「ワンダーランズ 〜タイニー・ティナと魔法の世界」開発者インタビュー。TRPGのような世界で繰り広げられる，ハクスラRPGシューターの魅力

　2Kは2021年9月10日に配信された「PlayStation Showcase 2021」にて，「ワンダーランズ 〜タイニー・ティナと魔法の世界」（PC / PS5 / Xbox Series X / PS4 / Xbox One）の最新トレイラーを公開した。



　Gearbox Softwareが手がける「ボーダーランズ」の人気キャラクター，爆弾娘タイニー・ティナ。本作は彼女が生み出したファンタジックな世界で繰り広げられる，スピンオフタイトルのシューティングRPGだ。トレイラーでは初めてゲームプレイ映像も披露され，それに合わせて，開発チームへのオンラインインタビューも実施された。本稿ではその模様をお届けする。

　「今度は魔法でヒャッハーだ！」というキャッチコピーが添えられた本作は，タイニー・ティナが進行役となって，テーブルトークRPGのような世界を旅する内容になっている。壮麗な街，暗くじめじめとしたキノコの森，不穏な空気が漂う砦といった，剣と魔法の世界にふさわしいマップが構築されているという。


　この世界で活躍するプレイヤーは「マルチクラスシステム」によって，それぞれ異なるアビリティを持つ6種類のキャラクタースキル・ツリーを自由に組み合わせて，自分のキャラクターをクリエイトできる。
　レベルを上げ，ビルドを磨き，装備を充実させることによって，プレイヤー好みの勇者を作ることができる仕組みだ。またプレイヤーの旅には仲間も参加。さらにはフレンドとパーティーを組んでのオンラインや，画面分割でローカルの協力プレイも楽しめるようになっている。

　本作の世界には剣と魔法に加えて銃が存在しているのも，「ボーダーランズ」がベースとなったタイトルならではだろう。トレイラー映像では，銃と剣，そして魔法やスキルを使う様子が見られ，中には三人称視点となって攻撃しているものなどもあり，アクションゲームとしても楽しいものとなりそうだ。


　そしてもうひとつ，今回公開された映像のBGMに，世界的な人気を誇る日本のメタルユニット「BABYMETAL」の楽曲「ギミチョコ!!」が使用されたことが，各方面のファンから大きな話題となっている。
　ハイテンポかつパワフルなサウンドとキャッチーなフレーズが心地いい「ギミチョコ!!」は2015年発表の楽曲で，本作の進行役となるタイニー・ティナのイメージにピッタリだ。インタビューではなぜBABYMETALの楽曲が本作のトレイラーに起用されたのか，その理由にも言及しているのでチェックしてほしい。


　ゲームの発売は2022年3月25日に決定。「ボーダーランズ」のファンにとっても，トレイラーでグラフィックスや世界観，サウンドなどに魅せられた人にとっても，大きな期待がかかる1本となった。その開発を手がけるGearbox SoftwareのクリエイティブディレクターMatt Cox氏とシニアプロデューサーKayla Belmore氏へのインタビューも一読いただければと思う。

クリエイティブディレクターMatt Cox氏

シニアプロデューサーKayla Belmore氏

4Gamer：
　本日はよろしくお願いします。まずは「ワンダーランズ 〜タイニー・ティナと魔法の世界」がどんなゲームなのかを，改めて教えてください。

Matt Cox氏：（以下，Cox氏）
　本作はワンダーランドの中で様々な武器を使って，ハイ・ファンタジーの世界観を楽しんでいただく作品です。この世界の中には銃や剣といったさまざまな武器や魔法が存在していて，バラエティー豊かなキャラクターも大きな魅力となっています。またその世界観についても注目していただきたいですね。見ていて美しい場所もあるんですが，非常にユーモラスで楽しい場所もたくさん用意していて，冒険もきっと楽しいものとなるはずです。


4Gamer：
　進行役のタイニー・ティナは「ボーダーランズ」から登場するキャラクターですが，同作とのつながりはあるんですか？

Kayla Belmore氏：（以下，Belmore氏）
　タイニー・ティナは過去の「ボーダーランズ」シリーズを知っているファンの方への架け橋となるキャラクターで，ファンの皆さんが気づく要素もちりばめていますが，本作自体は単体で成立するような内容になっています。ですので，プレイするにあたってシリーズの知識が必要ということはありません。

4Gamer：
　タイニー・ティナは，本作のTRPG的な世界において，ゲームマスターのような存在なのでしょうか。

Belmore氏：
　はい，存在としてはゲームマスターに近い役割ですが，厳密には「バンカーマスター」という，世界の案内役のような存在として捉えていただくのがいいでしょう。


4Gamer：
　今回のトレイラーを見て誰もが驚いたと思うんですが，サウンドにBABYMETALを起用されていまして，その出会いと起用の理由を教えてください。

Cox氏：
　開発チームにBABYMETALのファンがいまして，それが起用のきっかけとなったのですが，その後のライブツアーも見に行って，凄くカオスでファンタジックな世界観が，この「ワンダーランズ 〜タイニー・ティナと魔法の世界」の世界にピッタリだと思ったんです。アメリカでヘビーメタルというジャンルの支持層には，思春期のティーンエイジャーが多く存在しているんですが，タイニー・ティナのキャラクターも，そこにベストマッチしたというのが起用の理由ですね。

4Gamer：
　BABYMETALとボーダーランズ的な世界観を結び付けて考えたことはなかったのですが，こうやって見てみると，これほどマッチしたものはないと思いました。「ギミチョコ!!」は，ゲームの中でも流れるんですか？

Cox氏：
　サウンドトラックに関しては，ゲーム本編にはまた別のものを用意しています。今回はトレイラーでゲームプレイを初めて披露するにあたり，先ほどお話しをした通りBABYMETALの曲がピッタリだったので，使わせてもらいました。

4Gamer：
　ゲームの話に戻りますが，「ボーダーランズ」といえばハック＆スラッシュと，それによって手に入れられる多彩な武器が大きな魅力ですが，本作にもそういった要素は用意されているのでしょうか。

Belmore氏：
　はい，我々もシリーズにおいて，ハクスラが強みだということはもちろん理解していて，本作ではそこをさらに深掘りすることを一つの狙いとしています。シューターの要となる銃はこれまでの「ボーダーランズ」シリーズからさらに充実した内容で，ここではすぐには説明できないぐらいほどのいろいろなタイプを用意しました。そして剣などの近接戦用の武器もあります。
　さらに自分自身に魔法をかけることで，自分の状態を高めて挑むような戦略もありますので，ぜひいろいろ楽しんでもらいたいですね。


4Gamer：
　キャラクタークリエイトは，「ボーダーランズ」シリーズにはなかったものかと思いますが，具体的にはどんなものになるのでしょうか。

Belmore氏：
　キャラクタークリエイトには2つのポイントがあります。1つは見た目のカスタマイズですね。顔や体つき，声などを自由に作ることができ，端正な姿はもちろん，モンスターのようなキャラクターを作ることもできます。
　もう1つは，クラスの要素ですね。クラスは全部で6種類ありまして，自分のプレイスタイルに合わせて選べるようになっています。クラスの詳細は，追って情報を公開させていただきます。

4Gamer：
　お話しを聞くだけでもかなり内容は充実しているようですが，その中でもとくに注目してほしい点はどこでしょうか。

Cox氏：
　魅力はたくさん用意していますが，とくに自信を持っているのは，TRPGのようにプレイヤー自身を豊富なパターンの中から自由に選んで作り上げて，ゲームへと入っていくときに感じる世界観に注目していただきたいですね。

Belmore氏：
　「ワンダーランズ 〜タイニー・ティナと魔法の世界」というタイトルにふさわしい，場面ごとにまったく違う，ユニークな世界は，きっと楽しんでいただけるものとなるはずです。


4Gamer：
　最後に日本のファンに向けて，メッセージをお願いします。

Belmore氏：
　まずは今回お届けしたトレイラーを見ていただいた皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。これまでの「ボーダーランズ」のファンの方はもちろん，トレイラーを見て興味をもっていたいただいた方も，タイニー・ティナが届ける新しい世界を楽しんでいただきたいですね。


Cox氏：
　この「ワンダーランズ 〜タイニー・ティナと魔法の世界」は，そのタイトルにふさわしく，爆発するような高揚感を味わえる要素やシチュエーションがたくさん詰まった作品です。2022年3月にお届けできるように鋭意開発中ですので，そのときが来たらぜひそんなを味わってみてください。

4Gamer：
　発売日を楽しみに待ちたいと思います。ありがとうございました。

「ワンダーランズ 〜タイニー・ティナと魔法の世界」公式サイト