インタビュー
「VCT Masters 2022」でベスト3! ZETA DIVISION,対Paper REX戦後の合同インタビューをお届け。Laz選手「めちゃくちゃ嬉しいです」
本日(4月23日),日本時間の午前5時頃より,日本代表ZETA DIVISION 対 APAC代表Paper REXの試合が行われた。1マップ目「アイスボックス」は6-13でPaper REXが取ったが,続く2マップ目「ヘイヴン」は13-2の圧倒的な結果でZETA DIVISIONが獲得。試合は3マップ目「スプリット」にもつれ込む激戦となったが,13-10でZETA DIVISIONが見事勝利をおさめ,Lowerトーナメント決勝に進出した。
ZETA DIVISIONはこれでベスト3以上が確定している。また,本大会におけるアジア地域チームでの最高位となり,アジア最強の栄冠も手にした。日本のeスポーツ史に新たな歴史が刻まれた瞬間である。
ZETA DIVISIONの次の試合は4月24日2:00から,OpTic Gamingとの対戦だ。Lowerトーナメントの決勝戦で,これに勝ったチームがLOUDとの世界一決める,グランドファイナルに進む。快進撃を続けるZETA DIVISIONの試合をぜひ見届けてほしい。
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試合後,海外メディアを含む合同インタビューが行われた。世界の舞台に大きな爪痕を残し続け,その頂きに挑まんとするZETA DIVISIONのメンバーは,今,何を考え,感じているのか。その模様をお届けしよう。
──まずはベスト3,本当におめでとうございます。今の率直なお気持ちをお聞かせください。
Laz選手:
めちゃくちゃ嬉しいです。世界ベスト3の確定と同時に,アジア1位を獲得することができたかなと思っているので,そこを含めて本当に嬉しいです。
──Paper REXに対しての研究,印象はどのようなものでしたか。
Laz選手:
最初はチームとして凄いイケイケかつ,個人プレイでブイブイ言わしている感じなのかなと思っていたのですが,今では繊細に,そしてアグレッシブにスキルを合わせてくる,いいチームだと感じています。なので相手の対策をしつつ,通用する戦術を探して,「こういう戦い方で行こう」「こういう試合の流れを作ろう」とメンバーと話し合いました。
──ヘイブンはPaper REXの勝率が100%の中,13-2という大差で勝利を収めましたが,先日のインタビューでDep選手は「あまりヘイブンが得意ではない」と仰っていました。どのような点に注意して試合に挑みましたか。また,勝因はどのようなものですか?
Dep選手:
今回,1マップ目であるアイスボックスの結果が芳しいものではなかったので,2マップ目のヘイヴンは「悔いのない戦い方」をしようという点を前面に押し出してプレイしました。そしてみんなで気持ちをリセットをして,試合中にコミュニケーションをしっかり取ることができたのが勝因かなと思います。
──TENNN選手におうかがいします。大差で勝利した2マップ目ヘイヴンで,非常に印象的だったプレイが,Aロングを前めに抑えて,撃ち合いをして,次に持っていくというものだったのですが,チーム全体としても前で抑えるという意識はされていたのでしょうか。
TENNN選手:
Paper REXはフィジカルがとても強いので,相手のペースに流されないことを目標にして,事前に決めていたことでした。
──SugarZ3ro選手におうかがいします。スプリットはZETA DIVISIONが得意とするマップの1つという印象がありますが,同時にPaper REXに対策されているようにも感じました。どのように改善し,勝利につなげたのかをお聞きしてもよろしいでしょうか。
SugarZ3ro選手:
スプリットで落としたラウンドはこちらのミスであったり,焦りで動きがずれてしまったりといったものが多かったので,そういった部分の修正をしつつ,自分たちの手札の中で何が刺さるかを考えていきました。
──試合全体を通して,Paper REXのf0rsakeN選手が前に詰めてくるシーンも多かったと思いますが,事前に警戒はしていましたか。
SugarZ3ro選手:
詰めてくるのは分かっていたので,警戒していましたが,序盤は修正がうまくいかない場面も多く,落としてしまうラウンドもいくつかありました。終盤は「付き合わなくて,引かせればいいよね」と自分の中で答えが出ていたので,それが刺さったかなと思います。
──XQQコーチにおうかがいします。スプリットの攻撃,ラウンドスコア8対9の際にZETA DIVISIONからタイムアウトを取りましたが,どのような話をしていたのでしょうか。
XQQコーチ:
あの時は僕たちが落ち着くことと,何をしていて,何が間違っているかというのを確認するために取りました。
──今回,ZETA DIVISIONが他のチームを次々と倒していくさまから,多くのキャスターが死神のようだと揶揄しています。マイナーと呼ばれたリージョンから,ここまで勝ち進んだ今のお気持ちをお聞かせください。
XQQコーチ:
日本のチームとしてこの場にいることを凄く嬉しく思います。そして,この勝利は今日戦ったPaper REXも,DRXも,すべてのAPACチームが一緒になって勝ち取った勝利であり,順位だと思っています。
──次戦のOpTic Gamingについてはどのような印象を抱いていますか。また,意気込みをお願いします。
XQQコーチ:
とくに大きな対策をしているチームですし,NA地域で唯一残っている強いチームなので,しっかり警戒はしていきたいです。同時に今回,初めてNAチームと戦うので,非常に楽しみですね。
──Laz選手におうかがいします。前回の試合から3日間空きましたが,その間はチームとして,どのように過ごされましたか。
Laz選手:
本当はしっかり試合を見直して相手の対策をしつつ,今日勝った場合は3連戦になることは分かっていたので,自分たちの調整も同時に行いたい考えでしたが,少し体調を崩してしまって,休みにかける時間が増えてしまいました。そのため,考えていたことをそのまま実現はできませんでしたが,限られた時間の中で,重要なラインは押さえることができたと思っています。
──G2戦を除き,すべて2-1での勝利となっていますが,この試合の経験を通じて,チームの習熟度は上がってきていると感じますか。
Laz選手:
すでに未開の地なので,みんなで試しながら,探りながらといった感じで進めてはいますが,2-0ではなく2-1での勝利となることで,試合数が多いのが逆に幸いして,多くの経験を基にして修正できているのかなとは感じています。
──XQQコーチにおうかがいしますが,選手の後ろに座ることができ,チームに素早く駆け寄ることができたことについて,お気持ちをお聞かせください。そして試合後,ルームに戻った際は,どのような言葉を叫んだのでしょうか。
XQQコーチ:
まず,選手たちのプレイを間近で見れるのは凄く嬉しいです。勝った喜び,負けた悲しさを共に感じることができるのは大きいと感じます。何を叫んだのかは憶えていないのですが,多分「NICE」だったと思います。
──Laz選手への質問です。選手の紹介VTRの中で「一番の恐怖は自分の年齢と,プレイできる年数が少なくなってきていること」と仰っていましたが,今,このベスト3の立場まで来て,どのように感じていますか。
Laz選手:
自分自身,行けるところまでは行きたいですし,まだまだ通用するとは思っていますが,自分が尊敬し,目指してきたプレイヤーが年齢と共にパフォーマンスが落ちていくのを見ていますし,自分だけが逃れられるものとは思っていません。ただ,大会でベスト3まできたことで,昔に忘れ去っていたような子供心や闘争心が再び出てきたので,ここまで来れて嬉しいなと思っています。
──crow選手にお聞きします。連日,トレンド入りする注目度の高さについて「CSGO」時代の経験からどう感じるか,また,ZETA DIVISIONの活躍で新たに「VALORANT」,「eスポーツ」に触れた方も多いと思いますが,そういった方々に何を伝えたいですか。
crow選手:
もちろん「CSGO」時代も応援してくださるファンの方々はおられたのですが,その時よりも,より多くの方が応援してくださっていると感じます。もう本当に桁違いなので,ただただ「凄いな」と感じていて,本当にありがたいです。
そして日本の「VALORANT」シーンは国内では活発でしたが,世界に出ると勝てないというイメージを覆せたんじゃないかなと。そうしたイメージを伝えられているのが嬉しいです。
──ご存知かもしれませんが,日本ではパブリックビューイングが開催され,ZETA DIVISIONがラウンドを取得する度にファンが熱狂しています。それに限らず,大変「VALORANT」シーンが盛り上がっていますが,ファンに向けてメッセージをお願いします。
Dep選手:
パブリックビューイングに行かれた方も,自宅から観ている方も,本当に応援ありがとうございます。力になっています。熱狂的に応援してくれる姿を見ると,心から「頑張らないとな」という気持ちになります。これからも応援よろしくお願いします。
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