インタビュー
「ROAD59 -新時代任侠特区-」君沢ユウキさんと蒼井翔太さんが舞台でバチバチ火花を散らす!? 舞台第2弾キャストインタビュー
砂川脩弥さん&井上正大さんへのインタビューに続き,今回は自由な気風の春雲組に加わった八薙バクト役の君沢ユウキさんと,舞台第2弾から本格的に物語に参戦する海外マフィア連合組織PHOENIXのリーダーであるベネディクト・ロレンツォ・ヴァザーリ役の蒼井翔太さんへのインタビューをお届けしよう。
「ROAD59 -新時代任侠特区-」公式サイト
■ベネディクト・ロレンツォ・ヴァザーリ(演:蒼井翔太)
君沢さんと蒼井さんが語る春雲組とPHOENIX
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは2020年12月に行われた舞台第1弾「ROAD59 -新時代任侠特区-」に出演してみてのご感想や,公演をとおして感じた手応えを教えてください。
君沢さん:
第1弾はゼロから1つの物語を皆で作るということで,稽古場でも感染症対策をしっかり行い,キャストはお互いの顔も見えない逆境の中で挑みました。そんなやるしかないって気持ちが,自分たちが思っている以上に初日からお客様に伝わった手応えがあったんです。千穐楽で発表した第2弾に関しても,待っていてくれている,次につなげられると確信できました。
蒼井さん:
この物語のお話をいただいたときは,とてつもなく多くの登場人物がいると聞いていたので,オリジナル作品の第1弾はどんな風に物語をまとめていくんだろうと思っていました。僕自身が映像出演だったのもあり,舞台公演は映像で見させていただきましたが,SNSで垣間見える稽古中の様子と同じで,皆さんのチームワークがよくて物語を一丸になって作っているのを感じましたね。
4Gamer:
ご自身が出演された映像のシーンはいかがでしたか?
蒼井さん:
ベネディクトのシーンの仕上がりを見て笑ってしまいました(笑)。映像出演というトリッキーな瞬間の中で,クセのある彼の特徴を皆様にお伝えできたかなと思います。
4Gamer:
映像でのベネディクトは美しく流れるような殺陣が印象的だったんですが,収録時に苦労された点や思い出に残っていることはありますか。
蒼井さん:
舞台にアンサンブルとしても出演したキャストさんたちが周りで激しくアクションしてくれていたのですが,周りの激しい動きに反してベネディクトは首をかしげるとか,避けるくらいしかしていないんです(笑)。周囲の皆さんのおかげでベネディクトが“強い人”として見てもらえたと思います。
ただ1つだけ,僕も頑張ったところがあります。拳銃を撃つ場面では実際に火薬を使っているので音が鳴るんですが,それがめちゃくちゃ怖くて! 僕の頭の真後ろで拳銃が撃たれるシーンもあって……。
君沢さん:
マジで? かなり,音したでしょ。
蒼井さん:
でもセリフを言っているところなので,ビビッてはいけないと頑張りました。
4Gamer:
そんなことを感じさせない優雅な殺陣でしたね。
蒼井さん:
役柄に助けられました。ほかのキャストさんも同じ状況になったら役に入り込んで乗り越えると思うので,役の力ってすごいなって。
君沢さん:
分かる。銃声にびくっとしてたらかわいいけど,それはベネディクトではないかなって。でも音がそんなにすごかったなんて,今初めて知りました。
4Gamer:
驚きですね。
君沢さんの中で印象に残っているシーンはありましたか。
君沢さん:
すべてのシーンが印象的だったんですけど,本作の1つのテーマである「親子愛」の場面を挙げたいですね。
バクトは父親に複雑な感情を持ちながらも彼を追いかけて天海区に来ました。そんなバクトが,父親がどんな人物か分からないという女子高生の華夜に出会い,何か通じ合うものを感じて行動をともにします。そして最後に,京本政樹さん演じる春雲組の親分が華夜のお父さんだったと分かるシーンで交わされる言葉が,任侠モノとギャップのある親子愛を感じられてステキなんですよ。
4Gamer:
確かに人間ドラマもしっかり描かれていることが伝わるシーンですよね。
君沢さん:
そうですね。またそんな2人を「よかったね,組長」という感じで見守っている春雲組のこともとても好きになりました。任侠嫌いだったバクトとしても,いい意味で組の印象が変わった場面でもあります。
4Gamer:
では,役作りをされていくなかで,台本から印象が変わったところや理解が深まった部分はありますか。
蒼井さん:
ベネディクトについては,まだまだ知らないことばかりです。ただ個人的には,先ほど君沢さんが話していた親子愛や人間同士の心のつながりは,彼には皆無だと思っています。部下のアンソニーを溺愛しているように見えますし,信頼もしていますが,種類が違うというか……心ではなく,実力だけを見ているような気がします。
台本を読んだときから(部下たちと)あっさりした関係だと思っていましたが,実際の彼はそれ以上のドライさ,悪い意味で関係が浅いと感じました。もし“信頼”というパラメータがあるとしたら,ベネディクトはマイナスのほうに振り切れているような印象があります。
君沢さん:
それは正しいかも。春雲組とは全然違うタイプのボスですよね。それでも,人望,カリスマ性があるという。性格的にサイコパスだったり,見た目がいかにも悪かったりするわけでもないし。
蒼井さん:
演じていて,人の命を奪うことも,日常の過程でしかないという印象は受けました。この人,何とも思ってないなと。
君沢さん:
感受性豊かだね。あの長台詞しか書かれていない台本から,そこまで想像できるのはすごい(笑)。
蒼井さん:
いろいろなところで君沢さんが言っていましたが,ゼロから1になったばかりですし,演じる側は想像し放題ですから。君沢さんは,演じてみてどうでしたか?
君沢さん:
僕のなかでの印象が変わったというよりも,バクトは華夜,春雲組のメンバーなど,いろいろな人と話をするなかで“変えてもらった”と言えるかもしれません。
自分の中でこうしようというのはとくになくて,砂川脩弥くん演じる氷室ショウと話していたら兄と弟みたいになるし,春雲組の組長に対しては父親に言えなかった想いをぶつける息子のような気持ちになりました。まだ作中で真っ向から戦うシーンはないですけど,井上正大くんの皇 賢誠と対峙したら毛が逆立つ感じになりそうだなとか。バクトは不器用だけど素直な人だと思っているので,こういった気持ちの変化が楽しいです。
4Gamer:
本作には4つの個性的な組織が登場しますが,稽古中に各組の雰囲気に違いはありましたか。
君沢さん:
全然違いました。おもしろいことに,無理してそういう雰囲気を出そうとしていないのにそのチームの色が出ているんですよ(笑)。
黒条組が集まって相談しているところとか見たことないです。
4Gamer:
井上さんもインタビューの中で,「距離を詰める必要がない」とおっしゃっていました。
蒼井さん:
そうなんだ〜。
君沢さん:
その独特の空気感が舞台上でも出ているんですよ。
狛浪組は本当に家族感があって,ずっと一緒にいました。砂川くんがボケて,お姉さんたちが突っ込んで,という感じで(笑)。皆で横に並んで,同じものを見ている印象があります。
4Gamer:
バクトが所属する春雲組はどうでしたか。
君沢さん:
バラッバラですね(笑)。ただ,マスクを付けて稽古をするというハンデがあったので,いい作品にするために言いたくないことも言い合おうと最初に約束しました。そういったことを相談できる信頼性はありましたね。
PHOENIXは,稽古場の壁に飾られた翔ちゃんを拝んでましたよ(笑)。
蒼井さん:
それは,いいことありますよ(笑)。
君沢さん:
本当にいいことありそう。翔ちゃんに会っただけで,ハッピーになるしね。
4Gamer:
蒼井さんは,舞台第2弾で本格的に参加することになりますがPHOENIXをどんなチームにしていきたいですか。
蒼井さん:
役者としてはいろんなことを言い合って,成長していけたらと思っています。しかし,ベネディクトには家族などの概念はないと思うので,上手く線引きをする必要がありますね。そのスイッチングが大変だなと思います。
ベネディクトのドライな部分と,自分に戻って意見を言い合うときのバランスを上手く作っていくのが目標です。皆さんが命を懸けて1つの作品を作っているので,僕も仲間として,ライバルとしていられたらいいなと思っています。
4Gamer:
お2人とも舞台や声優などマルチに活躍されていますが,舞台でのお芝居と声だけのお芝居で感じる違いや,演じるうえで心がけていることはありますか?
蒼井さん:
変わらなくないですか?
君沢さん:
変わらないですね。
蒼井さん:
アニメーションだと少し誇張して感情を大きめにと言われることもありますけど,昨今はナチュラルな芝居を求められる仕事も増えていますね。逆に舞台に立ったときも,芝居の足し算,引き算が行われるので感覚的には同じです。
君沢さん:
確かに。作品や状況によりますね。
あえて挙げるとしたら,映像作品とは違って,舞台は遠くの席まで芝居を届けなければいけないという差があります。
蒼井さん:
画面をとおして聞くのと,会場の空気を伝って感じるのとでは見てくださっている皆さんの受け取り方が違うかもしれませんね。
君沢さん:
そんな声と舞台のお芝居を両方楽しめるのが,「ROAD59」ですので今後の展開も楽しみにしていてください。
舞台第2弾の見どころはやはりPHOENIX
お互いへの質問で垣間見える2人の素顔とは?
4Gamer:
いよいよ舞台第2弾「ROAD59 -新時代任侠特区-」摩天楼ヨザクラ抗争が4月15日に幕を開けます。お2人が思う今回の見どころを教えてください。
蒼井さん:
第2弾ということで,(前回の舞台で)まだまだ描かれていないことがたくさんあると思います。
君沢さん:
これからですからね。1番はなんといっても,ベネディクトだと思いますよ。
蒼井さん:
舞台に登場するたびにマスカットを食べていたり,シャンパンを飲んでいたり(笑)。
君沢さん:
いい仕事だな〜! シャンパンは,ぜひ本物を入れておいてほしいですね。
蒼井さん:
カーテンコールのときには,酔っているというね(笑)。
君沢さん:
サブタイトル「摩天楼ヨザクラ抗争」を思わせる桜が降りしきる高層ビルの絵は,どこかギャップを感じさせると思います。桜が散るように,何かが散るかもしれません。
蒼井さん:
あら! 今回は狛浪組の2人が映像出演ということもあり,ベネディクトとバクトが対峙する機会が多いと思うんです。
君沢さん:
この2人でバチバチやり合う可能性もありますね。今回限りで,ベネディクトの息の根を止めて2度と出てこないように……!
蒼井さん:
その気でかかってきてください(笑)。でもベネディクトが所属しているのは,PHOENIXですから。
君沢さん:
不死鳥だ! もしかしたら,物語の重要な部分に気がついてしまったかもしれない(笑)。
蒼井さん:
ベネディクトたちがどんなやり取りをするかはまだ分かりませんが,僕としては君沢さんとしっかり芝居で絡むのは初めてなのでワクワクしています。
君沢さん:
それはこっちのセリフですよ。共演できて,ラッキーだなと思ってます。
蒼井さん:
舞台の上で,1回でも多く笑わせたいと思います(笑)。
4Gamer:
共演経験はあれど舞台でしっかり絡むのは初ということで,この機会にお互いに聞いてみたいことはありますか。
君沢さん:
誰にでも嘘偽りなく,優しくいられる秘訣ってなんですか?
蒼井さん:
あまり重く受け止めてほしくないんですが,何度も生まれ変わったぶん痛みを知っているからな気がします。
君沢さん:
不死鳥じゃん!
蒼井さん:
そう,人生を何度も周回している……というのは冗談だとして。
この作品に声をかけていただいたのが不思議なくらい僕は喧嘩が苦手で,人が怒る顔や泣く顔が小さいころからダメなんです。
君沢さん:
小さいころからなんだ。感受性が豊かで繊細だから,人より傷つくぶん優しいのかも。
蒼井さん:
今の話だと自分が1番みたいになってしまいましたけど,皆さん同じくらい傷ついているんですよ。それに気づいて,目覚めるタイミングが人よりも早かっただけなんだと思います。
君沢さん:
なるほど。ご飯屋さんに行って1時間くらいじっくり聞きたい話になりました。すごい興味あるし,小さいころどんな子だったのかも気になりますね。
4Gamer:
たしかに……!
では,蒼井さんからの質問をどうぞ。
蒼井さん:
本作は任侠もので,喧嘩のシーンもありますよね。ちょっとかわいい質問で,生まれて初めて喧嘩したときのことを覚えていますか?
君沢さん:
お姉ちゃん相手だろうな〜。
蒼井さん:
お姉ちゃん!
君沢さん:
僕も蒼井さんと同じように喧嘩が苦手で,人の喧嘩を見るのもダメなんです。
でもお姉ちゃんとは年子なもので,上からいろいろ言ってくるし,僕はそれに歯向かうのが普通だと思っていました。ただ中学生くらいになると体格や腕力に差が出てくるもので,ちょっとした冗談のやり取りでお姉ちゃんとの力の差が見えてしまって,喧嘩はしなくなりましたね。
蒼井さん:
これだけでドラマが出来ますね。
君沢さん:
何だか,恥ずかしいな。記事には,目が合ったら喧嘩していたと書いておいてください(笑)。
(一同:笑)
4Gamer:
最後に,公演を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
蒼井さん:
皆さんと同じステージに立つことができ,うれしく思います。前回映像出演だったからこそ,よりパワーアップしたベネディクトをお届けしたいです。
第2弾でも映像出演の方がいますがステキな映像になっていると思うので,僕自身もわくわくドキドキしながら舞台を作っていきたいと思います。ぜひ本番を楽しみにしていてください。
君沢さん:
前回見てくださった方も,今回からの方も楽しめる内容になっていると思います。任侠ものということで激しいアクションや抗争もありますが,その奥にはたくさんの人間ドラマがあって,兄弟愛があれば親子愛もあるし,友達や街への愛もあると思います。
皆さんもぜひ天海区の住人として,この物語がどう成長するかを見守っていただけたらうれしいです。一緒にこの作品を作っていきましょう。よろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました。
■タイトル
舞台「ROAD59 -新時代任侠特区-」摩天楼ヨザクラ抗争
■会場
KAAT神奈川芸術劇場 ホール
■公演日程
2021年4月15日(木)〜4月18日(日) ※全7公演
4月15日(木) 19:00開演
4月16日(金) 14:00開演/19:00開演
4月17日(土) 12:30開演/17:00開演
4月18日(日) 12:30開演/17:00開演
※各公演、 開場は開演の45分前
■出演
【春雲組】 君沢ユウキ/河内美里/前田誠二 白又 敦 鮎川太陽 山本康平/京本政樹(特別出演)
【狛浪組】 砂川脩弥(映像出演)/相羽あいな 美波わかな/七海ひろき(映像出演)
【黒条組】 井上正大/工藤晴香 岡田夢以/末野卓磨
【PHOENIX】 蒼井翔太/加藤里保菜 奥仲麻琴
■一般発売日
2021年3月20日(土)10:00〜
■チケット料金
オロチシート(前方シート・非売品グッズ付き・全席指定):15,000円(税込)
ジンギシート(全席指定):9,000円(税込)
※オロチシート(前方シート・非売品グッズ付き・全席指定)は、 先行販売で完売した場合一般発売では販売致しませんので予めご了承願います。
※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。 予めご了承ください。
※未就学児入場不可
■スタッフ
【脚本】毛利亘宏
【脚本協力】石塚千奈実
【構成・演出・映像】ヨリコ ジュン
【主題歌】GACKT「Exterminate」
【制作】エースクルー・エンタテインメント
【主催】ブシロード 劇団飛行船
「ROAD59 -新時代任侠特区-」公式サイト
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ROAD59 -新時代任侠特区-(メディアミックスプロジェクト)
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