パッケージ
GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK公式サイトへ
  • アークシステムワークス
  • 発売日:2019/05/16
  • 価格:通常版:3200円(税抜)
    LIMITED EDITION:1万2800円(税抜)
    LIMITED EDITION 3Dクリスタルセット:1万7280円(税抜)
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「GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK」発売記念。シリーズ20周年を振り返る“オールタイムベストバウト”9選を紹介
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印刷2019/05/14 10:00

企画記事

「GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK」発売記念。シリーズ20周年を振り返る“オールタイムベストバウト”9選を紹介

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 アークシステムワークスのSwitch向け新作タイトル「GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK」が,2019年5月16日に発売となる。
 同作は,1998年に初代PlayStation用ソフトとして発売された初代「GUILTY GEAR」と,2Dドット絵時代の最終バージョン「GUILTY GEAR XX ΛCORE PLUS R」をセットにした内容で,もちろんオンライン対戦にも対応。タイトルどおり同シリーズの20周年を記念したパッケージとして,現行ハードに甦るというわけだ。

 「GUILTY GEAR」シリーズといえば,最新作である「GUILTYGEAR Xrd」シリーズを含め,アーケードやコンシューマゲーム機で,数々の名勝負が繰り広げられてきたシリーズでもある。
 そこで4Gamerでは,この激戦の20年を振り返る企画として,同シリーズのベストバウト動画企画をお届けしたい。ベストバウトのチョイスは,初代から最新作の「Xrd REV 2」までの格闘ゲームタイトルによる試合を対象とし,それぞれイチオシの試合を推薦してもらった。なお,同じ試合が被った場合,事情により動画掲載が不可能な場合に限り次点に変更する形を取っている。

 そして,今回ベストバウトの選出を依頼したのが,以下の9名だ。

  • 石渡太輔氏(アークシステムワークス)
  • 関根一利氏(アークシステムワークス)
  • 片野アキラ氏(アークシステムワークス)
  • 小川選手(プレイヤー)
  • FAB選手(プレイヤー)
  • ナゲ選手(プレイヤー)
  • じょにお選手(プレイヤー)
  • おみと選手(プレイヤー)
  • 神園氏(実況コメンテーター)

 以下,選ばれた9本の動画を,推薦者のコメントと解説付きでお届けしていこう。掲載順序は試合の実施年を基準としている。また推薦者のコメントは,提出されたものに最低限の編集のみ加えたものとなる。このため表記などにはブレがあるが,その点はご了承いただきたい。

「GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK」特設サイト

「GUILTY GEAR Xrd REV 2」公式サイト



闘劇'05 決勝戦



  • 日付:2005年5月5日
  • 使用タイトル:「GUILTY GEAR XX #RELOAD(青)」
  • 対戦者:○小川選手 vs. ありさか選手●

【推薦者コメント】


 理由,これがギルティギア!だ。って試合がたくさん詰まっていた試合。
 当時の師匠越え→ギルティギアで越えたかったため。

小川(プレイヤー)

【解説】


 「GUILTY GEAR XX #RELOAD」のバランス調整版,通称“青リロ”において,最強プレイヤーの呼び声が高かった小川選手に対し,小川選手が師匠と崇めていた最強ロボカイ使い,ありさか選手が挑み,3on3で行われた闘劇決勝での伝説の一戦。
 「マヲリキャプター小川」の先鋒パチ選手,次鋒kaqn選手を下し,勢いに乗る「(有)牛丼チェーン店『信屋』」の先鋒,ありさか選手。小川選手はエディを軸にダメージを奪い,第1ラウンドを先制する。一方のありさか選手は,飛び道具の“町内カイばーげん”を盾にした立ち回りで第2ラウンドを奪取した。
 運命の最終ラウンド,エディの浮遊に対して“カイ幕ホームラン”での対空を狙ったありさか選手だったが,驚異の判定の強さを誇るエディのジャンプKとまさかの相殺。このスキにエディが放った投げ技“ダムドファング”が決め手となり,この師弟対決は小川選手が勝利した。

運命の分かれ目となった“カイ幕ホームラン”とジャンプKの相殺。この相殺をほかの技でキャンセルできていれば,ありさか選手の優勝もあり得たかもしれない瞬間だった
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a-cho 関西ランバト3周年記念3on3大会 準決勝第2試合



  • 日付:2005年6月19日
  • 使用タイトル:「GUILTY GEAR XX #RELOAD(青)」
  • 対戦者:●大回転選手(ファウスト)vs. おみと選手(ジョニー)○

【推薦者コメント】


 多分2005年のacho大会の動画です。
 当時おみとさんが同じ高校生と聞いて衝撃を受けたと同時に俺も頑張ろうという気持ちにさせてもらいました。第一試合のおみと(JO)対大回転(FA)のレレレの突きに対しておみとさんが前P相殺キャンセル俺の名を決める1ラウンド。投げから燕穿牙一段目のカス当てを決めてからの霧ハメからのディバコンを決める2ラウンドと青リロジョニーの魅力が詰まった試合です。
 相殺俺の名はプレイヤーレベルが上がった今でこそなかなか決まる機会はないのですが当時はお世話になりましたw。このディバコンもそうですがとにかく強い人の動画やコンボ動画を保存してそれを見ながら練習してましたね。
 achoさん,火九さんには本当に感謝しています。

じょにお(プレイヤー)

【解説】


 「GUILTY GEAR Xrd REV 2」で最強ジョニー使いとして名を馳せるおみと選手と,関西の強豪ファウスト使い・大回転選手による“青リロ”での一戦。
 当時の認識ではジョニー側不利とされた組み合わせではあったが,おみと選手は今と変わらない慎重かつ老獪な立ち回りで攻撃をヒットさせ,リードを奪っていく。距離があいた瞬間に放たれた,大回転選手の“レレレの突き”にも,6+P相殺から“それが俺の名だ”を叩き込む対策を見せ,油断なく1ラウンド目を制している。
 続くラウンドは,画面端での通常投げでチャンスを掴むと,難度の高い“燕穿牙”カス当てからの,“バッカスサイ”による起き攻め――通称霧ハメで一気にダメージを奪う。最後はデッドアングルアタックを読んだ前ステップから投げを決め,おみとジョニーが勝利をおさめた。

大回転選手の“レレレの突き”に反応し,6+P相殺から“それが俺の名だ”を叩き込むおみと選手。ファウスト対策として当時知られてはいたが,相当な速さの反応が必要なだけに実践できるプレイヤーは少なかった
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GUILTY GEAR GIGS 2nd 第2回戦



  • 日付:2006年3月19日
  • 使用タイトル:「GUILTY GEAR XX / -SLASH-」
  • 対戦者:●小川選手(エディ) vs. 堀ススム選手(チップ)○

【推薦者コメント】


 小川選手は前大会にあたる「GIGS 1st」や「闘劇」で優勝を収めており,負ける姿が想像できないほど恐ろしい強さを発揮していました。しかし試合が始まり,ススム選手が小川選手からラウンドを取得した時は「まさかチップが小川を倒すのか!?」という観客全員の期待が一つになった大歓声が上がりました。
 まさに会場が割れんばかりといった熱気で,あの一体感は非常に強く印象に残っています。
これまで全国大会でチップが活躍する機会はなかなか見られなかったのですが,今大会のススム選手は見事優勝を果たし,素晴らしいチップの活躍を見せてくれました。

石渡太輔(アークシステムワークス 取締役/ゼネラルディレクター)

【解説】


 関西スーパーチップ使いの堀ススム選手と,王者として特別招待枠で参戦した小川選手による,「GUILTY GEAR XX SLASH」初の公式全国大会での一戦。
 1ラウンド目は,扱いの難しいSLASHのエディを巧みに操る小川選手が,チップを相手に細かくダメージを与えていき先取。続く2ラウンド目,堀ススム選手は鋭いジャンプDからの起き攻めループで小川選手を攻め立て,バーストによる切り返しもしっかりガードで防いで取り返す。
 そして迎えた最終ラウンド,中盤まではやや小川有利という展開だったが,“αブレード”でエディゲージを破壊し,続く“αプラス”で本体からカウンターヒットを奪う好プレーで一気にまくり,堀ススム選手が見事大金星をあげた。

“αブレード”→“αプラス”で一気に優勢を取り,ギリギリの勝利を勝ち取った堀ススム選手。とはいえ当時エディは大幅な弱体化を受けた後でもあり,敗れはしたものの,そのエディでここまで戦い抜いた小川選手にも賛辞を贈りたい
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闘劇'10 決勝戦



  • 日付:2010年9月18日
  • 使用タイトル:「GUILTY GEAR XX Λ CORE 」
  • 対戦者:●少年選手(テスタメント) vs. イノウエ選手(聖騎士団ソル)○

【推薦者コメント】


 最後のFBファフ差し込みが神過ぎた。

FAB(プレイヤー)

【解説】


 プロゲーマーとして第一線で活躍している“かずのこ”ことイノウエ選手と,今でも語り継がれる伝説のプレイヤー,少年選手による一戦。
 小川選手とRF選手,少年選手によるチーム「銀と金」と,FAB選手とまさひろ選手,そしてイノウエ選手の「チーム赤天狗」で迎えた決勝戦。中堅の少年選手に苦戦し,大将・イノウエ選手を引っ張り出されたチーム赤天狗だったが,イノウエ選手の聖騎士団ソルが,凄まじい反応と読みによるラッシュであっという間に1ラウンドを先取する。少年選手も負けじと,2ラウンド目はテスタメントが聖騎士団ソルを画面端から逃さないまま一気に勝負を決め,これで決着は最終ラウンドにもつれ込んだ。
 激しい攻防の末,お互い体力が残りわずかとなった最終局面。距離を離し,設置技である“ゼイネスト”で罠を張らんとするテスタメントの僅かなスキを,イノウエ選手は見逃さなかった。渾身のフォースブレイク“ファフニール”がテスタメントに届いたのは,ダッシュの慣性を乗せるスライド入力の賜物である。

当時から積極的なプレイと読みの強さで,頭一つ抜きん出ていたイノウエ選手の聖騎士団ソル。続くRFに敗退し優勝こそ逃したものの,このシーンは伝説のスライドファフニールとしてギルティ勢の記憶に深く刻まれている
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ARC REVOLUTION CUP 2013 決勝



  • 日付:2013年5月19日
  • 使用タイトル:「GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS R」
  • 対戦者:●ハーケン選手(ポチョムキン) vs. キーシャ選手(ファウスト)○

【推薦者コメント】


 どのラウンドもどちらが勝利するか全くわからないまま進み,特に2ラウンド目のハーケンさんの逆転劇が今見てもすごいなと思います。
 久々に動画を見返して,ファウストのアイテム,この頃すげぇなとしみじみしましたw

ナゲ(プレイヤー)

【解説】


 今はソル使いとして知られるはーけん選手がポチョムキンを使っていた頃の,今となっては貴重と言っていいこの動画。対するは,黄色のファウストにこだわり続けるきーしゃ選手だ。
 1ラウンド目からギリギリの接戦が続く名勝負ではあるのだが,この対決がGUILTY GEARプレイヤーの記憶に残り続けるのは,実況を担当した火九氏の名ゼリフによるところも大きいだろう。第2ラウンド,きーしゃ選手に先制され,体力も残りわずかまで追い込まれたはーけん選手が手にしたわずかなチャンス。最後の起き攻めに中段の6+Kを通したはーけん選手は,そこからの超難度コンボを完走させての大逆転を演じて見せた。
 これに感極まったのか,実況も「優勝は,はーけーん!!」と早とちり。その後に続く「もう優勝でいいというコンボ」なる名(迷)フォローと合わせて,今なお格闘ゲームファンに語り継がれている。動画に実況音声が含まれていないのは残念だが,機会があればぜひ合わせて視聴してもらいたい伝説の一戦である。なお,最終的に勝利したのはきーしゃ選手であることも,ここに付け加えておく。

残りわずかな体力から狙うには,あまりに高難度な“もう優勝でいいというコンボ”。ほぼすべての繋ぎに,ビタ押しに近い精度が求められる。悪い流れをものともせず,優勝したきーしゃ選手もさすがの一言だ
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EVO2015 Loser's Semi-Final



  • 2015年7月19日
  • 「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」
  • ○ヲシゲ選手(ミリア)vs.中村選手(ミリア)●

【推薦者コメント】


 対戦内容も面白かったんですけど2015の試合見てると目がギラついてる人多いんですよね。あの時俺も一緒にギルティやりたかったなーという意味も込めてですかね。

おみと(プレイヤー)

【解説】


 いろいろあったEVO2015の「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」部門からは,中村選手ヲシゲ選手による,ミリア同キャラ戦が選ばれた。関東の中村選手と,関西のヲシゲ選手という,東西の最強ミリア使い同士の対戦は,ハイスピードな試合展開ながらお互いまったく譲ることなく,1セットずつを取り合う形に。
 最終戦,1ラウンド目は勢いのある中村選手のものかと思われたが,ヲシゲ選手が起死回生の覚醒必殺技“ウインガー”をヒットさせ,ギリギリで試合をものにする。2ラウンド目,ループする起き攻めで流れを掴んだ中村選手は,こちらも負けじと覚醒必殺技“エメラルドレイン”でフィニッシュを決め,勝負はフルセットフルラウンドまでもつれ込んだ。
 運命の最終ラウンド,最後の最後までもつれたシーソーゲームを制したのはヲシゲ選手だったが,その熱い戦いに,会場からは両者に盛大な拍手が贈られた。

最終ラウンド,強化技の“クローミングローズ”をまとい,圧倒的に有利な状態で攻め込んでくる中村ミリアを,“タンデムトップ”→黄色ロマンキャンセルで守り,うまく切り返したヲシゲ選手のミリア。この攻防が決め手となり,大接戦を制している
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闘神激突 最終戦



  • 日付:2015年8月22日
  • 使用タイトル:「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」
  • 対戦者:○小川選手(ザトー) vs. ウメハラ選手(ソル)●

【推薦者コメント】


 最強の格闘ゲーマーであるウメハラ,最強のギルティプレイヤーである小川,という二人の最強プレイヤーの対決。自分が格闘ゲーマーだった頃からずっと「死ぬまでには一度だけでもいいから見てみたい」と思っていたカードです。闘神激突で実現できた時はそれはもうドキドキしました。これで格ゲーマーとしての後生はないなと(笑)。

 そもそも自分がプレイヤー時代の時に,2003年はウメハラ君,2005年は小川君とチームを組んで全国大会に出場していたのですが彼らのゲームに対する姿勢だったり強さを間近で見ていたこともあり,色々な感情を抱かされたものです。
 なんですが,一つ悔いが残っていたのはこの二人のガチの直接対決が見れなかったこと。実際,当時はこの二人がギルティを本格的にやりこんでる時期が違ったので,あまり交わることがなかったんですよね。やっぱり見たいじゃないですか。最強vs最強って。異種格闘技戦でどっちが強いのかみたいな。

 それから10年近くを経て,自分はギルティの開発やらイベント運営にがっつり携わることになり当時から格闘ゲーマーの象徴だったウメハラ君はプロゲーマーになり,小川君は当時から変わらず名実ともに最強のザトー使いとして君臨し続けていてそんな折に闘神激突の企画があがってきまして。めぐってきたこのチャンスで二人の対決を成し遂げねばと思いました。
 見たかったんですよね。今の格闘ゲームに対する知見を持って,改めてギルティをプレイするウメハラ君の姿を。めちゃくちゃ強くなると思っていたし,ギルティギアってゲームの今に風穴を開けてくれるんじゃないかと思ってました。

 「勝てば天国負ければ地獄」なんてカードをブッキングされたら断るのが普通なんですがそんな無茶苦茶な要求でも二人とも受けてくれて,なおかつ試合の中身で応えてくれた二人には感銘を受けました。
 実際,この二人の試合が始まる直前に改めて冷静になって「もしかして自分はとんでもないことをしてしまったんじゃないか…」と内心ヒヤヒヤしながらも,それを上回るたぎる気持ちが沸き上がってきたのを覚えています。
 とりとめなく書いてきてしまったんですが,この試合に対する思いが大きすぎて止まらなくなってきたのでお開きにします(笑)。
 
 あとは現物を見て感じてみてください。格闘ゲーム史に残る世紀の1戦です。

関根一利(アークシステムワークス 統括バトルディレクター)

【解説】


 ギルティ界最強の小川選手と格ゲーの神・ウメハラ選手ぶつかった,まさに世紀の一戦。
 とはいえ,当時のウメハラ選手は「GUILTY GEAR」シリーズをプレイしていなかったこともあり,さすがに小川選手の勝利は揺るぎないだろう,というのが下馬評ではあった。しかし,まちゃぼー選手による事前の特訓で牙を研いだウメハラ選手は,やはり神であった。序盤から小川選手を圧倒する立ち回りで,あっという間に2本を先取してしまう。
 圧巻なのは,そのキャラ対策だ。ザトー本体の攻撃は,ガード後に距離が離れるフォルトレスディフェンスによってしのぎ,分身の攻撃は無敵技の“ヴォルカニックヴァイパー”で割り込むといった基本的な対策はもちろんのこと,相手の遠距離攻撃を黄色ロマンキャンセルを活用して反撃するなど,当時誰も実践していなかったテクニックで,小川選手を追い詰めていく。

 「このまま勝負が決まるか?」と思われた3セット目,しかしここでスロースターターである小川選手が目を覚ました。浮遊からの巧みな攻めを軸に,無敵技による割り込みには,上半身無敵の6+Pでかわして反撃するなど,「対策の対策」を重ねて怒濤の追い上げを見せる。最終的には,小川選手が貫禄を見せてのまくり勝ちとなったが,その内容は薄氷を踏むようなギリギリの戦いであった。ある意味,異種格闘技といっていいマッチメイクではあったが,このカードが格闘ゲームシーンに与えた功績は計り知れないだろう。

分身の召喚に合わせて黄色ロマンキャンセルを発動し,その副次効果である時間の進みが遅くなる性質を利用して,遠距離から“グランドヴァイパー”で反撃するウメハラ選手。これが神か
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賽 [sài] 決勝トーナメント Loser's Quarter-Final



  • 日付:2017年5月21日
  • 使用タイトル:「GUILTY GEAR Xrd REV 2」
  • 対戦者:●FAB選手(ポチョムキン) vs. サミット選手(チップ)○

【推薦者コメント】


 10年以上1人のキャラクターを使い続け,トッププレイヤーとして君臨している両者の頂上決戦。努力に裏打ちされた実力はもちろんですが,何よりも「極限状態での読み合い」が魂を震わせてくれました。
 特に最終セット・最終ラウンド・お互い体力わずかでの攻防はまさに瞬き厳禁。
 様々な投げへの対策を取られながらも,最後に裏の裏をかいて前ダッシュをコマンド投げで吸い込んだFAB選手の精神力。1度読み負ければ大ダメージを被るキャラクターを使いながら,最後まで強気の逆択をしかけ続けたサミット選手の精神力。

 筆舌に尽くしがたい程の知識と技術力を兼ね備えた選手達が,本能レベルで超高速の読み合いを展開し続ける。「これがギルティギアのトッププレイヤーだ」と改めて見せつけられたようで,本当に感動した一戦でした。

 また,試合後にサミット選手が見せた表情も試合の壮絶さを語る上で非常に素晴らしい一幕でした。あれはギルティギアをプレイされない方の心にも響いたのではないでしょうか。

片野アキラ(アークシステムワークス ディレクター)

【解説】


 ポチョムキンとチップ,双方における最高峰プレイヤーが激突した至高の対決。
 序盤は手数で圧倒するサミット選手が優勢に試合を進める展開となった。とくに覚醒必殺技である“龍柳”を使った起き攻めは,いかにガード能力の高いFAB選手でも凌ぎきるのは至難の業といえる。
 しかし,FAB選手も負けてはいない。起死回生の投げ技“ポチョムキンバスター”を要所で決め,流れをつかむ。試合は一進一退,フルセットフルラウンドへ。
 体力リードで逃げまわるチップを追うポチョムキン。サミット選手がダッシュで踏み込んだ,その瞬間を捕らえた“ポチョムキンバスター”が,チップの体力を奪い去った。会場内の誰もが「これで決まった!」と思ったが,わずかに残った体力が再びチップを立ち上がらせた。最後は執念のこもった立ちKをねじこみ,サミット選手が勝利を手に。やりこみと意地がぶつかりあった,まさに死闘といえる一戦であった。

会場にいた誰しもが,また配信越しに見ていた視聴者ですらも,思わず声を漏らしただろう会心のポチョムキンバスター。しかし体力はわずかに残り,最後の一撃を叩き込んだのはサミット選手だった
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EVO Japan 2018 Grand Final



  • 日付:2018年1月28日
  • 使用タイトル:「GUILTY GEAR Xrd REV 2」
  • 対戦者:○ナゲ選手(ファウスト)vs.おみと選手(ジョニー)●

【推薦者コメント】


 国内最大規模の大会の決勝に残ったのは優勝候補のおみと選手,最強クラスのプレイヤーでありがならタイトルに恵まれなかったナゲ選手。
 序盤からお互いの気持ちが入った試合展開は非常に見応えがあり,実況しながらあまりの凄さに何度も叫んでしまいました。
 とくにリセット後,4セット目第3ラウンドのラストは自分だけでなく当時観ていた人は皆叫んでいたのではないかと思います。

GGシリーズの実況になってから間違いなく最高の試合でした!

神園(実況/コメンテーター)

【解説】


 「GUILTY GEAR Xrd REV 2」の最強を決めるに相応しい2人――ナゲ選手おみと選手によるEVOJapan 2018決勝戦。
 展開はLoser'sで後がないというハンデを覆すべく,序盤から強気な攻めを見せるおみと選手に対し,ナゲ選手はランダムなアイテムを投げる飛び道具“何が出るかな?”をばら撒きつつ,出たアイテムに応じて臨機応変にダメージを取りに行くスタイルで応戦する。
 最初の見どころは,一進一退のシーソーゲームで迎えた5セット目,ナゲ選手の不用意なジャンプに対し,おみと選手がすさまじい反応で繰り出した,対空の“Lv3ミストファイナー・上段”だろう。そこからの連続技で相手を倒し切り,おみと選手は見事リセットを達成している。

 しかしリセット後,おみと選手が覚醒必殺技“それが俺の名だ”を空振りするという珍しいミスをきっかけに,流れはナゲ選手へと傾いていく。セットカウント2-1,優勝まであと一歩のナゲ選手が,ヘルファイア状態から苦し紛れに放った覚醒必殺技“刺激的絶命拳”は,その後に発生するくじ引きで,最大ダメージを叩き出す。これで勝負が決するかと思われた直後,おみと選手はリバーサルで“それが俺の名だ”をぶっ放し,これがヒット。勝負は最終戦へと持ち越された。
 最終戦もまたフルラウンドまでもつれることとなったが,勝負を分けたのはナゲ選手が“何が出るかな?”で引いた当たりアイテム“メテオ”。これを契機にナゲ選手が相手を追い詰め,最後は中段の6+HSでフィニッシュ。30分にも及んだ激戦は,ナゲ選手の勝利によって終止符が打たれた。

大会上位には食い込むものの,これまで優勝に手が届かなかったナゲ選手が,EVO Japanという舞台でついに頂点に。長年の苦労とやり込みが「やっと,優勝しました。」というコメントに込められている
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 20年という歳月の中で,数々の名場面,名勝負を生み出してきたギルティギアシリーズ。先日リリースされた最新アーケード版“ALL.Net P-ras MULTI バージョン3”対応「GUILTY GEAR Xrd REV 2」では,待望のオンライン対戦も実装され,ゲームセンターでも全国のプレイヤーとの勝負が可能となった。
 また日本のみならず,海外でも強豪が育ちつつある昨今,アーケードのみならず,あらゆる環境でこれからも新たな名勝負が,同作の歴史に刻まれていくだろう。闘いはまだまだ続いていく。20周年を超え,さらに進化を続ける同シリーズの次の動きに期待しよう。

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