を上昇させたり，タンク役のように耐久力を高めたりと，プレイスタイルに合わせて選ぶことになるだろう。

　プレイヤーキャラクターは自由にカスタマイズできるので，本作には“クラス”の概念がない。また，こうした装備は予備のインベントリスロットに用意してあれば，ミッションの途中でもチェンジが可能。キャラクターカスタマイズは全体的に簡素化されており，分かりやすいと感じた。

押し寄せるモブとの戦いは激しく楽しい

　「Minecraft Dungeons」のゲームプレイを一言で表現するならば，“ディアブロ風”となるだろう。斜め見下ろし視点でマップを探索して，さまざまな敵を倒していくのだが，多いときには10体以上のモブが表示されていた。最大4人のマルチプレイでは，さらにモブの数が増えるそうだ。
　ダンジョンには屋内だけでなく，うっそうとした森や沼地といった場所も存在する。仲間が力尽きたときには周囲にモブが入れない“プロテクティブ・バブル”を作って，救急処置を行うこともできる。


　モブを倒すとゲーム内通貨「エメラルド」に加えて，体力を回復できる食料やTNT（爆弾）などのアイテム，武器や防具，アーティファクトといったギアもドロップすることがある。マルチプレイの場合，アイテムは早いもの勝ちになるようだが，ギアは各プレイヤーに用意されるとのこと。ちなみに，特定のアイテムをドロップして仲間に渡すといった要素は用意されていないようだ。
　なお，仲間にダメージを与えるフレンドリーファイアについてはTNTのみ有効で，プレイヤーの通常攻撃や魔法ではダメージを与えることがない。


　ダンジョンには特殊なエンチャント効果が付与されたモブが登場することがある。電撃の効果でダメージを受けたり，氷結の効果で一時的に動けなくなったり，毒の効果で徐々に体力を奪われるといったケースがありそうだ。もちろん，エンダーマンをはじめとする，「マインクラフト」でおなじみのモブも出現する。

　また，プレイヤーキャラクターが装備するアーマーにはペットを加える効果のあるものが存在し，オオカミやコウモリといったペットを連れて戦うこともできる。


　「Minecraft Dungeons」はPCやPS4，Xbox One，Nintendo Switch向けに発売が予定されている。見栄えのいいアクションや，さまざまなアイテムを探し求める楽しさにはマイクラとは一味違う魅力がありそうで，友達同士でのマルチプレイも盛り上がるだろう。5月26日のローンチを楽しみに待ちたい。

「Minecraft Dungeons」公式サイト