企画記事
一生モノのFPSに出会おう。FPSの傑作「Halo」シリーズが20周年なので,もっと多くのゲーマーに魅力を知ってほしい
日本での「Halo」の知名度は高くないものの,現在までに10タイトル以上のシリーズ作品がリリースされており,総売上本数は6500万本を超える世界的大ヒット作品である。
2001年に誕生した「Halo」が「家庭用ゲーム機(ゲームパッド)にFPSは向いていない」という当時の常識を覆し,600万本以上のヒットを記録したことから,家庭用ゲーム市場におけるFPSのパイオニア的存在とも言えるだろう。
今回はシリーズ20周年,そして12月8日に控える「Halo Infinite」(PC / Xbox Series X / Xbox One)のローンチを記念し,「Halo」シリーズの魅力を読者の皆さんにお伝えしたいと思う。
筆者にとって,「Halo」シリーズの魅力とは「一生モノ」であることだ。小・中学生の頃は「Halo 3」を含む国内外の様々なゲームをプレイしていた。しかしその時から10年以上経った今でもプレイし続けているのは「Halo」シリーズだけ。ずっと心の底に刻まれ続け,何年も楽しむことのできる「Halo」の魅力を語っていこう。
Xbox 20周年企画。“黒船上陸”の当時を知るライター陣が綴る「初代Xboxの思い出のゲーム」
2001年11月15日に北米で発売された初代Xboxは,今年(2021年)で20周年を迎えた(日本発売は2002年2月22日)。4Gamerでは,当時を知るライター陣に「初代Xboxの思い出のゲーム」を尋ね,その記憶をたどってもらった。
「Halo Infinite」公式サイト
不屈の闘志が貫く,宇宙で生き抜くすべての者たちのドラマ
まず伝えたいのは,「Halo」シリーズは“両A面”の作品であるということ。シリーズ作品の大半において,キャンペーンとマルチプレイをどちらもおざなりにしていない。キャンペーン派もマルチプレイ派も,じっくり時間をかけて楽しめるだろう。
キャンペーンにおける第一の魅力は,不屈の闘志を持つ主人公・マスターチーフのカリスマ性だ。彼は国連宇宙司令部・UNSCに所属する人造兵士・スパルタンであり,敵のコヴナントから「悪魔」と呼ばれるほどの強さを誇る。どんな状況にも動じず,淡々と任務を遂行し続ける姿がとても頼もしいキャラクターだ。
たとえば,「巨大な爆弾に身一つで掴まり,宇宙空間を滑空して敵の艦隊にぶち込む」という無茶すぎるミッションのシーン。「もし失敗したら?」という当然の問いかけに対し,「失敗はしない。」と冷静に答えるマスターチーフに痺れたプレイヤーは多いだろう。もちろん,その後にしっかり敵の艦隊を爆破し,ミッションを成功させてみせた。
このように圧倒的な強さを持つマスターチーフだが,弱みを見せる時もある。それは彼をサポートするAI・コルタナが危機に陥った時だ。実はマスターチーフはスパルタンに自ら志願したわけではなく,幼少期に誘拐され,強制的に育成された。精神的に不安定になった彼を支えるため,与えられたのがコルタナだったのだ。それから相棒として数々の戦場を乗り越えてきた2人は,強い絆を育んできた。最強の英雄が持つ人間らしさと哀愁がたまらない。
主人公以外の登場人物から生まれる多層的な物語も,ストーリーに深みを与えている。UNSCに所属する他部隊やAIから,博士,調査員など末端の職員,市民まで。宇宙規模の戦争という壮大なストーリーの中で,埋もれることなく描かれた個人の人生や感情が胸を打つ。
敵として登場する宗教組織・コヴナントも,単純な悪役として描かれることはない。彼らは違う価値観を持つ種族の集合体なのだ。教義への不信感から内乱を引き起こし,人類と同盟を組む者まで現れる。
戦士としての強い誇りを持つ種族・エリートのアービターがその一人だ。かつて敵だったアービターが,「Halo 3」でマスターチーフとタッグを組む展開は非常にアツい。最初はピリピリしているが,終盤では示し合わさずとも互いに背中を預け合う。端的で言葉少ないからこそ刺さる,キャラクターの関係性や感情の粋な見せ方も「Halo」シリーズの魅力だ。
神秘的な謎を秘めた「別世界」の描写
「Halo」シリーズは近未来的なビジュアルが印象的だが,ストーリーで重要になるのは古代文明に秘められた謎だ。未知の世界に足を踏み入れ,探検する神秘的な感動がある。
1作目の舞台は,太古の知的生命体によって作られた環状惑星・Haloだ。マスターチーフとコルタナは,この惑星が持つ恐ろしい使命を知ることになる。「Halo 4」では,その環状惑星を作った種族・フォアランナーと邂逅を果たし,彼らのさらなる思惑に迫っていく。
数々のロケーションは,いずれも「別世界にいる」という説得力が高い。地球に似ているが,よく見ると微妙に違うのだ。環状惑星・Haloには森や川もあるが,惑星そのものが輪の形になっているため,空を見ると惑星の一部が高く伸びている。
また,「Halo: Reach」の舞台・惑星リーチには奇妙な動物が住み,空には色とりどりの星雲が浮かぶ。そしてコヴナントやフォアランナーの異質な武器・遺跡のデザインは,明らかに人間とは違う文明がそこにあることを訴えている。まるで絵画のような,引き込まれる遠景の絵作りにも注目だ。
キャラが立っている武器が生む創造的な銃撃戦
「Halo」シリーズには人間,コヴナント,フォアランナーがそれぞれ開発した3種類の武器が登場する。人間側の武器はハンドガンやショットガン,スナイパーライフルなどFPSではおなじみのラインナップだ。一方,コヴナントやフォアランナーの武器は,一般的な銃の範疇にとどまらないユニークなものになっている。
コヴナントが使う「ニードラー」は,敵に一定数の弾を撃つと爆発を引き起こす。トゲトゲした見た目が特徴的だ。「プラズマガン」は威力は弱いものの,チャージショットによって車両をフリーズさせることができる。フリーズさせた車両に乗り込み,敵から奪うことも可能だ。また,本作はFPSであるが「エナジーソード」「グラビティハンマー」などの近接武器も登場する。静かなエナジーソードでは侍のような戦いを,グラビティハンマーでは大迫力の殴り合いを楽しめる。
以上のように「Halo」では武器の持つ機能が幅広く,考えられる戦術の幅も広い。さらに,倒した敵から武器や車両を奪い,そのたびに戦術を柔軟に組み替えられるシステムになっている。過酷な戦場で,個性豊かな武器を即興で組み合わせて戦う臨場感も魅力だ。
マルチプレイで際立つ,ひとつひとつの撃ち合いの濃密さ
「Halo」シリーズのマルチプレイは,昨今では珍しいアリーナシューターの形をとっている。ルールは全員が同じ装備でスタートし,マップ内に落ちている武器やアイテムを奪い合って戦うというもの。一般的なのは4vs4のアリーナモードで,使用キャラの性能差や特殊スキルなどはない。「Halo」はその公平性ゆえの,純粋な撃ち合いの腕が試される硬派な戦いで人気を博している。
さらに「シールド+体力制」のためキルタイムが長く,撃ち合いの駆け引きをしっかり堪能できる。しばらく撃ち合ってシールドが剥がれるとヘッドショット1〜2発で死ぬので,撃ち合いの緊張感は加速度的に高まり,最高潮に達したその一瞬で決着がつく。生き残ったときの達成感,爽快感は格別だ。
このようにひとつひとつの撃ち合いの中に生まれる緩急のあるドラマが本当に飽きず,楽しい。一度体験すれば,定期的に「またやりたい…!!」と思うことになるだろう。
マルチプレイのメカニクスはシリーズ作品ごとに特色があるため,自分に合ったものを探すのも面白い。1作目の「Halo」から「Halo 3」まではスプリント(ダッシュ)がなく,シリーズの中で最もスローペースな部類に入る。「Halo: Reach」「Halo 4」ではロードアウトが導入され,スプリントを採用。続く「Halo 5: Guardians」はロードアウトを廃止し,機動力を高める様々なアビリティがデフォルトで使えるように。シリーズ史上最もハイスピードなアリーナシューターとなった。
最新作「Halo Infinite」のマルチプレイは,そこから一転し,「最近のFPS」として最低限のスピードに落ち着いている。全員が最初から使えるアビリティはなくなり,高機動を実現するアイテムはマップで奪い合わなければ手に入らないという形式だ。エイムアシストも弱まって,よりストイックになった印象だが,試射場・カスタムできるbot戦など練習しやすい仕組みが用意されている。加えて基本プレイ無料のため,初めての人には最適な作品かもしれない※。
※評価は「Halo Infinite」マルチプレイプレビュー参加時のものです
「Halo Infinite」テクニカルプレビューに参戦。より硬派に,より遊びやすく,懐かしくも新しいマルチプレイへ
日本時間2021年10月1日から4日にかけて,「Halo Infinite」のテクニカルプレビューが実施された。最新作のマルチプレイは,従来のシリーズ作品と何が違うのだろうか。プレビューのプレイフィールをお伝えしたい。
さまざまなモチベーションに応える幅広い遊び方
前述したように「Halo」シリーズは,特にマルチプレイにおいて硬派なFPSだと評される。しかし,「もっとカジュアルな対戦がしたい」「友達とわいわい遊びたい」「1人でじっくり遊びたい」「ゲーム内で何かを創りたい」という多様なニーズに応えられるのも「Halo」だ。
マルチプレイでは,ガチ勢以外も楽しめるバラエティ豊かなゲームモードが用意されている。たとえば,「ビッグチームバトル」「ウォーゾーン」では,10人以上の大人数で車両や強武器を使いまくるお祭り騒ぎの対戦が可能だ。また「ファイアファイト」では仲間と協力して,どんどんハードになっていくウェーブ戦を楽しめる。マルチプレイに疲れたら,協力プレイ(最大4人)でキャンペーンを追うのも良いだろう。
1人でキャンペーンを楽しみたい人にぴったりの機能が「スカル」だ。スカルをオンにすると,ゲームの難易度を上げるさまざまなギミックが追加される。「敵を殴らないとシールドが回復しない」「敵が攻撃的になり,逃げなくなる」「拾える弾薬が半分になる」などなど。こういったスカル付きでプレイすることで,より高いスコアや実績解除を狙える。
スコアは得られないが,タイトルによっては「弾切れなし」などの有利になるスカルや,「爆発の効果が範囲2倍になる」「敵を倒すと派手に爆発する」といった遊び心の効いたスカルも登場する。「Halo」のキャンペーンは一度プレイしたら終わりではなく,何度も違うアプローチでトライできるのだ。
最後に紹介したい機能が「フォージ」である。フォージはオブジェクトを自由に配置したり,独自のゲームモードを作成できるマップエディターだ。作成したマップはネットワーク上で共有できるため,世界中のプレイヤーが作成したマップで遊べる。「マリオカート」のようにレースができたり,巨大ロボと戦ったり,オブジェクトで戦艦を建設したりといった独創的なマップも多い。
マルチプレイやフォージ,キャンペーンのリプレイを自動で録画,さらにそれを三人称視点で自由に鑑賞できる「シアター機能」も面白い※。シアター機能はマシニマ(ゲーム内映像で作ったドラマ)の容易な撮影や,より華やかなキルモンタージュの作成に一役買っている。クリエイティブに挑戦しやすい「Halo」は,今日も多くのプレイヤーの想像力を刺激していると言えるだろう。
※タイトルによっては機能がなかったり,一部のコンテンツで使用できない場合があります
XboxでもPCでもお得に「Halo」シリーズを体験しよう
一生モノのFPSになり得る「Halo」は,今が一番の遊び時だ。12月8日には最新作「Halo Infinite」の発売が予定されているが,予習に最適なシリーズ6作品を含むバンドル「Halo: The Master Chief Collection」(PC / Xbox One)が,4212円(税込)で購入できる。どちらもXboxとPCで遊べるのが嬉しい。
もっとお得に「Halo」シリーズを遊びたいなら,Xbox Game Passがおすすめだ。XboxやPCに対応したサブスクリプションサービスで,月額850円から※「Halo Infinite」「Halo: The Master Chief Collection」を含む100タイトル以上をプレイできる。常に新しいゲームが追加されるので,「Halo」以外のさまざまな作品にも出会えるだろう。
※現在,XboxとPC向けのXbox Game Pass Ultimateは最初の1か月,PC向けのXbox Game Pass for PCは最初の3か月を100円で加入できる
本稿を読んで少しでも興味が湧いた人は,ぜひ自分に合った買い方,遊び方で「Halo」シリーズを楽しんでみてほしい。
「Halo」シリーズのスピンオフ
「Halo」シリーズの本編であるFPSだけでなく,ほかのジャンルのスピンオフタイトルが存在する。壮大な“Haloユニバース”における,さまざまな時代,さまざまな戦士の戦いが描かれているのだ。
「Halo Wars」
Haloシリーズ本編の約20年前を舞台とするリアルタイムストラテジー(RTS)。2009年にXbox 360用ソフトとしてリリースされた。その後,グラフィックスを強化した「Halo Wars: Definitive Edition」がPCとXbox One向けに登場。
「Halo Wars 2」
「Halo Wars」の28年後を舞台とする続編。時間軸は「Halo 5」とほぼ同じ。2017年にPCとXbox One向けにリリースされた。全コンテンツを収録した「Halo Wars 2: Complete Edition」も存在する。
「Halo: Spartan Assault」
2013年にWindows 8/RTを搭載したPC,タブレット,Windows Phone向けにリリースされた見下ろし視点のアクションシューティングゲーム。タッチ操作に対応している。その後,Xbox 360やXbox One,Steam,App Storeでも配信が始まった。
「Halo: Spartan Strike」
「Halo: Spartan Assault」の続編として,2015年にPC版やiOS版がリリースされた。「Halo 2」と同じ時代が舞台。前作とセットになったバンドルパックが存在する。
「Halo: Fireteam Raven」
第1作「Halo: Combat Evolved」の時代を舞台とするアーケード向けレールシューター。4Kディスプレイを搭載した大型筐体では最大4人の協力プレイが可能。日本では2019年に正式稼働が開始した。
「Halo Legends」
「Halo」の世界を複数のエピソードによるオムニバス形式で描いたアニメーション作品。2010年にDVDとBlu-rayが発売された。
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