プレイレポート
「ファミリートレーナー」のプレイレポートをお届け。しっかり運動できるフィットネスゲームであり,みんなで楽しめるパーティーゲーム
「ファミリートレーナー」は,全身を使った体感型のゲームだ。アスレチック感覚で体を動かして,子供から大人まで家の中で楽しく運動ができる。
今年はコロナ禍による外出自粛もそうだが,冬になって気温が下がり,屋外の活動が難しくなったことで運動不足に拍車がかかった人も多いだろう。そんな中登場した「ファミリートレーナー」は,どんなゲームなのか。実際に遊んでみたので,本稿で詳しくレポートしていこう。
「ファミリートレーナー」公式サイト
Joy-Conを身に着けて楽しく運動,楽しくトレーニング
まず,プレイするためにはJoy-Con(L)(R)とレッグバンドが必要になる。本作は2人でのプレイにも対応しているが,そのときはそれぞれ2人分必要だ。パッケージ版には,レッグバンドが1つ付属しているが,DL版には付いていないので,既に持っているものを使用するか,別途で購入する必要がある点は注意しよう。
レッグバンドは,任天堂の公式サイトにて1100円(税込)で購入可能で,バンダイナムコエンターテインメントのサイトでも後日販売が予定されている。
また,全身を動かすのでプレイ環境……つまり部屋を整える必要もある。身体を動かしたときに物が当たらないようにすることはもちろん,集合住宅の場合は,プレイ時間の配慮や振動&音の対策も必要だ。
我が家も集合住宅かつ2階以上なので,この振動&音問題は十分に配慮してプレイした。もともと2歳になる子供のために防音マットを敷いているが,プレイの際はそこにコタツ用の布団を敷き,さらにフィットネス用の防振マットを敷いて遊んだ。
レッグバンドとストラップを装着して,プレイ環境が整ったらプレイ開始! 本作には16種類ものアトラクションが収録されている。バリエーションに富んだアトラクションは,体のさまざまな部位を使うので自ずと体がほぐれ,そして鍛えられる。
本作に搭載されているゲームモードは3つ。1つめの“アスレチックで大冒険”は,初級コースと中級コースでは3つ,上級コースでは4つのアトラクションを連続で行い,すべてクリアしたあとでスコアを計測。自分のレベルを判定してくれる。
中級,上級になるにつれて,フィールドに障害物が増えたり,目標スコアが高くなったりと難度が上がっていく。目標に届かずゲームオーバーになったときはやり直せるようになっている。
また,最大6個のアトラクションを任意で組み合わせたオリジナルコースを作れるので,“〇〇杯”と称して,自分が得意なアトラクションをまとめたオリジナルコースを,友だちにプレイしてもらうのも楽しそうだ。
2つめのモードは“運動不足解消トレーニング”。こちらはテーマに沿ったアトラクションの組み合わせでトレーニングするというものだ。ひとつあたり3分や5分という短時間で終わるものもあれば,10分かけて持久力を鍛えるようなものもあり,鍛えたい部位やそのときの気分によってコースをチョイスできる。
3つめの“自由にあそぶ”モードはアトラクションを1つ選んでプレイできるというもの。好きなアトラクションをやりこむもよし,苦手なアトラクションを徹底的にプレイして極めるもよしと自由にプレイできる。
ひとりでもふたりでも楽しく遊べる豊富なアトラクション
さてここからは,本作に搭載されている16種類のアトラクション(※)からいくつかピックアップして,その内容と実際にプレイしてみた感想を紹介しよう。
各アトラクションには,開始前にルールとプレイのコツを教えてくれるチュートリアルが用意されている。説明にはすべてふりがなが振ってあるため,子供だけでもすんなりとプレイすることができるのがありがたい。
※Wii版「ファミリートレーナー」のアトラクションを収録しているが,一部遊び方が異なる。
●丸太ジャンプ
前方から転がってくる丸太をジャンプで避ける“丸太ジャンプ” はタイミングを計る力と,ジャンプ力,スタミナなどが必要になってくる。その場で足踏みをするとキャラクターが走り,ジャンプするとキャラクターもジャンプするので,足踏みしてはジャンプ,足踏みしてはジャンプをくり返す。プレイしてみると,これがかなりしんどい……。
●カヌー川下り
“カヌー川下り”は水平に持ったJoy-Con(R)を8の字を描くように動かすと,オールを持ったキャラクターが同じように動く。両腕を優しく大きく動かすことで肩甲骨も動いて,少し漕いだだけで体がポカポカと温かくなってくる。プレイ後は肩まわりの血流がよくなっている感じがするので,肩こりに効くかもしれない。
●石柱コンベア
“石柱コンベア”は横スクロール画面で,画面左側に登場する石柱の上を走っていく。石柱には,1段低いものや,石柱の上に突起が付いているもの,上下に動くものなどがあり,それらを走りながら飛び越えていく。画面右側から石柱が崩れていくので,下に落ちてしまわないように走り進めなければならない,緊張感のあるアトラクションだ。
●シーソーファイト
パネルに表示された体の部位をすばやく動かす“シーソーファイト”は,パネルが表示された瞬間に正確に動く反射神経,そして表示されるまでの時間をじっと待つ集中力が必要になってくる。手のパネルが出たら手を上げ,足のパネルが出たら足を上げ,両方のパネルが出たら同時に上げる! 1本先取でどこまで勝ち抜けるかが試される。
●モグラパニック
“モグラパニック”はかわいいモグラを叩いていく無慈悲なゲーム。手に持ったJoy-Con(R)でカーソルの位置を変えてモグラを狙い,Joy-Con(L)を付けた左足を床に踏みつけることによってモグラにアタック! ふつうのモグラは1ポイント,2匹重なった親子モグラを叩けば2ポイントだ。単純な動きのはずなのに,足の動きにつられてつい手も振ってしまう……。
●トリックボーダー
“トリックボーダー”はボードに乗って坂道を滑走する。ジャンプで滞空しているときにJoy-Con(R)を操って“トリック”を決めるとポイントを獲得できる。トリックは連続で決めれば決めるほどポイントが上がる。しかし,トリックしている最中に着地すると転んでしまうので,欲張り過ぎないように注意。いかに転倒せずにかっこよく走り切るかが高得点のカギとなる。
●トロッコアドベンチャー
体を使ってトロッコを操る“トロッコアドベンチャー”は,Joy-Con(R)を上下に振って進み,左に曲がりたいときはJoy-Con(R)を左に傾けながら右足を上げる。線路が途切れているところはジャンプして乗り越え,ゴールまでダンジョンを突き進むのだ。
●なわとび
なわとびは,縄が地面について土煙が上がったタイミングでジャンプしてうまく飛んでいくアトラクションだ。アドベンチャーモードではノルマの回数を飛ぶだけでいいが,“自由にあそぶ”モードだとエンドレスで挑むことになる。大人になると連続でジャンプすることなんてそうそうないのでジワジワと息が上がっていく……重力に逆らうという行為は単純ながら負荷がとても大きいのだと思い知った。
●パイプスライダー
パイプスライダーはチューブ状のコースを360度自由に移動しながら疾走する爽快感溢れるアトラクション。Joy-Con(R)を上下に振ることで加速,左右に傾けると横に移動し,左か右にすばやくスライドさせるとクイック移動ができる。
以上がアトラクションの紹介となるが,本作の大きな魅力のひとつである“ふたりであそぶ”モードについても触れておく必要があるだろう。
“ふたりであそぶ”では, 各種アトラクションを交互にプレイしてスコアを競ったり,アトラクションによっては並走してタイムを競ったりできる。ひとりでプレイするときとは違ったワクワク感と競争意識によって夢中になってしまう。ふたりでプレイするには先述の通り,Joy-Con(L)(R)とレッグバンドが2セット必要となるので,注意しよう。
筆者は小学2年生の息子がいるので,せっかくなので勝負してみた。Joy-Con(L)をレッグバンドにはめて足に装着し,Joy-Con(R)にストラップを付けて手に持ち,ふたりがぶつからない間隔をとったらいざ,バトル開始!
しばらくプレイすると筆者は汗だくだく。しかし,小学生の体力は底なしである。「つぎはこれ!」「悔しい,もう1回!」とつぎつぎアトラクションに挑んでいくので,筆者はもうヘトヘトだ。10個ほどプレイすると「少し休憩しませんか?」という文章が表示されるので,これ幸いとばかりに「ゲームもこう言っているし,少し休憩しようか!」と提案できた(おかげで助かった)。
親子でプレイするのも友だちとプレイするのも盛り上がること間違いなしの“ふたりであそぶ”モード。とはいえ,振動や音が気になる人も多いと思う。振動についてあまり頓着しない子もいるのでご近所への影響が心配になるかもしれない。そんなときは「忍者のように音を立てないでやってみよう」と,静かにプレイしてみることを提案するのもひとつの手だ。
この可能な限り音を立てないプレイは大人にもオススメで,振動や音に気をつけながら動くと,体の隅々にまで神経を張り巡らせているので,思った以上に運動負荷がかかる。振動・音対策だけではなく,体を鍛える一環として取り入れるととても楽しくプレイできる。
筆者は専らデスクワークなので体力に自信はないけれど,週に1度はフィットネスゲームや筋トレゲームをプレイしているため,プレイ前は「体力がないとは言っても,こういうゲームなら余裕でしょう」などとタカを括っていたが,予想以上にハードな運動だった。体を動かし,汗をかき,ほどよい疲労感を得られる「ファミリートレーナー」はしっかりとフィットネスゲームであり,誰かとプレイしていっしょに楽しむこともできるパーティーゲームでもあった。楽しく運動不足を解消したいという人は検討してみてはいかがだろうか。
「ファミリートレーナー」公式サイト
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