インタビュー
「くわPスタジオ」はすごく貴重な時間でした――「あんスタ!!」音楽プロデューサーの桑原 聖氏に番組収録の振り返りやエピソードを聞く
Happy Elementsが展開する「あんさんぶるスターズ!!」(以下,「あんスタ!!」)の配信番組「くわPスタジオ」第12回が,2022年6月3日に配信された。音楽プロデューサーである桑原 聖氏(Arte Refact代表)がMCを務める本番組は,2021年6月にスタート。「あんスタ!!」に出演するキャスト陣や,楽曲制作陣をゲストに迎え,楽曲にまつわるトークを届けている。そんな本番組だが,ちょうど配信開始から1年後となる今月,第12回の配信をもって第一部「完」となることが発表された。今後は不定期で行うかも……? とのことだ。
これにあわせて4Gamerは,桑原氏へインタビューをする機会を得た。これまでの番組の振り返りや,印象的なエピソードなどをうかがったのでお送りしよう。
「くわPスタジオ」の収録を振り返って
4Gamer:
まずは第12回までの収録,お疲れ様でした。ここまでを振り返っていかがですか。
桑原 聖氏(以下,桑原氏):
「(自分に向かって)お疲れ!」って感じでしょうか(笑)。第1回の収録は,めちゃくちゃ緊張したのを覚えています。実は「こんな感じの番組になりました」と最終的にいただいた内容は,最初に聞いていた話とは全然違ったものだったんですよ。これを本当に僕がやるんですか? となりましたし,初回はキャスト側のゲストが緑川 光さんというビッグすぎる方で,さらに緊張しました(笑)。
4Gamer:
そうでしたよね。
桑原氏:
ただ,これまで楽曲について深く触れる機会がなかったので,ゲストの方々とあらためて話をできたのがすごく良かったですね。これは番組に来てくださった皆さんにもおっしゃっていただきました。
こういう想いで歌っていたとか,こんなことを意識していたとか,仕上がりを聞いてこんな感想を持ったとか。僕としても貴重な時間でしたし,皆さん楽しんでくださっていたように思います。時間の都合上,何曲もレビューすることができないので,話し足りないくらいでしたね。短い時間,かつ少ない曲数ではありましたが,こうした機会を設けてもらえてうれしかったです。
4Gamer:
各回の配信はだいたい1時間前後でしたが,実際の収録時間はどのくらいだったのでしょうか。
桑原氏:
通常回だと1時間半から長くても2時間くらいです。カメラが回っている時間としては70〜80分くらいになります。
4Gamer:
となると,カットされた部分はそこまで多くないんですね。
桑原氏:
そうですね。長かったのは特別回(スタステ4th振り返りの号外※前後編あり/ゲスト:大須賀 純さん,渡辺大聖さん)で,4時間くらい話しました(笑)。あとは第9回(「CAFE CINNAMON ニキズキッチン」コラボ回/ゲスト:重松千晴さん,山口智広さん,小濱信慶さん)かな。料理をする時間もあったので。
4Gamer:
そうなんですね。しかし,今見返していても各回内容がめちゃくちゃ濃いな……と思いました。
桑原氏:
「梶スタ」(第8回/ゲスト:梶 裕貴さん,こだまさおりさん)もすごかったですよね。もう僕は何もしなくていいんじゃないかと思ったくらいで(笑)。
4Gamer:
梶さんはメモまでご準備されていましたね。
桑原氏:
そうやってメモを準備してくださった方もいれば,事前にしっかり考えてくださっていた方ばかりだったんですよ。
4Gamer:
いい意味で番組っぽくない雰囲気も良かったと思います。居酒屋トークとまではいきませんが……。
桑原氏:
お酒があったらもっと踏み込んだ話ができたかもしれません。ピー音だらけになるかもしれないけど(笑)。
4Gamer:
まさに第9回がお酒回でしたよね。
外部施策ディレクターHA氏(以下,HA氏):
本当は毎回,お酒ありでダラダラとやりたいくらいだったんですが,ご時世的にもなかなか難しくて。とはいえ一度だけでも実現できて良かったです!
4Gamer:
たしかにそうですよね。今だから言える話やこぼれ話,思い出などはどんなものがありますか。
桑原氏:
それこそ毎回,どこまでしゃべっていいかというのはありました。自分はもちろんゲストで来てくださった方々も,番組の収録時点ではもうかなり先の曲を制作していたりするんですよ。だからどこまで情報を出していいのか,なかなか難しかったところはあります。
あとはほかの作品の名前とか,どれくらい言ったら怒られるんだろう? というのも気になっていました。ちなみに僕は,ノートPCに貼ってあるシールのせいで番組が打ち切りになったと思ってます(笑)。
HA氏:
いや,そんなことはないですよ(笑)。ユニソンCD season2の宣伝企画として始めた部分もあったので,1周タイミングでの区切りというのは何となく決めていました。
4Gamer:
たしかに今はイベントごとに楽曲があったりするので,かなり先のものまで制作されているわけですしね。
桑原氏:
ビックリマーク1つの「あんスタ!」のころは,必ず「このイベントにはこの曲」という感じで作っていたわけではありませんでした。でも「あんスタ!!」になり,そうなってからは楽曲の数や制作スピードがすごく上がりました。「この歌にはこういうプロットやシナリオがある」という作りにしたことで,キャストさん側にとっても,曲に対する思い入れを作りやすい面はあったと思います。
「スタステ」(声優陣がステージでパフォーマンスする「あんさんぶるスターズ!!Starry Stage」)でも,そういう想いで歌ってくださったと聞いたりもしますし,より作品にマッチしたこだわりポイントが生まれるんですよね。皆さんがさらに「あんスタ!!」に親身になってくださるというか,一体感が生まれているんじゃないかと思います。
番組ならではのミニ情報&おやつについてのこだわり
4Gamer:
この番組ならではの楽しみとして,冒頭で流れるミニ情報と「本日のメニュー」コーナーがありました。
4Gamer:
ミニ情報についてはどのように決められていたんですか?
HA氏:
だいたい自分が決めていたんですが,冒頭のアイドリングとして視聴者の方に少しクスっとしてもらいたいな,くらいのゆるい気持ちでやっていたこともあり,ルールは特に決めていなかったですね。台本の時点で考えることもあれば,現場で収録終わりに決めることもありました。
ただ第5回(ゲスト:逢坂良太さん,小濱信慶さん)だけはしっかり意図があって,自分が別現場に入ってしまい立ち会えなかったため,少しでも収録がスムーズに進むといいなと,控室の段階から盛り上がってもらえるように3人共通で好きな食べものをテーマにしました。
桑原氏:
第5回はHAさんが不在だったんですが,本当にラーメンの話で盛り上がったんです。それで,収録後にみんなでラーメンを食べに行きました。
4Gamer:
そうなんですね! ちなみに何系のラーメン屋さんに行かれたんですか。
桑原氏:
鶏白湯です(笑)。
4Gamer:
いいですね! また,「本日のメニュー」コーナーでのおやつと飲み物も楽しみでした。「よく探したな!」と思うようなものも多くて。
桑原氏:
本当にすごかったですよね! あれもHAさんが担当されてました。
HA氏:
こちらはミニ情報とは逆でこだわって決めていました(笑)。誰かに手伝ってもらえばよかったんですけど,自分で決めるぞと……凝り性なので回を重ねるごとに自分でハードルを上げてしまっていましたね。最後のほうはそれが使命みたいになっていて,楽しかったですがかなり大変でした(笑)。一番のお気に入りは「杵屋本店 羊羹kaju*」です。
4Gamer:
リサーチも大変ですよね。ちなみに桑原さんの印象に残っているメニューは何でしょうか。
桑原氏:
僕はもともと紅茶が好きでよく飲むんですが,番組では僕も知らない紅茶をいくつも用意してくださってたんですよ。そのなかではTEA TOPIA TOKYOさんの「PARADE」がめちゃくちゃおいしかったです。あとは工芸茶をいただいたのが初めてだったので,目で見て美しいお茶ってすごく良いなと鮮烈な印象がありました。
あとこれは本当に宣伝でも何でもなく,第12回に出てきたCAFE CINNAMONの試作品のお茶がすごくおいしくて,発売されたら買いに行きたいレベルでした。
4Gamer:
それは気になります! では,おやつのほうはいかがでしょうか。
桑原氏:
全部おいしかったのですが,圧倒的だなと思ったのは五條堂さんのフルーツパフェ大福「鴻池花火」です。あれはすごかった……。口が小さいと切って食べないといけない感じですが,僕や(新田)杏樹くんはパクっと食べちゃいました。どの回もそうでしたが,パッケージがお洒落なものも多かったので,プレゼントにもいいですよね。皆さんにおすすめできるものばかりでした。
4Gamer:
ありがとうございます。第12回をもって番組は一区切りという形ですが,今後も配信される可能性はあるのでしょうか。
HA氏:
やる気満々ですよ! 今後は不定期とか,特番のような感じになるかなと思います。桑原さんと一番最初に話していたとおりの「お酒を飲みながらダラダラしゃべる」やつがやりたいですね。
4Gamer:
それはうれしいですね。では,桑原さんはもしまた番組があるとしたらやってみたいことはありますか?
桑原氏:
単純に見てみたいのは,ゲストさんが「個人的に好きな『あんスタ!!』の曲」を歌って帰るというものです(笑)。
4Gamer:
いいですね!
桑原氏:
それこそお酒ありだと盛り上がりそうですよね。あとは昔,テレビの「堂本兄弟」でやっていたような感じで,楽器を弾いて歌うみたいなのもいいですよね。「スタライ」のバンドメンバーがスタジオで生演奏して,ゲストさんに歌ってもらうとか。
4Gamer:
それはぜひ見たいですね……。
桑原氏:
「あんスタ!!」,そしてハピエレさんはほかの作品では真似できないようなことに挑戦し続けているので,ぜひやってみたい気持ちがあります。
4Gamer:
期待しています! ちなみに今日は「あんスタ!! ユニソン MIDNIGHTリクエストアワー5」の配信日でもあります。かなりの長丁場でおなじみの番組ですが,放送前にひと言いただけますか。
桑原氏:
楽曲の収録時のエピソードって,けっこう「くわPスタジオ」で話しちゃったことも多いんですよね。なので,ほかに重複していないネタってあったかな!? って考えてます(笑)。ちょうど今日は「スタライ6th」のアーカイブもありますし,ABEMAでは「スタライ4th」の放送,そして「くわPスタジオ」の第12回配信に「リクアワ」……と,かなり盛りだくさんなんですよね。観てくださる方がちょっと大変かもしれません。
4Gamer:
ですが,これだけいろいろなコンテンツを提供してもらえるのはファン冥利につきると思います。
桑原氏:
「選べる」っていいですよね。今日はあれ見ようとか,明日はこれにしようとか。素晴らしいことだと思います。
4Gamer:
そうですね。引き続き,いろいろな展開を楽しみにしています。それでは,ここまで「くわPスタジオ」を観てくださったファンの方にメッセージをお願いします。
桑原氏:
僕自身は番組を見返す習慣がないこともあって,放送内容がちゃんと皆さんの満足いくものになっているかというのは,今でもちょっと不安だったりします。ですが,すごく貴重な時間だったなと思っています。
それは自分がMCをすることではなくて,キャストさんや制作の皆さんとプライベートではなく,完全にお仕事感ある雰囲気でもなく,あの空気感でお話を聞けたということです。皆さんと一緒に音楽を聴いたり映像を観たりしながら,「ここいいよね」なんて話をしたのが,次の収録でも話題になったりして。
「あんスタ!!」って,関わるみんながこうやって楽しんで作ってるんだよということを,ファンの皆さんに知ってもらえるいいきっかけになったかなと思いますし,そう感じてもらえたなら,MCを頑張って良かったなと思います。
「くわPスタジオ」は一区切りになりますが,また何かしら違う形で皆さんに見てもらえる機会ができたらと思いますので,引き続き「あんスタ!!」をよろしくお願いいたします。
4Gamer:
本日はありがとうございました!
――2022年6月3日収録
YouTube公式チャンネル「あんスタチャンネル」
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