ゲームでもズッ友――GWは「カスカベランナー」＆「コナンランナー」で遊ぼう。「クレヨンしんちゃん」と「名探偵コナン」作品の魅力を振り返る

　2019年3月28日，Twitter上でとある興味深いツイートが発信されました。その内容は，“劇場版「名探偵コナン 紺青の拳」×「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」ズッ友ビジュアル公開”というもの。

　実はこの2作品の劇場版は，21年にもわたって同日公開されていたのです。しかし平成も終わろうとしている2019年4月，「名探偵コナン 紺青の拳」は同月12日，「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」は同月19日と公開日が別々になりました。それでも2人の友情は変わらない……という想いを込めて公開されたのが“ズッ友ビジュアル”というわけです。


　アニメの放送局は違うものの，知る人ぞ知る回でコラボ（？）したこともある2作品。どちらか一方のファンであれば，このツイートに胸を熱くしたことでしょう。筆者自身も子どもの頃から知る両作の変わらぬ友情に，じんわり来つつも，ほんの少し寂しさを覚えました。

　そんなとき「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!!」（iOS / Android。以下，「カスカベランナー」）を配信しているブシロードから，「名探偵コナンランナー 真実への先導者[コンダクター]」（iOS / Android。以下，「コナンランナー」）がリリースされたのです。これは……運命のルーレットが廻りだしたとしか思えない！
　劇場版の公開日は離れ離れになっても，同じ（ジャンルのゲームを）舞台に活躍し続ける2作を応援していきたい……そんな想いを込めた記事を書こうじゃないか。ということで，本稿では「コナンランナー」＆「カスカベランナー」をレビューしていきます。

〜目次〜

・「名探偵コナン」とは
・「コナンランナー」プレイレポート
・「クレヨンしんちゃん」とは
・「カスカベランナー」プレイレポート

「名探偵コナン」とは――
見た目は子供，頭脳は大人な江戸川コナンが大活躍

　「名探偵コナン」は青山剛昌氏による推理マンガで，1994年から現在に至るまで週刊少年サンデーにて連載されています（既刊96巻ってすごい！）。
　1996年1月には読売テレビ・日本テレビ系列にてTVアニメシリーズがスタートし，翌1997年には劇場版1作目となる「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」が公開されました。劇場版は全23作品が公開され，幅広い世代に愛されている人気作です。こんなにも長い間続いている作品なので，一度，大筋のストーリーを振り返ってみましょう。

■あらすじ
　高校生探偵の工藤新一は幼なじみの毛利 蘭と遊園地へ遊びに行った際，黒ずくめの組織の取引を目撃してしまい口封じのために毒薬を飲まされる。しかしその薬の副作用で，身体が子どもになってしまい……。
　生きていることを組織に知られると周囲にも危険が及ぶため，彼は正体を隠して江戸川コナンと名乗り，毛利家に居候して蘭の父で探偵の毛利小五郎のもとで組織の情報を探っていく。

　今やコナンが先立ちすぎてうっかり忘れそうになりますが，コナンは仮の姿で本当は工藤新一なのです。ちなみに工藤新一の声は山口勝平さん，コナンの声は高山みなみさんが担当しています。コナンとなった新一の周りでは，さまざまな事件が発生。しかし小学1年生が推理するわけにもいかず，彼の正体を知る阿笠博士が開発した“腕時計型麻酔銃”で，毛利小五郎をはじめとする大人たちを眠らせ，同じく博士が発明した“蝶ネクタイ型変声機”を使って推理を披露していきます。博士って何者なんだというツッコミは置いておいてください（そういうものなのです！）。

　謎めいた事件の数々を，豊富な知識と柔軟な発想で解き明かしていくコナン。その推理ショーが鮮やかで，筆者は漫画を一度読み始めると読みふけ，アニメを見れば画面にかじりつき，時間を忘れるほど集中してしまいます。たびたび描かれる黒ずくめの組織との攻防は緊迫感があり，手に汗握ってしまうシーンも……。組織のトップは何者なのか，新一は無事に元の身体に戻れるのか，そんな先の読めない展開も本作の見どころです。
　また，同作者によるマンガ「まじっく快斗」の主人公“怪盗キッド”が「名探偵コナン」に登場するストーリーでは，名探偵VS.怪盗キッドの勝負が熱く描かれています。キッドの人気は絶大で，たびたび登場するようになり，今ではすっかりメインキャラクターの1人となっていますね。

　なお公開中の映画最新作では，いつもキザでクールなキッドに大ピンチが訪れるようですよ。劇場版予告を観ると，どんなストーリーになっているのか期待がより高まります。筆者も，この原稿が終わったら，映画館に行きます！

劇場版「名探偵コナン 紺青の拳（フィスト）」公式サイト

迷宮なしの名探偵はゲームでも颯爽と事件を解決！
「名探偵コナンランナー 真実への先導者[コンダクター]」のインプレッションをお届け

　本作は，コースにある障害物や落とし穴をジャンプで避けながら，ゴールを目指していくランゲームです。
　本編のステージにはシナリオが用意されていて，これまでコナンたちが活躍してきたエピソードにちなんだものとなっています。初期の事件が取り扱われるので，読んでいると懐かしくなり，原作マンガをついつい読み返してしまいました。ストーリーやランゲーム中に，パートボイスでキャラクターの声が聞けるのも嬉しいところです。


　ステージでは“メイン”と“サブ”2人のプレイキャラでコースを走ります。このプレイキャラは，「本編」でシナリオがあるステージでは“メイン”にコナンしか選べませんが，サブは好きなキャラクターが選択可能です。それ以外のステージでは，メインとサブ両方を好きな組み合わせで楽しめます。新一と蘭，コナンと安室など，好きなペアを配置しちゃいましょう。ちなみに，どちらもメインのみでのプレイも可能です。
　また，デフォルメされたキャラクタ―の可愛さや，服装のバリエーションがあるのも嬉しいポイントとなっています。メインとサブは同じ速さで走っているはずなのに，ちょっと遅く見えちゃう阿笠博士が個人的にツボです。


　ランゲームの遊び方は，非常にシンプル。プレイキャラが自動で走る強制横スクロール型のゲームなので，プレイヤーはコースに散らばるポイントを集めつつ，ジャンプで障害物などを避けるように操作すればOK。簡単にいうとそれだけなのですが，そうやすやすとにゴールさせてはくれません。

　穴があると分かっているのになぜか落ちたり，連続で障害物が来ると慌ててしまったり，実際にプレイすると横スクロールのスピード感に焦って失敗してしまいます。ですが，何度も遊ぶことで慣れていき，苦手なコースがクリアできたときの達成感はたまりません。スコアが更新できたらなおよし！　

　さらに嬉しいのが，もしメインが失敗してもサブに“バトンタッチ”することで，失敗した地点から再スタートできること。ランゲームが苦手な人は，“サブ”もしっかり編成しておくことをおすすめします（筆者はとてもお世話になっています）。イベントステージの難度は4つに分かれていて，1番簡単なEASYはランゲームが苦手な筆者でもクリアできる安心安定のコースです。

爆弾，ドラム缶など，コースの治安はとっても悪いです。事件捜査は，それだけ危険ということですね

　キャラクターはそれぞれスキルを持っているので，プレイキャラとサポートキャラ3人のスキルを上手に使って，高いスコアを目指しましょう。
　サポートキャラはデフォルメイラストではなく，等身イラストとなっています。さらに，描き下ろしイラストも多数登場するそう。イラストは今後も増えていくそうなので，お気に入りキャラクターのいろいろな姿が見られるのは，「コナン」ファンにとってとても嬉しいポイントですね。


　現在アプリ内では劇場版公開を記念して，5月8日13：59まで「【空手】京極真」が獲得できる「劇場版『名探偵コナン紺青の拳』公開記念イベント」が開催されています。ステージクリアで宝箱が入手でき，ゴールドや「【空手】京極真」などがドロップします。ステージの難度が高いほど，「【空手】京極真」の出現確率が上がるとのこと。ぜひ仲間にしてくださいね。

「名探偵コナンランナー 真実への先導者[コンダクター]」公式サイト

「名探偵コナンランナー 真実への先導者[コンダクター]」ダウンロードページ

「名探偵コナンランナー 真実への先導者[コンダクター]」ダウンロードページ

「クレヨンしんちゃん」とは――
嵐を呼ぶ幼稚園児，野原しんのすけ（5才）が大活躍

　「クレヨンしんちゃん」は，5歳の幼稚園児“野原しんのすけ”こと“しんちゃん”を主人公にした臼井儀人氏のマンガ作品で，1990年から連載がスタートし（掲載誌：漫画アクション→まんがタウン），1992年からテレビ朝日系列で放送中のTVアニメも含め，現在もなお多くのファンに愛され続けています。

　劇場版1作目は，1993年に上映された「アクション仮面VSハイグレ魔王」。2019年までに27作品が公開されました。ちなみに「アクション仮面VSハイグレ魔王」と2作目「ブリブリ王国の秘宝」，3作目「雲黒斎の野望」は原作マンガのストーリーが元になっています。しんちゃん好きの担当編集曰く，映画とマンガでは設定や内容がかなり違っていて，マンガは安定のギャグで，映画はシリアスなシーンもあり“ちょっと泣ける”内容になっているとのこと。
　また，4作目「ヘンダーランドの大冒険」からの劇場版はアニメオリジナルで，ここからはより「家族」や「友情」「愛」などをテーマにした“大人も泣ける”作品になっていきます。

　映画は主軸のストーリーがありますが，マンガやアニメはしんちゃんの日常を描く物語なので，あらすじというあらすじはありません。

■あらすじ
　春日部市を舞台にしんちゃんと家族の野原家，幼稚園のお友だちたちの日々を描いたハートフル（？）ホームコメディ。

　マンガもアニメも1話完結のものがほとんどですが，まれに刑事となったしんちゃんが活躍したり，旅をしながらぶりぶりざえもんと共に悪人をこらしめたり，時代もキャラ設定も異なるファンタジー要素満載なシリーズも存在します。さらには夏になると恒例のホラーシリーズも……（これが本当に怖い）。例え世界観が変わっても，しんちゃんはしんちゃんのまま。違和感なく成立してしまうのは，「クレヨンしんちゃん」という作風ならではだと思います。

　溢れ出るギャグの切れ味が衰えない，永遠の5歳児。風刺やパロディ要素がほどよく散りばめられ，子どもはもちろん大人でもクスッと笑える原作マンガやアニメと，胸に突き刺さるようなメッセージ性が強い劇場版，このコンテンツによるギャップも作品が長く愛される理由なのではないでしょうか。

　子どもの頃は気づかなかったことも，大人になると分かる部分が多くなり，劇場やテレビ放送を見て何度泣かされたことか……。普段は頼りない部分があるしんちゃんの父“ひろし”と，怒りっぽい母“みさえ”も，劇場版ではすごくカッコイイ大人であり親の部分を見せてくれます。最新作「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」は，そんな両親の活躍が観られそうなので楽しみです。

「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」公式サイト

しんちゃんと一緒にお菓子を集めながらUFOを追おう！
「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!!」を遊んでみた

　本作は，障害物を避けながら，しんちゃんをどれだけ長く走らせるかを競うランゲームで，今年でリリース5周年に突入します。ステージは「ひとりでラン」と，他プレイヤーと競争できる「みんなでラン」の2種類。ちなみに「カスカベランナー」はゴールがありません。失敗するまで延々と走り，スコアで高得点を目指すものになっています。距離が伸びるにつれて，障害物が増え難度も上がっていくので，子ども向けと思ってあなどってはいけません。

　「ひとりでラン」は最高スコアを目指す，自分との戦い！　メインで走るのはしんちゃんですが，“おとも”（サポートキャラクター）としてカザマくんやシロなどが設定でき，一緒に走ることができます。また，“おうえんせき”に大人を設定すると“おうえんスキル”が使用可能です。

キャラクターはパートボイスでおしゃべりします

　コース中にあるお菓子を集めつつ，トラップを避けていきます。デコレーションケーキ1万点，マカロン5000点など，お菓子によってスコアの数値が異なるので，高得点を目指すためにより豪華なお菓子を優先的に入手しましょう。

　また，トラップの内容がにんじんやピーマンなどしんちゃんが嫌いな野菜だったり，敵が映画のキャラクターだったり，コース中のお菓子がアクション仮面の顔の形に配置されていたり，遊び心があります。ゆっくり見たいと思っても，そこは強制横スクロールのため，ゆっくり見られないのがちょっと残念ですが，だからこそ何度もプレイしちゃうんですよね。

しんちゃんが巨大化したり，ロケットに乗ったり，アイテムによるアクションがかわいいのも魅力！

　しんちゃんはコスプレすることで，さまざまなスキルを使用できます。コスプレは，“きんのたま”で回せる「プレミアムコスプレガチャ」と「イベントコスプレガチャ」のほか，メダルでできる「ノーマルコスプレガチャ」で獲得可能です。きんのたまはログインボーナスやミッションクリアなどで獲得でき，メダルはコースをプレイするだけでもゲットできるので，ガチャを回していろいろな衣装を楽しみましょう。
　また，“おとも”はガチャではなく，メダルで仲間にできるのが嬉しいです。高レアリティになるほど必要枚数も増えますが，コツコツ貯めていく目標にもなりますね。


　「みんなでラン」は，他プレイヤーと競うことになります。参加するとガラポンに挑戦でき，しんちゃんのおしゃれなコスプレ衣装やメダルが入手可能です。筆者ももう少し腕を磨いたら，参加してみようと思います。最初は余裕にプレイしていて，「子ども向けだもんな〜」と思っていたら途中からスピードがどんどん上がってくるわ，トラップや敵が増えるわで，大人でも夢中になっちゃいますよ。


　なお，4月25日から劇場版とのコラボが開催されています。キュートな“コアラしんちゃん”がプレゼントされるほか，“冒険家しんちゃん”が獲得できるミッションビンゴも。また，これらのコスプレはガチャからも入手可能です。

コアラしんちゃん

冒険家しんちゃん

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!!」公式サイト

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!!」ダウンロードページ

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 炎のカスカベランナー!!」ダウンロードページ

　ランゲームにあまりなじみのない筆者でも，夢中でプレイしてしまった「コナンランナー」＆「カスカベランナー」。この記事をとおして，あらためて「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」の魅力も分かった気がしました。これからも共に走り続けていく2つの作品に注目しつつ，本作でランゲームの腕も磨いていこうと思います！

　本稿を読んで気になった人は，ゲームを始めるなら配信直後＆映画にちなんだコラボ開催中の今がチャンス！　みなさんも，ぜひ遊んでみてください。

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