Atari，フランスの名門ブランドInfogramesの復活を発表。ドタバタアクション「Totally Reliable Delivery Service」のIP買収も明らかに

　Atariは，日本時間2024年4月24日，1980年代から2000年代にかけて大きな存在感を発揮していたフランスの名門パブリッシャ，Inforgamesの名称を新たなレーベルとして復活させることを発表した。
　さらに，tinyBuildが2020年にリリースしたアクションゲーム「Totally Reliable Delivery Service」（PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch / iOS / Android）のIPを買収し，Inforgamesのポートフォリオに加えた。

Atari is Reviving an Iconic Gaming Brand from the Early 1980s to 2000s

　1983年にフランスのリヨンで設立されたInfogramesは，1992年にリリースされた「Alone in the Dark」の成功で知られている。「Alone in the Dark」は，3Dモデルのキャラクターが採用された初期のタイトルの1つで，「サバイバルホラー」というジャンルを確立された記念碑的作品だ。
　セガのメガドライブやSIEのPlayStation向けタイトルも多く，アルマジロのロゴが記憶に残っている日本のベテランゲーマーも少なくないはずだ。

　1990年代に入ると，Infogramesはアグレッシブな拡張戦略に転じ，イギリスのOcean Softwareを1996年に買収して以降，ミリタリーフライトシムで名高いMicroProse，「DOOM」シリーズのパブリッシャだったGT Interactive，さらに，傘下にAtariを収めるHasbro Interactiveなどを次々に買収した。
　しかし，その勢いは長くは続かず，2003年にはクラシックタイトルを中心とするラインアップに特化するため，社名を「Atari Interactive」へ変更。2013年には連邦倒産法第11章に基づく救済をアメリカの裁判所に申請し，多くのIPやブランドを売却するなどして経営を立て直してきた。


　発表によれば，復活したInfogramesブランドは，AtariブランドのIPからなるポートフォリオからは外れて，新規IPのパブリッシングレーベルとしての基礎を築いてくという。
　その第1弾として発表されたのが，上記の「Totally Reliable Delivery Service」というわけだ。デベロッパのWe’re Five Gamesは2021年にtinyBuildの傘下に入っているため，ゲームIPのみの買収であり，新作はいずれ，どこかのデベロッパに開発を委託すると思われる。

　さらに，Infogramesに残っている一部のレガシータイトルの発売も計画しているとのこと。とはいえ，例えばMicroProseブランドは2018年にオーストラリアの企業に売却されているし，「Alone in the Dark」の最新作はTHQ Nordicからリリースされるなど，魅力的なIPはそれほど多くないかも知れない。